2022/11/27(日)10:33
子育て爺[40]「なんで、勉強するの」(中学・高校生編)
「なんで、勉強するの」(中学・高校生編)
子育て爺[33]で、(小学生編)を述べました。
「なんで、勉強するの」
小学生でこの疑問が出るのは、じっと静かに座っていなければならないつらさから出る疑問だったのかもしれません。
中学生・高校生になると、小学生のときとは違う、疑問が出ているはずです。
お子さんが中学校で、(-1)×(-1)=(+1)を習ってから、お父さんやお母さんに聞いてきたとしましょう。
「どうして、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるの」
お父さんが「あれは、確か、座標軸の右上と左下がプラスで・・・・・・」と言葉が詰まったとします。
お子さんが続けます。「だいたいこんなもの、生活するうえで必要はないでしょ!」「なんで、こんなくだらないもの、勉強しなけりゃならないの!」
「そりゃ、最終学歴をピシッと決めるため」なんてことは言ってはいけないことにしていました。
「なんだ!、おまえは学校に行きたくないというんか!」と、お父さんが座標軸で説明できなかった腹いせに怒鳴ってごまかすのもいいものではありません。
疑問が出たときが、知識を身に付ける最良のチャンスです。
こういう答えを準備してみました。
「これも、就職をしてからの勉強です」
これには、お子さんも反論するでしょう「こんな、へんな計算をするところになんか就職しないよ!」
そこで、続けます「たとえば、サラリーマンになるとするよ。一つの会社に入ったら、その会社のいろんなことを知っとくことが必要になってくるの。小さい会社なら小さい会社なりに、大きい会社なら大きい会社なりに、必要なのよ。一つの仕事しかやらないつもりで会社に入っても、隣の人が病気になったり、出張したり、交代で休んだりするでしょ。隣の人の仕事だって知っていないとうまくやっていけないでしょ。みんな助け合いでやっているの。」
「それと、座標軸とどういう関係があるの」と、お子さん。
「会社では「あなたには、今日から、この仕事をやってもらいます」と、ぜんぜんやったこともない仕事を与えられることがあるの。そのときに、もし「そんな仕事、嫌だから会社辞めます」ということをやっていたら、生活が安定しないでしょ。結婚して子供を作って・・・・なんて、無理なことよね。」
「だから、やったことのない仕事を短い時間に覚えて、巧みにやっていく練習が必要なの。その勉強をやっているのよ」
「いままでは、基本の勉強だったから、習ったことを身に付けていたほうがよかったけど、これからは、専門的な勉強をするようになってきてるのよ。社会に出て、急に必要になったことを、参考書を見たりして勉強をする練習よ」「それと、あなたがどういう方面の仕事に向いているかも、わかってくるでしょ。理科系と文科系に分けてどっちにむいているとか」
「じゃ、試験が終わったら、すぐ、忘れていいんだ」とお子さん。
お母さんは「期末のときには、ちゃんと思いだせるようにしときなさいよ」と一言。
「丁々発止」とは、こういったことをいうのかもしれません。
サラリーマンを例に挙げての話でしたが、音楽の楽団の団長さんは、演奏する楽器のすべてをこなす腕を持ってはじめて団長を勤めることができると聞きました。一人が急に病気で抜けるくらいでは、演奏を続けることができるようにするのです。急な応援を頼める知り合いも、持っていなければならないでしょうけど。
ラーメン屋さんでも、経理を知っている必要があるでしょうし。これだけの資金で、開店してから、何ヶ月間、赤字でも、やっていかれるか、とか。
野球の選手が、「僕は4番で、ホームランバッター」だけではやっていけなし、引退後は、放送の解説者。これも、全員がなれるわけでもないし。
何十年もの間、一つの研究に打ち込んで、その成果が実るという話を聞きます。こういった仕事ができる環境は、そう、どこにもでもあるというものではないと思います。
ーつづくー