イギリスなミステリ類

 今日は人生の楽しみにとってあるモース警部のシリーズをなんと三冊も買ってしまいました。あうう。つい。明日、ちょっとだけ遠出の出張なので、ついついつい。とか言っても古本なんだけどね(笑) 「ニコラス・クィンの静かな世界」と「謎まで三マイル」「ジェリコ街の女」の三冊ッス。どれか一つを選ぶことはできんかった。ハヤカワ・ミステリのシリーズは表紙絵が美しいのですよね。好き。そうそう、「モース警部、最大の事件」を読み直していたら、【ミスタードーナッツ 下北沢支店】のレシートを発見。あー、そう言えば下北に勤めていた頃もあったっけね、と懐かしく遠い目をしてしまいました。私の本、うっかり人に貸せない事情あり。ミスドのレシートくらいならいーですけど。でも食べ過ぎてて嫌でしたけど(笑) 20040414
 
 読んじゃった、『ジェリコ街の女』。いしいひさいち氏のコミカルミステリーツアーで見てから読んでみたかった一冊だった(こういうの多い)んだけど、思ったほどモースのレンアイ面的楽しみはなかったでした。もー、思わせぶりなタイトルだよねっ。モースのイメージって私は裏表紙のコリン・デクスターの写真そのまま(笑) デクスターにしてみたら心外かもだけど。ルイス部長刑事がやっぱりエッグス&チップスを食べていたり、モースがやっぱり女に見とれていたり、今度はギリシャ神話で、いつもよりもクロスワードとワーグナーの出番が少なかったかな。なんかやたらとビールが飲みたくなって困りものです、このシリーズは。全然お酒のみじゃない私がこんなんだから、酒飲みさんには辛そうだ(笑) オックスフォード詳細観光にはいいかもしれない箇所が前半にあったので、行くときは持ってくかね、と思ったけれど、ラスト近くでちと崩れました。でも役に立ちそうだけど。ジェリコ、エリコ。やはし聖書が近い国。 20040415

読んだですよ、デクスター 『ニコラス・クィンの静かな世界』。これはもうタイトルがいいですよねー、初めて見たとき、絶対パクって使おうと思っときました。ちなみに原題はまんまです。サイレントワールドオブニコラスクィンです。表紙もいいんですよん。窓の向こうに世界が広がっているんですが、何も聞こえないような気がするんです。椅子が一脚だけあって。ストーリーは大学の入試絡みの、オックスフォードっぽいお話なのですが、目玉はスタジオ2ですか? 今回モースに絡む(つぅか絡みにかかる? 笑)美女は3人、かな。とびきりの美人が1名いるわりには、モースの動きが鈍いかも。それよりも視線は映画女優に注がれているのか? もしかして。おおい。クィンを取り巻く人たちを描くことに傾いていて、モース個人のネタが少ないのかな。なにしろ自宅でワーグナーの場面がないし! わお! そんなわけなんで、私のような楽しみ方をしている読者には、ちょいとサービスが薄かったです。モースがただの警部になっていた気がしたよ。(いや警部なんだけど) 20040501

モース警部シリーズの第六作、『謎まで三マイル』を読みました。原題は『TheRiddle of the Third Mile』なので、直訳では『三マイルの謎』ですね。九マイルだと遠すぎるけれど、三マイルくらいなら雨の中でも歩きますかね(笑) なんつーかこう、いつもにも増してぽんぽんと跳びまくりのストーリーで(人はそれをデクスターのアクロバットと呼ぶ)、戦争なんかが絡んでくるところはゴダードか水谷豊かって感じで因縁めいたものを醸し出しているんですけれど、現代のキャラとモースの絡みがあまりなくて、そうすると私のようなモノは真面目に読んでいないので、致命的なのですよ。誰が誰やらと言っている間に三マイルが終わってしまった(涙) また読むか……。ただこの作品、モースの過去なんぞが描かれているためにキャラ萌
え読者にはたまらない一冊です。そんな人には超おススメ! あと各章のスタートにその章で起こることが要約して書かれていて、それを私は「はらー。E,Qみたいだわね。『最後の一撃』って感じ?」と思っていたんですが、解説の若島正さんによれば、これは英国ミステリの作法なのだそうです。へぇ……。私は出会ったことないですが、そすと私があまり英国ミステリを(古典を?)読んでいないつーことでしょおか、ひょっとして。あ、でもね、この若島さんて方、大庭先生の訳を間違って引用していたり、その場面でモースと話すのはディクスン巡査なのにルイスになっていたり、おそらくデクスターが意図したに違いないと思われしハーディの詩の引用を、途方もない偶然なのだろうか? と言ってみたり、結構謎です。やはしモースの解説はデクスターあるいはモースを愛していないとね(あるいはオックスフォードそのものを)。この話で一番笑ってしまったのは、ディクスン巡査のドーナツネタでした。モースがいくらパブでビールを飲んでいても私は平静ですが、彼のドーナツと、ルイスのエッグ&チップスにはめろってしまうのですよ。おなかすいた。20040518

 運命に導かれてサラ・ウォーターズ『茨の城』を半額入手。この場合、運命とはブックオフのお兄さんの呼び込みの声(笑) だってそれに出合うほんのちょっと前に、私はふつーの本屋さんでこの本を見つめに見つめて、「高いよな。2000円はなー」と思って未練振り切って逃げてきたところだったんだもん。運命だもん。19世紀半ばのロンドン(←ツボ1)で、17歳のすりの少女(←ツボ2)が持ちかけられた詐欺師に持ちかけられた話は、彼がとある令嬢(←ツボ3)と結婚し財産を手にするために、侍女(←ツボ4)として館(←ツボ5)に潜入するというものだった――。わお♪ しっげきてきー♪ 20040530
『茨の城』、圧倒されつつ読んでいます。上巻が終了。中程で一回目のどんでんがありまして、うあーて感じです。うあー。だからさ、スウ、気をつけなさいってアナタ。二回目のどんでんが楽しみ。このまま終わらないぞ~!!を期待して。『紳士』ことリチャード・リヴァース氏は全体的には魅力的ですが、私のツボはさほど刺激されていない様子です。この話はキャラに入れ込むと言うよりも、展開に、と言いますか、予想された最後の不幸を確認したい&したくないがために先に進むといった感じです。みんながハッピー♪なエンディングが好みなんですけど、当然そんなものはないのだろうなぁ、と。どの段階でも誰も幸せじゃないし(笑) 強いて言うなら、リリー様は幸せ?(笑) そうすると、誰がどれだけ不幸になってしまうのか、程度救われる人はいるのか? が問題ですかねぇ。紳士には世間を泳いでいって欲しいのですけど。 20040602
『茨の城』、読み終えました。はらはらどきどきで最後まで引っ張ってくれました。それまで見ない振りをしていた当時の生活習慣も教えていただきまして、そんな意味でも興味深い物語でしたと思います。しかし。なんて言うか、これ自体が「フランス本」と化してないですー? みたいな叫びもアリ。それにしても、ディンティの優しさに涙した下巻だったことよ。「紳士」のアレからラストまで、待ち合わせに遅れている友人を待ちながら(しかし来るなよ来るなよと唱えながら)超スピードで読んでしまったのが、ちよっと残念。どうなるのかどうなるのか、と思わせてくれる筆はこびや設定は『半身』と変わることはない、つまりオモシロかったんですけれど。(ち
なみにラストまで読んでも友人は来なかったので、あとは手持ち無沙汰に・笑) 全員のハッピーエンドを期待していたわけではないけど、こんな展開もちょっと待てい、のような。まぁつまり百合は茨にとらわれた、つーことなんですよね。リリー。ふう。奥の深い単語ですね……、コレ。古本流通世界に戻そう……。 20040610

 『見えないグリーン』(by ジョン・スラデック)を読んでいました。原題は『Invisible Green』。これもカッコいいっすね。なんかものの本では名作! と叫ばれている一作で、いつかは読もうと思っていたのでした。またかおまえ、てな調子で100円ゲット♪ 読後感想はそーですねー、クリスティ張りな感じもしましたヨ。映像化したら楽しそう。素人の道を貫く探偵は、イギリスに迷い込んだ(そんな印象・笑)サッカレイ・フィン。なかなかお茶目さんで要所要所、ズバリ笑わせてくれます。頭良さげですけど、なんかかわいい男の人。本業は作家? らしいけど、よくわかんないです(笑) 彼自身の友達関係を見てみたいような気がする。個性派ぞろいなんじゃないだろうか、本人がそんななだけに。そんな彼のチェス友達――ただ
し郵便――が依頼人のドロシア・フェアロウ。今では中年女性となった彼女が、若い頃の仲間・「素人探偵七人衆」を集めてみようと思ったところから事件はスタート、となるんだけど、お金持ちのドロシアさんも、これまたお茶目なところアリ。人は死ぬし深刻な話も出てくるんだけれど、全体的になんとなくほやんとした感じがあり、ハンサムなドロシアの甥と美人のフィアンセの登場や、よわかんない芸術家や、様々な階級・職業の人が現れて、急転直下の大団円とかとか、そういうところがクリスティっぽい。名探偵、全員集めてさてと言い、もありますし。すらりと読めちゃう楽しいミステリ、といったところ。探偵好きから一言足せば、フィンはそれほどめろりんラヴな探偵さんではなかったけれど、作風がおもぴろかったので本棚には残しておくことにします。恐るべきミスタ・グリーン 犯罪はありや? 20041022

『ロウフィールド館の惨劇』がもう少しで終わりです。Byルース・レンデル レンデルはいろいろ読みましたが、もしやこれがベスト1? と思っているところ。世間の評価もそうなん……ですよね。確か。なんかね、怖い。すべてが悲劇に向かって転げていくから。あー。人には秘密がね、あるものですよね。なんかとんでもない壁が立っているというのか、ううう、怖いなぁ。でね、私、この話もいしいひさいち氏の『コミカルミステリーツアー』で先読みしていました。あはは!(笑) そうそう! そんな話だよね! にしても、ユーニスほどの強い秘密ではなくても、どんな言葉が人を傷付けるのかわかりませんですね。20041221

 今 ゴダードの『閉じられた環』を読んでいます。彼の作品は『リオノーラの肖像』でめくるめいて以来のファン。と言っても、時代を選んでいるから、読んでいるのは半分くらいだと思うけど。文字通り、ゴダードの物語にはめくりめきますな! 今回は1930年代、大西洋航路の客船で知り合ったとびきり美人の令嬢ダイアナをひっかけて手切れ金をせしめようとする詐欺師の二人。だけど彼は本気で恋におちてしまう……。さぁどうするよおい、てな感じの話です。楽しそうでしょ。
『閉じられた環』上巻が終わりました。主人公の名前も覚えたよー(笑) ガイ。「春の館」での愛と肉欲の日々(どんなだ)の結果としてか? 第二の殺人。ダイアナとヴィタの抱えている秘密は、私の考えてるとーりなのか、展開が楽しみっす。しかしガイは煮え切らない男だな~っ。どっちやねん、どっちやねん。20050224
 ゴダードの『閉じられた環』、読み終わりました。いつもそうなんだけど、ゴダードを読み終えると、ほぉぉと深く息をついちゃいます。何人もの人生が揺らぐのを読むからね、きっと。だけどこれは今までに読んだゴダードの作品の中では、私には劣るわ。主人公が詐欺師、いやそれはいんだけど、ご都合主義て言うのかな、日和見とも違う、いつも言い訳をしているような……。感じ方だろうけど、抗えない運命に翻弄「されてしまう」、歴史の波に飲まれて「しまう」のではなく、楽な方へ、自分に言い訳を続けながら進むばかりに思えてしまったわけなのですわ。愛などない、金がすべてだ。だけどそれも時には翻る。一人称の小説で語り手がすすんで矛盾するというのは辛い。ま、それも人の心の揺れ幅だと言えるんだろう…けど。と言いながらも、下巻ラスト寄り半分はめくるめきました。電車乗り越しの危機、お花のレッスンさぼっちゃおかなの危機でした。あ、でもね、結末はちょっとがっかりだったんだけどね(笑) 20050228

 A・A・ミルンの「赤い館の秘密」を読んでいるのですが、メイド好きにはたまらないのかもしれないな……と思ってしまう冒頭~殺人までですね。探偵くん、ステキ風来坊マルチジェントルマンなんすけど、以前読んだ時放り出した理由がちょいとわかるような、な地の文です。訳の問題か? いや好きな人は好きだろうし。このくどさを楽しみましょう、つか、今回私は結構楽しいです。20050312

「赤い館の秘密」にまだ掛りきりですよ、私は。だんだん話っぷりにも慣れてきたしギリンガム君(果たして彼は探偵なるかな)とベヴリー君のユーモアにもついていけるようになりゆく私であった……。いかにもそうとも! 我らがギリンガム君が見誤るはずはないのである。おもしろくなければ関わり合うはずはないのである。ギリンガム君というのは生来そういう生き物なのだ。ーーーてな感じでな。今は池の中のところ。だけど。果たして赤い館である意味は……? 20050319

 失くしていた「ミステリーズ!」の創刊号を本棚で見つけた! と思ったら第二号でした。あぁ、学生編が読めると思ったのに……と嘆きながら、いしいひさいち先生の四コマに癒される。ドンデン市、それ行こうぜ! あ、そうそう、世にも不幸なのに楽しそうないやそうでもないかのフロスト警部が、テレビドラマ化されているということを最近知りました。あのブラックさがどんな風にドラマにてブラックなのか、ぜひとも見てみたいです。ミステリーチャンネルが見れたらいいのになぁ、とそう思うのは何度目か。20050810

 古本屋の話ばかりしているようですけどワタシ。先日危うくお店で歓喜を叫ぶところでした。いや叫んだかも、「いやっほー」とか。パトリシア・コーンウェルの『切り裂きジャック』、500円。めちゃ欲しかったけれど高いので、文庫になるこの世の果てを待っていたのですよ。この本でコーンウェル、犯人を指摘しています。ワオ。また現れた新手! でも犯人とされている人、今までにも何度も言及はされているそうです。私の中には残っていなかった……。殿下とか医者とかのことばかりで。ふむ。しかしこの画家が犯人だった場合、『切り裂きジャックの日記』の貿易商はどんなもんだ? ロンドンで「切り裂きジャックウォーキングツアー」に参加して、現場めぐりとかした時はホント、その場所ですとか言われて鳥肌立ちましたですよ。現場が残っているのも怖いロンドン。さすがロンドン。ところでジャック系で私のお気に入り本は服部まゆみ氏の『一八八八 切り裂きジャック』。柏木氏や鷹原氏の素敵さにもガツーンですが、ヴィクトリアンの雰囲気も好みですし、謎解きものとしてもかなり楽しませてくれます。はらはらするし、わくわくもする。時を経てのどんでん返しも素敵な趣向でした。服部ん……新刊とか出ないな……と、そういえば。

 パトリシア・コーンウェルの「切り裂きジャック」を読み終えました。正直なところ、期待していたほどの感動はなく、大変なお金をかけて大変な調査をしたということと、結果、犯人と目した人物には犯行の可能性が充分にあったことはわかったけれど、捜査の興奮もスリルもなかったのでした。もう一世紀以上も前の事件だから関係者がほぼなくなっている……ということが原因かなとも思ったけれど、それを言ってしまったら歴史上の事件の検証にあらかたスリルがないことになる、ので、そんなことが原因ではない。うーん。なんだろう。結局、新事実はいろいろと発見されたけれど、わぁおー! と言う決定打がない? からかな。文章が淡々としすぎているからかな。実際に現場にいたコーンウェルが現在の捜査方法と比較するようなところはおもしろいのだけれど……。20050902

 ラヴゼイの『絞首台までご一緒に』を読んでいました。原題は゜Swing swing together゛ ボートソングですね。ある夜、友達と裸で川遊び、を楽しみに寮を抜け出した女学生のハリエットは、殺人事件の重大な目撃者となってしまい、スコットランドヤードの刑事たちと一緒に犯人を追う羽目に――てなお話ですが、時代がラヴゼイお得意の、そして私が大好きな♪ ヴィクトリア朝。それも1889年、ロンドンでは切り裂きジャックの記憶も新しい頃のお話となっているです。前半は当時大流行していたという「ボートの三人男」のストーリーを追いかけての船の旅、後半はジャックの捜査も絡み出す展開になるけれど、まったくロンドンが出てこないせいなのか、じっとりと陰湿な(それも好きだけど)空気はまったくと言ってよいほどなく、まさしく休暇の爽快な空気の中で事件は解決してしまいました。女学生が主役のために文章も軽やかで、ミステリの中でもいわゆるティー&ケーキな雰囲気で、さらりと楽しめる一冊でしたですヨ。ラヴゼイはいろいろ書くなぁ。そしてどれもおもしろい♪ なぁ。20051128

 モチさんとマリアの出会いの一冊(笑) 『ナインティラーズ』を読み始めました。前々から読みたい一冊! ではあったのですけど、この度やっと。雪の中、車が道を外れたところから始まるピーター卿の物語、季節的にはぴったりでした。寒い。だけど、もう一人の主役であるところの、鐘。この転鐘術というものがこれまたどうしてよくわからない。鐘の鳴らし方にもいろいろあって、結構な苦労らしいです。今度イギリス行ったら、鐘の音に注意するべきです。他の国とはまるで違う、独自の素晴らしい術をお持ちだそうなので……これがすごい……よくわかんない(爆) ところでナインティラーズとは「九告鐘」。鐘が九回突かれれば男性の死を告げていることなのだそうデス。その後に年齢が続くそう。村のどこに居ても誰かの死を知ることができるという仕組み、ナルホド。20060116

正直、途中だれていた「ナィンテイラーズ」でしたが、ラストはまさしく一直線! でした。お、おもしろい、めくるめく展開、意外すぎる犯人!! それがまたぞっとする相手なのですよ……。ごうつくババァのエメラルド盗難事件から始まり、脱獄した犯人、顔をつぶされた死体、フランス製の肌着、かつての夫、そして鐘。読み終えた後に「うおおおー」と叫んでしまった物語でした。怖いですから、本当に! ピーター卿と言えば貴族探偵、たいていはこちらも優雅な気持ちで、お付きのバンターとのやり取りなんぞに微笑みつつページをめくるものなのですけれど、この話はサスペンスでした。小さな寒村の立派過ぎる教会と巨大な鐘という道具がどこか、ヨコミ
ゾちっくな暗さを思わせるというか、そういうの、あります。はぁ、ドキドキした。ところで今回の話でピーター卿が後見人のようなものになってしまったヒラリー嬢ですが、作家志望にして才気あふれる彼女の出番ってまたあるのでしょうか? 私なら彼女を独身主義者ピーター・ウィムジィの路線変更強行者に設定しちゃうところですけど。そして兄様&兄嫁様を安心させてあげるのよ。20060120

 『ナィンテイラーズ』のお話、ちょっとおまけ。下でこの本はモチさんとマリアの出会いの一冊よ、と書きましたが、モチさんが幻~と言って探していて、マリアに借りたその本って、昔の訳ですよね、当然。私は復刻と言うか近年に発売された創元の新訳でモチロン読みましたけれど、モチさんたちはかつての翻訳でさらに難しく読んだんじゃないかなぁ……とふと思いまして。昔訳だと名前なんかもさらに難しげな表記になっていそうだなぁ、とか。私はそういうの(岩波風? 笑)もあえて選んだり好きなのですが、もしかしたらそっちの方が百年近く前の雪に閉ざされた英国の片田舎の雰囲気は醸し出されていたかもしれないですね。たぶんわかりやすくなっているは
ずの方でもわかんないのよな転鐘術の方は、ますますわかんないものだったかもですが。ところでモチさんはピーター・ウィムジィのことなんかはどう評するんでしょうねぇ、と誰も答えを知らないことをもそもそと考えてみたり。20060124





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