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カテゴリ:南山の話
9月20日は3回目になる南山何でも検証ワークショップが開催され、南山開発のプランニングに係わっている都市プランナーとして当方も参加してきました。
今回のテーマは「里山コモンズをいかに売るか?」というちょっとアグレッシブなテーマです。コメンテーターは飯田太朗氏と成瀬恵宏氏、そして南山の自然を守り育てる会の菊池和美さんの三人。それぞれの提案と、ワークショップでの議論の詳細は、コーディネート役を買って出ている加藤さんの報告書に詳しいので割愛しますが、里山コモンズをいかに売るかという問いかけに対して的を得た説得力のある話は乏しかったような気がします。 この里山コモンズをいかに売るか?という問いかけに対する僕の答えは今のところこうです。 (1)保留地を購入する協力企業を説得し具体化する (2)地権者の換地で地権者の理解を得ながら具体化する (1)よりも(2)の方が実現性は高いだろうと見ていますが、両者に共通する課題は、里山コモンズの事業経営的メリット(少なくとも損はしない)を分かりやすく説きつつ、組合の事業計画の変更を通じて具体化しなければならないということ。要はリアリティのある事業計画と合意形成が不可欠だということです。 (1)の場合、企業は土地の仕入に要した資金回収を急がざるを得ませんから、勢い無難な商品開発を指向しがちです。家電製品を思い浮かべれば分かりやすいでしょうか。製品の平均点を上げざるを得ないわけです。特殊な層をターゲットにする商品開発は、大手にはなかなか取り組みにくい企業の事情がある。しかし、例えば共有地を有する住宅地等、普通ではない住宅地は当方が関与した「みなみ野シティコンサージュ」等、事例が全くないわけではないので、可能性はないわけではありません。要はその企画が事業経営的に○であれば良いわけです。 (2)はどうか。地権者は急いで土地を現金化する必要がない限り、慌てる必要はありません。ここに僅かな可能性が残されています。しかしあくまでも可能性でしかありません。地権者の理解を得る事業計画と地権者の信頼に足る実施体制が不可欠です。誰かがやってくれるだろうでは、ことは動くはずもありません。 つまり最大の課題は、里山コモンズを実現する責任主体の明確化と組織化、そして実践的展開ということになります。そこがしっかりしていれば、事業計画は参加者のニーズに応じて変化させていけば良いのです。必要に応じて企画者のこだわりを捨てざるを得ない場面も当然出てきます。ここでこだわっているとお客さんはいなくなってしまいます。参加者あっての里山コモンズ。あーだこうだ言っていてもしょうがないわけではありませんが、よしやるぞと言う覚悟が肝心です。 里山コモンズを実現するためには、そろそろ川をわたる必要があると感じています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009/09/22 04:49:55 PM
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