横浜市脱温暖化モデル住宅推進事業全11戸の設計者が決定し、いよいよ本格的に事業が動き出したと報告しましたが、昨日、関係者による合同現地視察会が行われました。
冒頭、横浜市担当者による挨拶の後、飯田建築工房のYさんがマスタープランの概要を説明、当方から約10年前、多摩ニュータウンN-CITYを対象に実施されたコンペで最優秀賞を取った首都大学東京の小林さんの「2直角等辺5角形敷地案」が、今回の提案につながっているという背景的な話しを少々披露。後は現地を見ながらの質疑応答となりました。
エコ住宅というと、とかく住宅単体のスペックや緑化の問題として取り扱われる傾向にありますが、横浜市の今回の取り組みが素晴らしいのは、住宅単体のエコ化以前に、まずは街そのものがエコであるべきという視点を重視している点です。とかくここんとこが見落とされがちですが、実はとっても重要だと考えています。
「2直角等辺5角形敷地」の連続体と、それら変形敷地の間に介在するコモングリーンが、自然の空調装置兼コミュニティの孵化装置となる僕たちの提案は、この問いかけに応える案として評価されたわけですが、本当にそのような期待に応えうる提案かどうかはこれからの取り組み次第でもあります。
今提案しているのは、「売り建て」という販売手法を生かして、入居者が決まってから設計~建設までの時間を使った模擬体験としての共同生活体験イベントの開催です。要はバーベキューしたり、コモングリーンの利用方法や管理運営方法をみんなで考えるワークショップを通じて、団地住民の我が町意識とコモングリーンの自主管理意識を涵養、ついでに親睦も深めちゃおうというものです。
実施には事業者の意向というハードルが立ちはだかっていますが、何とか頑張ってみたいと思います。
やっぱ残してよかった。もともとそこにはあったケヤキとサクラは存在感たっぷりです
完成模型(飯田事務所作) 手前左の建物が先行モデル住宅