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広辞苑、という辞書をご存知だろうか。
永六輔さんが以前良く引き合いに出してられたからご存知の方も多いと思う。 厚さ15センチほど。天下の岩波書店出版の分厚い国語辞典である。 こんなに分厚い辞典だから当然古今東西の言葉が沢山載っている。 私は小さい頃から、この辞典を引くのが大好きだった。 本を読むより好きな時もあったほどだ。 本を読む。解らない言葉を密やかに引いて調べる。 親に聞いてはいけないような言葉だって出ている。 「うふふふふっ」「あらら・・こんなことだったの」 と、納得する。 しかもいろいろな言葉が隣り合わせに出ているのだから、ついついそちらにも目が行く。 数段【すうだん】を引いたとしよう。 すると、隣に【スーダン】という言葉が出ている。スーダンはアフリカの国・・・・というところから「サハリ砂漠」を調べたくなり、「サハラ」がアラビア語で砂漠という意味であることを知る。 なんだサハラ砂漠って「砂漠砂漠」ではないか。と サハラ砂漠を横断した人いたっけ。と思い出し、「アラビアのロレンス」を思い出し・・・・・・と、引くことは次々広がっていく。 何せ、引けば正解がそこに必ず出ているのだからこんな面白いことはない。 気が付けば一時間は直ぐにたってしまう。 晴耕雨読【せいこううどく】なんて引いた時には・・・・・半日は過ぎてしまいそうだった。なぜって・・・【せいこううどく】隣にどんな言葉が載っているかご想像あれ。実際に引いて確かめてみるもの一興。 私は小学生3年生のとき病気で4ヶ月ほど寝て暮らした。 病院では可愛そうだからと母が家で看病してくれて、家の部屋で毎日寝ていた。 上の姉は、学校の図書館からせっせと本を借りて来てくれた。 最初に借りてきてくれたのが「ドリトル先生」シリーズ。あっと言う間に10冊くらいあったシリーズを完読。 それから一体何冊借りてきてくれたのか解らないほど読んだ。 やがて、姉も少年少女のための本を借りるのに飽きが来たのか、図書館に相応しい本がなくなったのか、もう少し難しい本を借りてきてくれるようになった。 筋は解る。しかし悲しいかな経験の少ない子供のこと。 子供の想像を超えた言葉の意味が解らない。 そこで初めてお出まし願ったのが広辞苑だった。 家にあったのはそれはそれは古い広辞苑。一体何年度版だったのか。 戦後まもなく造られてたに違いなかった。紙は黄ばんでおり、印刷も今のようにすっきりとはしていなかった。 それに解説口調も文語体に近い感じであったと思う。 せっせ、せっせ、良く読んだ。調べた。楽しかった。 学校では教えてくれないような言葉を多数ゲットした。実に充実した4ヶ月となった。それ以来、私の本棚には必ず広辞苑が入るようになった。 結婚したときも、嫁入り道具に入っていたのは言うまでもない。 外にも優れた国語辞典が沢山ある。 用途に合わせて引いたりするが、慣れ親しんで一番内容が一般的な広辞苑を未だ愛用している。 もっとも優れた広辞苑の利用法。 調べ物に飽きたとき・・・優れた枕となること。 是非お試しください。熟睡できること請け合います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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