詩劇=夢乃月愛花と美しき乙女達

　　雨宿りなんて久しぶりですわ・・・

　　急に雨が降ってくるなんて・・・

　　わたくしは何も聞いていませんわ・・・

　　天気予報では・・・今日一日晴れ・・・

　　そんなふうに聞いていましたわ・・・

　　天候が変わったせいでもありますわね・・・

　　服が台無しだわ・・・

　　わたくしのお気に入りのお洋服が・・・

　　服がびしゃびしゃ・・・

　　すごく冷たい・・・

　　雨は・・・本降りになってゆく・・・

　　きっとすぐに雨は止みますわ・・・

　　雨は久しぶりに降るのもめずらいくらい・・・

　　空を見上げる・・・

　　少し暗い空・・・

　　わたくしにとっての雨は・・・

　　やはり悲しいもの・・・

　　いつ見ても・・・悲しく思えますわ・・・

　　失恋の雨とも言いますもの・・・

　　わたくしにも・・・そんな経験はありました・・・

　　好きだったひとに失恋した出来事もありました・・・

　　どうしてわたくしの恋は・・・

　　雨のように・・・ザアザアと悲しいものになるのでしょうか・・・？

　　好きなひとと雨の中で・・・一緒に歩いたこと・・・

　　濡れながらも・・・一緒に歩いた日々・・・

　　雨は・・・別に好きではなかった・・・

　　雨の日の・・・お買い物はその雰囲気の中で・・・

　　好きなひとによくわたくしは誘われていましたわ・・・

　　雨の中のお買い物をこよなく愛するひと・・・

　　ウインドーショッピングもそうでした・・・

　　素敵な街を・・・

　　ふたりで傘を差しながらたくさんの会話もしましたわ・・・

　　わたくしたちの横を車が通り過ぎるときも・・・

　　水がかからないように好きなひとはガードしてくれたし・・・

　　雨の日の街灯もとても綺麗に感じることもできた・・・

　　雨ってこんなに素敵なものと・・・

　　好きなひとは私に教えてくれた・・・

　　雨に魔法をかけてくれた・・・

　　魔法がかかった瞬間・・・わたくしは・・・

　　もっと素敵なことに出逢いましたの・・・

　　それは・・・

　　”夜景・・・”

　　一面に・・・すべての街が見渡せる場所を教えてくれましたの・・・

　　わたくしはその感激したあまりに・・・

　　声に出してしまいました・・・

　　こんなに美しすぎる場所があったなんて

　　わたくしにはわかりませんでしたの・・・

　　わたくしは・・・恋に落ちてしまいましたの・・・

　　夜景・・・

　　その光景の中で・・・恋をしてしまいましたの・・・

　　貴方にそう・・・恋をしてしまいました・・・

　　一瞬にして・・・わたくしが恋に落ちてしまうなんて

　　滅多にありませんでしたの・・・

　　こんな雰囲気の中で・・・

　　わたくしが求めたいものは・・・

　　”キス・・・”

　　キスがしたい・・・

　　女性は・・・綺麗なものに弱いとわたくしは知っております・・・

　　雨の中で・・・

　　傘を差したままのキスも・・・

　　ロマンチックに感じます・・・

　　キスがしたくなる・・・

　　こんな夜景の中で・・・

　　ドラマみたいに・・・

　　わたくしはキスを求めていますわ・・・

　　キスの合図を貴方に送る・・・

　　わたくしは目を閉じる・・・

　　心が通じ合っていたかもしれませんわ・・・

　　貴方もわたくしに求めていましたから・・・

　　あのときは・・・本当に夢のようでした・・・

　　言葉にできないくらいに・・・恋をしてしまいましたわ・・・

　　とても大切なひとでしたわ・・・

　　でも・・・

　　貴方と会うことができなくなりましたの・・・

　　それは・・・

　　ただ・・・

　　わたくしのことをもてあそんでいたからですの・・・

　　本当の恋なんてしていなかった・・・

　　わたくしにキスをしてくれたことはいったい・・・？

　　わたくしの目の前から消えてしまった・・・

　　わたくしに近づいてきた理由はいったいなんだったのかしら・・・？

　　わたくしは・・・やさしい貴方が本当に好きでした・・・

　　そんなひとが・・・どうして・・・？

　　どうしてなのよ・・・

　　雨の中の世界・・・

　　雨の中のわたくしの世界は・・・いつだって悲しいもの・・・

　　素敵なエンディングなんて・・・きっと来ないかもしれませんわ・・・