額縁の中から・・・青い鳥が飛んでゆくわ・・・
ずっと愛していた青い鳥・・・
いつか・・・本当に・・・
素敵に羽ばたく姿を見てみたいと思ったの・・・
幸せになれると言える青い鳥・・・
青い鳥に乗って・・・私は・・・
幸せにしてくれる夢の世界に行くの・・・
ねえ・・・私を連れて行って頂戴・・・
このまま・・・夢の世界に行って・・・
青い鳥を描いたひとの所に連れていってほしい・・・
青い鳥を描いたひとは・・・きっと・・・
この鳥が本当に・・・
飛んでほしいと思いながら描いたんだよね・・・
そのひとのお話を聞いたことがあるの・・・
有名な画家なの・・・
たった一枚の絵に私は・・・衝撃を受けたの・・・
この青い鳥の絵には・・・
さまざまな技法も使われていて・・・
繊細な部分も・・・鮮やかで・・・鮮明で・・・
そして・・・生きているみたいなの・・・
今でも・・・羽ばたいてしまうそうな勢いな絵なの・・・
私はこの絵にすごく感銘を受けながら・・・
毎日のようにお願いしたの・・・
”ねえ・・・飛んでほしいの・・・私のために飛んで・・・”
青い鳥よ・・・私を夢の世界に連れていってほしいの・・・
あなたの描いたひとに逢いに行きたいの・・・
どうか・・・どうか・・・飛んでほしい・・・
もうずっと叶わない願い・・・
きっとこのまま何もないまま・・・ただ眺めているだけ・・・
どうしても諦めきれない私・・・
こうなれば・・・私・・・
この青い鳥に私の魂を込めた
綺麗な魔法の色を付け足してあげるわ・・・
今の青い色よりも・・・
数十倍の私のやさしい濃い青で塗ってあげる・・・
願いを込めながら・・・やさしく濃い青に塗ってゆく・・・
もっと・・・生きているような感じにしたい・・・
あの青い鳥を描いてくれたひとには・・・本当に悪いと思っているけど・・・
でも・・・あの額縁から・・・
出してあげたいと私は思っていたの・・・
こんな額縁の中にいても・・・何も楽しみなんてないから・・・
ずっと・・・毎日のように色を塗り続けた・・・
しばらくして・・・
青い鳥が・・・目覚めたかのように・・・
翼を広げながら・・・飛ぶ準備をしている・・・
きっと・・・飛ぶのね・・・
私の想いが・・・つながった・・・
ねえ・・・私を夢の世界に連れて行って・・・
あなたを描いたひとに逢いに行きたいの・・・
私を乗せてくれるかな・・・?
青い鳥は・・・
私を乗せてくれて夢の世界に行くことができた・・・
やはり・・・美しい青い鳥・・・
これは・・・まさしく夢・・・
私のために飛んでくれたの・・・?
私・・・すごくうれしかった・・・
青い鳥は・・・
私の言葉が分かるのかしら・・・?
あのひとは・・・もうすでにいなかった・・・
もう・・・亡くなっているのは当たり前・・・
夢の世界には
あのひとはいなかった・・・
せめて・・・
せめて・・・
あなたに伝えたかったの・・・
私があなたの代わりに・・・
青い鳥を本当に・・・
飛んでみせたことを・・・伝えたかった・・・
夢の中だけ・・・青い鳥は・・・飛んでくれる・・・
ただし・・・
現実の世界では・・・額縁の中に青い鳥はいる・・・
夢の中で・・・私一生懸命に青い鳥を育てるよ・・・
もっと・・・立派な素敵鳥になってくれるように・・・
青い鳥よ・・・いつも私のそばにいてね・・・