カテゴリ:エッセー
父が開拓者として脚を踏み入れたのは今から50年前。
先日亡くなった父の歳から計算すると父が38歳の時。 未開の地はジャングルのようだった。 毎日毎日開墾と焼き畑とで一年が過ぎたように思う。 幼かった私は何をしていたのか記憶にはない。 冷たい水が流れる土地。 何メートルも泥炭層が埋もれ朱錆び色の水がずぶずぶと湧いていた。 でも、そこにある自然は無垢で見返りを求めない。 水芭蕉が咲き、谷地坊主が緑の新しい葉を伸ばし青く揺れる頃 水辺のそばの山の斜面はカタクリやエゾエンゴサクが咲き乱れる。 谷地坊主の葉の中にも花の世界がある。 ヒメイチゲ、花の直径が1センチ弱の小さな花。 名のとおり一華(イチゲ)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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