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夢  宵  桜

夢  宵  桜

美しい月の話

○美しい月の話

毎日姿を変えて夜空に浮かぶ月は、古代から人々にとって神々しく
畏れ多く、神秘的なものだったことでしょう。

月には実にさまざまな呼び名がつけられてきました。

月は新月(しんげつ)→上弦(じょうげん)→満月(まんげつ)→下弦(かげん)の順に
満ち欠けを繰り返しながら29.53日で地球を一周します。

常に同じ面を地球に向けて回るので、地球からは月の裏側を見ることができません。

明治5年に現行の太陽暦に変わるまで、日本では太陰太陽暦(いわゆる旧暦)を使っていました。
 
太陰(たいいん)というのは月のことで、月の満ち欠けを1ヶ月とした暦を使っていたのです。
 
これを一朔望月(いちさくぼうげつ)といい、大の月を30日、小の月を29日としたのですが
これでは1年間が約354日となってしまうので、太陽の運行との差が約11日出てしまいます。
 
この調整をはかるため2~3年ごとに1ヶ月の閏月(うるうづき)を設け、1年を13ヶ月とした年がありました。

さて、話しを暦の上での月(ひと月)から天体の月(お月様)に戻しましょう。
新月から次の新月までの満ち欠け度合いを「月齢」(げつれい)といい、それぞれの形に
美しい名前がついています。

新月(しんげつ)
 太陽・月・地球が一直線に並び、肉眼では月を見ることができません。
 毎月の第1日目の月で、暦の上では「朔」(さく)といいます。
 「朔」は「ついたち」とも読み、今でも9月1日を「9月ついたち」と読むのはここからきています。
 「ついたち」は「月立ち」がなまったもので「月が立ち始める日」
 つまり月が太り始める日を意味しています。「朔」の字は月と逆(さかさ)の会意文字で
 月が一周してもとの位置に戻ったことを示しています。
 
三日月(みかづき)
 毎月の第3日目の夕方に出る細い月。女性の眉(まゆ)に似ているので眉月
 ともいいます。三日月は美しさと形の鋭さからほかにも異名が沢山あります。
 
上弦(じょうげん)・弦月(げんげつ)・弓張り月(ゆみはりづき)・七日月
 毎月の第7~8日の夜、新月と満月の中間に出る半月。弓を張ったような形で
 真夜中頃にその弦を上にして月の入りとなるのでこの名があります。
 上弦の月は日本のように北半球では必ず右側が明るい半月となります。
 また、月の地形の違いから上弦の月は下弦の月より明るく見えます。
 
十三夜(じゅうさんや)・十三日月
 毎月の13日目の夜に出る月。十五夜に次いで月が美しいとされ、古く平安時代から
 月見の宴が催されてきました。
 
満月・十五夜・望月(もちづき)・十五日月
 新月の朔(さく)から15日で満月となります。満月は「望」(ぼう)ともいい
 日没とほぼ同時に出て全面が明るく輝き、まん丸の月となります。
 「望」の原字は「人が伸びあがって遠くの月を待ち望む様」を示しているのだそうです。
 そこから「望み(のぞみ)」という言葉が生まれたそうです。
 
十六夜(いざよい)・十六日月
 いざよいは「いさよう」「いざよう」から来た言葉で、ためらう・ぐずぐずするという意味です。
 満月の翌日の十六夜の月は、月の出が前日の満月より40分から1時間程度遅くなるので
 『月が出るのをためらっているのだろう』と十六夜と書いて「いざよい」と読むようになりました。
 
立待月(たちまちづき)・十七日月
 17日目の月で、夕方、月の出を立ちながら待っていても、そんなにくたびれない頃に
 出てくるということです。
 
居待月(いまちづき)・十八日月
 月の出が日没よりだいぶ遅くなり、座って待つので居待月といいます。
 
寝待月(ねまちづき)・十九日月
 月の出は十五夜の頃には日没とほぼ同タイミングですが
 それから二十日すぎまでは毎日50分から1時間ほど遅くなってきます。
 もうこの頃になると寝て待つような時間帯になってしまうので寝待月といいます。
 
下弦(かげん)・二十三夜・二十三日月
 真夜中の十二時頃に出る半月。上弦とは逆に左半分が明るい半月となります。
 月の入りの時、その弦が下向きになるのでこの名があります。
 十六夜(いざよい)以降の月は朝まで残っているので「有明(ありあけ)の月」とも呼ばれます。
 二十三夜の月は昼近くまで残っています。
 
三十日月(みそかづき)
 三十日目になると月が太陽に近すぎるため姿が見えなくなります。
 「晦日」(みそか)、「晦」(つごもり)ともいい、つごもりは「月隠」(つきごもり)
 が変化したもので、月の光が隠れて見えないという意味があります。
 各月の最終日を晦日(みそか)といい、一年の最終日を「大晦日」(おおみそか)
 というのはここからきています。


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