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世界一流スパにも勤務中!       元豪華客船セラピスト★海外女社長 ・由美どんのアメリカ挑戦★

夜中のお医者さん

この題を話す前に前置きをしたい。

うちの両親が5月13日から5月20日までハワイに来る予定。

人生で初めての「親孝行」を形にしようと思い、
思い切ってへそくりを両親の為に自分で働いて貯めた。

何も知らない我が家のアメリカ旦那にどういうわけかそのへそくりが見つかって、
危うく使われそうになったので、

「それだったらいっその事!」と思い切って「全額両親に投資宣言」した。

しぶってる旦那を正直言って男としてみすぼらしく思う。。。

4年間あなた(旦那)が大学に行けるように働いたのは私。

4年間、本当に長い間

「学生だから」とか「学生結婚でお金がないから」と親孝行にエックスキューズしてたのにもほどほど疲れた。

私は親孝行がしたいのだああああああああああ!

私は親にもハワイの美しさを見せてあげたいのよ!

本当は正直言ってローレックスが欲しい!ヴィトンが欲しい!
めちゃめちゃ買いたい!

でもこんな自分の自己満足よりも
一生の思い出をうちの両親と自分(ついでに)うちの旦那にも作ってあげたい。

寛大な気持ちで全額投資したい。

こう思えるのも 神様に毎日助けて頂いてこうやってやってこれたからこの感謝を他の人にも分けたいと思う。

まずは一番身近な夫と自分の家族を大事にしようと思う。

前置きが長くなりましたが。。。。

うちの母がハワイに来るにあたり
「母のやってくれた良い思い出」を毎日少しづつ思い返してます。

その中の1つの思い出をどうしても書き綴りたいです。

(病気だったのでうろ覚えなんですが、)

あれは確か私が4つか5つぐらいだったと思う。

うちの母はその時、最初の夫と離婚したばかりだった。

幼い私と2つ下の妹を一人で引き取り、なんとか生き抜くために
夜中にホステスとして仕事をしていた。

当時は女性に出来る高額収入の仕事は限られていた。

幼い頃、母がホステスだという事を毎日恥じていた。
祖母に「ホステスは恥ずかしい仕事」とそういい聞かされていたからだ。

祖母にそう言われながらも、母は頑張って育ててくれた。

母はホステスだったので、夜に数時間だけ家にいなかった。
託児所に預けるお金も無かったのだろう、私と妹は2人で心細く家で待ってた。

母が帰ってくると母は私を抱き上げて驚いた。
私は高熱が出ていた。

母は慌てて私をおぶって、外に飛び出した。

体が熱くて息をハアハアしている私をおぶって母は全力で走った。

うろ覚えに母に
「お母さん どこにいくの?」と聞いた。

母は「お医者さんよ」と息を切らせながら走った。

時は夜中の2時頃だったと思う。。。。

夜中にお医者さん、やはり開いてはいなかった。

インターホーンごしに母は「娘が病気なんです。診てやって下さい!!!」と頭を下げていた。

インターホーンから何も返答はなかった。

母は次の小児科に走った。

揺られながら、母の香水の香りがした。
母を綺麗だと思った。
お母さんみたいになりたいといつも憧れていた。

次の小児科も「主人は寝てますので。明日いらしてください」というような事を言っていたと思う。

母は「そこをなんとか!」と食い下がった。

それでもダメで、
母は次の病院に走った。

付いた所は、私の生まれた産婦人科だった。

母が頻繁にとてもお世話になっていた産婦人科で、顔見知りである。
「科」が違うにも関らず、母が頼むと先生の奥さんはすぐにドアを開けてくれた。

母は「この世の喜び」といわんばかりに喜んだ。

母は靴を履いていなかった。。。
あんなに美しい事に気を使っている母が
商売用に履く為に持っいる美しい靴を履いてなかったのだ。

子供心にショックだった。

熱が高くて幼い私はもう話せなかった。

母に連れられてパジャマに白衣の優しい先生に見てもらった。
解熱剤をお尻に入れられたと思う。

産婦人科にある めちゃめちゃ大きな黒い古時計の振り子がゆらり、ゆらり、と揺れていた。

母は深々と何度も先生とその奥様に「ありがとうございました」と頭を下げていた。

黒光りした冷やっこい古いソファーにボーっと座って見ていた私は
母を「ちょっと騒がしい人だ」と思った。

母はまた「靴の無い病院の玄関先」で取り乱した事を恥ずかしそうにしながら、
「スリッパを履い行って下さい!」と薦めていらっしゃる先生の奥様の誘いを断って、母は深々と頭を下げ、また私をおぶって外に出て行った。

ゆっくり確実に歩むその背に私はしっかりつかまっていた。

「お母さん 裸足(はだし)だね」と私はつぶやいた。

母は「慌てちゃった☆」と笑ってた。



この思い出は母にどれだけ私が親孝行をしたいかと思う気持ちにつながる。
大事にしてくれた分
大事にしてあげたい。

今度は私がおぶってあげたい。


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