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2016.09.24
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カテゴリ:歴史・文学など
まずは、高村光太郎の詩から。

「花のひらくやうに」
おのづから ほのぼのと
ねむり足りて
めざめる人
その顔 幸にみち、勇にみち
理性にかがやき
まことに生きた光を放つ
ああ 痩せいがんだ この魂よ
お前の第一の為事は
何を措いても ようく眠る事だ
眠って眠りぬく事だ
自分を大切にせよ
さあ ようく
お眠り、お眠り



眠りは、人間の体と心を和らげてくれる。
傷ついた魂を持つ人は、何も考えず、
そのままで良いから、ただ眠ればよいのである。

ということね。

我が家は、今は不眠症の人はいないような。
次男坊は生まれて間もなくからずっとアトピー性皮膚炎で、
眠ってもすぐに痒みで泣いて起きていました。
それをこすってあげたり、薬をぬったりで、
私たちも、なかなか続けて眠ることができず、
万年寝不足でした。

しかし、おかげさまで体質も少しずつ改善して、
今はぐっすり眠れるようになったようです。
ふだんも、ほとんど痒みがなくなったそうですよ。
よかったです。

では、次の詩。
島崎藤村です。

「朝」
たれか聞くらむ 朝の聲
眠(ねむり)と夢を 破りいで
彩(あや)なす雲に うちのりて
よろづの鳥に 歌はれつ
天のかなたに あらはれて
東の空に 光あり
そこに時あり 始(はじめ)あり
そこに道あり 力あり
そこに色あり 詞(ことば)あり
そこに聲あり 命あり
そこに名ありと うたひつゝ
みそらにあがり 地にかけり
のこんの星と もろともに
光のうちに 朝ぞ隠るゝ



※「のこんの」とは残りの(まだ残っている)の意味

しっかり眠って、朝目覚めると、
こんな素敵な朝を迎えることができるのですね。

私も、毎朝目覚めたら、まず一番に、
「今日もまた目覚めることができたこと」を感謝します。
また、新しい一日を過ごすことができるのですから、
こんなうれしいことはありません。
(寝ている間に、心肺停止になってしまう可能性がありますから)

一日の最初が、感謝の気持ちで始まるので、
ベッドから起き上がると、神棚に必ずお参りしますよ。
二礼二拍手 お祈りをしてから、また一礼。

そうしてから、活動開始です。

いっぱい活動して、日が暮れると、こんな詩が。
島崎藤村です。

「暮」  
たれか聞くらむ 暮の聲(こえ)
霞の翼(つばさ) 雲の帯
煙の衣(ころも) 露の袖
つかれてなやむ あらそひを
闇のかなたに 投げ入れて
夜の使の 蝙蝠(こうもり)の
飛ぶ間も声の をやみなく
こゝに影あり 迷(まよひ)あり
こゝに夢あり 眠(ねむり)あり
こゝに闇あり 休息(やすみ)あり
こゝに永きあり 遠きあり
こゝに死ありと うたひつゝ
草木にいこひ 野にあゆみ
かなたに落つる 日とともに

色なき闇に 暮ぞ隠るゝ


いいですねー。
静かな夕暮れ。
それが次第に夜に移り変わって行くときの、
いろんな情緒を、しみじみとあじわっている詩です。

そしてまた、最初の高村光太郎の詩にもどり、
しっかり眠って、心身を休めるの。


美意延年と申します。
心豊かに、小さな幸せをかみしめつつ
のんびり生きてゆきましょう。


では、今度は、古今和歌集より、恋の歌を二首。
両方とも、小野小町です。

思ひつつ ぬれはや人の 見えつらむ
夢としりせは さめさらましを

(あのひとのことを思いつつ寝たから夢でお会いできたのでしょうか、夢とわかっていたなら、目覚めなかったのに・・・)

うたたねに 恋しきひとを 見てしより
夢てふ物は たのみそめてき

(何も期待はしていなかったのに、うたたねで恋しい人にあえた時から、「夢」というものを頼みにするようになりました)

眠ることは、心身を和らげるという詩を最初にのせたけど、
眠っている間には、夢を見ることがあるのですね。
そのおかげで、恋しい気持ちがなおさらつのることも。

次は、万葉集から、大伴家持の和歌を。

夜昼と いふわき知らず 我が恋ふる
心はけだし 夢に見えきや

(私は夜も昼もなく、あなたのことを恋しく思っています。そんな私が、貴女の夢に出てきてはいませんか?)

いやぁ、面白いですよね。こんなに恋しく思っているのだから、
きっと、恋しい人の夢に自分が出てきているはず、
そう言って、自分の思いの強さをアピールしているのですね。
でも、もらった女性が家持を好きでなかったら、
ちょっと鬱陶しいかも。

同じく大伴家持

夢に逢ひは 苦しかりけり 驚きて
かき探れども 手にもふれねば

(夢で逢えたけれど、心がとても苦しいよ。驚いて目覚めて寝床を手探りしても、君に触れることができないのだから)

ですって。
これ、ひょっとしたら、自分の夢に出てきたのだから、
相手も自分のことを恋しがっているのかも、うれしく思う気持ちもあるかも。

この歌を送った相手は、従妹で、のちに正妻となった坂上大嬢。
この歌の中に出てくる「かき探れども手にもふれねば」というのは、
当時大流行していたらしい、中国の「遊仙窟」という小説の中の表現。
つまり、この言葉が入っていることで、その小説の官能的なところまでが、
この短歌の風情に含まれているのです。
贈られた坂上大嬢は、艶めいた気分になったかもしれません。


さて、長くなりましたので、今夜は、これくらいで。

   








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Last updated  2016.09.24 22:36:25
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