しかたのない蜜

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」179

  　予想とは正反対に、カレンは母性的な笑みを浮かべていた。　穏やかに語りかけられる。「あなたの言うことは真実かもしれない。でも、私は紅月カレン。かつて紅蓮であなたと戦った女なのよ。自分の身くらい、自分で守れるわ」「けど、もし……」「もしものことがあったら」　そこでカレンは言葉を切り、毅然とした光を瞳から放った。「それでもいい。私が、選んだ道だから。私はスザクの支えになりたいの」 　　　　　　　　　つづく　ポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓　　

  2009年07月28日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」178

  「あんたたちがいつまでも朝食に出てこないから、何かあったんじゃないかって思ってここまで来ただけよ！」　一喝してから、カレンはスザクの肩に置かれたジノの手をそっとどけた。　青ざめたスザクを安心させるように微笑みかけてから、ジノに顔を向ける。「ジノ――私のことを心配してくれてありがとう」　てっきり叱咤されると思っていたジノは、あっけにとられた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月27日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」177

  スザクはうめくように答えた。「それは……できない」「だったらカレンを抱くな！　それが覚悟ってもんだろ！」　ジノは叫んだ。　スザクの瞳が大きく揺らぎ、観念したかのようにうなずこうとした時。　扉が開いた。　肩で風を切り、赤い髪を逆立てたカレンが姿を現す。すでに寝着ではなく、普段着に着替えていた。　憤怒の形相で駆け寄ってくるカレンに、ジノは呆然とつぶやいた。「カレン……聞いてたのか」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月25日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」176

  ナナリーの配慮から、男性であるジノとカレンの寝室は離されているが、やはり小さな足音や気配で勘づいてしまう。　そう思ってそっと寝室から出てみると、シルクの寝着を身にまとったカレンがスザクの寝室に向かっているのだった。　その後ろ姿はたまらなく官能的かつ、愛情に満ちあふれていた。　ジノは嫉妬と懸念を覚えずにはいられなかったのだ。　こうしたカレンが、何らかのトラブルを巻き起こすことを。　そう思って、カレンには忠告したのだが、無駄に終わった。　震えるスザクの両肩を掴み、ジノは訴えかける。「スザク。カレンと別れろ。できれば、もう二度と身辺に近づけるな。それがお前のためであり、彼女のためだ。でなければ、ゼロとして生きるのを今すぐやめろ！」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月24日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」175

  ジノは言葉を続けた。「奴らはそこを突いてきたんだよ。どうすれば変わってしまったゼロ――お前が傷つくか。それは、愛する者を奪われることだと。ナナリーよりもカレンを選んだところが奴らの狡猾さだな。ナナリーには咲世子がいるし、ブリタニア帝国貴族・唯一の生存者だから、警護も万全だ。が、カレンは今やあくまで一般人だ。パイロットとしては一流だが、本人自体は女性だから非力だ。もしカレンが奴らに拉致され、殺される――いや、それよりもっと”ひどい目”に遭うようなことがあったら……」　自分で言っていて、寒気がしてくる。　ここで言う”ひどい目”とは、陵辱のことだった。　スザクの気持ちを傷つけないよう、婉曲的に表現したが、今のカレンを知る者なら誰でも分かるだろう。　気丈さと、どこか守ってやりたくなるような雰囲気が同居している、大きな瞳。　女性らしく、まろやかな肉体にはしっかりとした筋肉もついていて、得も言われぬ色香を放っている。　かつてのカレンは、もっと子供っぽく、女性というよりきかん気な子供といった風情が強かったのだが――。（お前のせいだよ、スザク。お前がカレンの美しさを開花させたんだ。特に――このアリエス離宮で毎晩、カレンを抱くようになってから）　こっそりカレンはスザクの寝室に向かっているつもりかもしれないが、元ラウンズであるジノがそれに気づかないわけがなかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月23日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」174

  「どうしてそんなことをっ？」　スザクが激昂した。　自分がスザクを追い詰めていることを感じながら、ジノは良心の呵責に耐えつつ、話の本題に入る。「カレンを裏切り者だと思っているのさ。カレンが日本人であることを誇りに思い、日本独立のために戦っていたのは周知の事実だ。現に今、日本人の名字を名乗っているしな。そのカレンが、かつて戦っていた――そして一部のテロリストに命を狙われているゼロの側にいる。これは何かある、と考えられても不思議じゃないんじゃないか？奴らほど推測好きな人間はいないことだしな。特にスザク。お前がルルーシュに変わってゼロを演じていると憶測している人間がいないとも限らない。やはり仕草や話し方は、完璧にはコピーできないだろう？」「だから僕は……なるべく表舞台には立たないことにした」「そうだな。あくまでそれはナナリーに任せて」「そして、柩木スザク個人の幸せは捨てたつもりでいて……」「けれど、カレンとの幸せはあきらめきれなかった」 スザクの顔が、悲しげに歪んだ。「……っ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月22日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」173

  ジノはおのれが残酷なことをしようとしているな、と思いつつも言葉を続ける。「あくまで俺の予想なんだが、テロリスト側も不思議に思ったんじゃないのか？カレンがこんな長期に渡ってアリエス離宮に滞在することを。かつてカレンはゼロと敵対した人間だ。それがなぜ、ゼロの側にいるのかと。たぶん奴らは二通りの答えを予測したんじゃないかと思うんだ」　ますます青ざめてゆくスザクの肩を掴む。「一つ。カレンは今でもお前を殺そうと、表面だけ笑顔を取り繕い、命を奪う機会をうかがっている」　少しだけ、スザクの表情がゆるんだ。　それならばいいだろう、と考えているのだ。　だが、ジノの二つ目の予測は残念ながらスザクの希望を打ち砕くものだった。「二つ。奴らは、カレンとお前が特別な関係であることに気づいているから、カレンの命を狙おうとしている」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月21日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ第四章」172

  　一瞬後、ジノの頬は安堵と少しばかりの落胆でゆるんでいた。（何だ、スザクの奴、昔から少しも変わってないじゃないか。本当に、単純な奴）　スザクの顔面は青ざめ――強く唇を噛みしめていたのだった。　”僕は、カレンのことが心配だ”　そう告白しているようなものだった。　そのスザクになおもプレッシャーを与えるようで悪いが、事実であることは仕方ない。　ジノはスザクに歩み寄り、説得するように言葉を続ける。「そう思ってよく見れば、屋敷の周りを同じ車が張ってることに気づいた。俺、結構車には詳しくてさ。色は黒で地味なんだけど、車種はすぐ分かるんだ。しかもその車――どうやらカレンを見張ってるみたいなんだ」　スザクが息をのんだ。ポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月20日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」171

  着替え終わったら、きっとスザクは自分の話に個人として耳を傾けもしないだろう。　そう危惧して、ジノはここまで来た理由を述べる。「なあ、スザク」　あくまでジノが呼びかけるのは、”ゼロ”ではなく、”スザク”だった。「ここのところ、この屋敷の周りに怪しい奴がうろついてるのに気づいてるか？」　ボタンを止めるスザクの手が止まった。「はっきりした人影を見たわけじゃない。けど、なんとなく感じるんだ。殺気、ってやつを」　そこで言葉を止め、ジノはスザクの表情を窺った。　今ならゼロの仮面はつけていない。カレンへの気持ちもはっきりと分かるだろう。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月19日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」170

  「一緒に朝を迎えて、楽しく一日を過ごすなんてことは僕たちはしちゃいけない。僕は――太陽が昇っている時は、ゼロでいなければならないんだから」「後朝の別れ、ってやつか」「君は僕の知らない間に、ずいぶん日本に詳しくなったんだね、ジノ」「ああ。どっかの誰かさんが愛する彼女を放って、世界平和のために生きてる間にね。少しでも彼女の生まれた国になじんでおきたかったんだ」　ジノの皮肉に、スザクは少しも応じなかった。　無表情に起き上がり、着衣していく。　その服装は、ゼロのものだった。　あと一時間ほどで、ナナリーたちと朝食を共にしなければならない。　ゼロとして、淡々と一日のスケジュールをこなしている風情だった。　目の前にジノがいるというのに、着替えを見られても気にしている様子はない。　これからのスザクは、あくまで”ゼロ”なのだ。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月17日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」169

  ベッドにうつぶせになったまま、顔を半分だけ上げてスザクは答えた。　大人と少年の狭間を行く肉体が、シーツから透けて見える。　同性であるジノから見ても、危うい色気のある体だった。　強靱だけれども、どこか線が細く、守ってやりたくなるような――。　だから、カレンもスザクのために身を投げ打ったのだろう。　部屋のあちこちに残るカレンの香りに、ジノはスザクへの嫉妬と羨望を覚えずにはいられない。　が、今はそんな個人的な感情に身をまかせているべき時ではなかった。　自分を冷静にさせるべく、ジノはわざと軽い口調で述べる。「ちゃんと起きてたんだ。カレンが部屋を出て行っても追わないから、寝てるんだと思ってた」「それは、僕たちの掟だ」　冷たい芯が通った声でスザクは答えた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月16日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」168

  　若々しいテノールが、カレンが掛けたシーツを被ってうつぶせに眠るスザクに呼びかける。「起きているんだろう、柩木スザク――あえてゼロとは呼ばないよ。君も、その理由は分かっているだろう？」「そうだね、ジノ」　眠っていたはずのスザクは答えた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月15日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」167

  （困ったものだわ――だから私がしっかりしないと！）　本来ならば、恋人とともにゆっくりと朝を迎えたいのだけれど。　そんな甘えは、カレンとスザクには許されるはずもなかった。　スザクを起こさないように、そっと彼の腕を自分の体から離し、カレンはベッドから起き上がる。　スザクのぬくもりから抜け出ると、改めて外気の冷たさが感じられた。　素早くナイトガウンを身につけ、誰にも気づかれないよう左右を見回しながらカレンは部屋を出た。　　カレンの足音が消え去った後、静かにドアが開いて閉まった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月14日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」166

  すやすやと寝息を立てるスザクは、少年そのものだった。　その寝息で目覚めたカレンは、重い瞼を開ける。　カーテン越しに見えるのは、月明かりから陽光に変わっていた。　まだ早朝なのだろう。　鳥のさえずりが聞こえ、空はほの暗い。　スザクの右腕はカレンに腕枕し、左腕はカレンを抱きしめるように、豊かなバストの上に置かれている。　その苦しさで自分は彼より早く目覚めてしまったのだろうか。（まったく、甘えん坊なんだから）　スザクの無邪気な寝顔を見ながら、カレンは苦笑した。　こんな少年が、ゼロとして世界を背負っているなんて。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月13日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」165

  スザクの重みを全身で受け止めながら、カレンは眠りに落ちていった。　その寸前には、スザクの安らいだ笑みが見え、ほのかにカレンを安堵させたのだった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月12日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」164

  カレンはそれを精一杯受け止め、スザクに体を広げてゆく。　幾たびも波が押し寄せ、突き落とされてゆくうちに、カレンはスザクの最後の飛沫を浴びていた。　小さくうめき声を上げ、スザクがきつく瞼を閉じる。「うっ……」　同時に、カレンも大きく体をのけぞらせた。「ああっ――っ！」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月11日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ第四章」163

  そうしなければ、彼はこの世界に生きていられなくなってしまうから。　スザクを海のように受け容れつつ、カレンは応える。「見て……る、スザク。あなたを。今の私には、あなたしか見えない。あなたが、いっぱい詰まってる」「カレン、本当……？」「ええ――！」　スザクを力づけるように微笑みかけると、切ないほどのキスが落ちてきた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月10日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」162

  視界いっぱいに、スザクの嬉しげでいて、それでいて不安そうな表情が広がっていた。　幼子が、母親を求めるような瞳。「僕を見て」「うん……」　日頃の気丈なカレンなら、即座に「とっくの前から見てるわよ」などと言い返しただろう。　が、身も心も繋がっている今は、スザクの脆さが痛いほど伝わってきたから、素直に心を伝えることができた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月09日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」161

  スザクの背中に両手を回し、両脚を腰に巻き付ける。　スザクもそんなカレンを離すまいとするように、カレンに埋没してくる。　二人は寒さを逃れるように抱き合い、互いに互いを求め合った。　激しいくちづけの後、スザクはカレンの両頬を手で覆う。「目を開けて、カレン」「……？」　激しい交わりに吐息をつきながら、カレンは瞼を開いた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2009年07月06日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」160

  たとえ”ギアス”がきっかけだとしても。「カレン……本当に、僕を受け止めてくれる？　こんな僕を……父さんを……ルルーシュを殺してしまった、罪深い僕でも」「ええ」　カレンはスザクの震える唇に、人差し指をあてた。「だからもう、言葉じゃなくてその体で、私を受け止めて、スザク。私もあなたを受け止めるから……」　カレンの体が反転した。　スザクにかき抱かれ、上から強く貫かれたのだった。「あっ……」　まっしぐらな快楽が、背筋を突き抜ける。　　　いつしか体を弓なりにさせて、カレンはおのれからスザクを求めていた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月03日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」159

  涙を流しながら、スザクは叫ぶ。「カレン、カレン――僕を助けて！」「ええ……私の全身全霊をかけて、あなたを受け止めてみせる！」　ありったけの笑顔を浮かべながら、スザクの額ににおのれの額をこつん、とあてる。　スザクが泣きじゃくりながら、上目づかいで見つめてきた。　おびえた子供みたいだ、とカレンは思った。　本当は優しいのに強がって、傷を負ってしまった子供。　それは自分も同じだ。　だからこそ、二人は惹き合った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月02日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」158

  「うっ……」　低くスザクがうめいた。　心の傷をえぐられたのだろう。苦しそうに眉を寄せる。　けれど、これも治療の一つだ。　世界の平和と、ルルーシュとの約束を背負ってしまった一人の少年への、せめてもの救い。　そう自分に言い聞かせて、カレンは彼にくちづけた。　長い接吻の後、ゆっくりと、噛んでふくめるように語りかける。「だから、今だけでも、素顔のままのあなたでいて……そうして、私を抱いて」　きつく閉じていた瞼を開き、スザクはカレンを抱き返した。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年07月01日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」157

  「それは……」　言葉の途中で、カレンに最初の波がやってきた。「んあっ……！」　きつく瞳を閉じ、頭の中に閃光が走っていくのを感じる。　肩で息をしながら崩れ落ちると、スザクが両腕で受け止め、強く抱きしめてくれた。　荒い呼吸の中、カレンはささやく。「それはあなたも同じでしょ、柩木スザク」　カレンの髪を撫でていたスザクの手が、ぴたりと止まる。　先ほどまでの余裕は、どこへやら。　戸惑うスザクに、カレンは挑んだ。「そうよ。ゼロじゃなくて、柩木スザク。私の前では、あなたはゼロじゃなくて、スザクなのよ。だから今、私を抱いてるんでしょう？」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月30日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」156

  スザクは驚いたらしく、巧みな手を止める。　その隙に、カレンは彼の腕から逃れ出て、体勢を変えた。　スザクの上に仰向けにされている姿勢から、その体の中心にまたがる。　一瞬、スザクは驚いて体を凝固させたが、すぐに微笑んだ。　こういったことは、ギアスをかけられている間、彼自身がカレンに仕込んだことなのだった。　　　　　必死に腰を上下させるカレンに、スザクが熱くささやく。「君のこういうところ、大好きだよ、カレン。正直で、まっすぐで……でも強がりばかりで」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月29日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」155

  「スザク、お願いだから……早く……」「早く？」　かすれた声でスザクが問い返す。　カレンの負けん気に、火が付いた。　ますます激しさを増してくるスザクの愛撫に理性を崩壊させまい。　そう心に決めて、叫ぶ。「そんなふうに……んっ……あっ……私に選ばせるなんて、卑怯ね……っ」「卑怯？　僕のどこが？」「訊かれなくても、ちゃんと分かってるでしょっ！」　業を煮やして、カレンは叫んだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月27日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」154

  感じすぎて、苦しくて、でも切なくて、いとおしくて。　この交わりは、麻薬だ。　カレンは思った。　国と国との争いも忘れさせ、カレンが紅月カレンと名乗るブリタニア人と日本人のハーフであることも――そして、スザクが今や”ゼロ”であることも。　天井に映る二人の影は、からみ合う蛇のようだった。　どちらがどちらだか、分からないほどきつく結ばれた二匹の蛇。　それが不幸な姿なのか、幸せな姿なのか、カレンには分からない。　けれど、今、確実に分かっていることは。　スザクに満面なく愛撫を施されながら、後ろ目で彼を見やる。　いとおしげだけれど、どこか容赦ない目をスザクはしていた。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月26日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」153

  あくまでも浅く差し込まれているせいだ。「ん……あっ……」　そんなカレンを嬲るように、スザクの熱い掌が、豊かなバストをもみしだき、乳首を軽く、強くつまむ。　もう一方の手は、カレンの芽をまさぐっていた。　体が、熱い。　熱くて熱くて、爆発しそうだ。　 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月25日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」152

  ぼやけた脳裏にぼんやり浮かんだ嫉妬は、スザクの行動によって打ち消された。　またもや急に抱き上げられ、今度はスザクの腹の上に仰向けに寝かされた。　たくましくて、熱い肉体がカレンのベッドになる。　思わずカレンは悲鳴を上げた。「な……何っ？」　スザクは答えの代わりに、すばやくおのれに手をあてがい、侵入してきた。　すでに潤っていたカレンの肉体は、やすやすとスザクを受け容れる。「あ……んっ」　待っていたスザクが訪れてくれるのは嬉しいが、あくまで与えられる快楽はもどかしかった。 　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月24日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ第四章」151

  「やっ……やっ……だめっ……」　カレンのあらがいの声は、やがてうめきからすすり泣きへと変わる。「ん……あっ……スザ……クッ……」　涙でぼやけた視界に、薄目を開け、奉仕するスザクの姿が見える。　栗色のくせっ毛を強く引っ張りながら、カレンは哀願した。「お願い……もう……っ」「もう？　何だい？」　カレンを見上げる目は、明らかにその問いかけが「わざと」であることを物語っていた。　こういうところだけ、天然ではないところが憎らしい。（きっと、私が初めてじゃないせいだろうな……） つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月23日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」150

  「い、いやっ……」　　嫌とは言っても、体は正直。　子供の頃、盗み読んだ兄の雑誌の一文が頭を駆けめぐった。　あれは嘘で、本当だ。　誇り高いカレンは思う。　どうでもいいような人間になら当てはまらないけど、好きな人間には違う。　一人しか男性経験はないけれど、カレンは間違いなくそう言い切れる。　もちろん、スザクは後者だった。　もがくカレンの両脚を押さえつけ、スザクは深く顔をうずめた。　薄桃色の洞窟を舌が分け入って、濡れた音を立ててゆく。　濡れているのは、スザクの唇か、それとも――。　そのことが分からなくなるほど、カレンはスザクにかき乱されていった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月18日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」149

  けれど、その歓びもカレンはスザクに教えられていた。　今から、そんな束の間の幸せが始まる。　宝物のようにスザクはカレンをベッドに乗せ、大きく脚を開いた。　脚の間に外気を感じ、カレンは羞恥に悲鳴を上げる。　「や、やめてよ！　いやらしいわね！」「さっき君は言ったよね？　僕がバカで、天然だって。それからそう続けるつもりだったろ？　いやらしい、って」　返答の代わりに、カレンは黙り込んだ。　軽口を叩けるほど、カレンに余裕はなくなっていた。　ベッドにひざまづいて、スザクが舌を差しいれてきたのだった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月14日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」148

  　スザクがゼロになってから、初めてだ。　不思議そうにスザクが眉を上げる。「本当に何がおかしいんだい？」「……あなたがちっとも変わってないところよ。バカで、天然で……あっ」　急に体が宙に浮く。　軽々とスザクがカレンを横抱きにしたのだった。「ちょ、ちょっと離してよ！」　抗ったが無駄なのは、ギアスにかけられていた頃から知っていた。　くやしいけれど、スザクは男で、カレンは女だ。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月12日

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  コードギアス　スザク×カレン　「モザイクカケラ第四章」147

  気恥ずかしくなって視線を落としたら、すでに屹立している彼自身が目に入った。　思わず胸を押さえる。　怪訝そうにスザクが問うた。「どうしたの？　僕、何かした？」「そうじゃなくて……」　カレンが見ているものが分かったのだろう。　　照れくささとバツの悪さが入り交じった口調で、スザクが反論する。「仕方ないだろ。僕だって、男なんだから」　無意識のうちに、カレンは声を上げて笑っていた。　こんなに楽しい気分になれたのは、久しぶりだった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月10日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」146

  カーテン越しの月明かりの下でも、スザクの裸身ははっきりと見えた。　細いがしっかりと筋肉の付いた体。　アッシュフォード学園にいた頃よりも色白になっているのは、ゼロとして生活しているためだろう。　栗色のくせっ毛は、あいかわらずあまり手入れされていない。　カレンがギアスにかかっている間、訊ねたことがある。　どうやって髪を手入れしているの、と。　ナイフで切るんだ、と答えるスザクにぎょっとしたら、「そんなにおかしなことかい？」と真面目に訊ねられたっけ。　そして大きな瞳は、まっすぐにカレンだけ求めている。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月09日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」145

  ゼロになってからカレンを抱くたびに、いつもスザクはこう言う。　それでいて、自分からカレンにしがみつき、彼女の豊かな胸に顔をうずめる。　いつものように、カレンは彼を母親のように抱きしめながら答えた。「スザク、大好きよ、スザク――！　ずっとあなたに抱かれたかった。だから、今だけでも忘れて。あなたがゼロであることを……！」「僕も君が大好きだ、カレン――！」　この会話が、二人の儀式となっていた。　ゼロが柩木スザクに戻り、カレンが彼の「愛するもの」だけの存在になる儀式。　いったん二人は体を離してから、ゆっくり衣服を脱がせ合う。　互いが互いの余分なものをすべて外し、生まれたままの姿になっていくために必要な時間だった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月08日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」144

  　今夜も、彼は泣いていた。　昼間、ゼロとして生活している間はあれだけ精悍なのに、夜になると彼はいつもスザクに戻ってしまう。　素直で優しくて、それでいて強い罪悪感を持った、一人の脆い少年に。　そんなスザクがこれ以上自分を傷つけないように、カレンは彼の言葉をくちづけで封じた。　舌を入れると、スザクが怯えたように後ずさるが、カレンはくちづけをやめなかった。　やがてスザクが貪るように応じてきて、二人の濃厚な時間が過ぎてゆく。　長い接吻の後、スザクはうめくようにつぶやいた。　　「こんなことしちゃ、駄目なんだ、カレン。君を愛する資格なんか、僕にはないんだ……」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月07日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」143

  　スザクを抱きしめて、カレンは小さく、だがしっかりとささやいた。「たった一人で世界を支えようとしているあなたを――孤独に耐えているあなたを！」「僕は……僕はそうしなきゃいけないんだ……ルルーシュと約束したから。それだけの罪を犯したから……！」　スザクが嗚咽する。　今夜も、彼は泣いていた。　昼間、ゼロとして生活している間はあれだけ精悍なのに、夜になると彼はいつもスザクに戻ってしまう。　素直で優しくて、それでいて強い罪悪感を持った、一人の脆い少年に。　そんなスザクがこれ以上自分を傷つけないように、カレンは彼の言葉をくちづけで封じた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月06日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」142

  ゼロとして生活しているうちに、スザクが弱っている証拠だった。　胸が痛くなる。　途端に、スザクが不安げに問うてきた。「どうかしたのかい、カレン？　もしかして僕のこと、嫌いになったんじゃ……」「あなたのことを嫌いになるわけなんかないじゃないの、スザク！」　スザクを抱きしめて、カレンは小さく、だがしっかりとささやいた。「たった一人で世界を支えようとしているあなたを――孤独に耐えているあなたを！」 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月04日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」141

  たとえ束の間の愛撫でも、彼が安らぎを見いだせるのなら。　そっとスザクの部屋に向かうカレンを、小さく扉を開けてナナリーが見ていることに彼女は気づいていない。　ノックなしでも、スザクの扉が開いているのをカレンは知っていた。　なぜなら、いつも彼は自分が来るのを待ちわびてくれているから。　カレンの足音を聞いた時からそうしていたのだろう。　スザクは仮面を脱ぎ、ズボンとシャツの軽装でドアの前にたたずんでいた。　体つきこそ男性らしくなっているものの、表情はアッシュフォード学園の生徒だった頃より儚げで、頼りない。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月03日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」140

  その言葉通り、ジノはカレンとともに現在もアリエス離宮に滞在している。　今夜もカレンがスザクに抱かれることを知りながら。　スザクはカレンのあちこちにキスマークをつけるから、ジノは気づいてしまうのだ。　おまけに彼は人一倍、恋においては勘が鋭い性質ときている。（私、ジノまで苦しめてるのかな……）　それでも。　カレンはベッドから勢いよく飛び出し、寝室を出る。（私は、スザクを守ってみせる！） つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月02日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」139

  ”――っ”　カレンは駆け出した。　背中にジノの視線を感じる。　逃げているのは分かっている。　が、ここでジノに何らかの答えを与える余裕は今の自分にはない。　また、ジノが親切心から助言を寄せてくれているのも分かっている。　だからこそ、彼から逃げるしかないのだ。　背後からジノが呼びかけてきた。”俺も一緒にここにいるよ、カレン！　君が答えを出せるまで！” つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年06月01日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」138

  ”コイゴコロ……そんな単語、いつのまに覚えたの？　生粋のブリタニア人のあなたが””君に恋している間にさ。ブリタニアには、こんなに今の俺にぴったりくる言葉はないからね。それに恋、って言葉のもう一つの意味は知っているかい？　変わりやすい心、だよ”　ジノがカレンを見つめた。”君の心を、俺で変えられないかな？　この俺の恋心でさ”　”あなたの……恋心？”　ジノに引き寄せられたまま、カレンは双眸を大きく見開いた。　そうさ、とジノが唇を寄せてくるのをカレンはそらし、鋭く訊ねる。”それはあなたのエゴイズムではないの、ジノ？”　ジノを突き放し、カレンは乱れた衣服を戻しながら訊ねる。　しばらくジノはじっとカレンを見つめていたが、静かに問い返した。”君のあいつへの気持ちはどうなんだい、カレン？　エゴイズムじゃないのか？” つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月29日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」137

  だが、カレンは感じていた。　スザクの腕が、昔と変わらずカレンを抱きしめてくれることを――いや、今はカレンにむしろすがろうとしていることを。　それがカレンにアリエス離宮無期滞在を決意させた。　朝食後、ジノに庭に呼び出された。”カレン、君は以前言ってたよね？　学園で普通の学生として過ごすことが君の希望であり、お兄さんの希望であり――ルルーシュの希望だってことを。君は、君の――いや大切な人の希望まで捨ててしまうのかい？　あいつのために””……”　黙り込むカレンの肩を引き寄せ、なおもジノは説得する。”もう一つ訊ねたい。君は、誰のために自分を犠牲にするのか？　ゼロか？　スザクか？それとも……自分自身の恋心のためか？”　カレンの双眸が大きく見開かれる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月28日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」136

  ふたたびスザクと、一つになれたのだから。　どんな問題が、今二人の間で起ころうとしていても、その喜びは変わらなかった。　そこにカレンは自分自身の業を見る。（やっぱり私――こいつのことが好きだったんだ！）　あれほど一時は憎んだ相手だったというのに。　命を奪おうとしたこともあるのに。　が、カレンが物思いにふけるいとまはなかった。　すでに一度精を放ったスザクは、カレンの着衣を脱がし、その乳房を強く吸った。　その瞬間、カレンの体を甘い衝撃が突き抜け、スザク以外の何もかもが感じられなくなった。　二人の熱い吐息とうめきが部屋を満たすのに、時間はかからなかった。　一週間後。　月が空のてっぺんに昇った時。　カレンはいつものように、ベッドから白い素足を抜き出した。　閉じていた瞼を開けると、白い天井に月影が映える。　夜のアリエス離宮は、本当に綺麗だ。　滞在してからもう一ヶ月以上経つというのに、カレンはあらためてそう思わずにはいられなかった。　表向き、カレンが日本に帰国せず、ここにいるのはナナリーの治安維持ということになっている。　自分から「あの夜」が明けた後、朝食の席でそれを申し出るとナナリーはただ一言発した。”それがあなたの選ぶ道なのですね、カレンさん？””はい！”　小さく、しかしはっきりと答えると、ナナリーは自分の背後に控えたゼロに訊ねた。”よろしいですね、ゼロ？””ナナリー……君がそう言うのなら”　それだけゼロ――いや、スザクは答えた。　仮面の外側からは彼の素顔は見えず、その言葉の意図も分からなかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月27日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」135

  　彼を支えられるまで、もう少し。　精一杯の思いを込めて、カレンは訴える。「私があなたを、守るから」　しばしの沈黙の後。　カレンの視界が大きく揺らいだ。　シャンデリアが吊された天井と、泣きながらすがりついてくるスザクが見える。「カレン――カレン！　こんな弱い僕を許してくれ！」　貪るようなくちづけの合間に、カレンは答えた。「ええ、許すわ。いいえ、吸い込んであげる。柩木スザク、あなた自身の弱さと痛みを！」　おのれから下着をはずし、カレンはスザクのジッパーを開いた。　救いを求めるように、スザクはカレンに突進してくる。　久しぶりに受け容れるのは、痛みをともなう行為だった。　が、この上なく嬉しい痛みだった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月26日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ第四章」134

  反射的に体を離そうとするスザクを、強く抱き留める。　ふだんのスザクなら、たやすくカレンの束縛から逃れただろうが、今は怪我と精神力のため、そうはできなかった。　いや、それ意外にも――過去の二人の関係に未練があったと思うのは、カレンの自惚れだろうか。 　スザクを見据えて、カレンは強く、甘く誘いかけた。「そのギアス、私と二人で支えてみない？」「でも……このギアスは、ルルーシュと僕のもので……」「けれど、ルルーシュの願いはあなたにゼロとなって、世界を見守ってくれということでしょう？　それ以前に、あなたがギアスに押しつぶされて死んでしまってはルルーシュの願いはどうなるの？　それならスザク、あなたは私を抱いて。あの頃のように」　スザクの瞳が大きく揺らいだ。　もう少しだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月24日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ第四章」133

  （ためらうな、カレン！）　必死に自分を励まして、カレンは言葉を続ける。「ええ、あなたが殺したのよ、スザク。けれど、それはあなたがルルーシュに望まれてしたこと。ルルーシュがあなたに託したギアスなのよ。ならば、あなたはそのギアスに忠誠を誓わなければならないのではなくて？」「で……でも、僕には……」　ぶるぶると体を震わせながら、ふたたびスザクは涙をこぼす。「もう、そのギアスを守る力がないんだ――ゼロの仮面は、僕には重すぎる！」「だったら……」　今しかない。　カレンはスザクの唇を奪い、その背中に手を回した。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月22日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」132

  「……ルルーシュなら、こんな時でも自分のことを”私”と呼んだはずだわ。普段の一人称は”俺”なのにね。そこまで彼は仮面を被り続けることができた。たとえ、あなたに殺される瞬間まで――」「ル……ルルーシュが、僕に、殺された……」　スザクの体が大きく震え出す。　予想通りの反応だった。　自分はスザクが懸命に閉じようとしていた傷を抉ったのだ。　けれど、そのままでは傷は腐り、やがてスザクは壊死してしまう。　その前に、手術が必要だ。　これは単なるカレンの思い込みかもしれない。　けれど。（今、私ができることはこれしかない――！） つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月21日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」131

  できるだけはっきりと、自分の思いの丈を述べる。「しっかりしなさい、柩木スザク！」　カレンの訴えに、スザクの眉が大きく動いた。　いい反応だ、と思う。　こうやってこちらの言葉に反応してくるということは、スザクが平常心を先ほどよりは取り戻しつつあるということだ。　震える声で、スザクは反論してきた。「僕のことを、スザクと呼ぶなと言っただろう？　柩木スザクは死んで、もう僕はゼロとして生きるんだと……」「僕？　ゼロは自分のことを僕、なんて呼ぶかしら？」「……！」「ゼロならば、一人称は”私”のはずよ。それに……」　少しためらった末、カレンは”彼”のことを話題に出した。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月20日

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  コードギアス　スザク×カレン「モザイクカケラ　第四章」130

  乾いた音が響き、スザクはカレンに平手打ちを食らわされていた。　赤く腫れた頬を押さえることもせず、スザクは呆然とこちらを見返してくる。（あの時と、同じだ）　走馬燈のように、カレンは過去を思い出した。　リフレインを打たれそうになった後、どうにか思いとどまったスザクをこうやって殴ったっけ。　あの時もスザクは、今みたいに驚いた表情をした後、ただ耐えていた。　その生真面目さがスザクにとって長所であり、致命傷ともなり得る。　そして今のスザクは――そんな自分自身に押しつぶされそうになっている。　ゼロとして生きるならば、スザクは今、生きなければならない。　たとえ、どんな手段を使っても。　カレンの心は決まった。 つづくポチっと押していただけると嬉しいです！↓　↓　↓

  2009年05月18日

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