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2009年07月27日
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09年07月19~23日 西岳~水俣乗越~北鎌尾根~槍ヶ岳~双六岳(7月20日・第2日目)

 20日。3時30分起床、やはり晴れている。カメラだけ持って暗い内から西岳に登る。4時に山頂に着き、日の出を迎えた。東に立派な常念岳。北の方には遠く後立山連峰が見える。あの双耳峰は鹿島槍かな?剱岳も少し顔を覗かせている。西には穂高・槍。そしてオレの目はやはり、今日歩くはずの北鎌尾根に。やっぱギザギザやなあ。あんなとこ歩くんかあ。

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常念岳。きれいな朝焼け。

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穂高連峰とヒュッテ西岳。

R0026583北鎌090719.jpg
どうしても北鎌尾根に目がいく。

 ヒュッテ西岳に戻り、6時10分、出発。昨日通った水俣乗越まで戻り、そこから天上沢側へ下りていく。ここからは地図にルートのないバリエーションルートである。しかし幸い、分かりやすい踏み跡がついていた。雪渓を行き、いつしか川原歩きに。灼けたゴロゴロ石を歩いていく。暑い。左側に北鎌尾根の独標がひときわ大きく見える。その奥に天狗の腰掛けと呼ばれるP8。この後あれを登り返すのかと思うと、いささかウンザリした。川幅が広くなり、焚き火跡を見て北鎌沢出合に着いたことが分かった。ガイドブックに書いてあったようなケルンは見当たらなかった。その辺りを何度か行ったり来たりしたが、どうも取り付き点が分からない。沢を登り返して行くのだが、昨日までの雨のせいか、幾つも流れ込みがあるのである。(どれかなあ?)迷ってばかりいても始まらない。意を決して、それっぽい沢を登り始めた。

R0026595北鎌090719.jpg
水俣乗越下の雪渓より北鎌尾根を見る。独標がひときわ目立つ。

 (間違えた…)オレは自分の選んだ沢を進み、ものの10分程でジャングルのような樹林帯で悪戦苦闘していた。間違えたのが分かったら戻ればいいのだが、また、そうすべきなのだが、オレは何故か意地になってジャングルを進んでいった。1時間程、悪戦苦闘を続けたであろうか。流石にその頃にはバカなオレにも後悔の念が湧いていた。(なんで戻らへんかってん!)木々の合間から天狗の腰掛けが見えた。(あんなとこまで行けるのかいな。このままでは日が暮れるなあ)ん?左の方から水の流れる音が聞こえてきた。あっちが正解や。なんとかもがきながら、その沢に出た。はあ、やれやれ…ちょっと休憩。冷たい水で顔を洗うと生き返る思いがした。

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悪戦苦闘の末、ようやく沢に出る。

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休憩していると、蝶が汗を吸いに寄ってくる。

 沢を登っていく。すぐに沢が左右に分かれている。右側、右俣を進み、ひたすら登る。流れがなくなり、また沢が左右に分かれていた。右側の上方に尾根が見えている。右を選び進むとゴミが落ちていた。正解か…そのまま進むと草の生えた急斜面に出た。それを登ると尾根だ。それにしても、これを登るのか?えらいこっちゃな…カナビラが落ちていた。(誰かザイルを使ったんやな…)ツルツル滑る草の急斜面を強引に登り、ようやく尾根に出た。ここが北鎌沢のコル?ガイドブックでは小広い休憩地とあるが?そこはとてもそうには見えない。嫌な予感がしてGPSの電源を入れ、現在地を確認する。(間違えた…)北鎌沢のコルより手前に出てしまった…P6とP7の間だった。

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スノーブリッジの下を行く。涼しくて気持ちいい。

 なんとバカな!ああ、さっきの沢が別れていた所、あそこは右でなく左だったのだ!ゴミが落ちていたから右と思い込んでしまった…なんで面倒がらずにGPSで確認しなかったのか。引き返そうにもあのツルツルの草の斜面は降りられない…なんとかP7を越えて北鎌沢のコルまで行かなければ。またも犯してしまった自分の大失態を呪いながら、またも悪戦苦闘が始まった。かなり恐ろしい目に遭いながらなんとかコルにたどり着いた時には既に15時になっていた。北鎌沢出合で9時半だったので、ここまで5時間半もかかってしまっている。予定では3時間のはずだったのだが。それにしても、心底、怖かった。この間、撮影は一切なし。無我夢中だった。これまでも無茶なことは結構、やった。大山での剣ヶ峰縦走。ジャンダルム。冬の弥山川。それらを抑え、今回の北鎌P7越えが「これまでの怖かったとこ・堂々の第1位」に躍り出た。(ほんまチョリオ、お前、ええかげんにせえよ!)小広い休憩地で猛反省。ポケットからムスコの描いた絵をしみじみ眺めた。(あっちゃん、ゴメンな。お父さん、今回はほんま危なかったわ)

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かなり恐ろしい目に遭いながらもP7を越える。半泣き。前方に天狗の腰掛け(P8)と独標(P10)。

 随分遅くなったが、先に進むことにする。翌日はまた天気が悪くなりそう、進めるだけ進んでおこうと考えた。天狗の腰掛けに16時40分到着、前方に独標が大きく立ちはだかる。槍ヶ岳はその独標に隠れて見えない。ここでテントを張るか?いや、まだや。先へ進もう。

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天狗の腰掛けから独標を望む。でかい。

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独標の巻き道。なかなか険しい。

 さらに進む。先のP9と独標は右側、仙丈沢方面を巻いて越える。岩峰の危ない道ではあったが、慎重に歩いていれば問題ない。19時に独標を越えてコルに到着。もう陽が沈む寸前だった。急いでテントを張り、ようやく落ち着いた。ふうぅ、長い一日やったなあ…

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コルへの登り返し。槍が見える。

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独標を越え、再び稜線へ。槍ヶ岳、かっちょええなあ。

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すぐにテントを張る。写真を撮る間もなく、陽が沈んでしまった。

 テントに入り、ようやく人心地ついた。いやあ、今日は危なかった。緊張の連続で空腹を忘れていたが、腹が減っていることに気付いた。おお、そういや昨日の晩から何も食べてへんがな。飴しゃぶったくらいやった。それでもまだ、緊張が残っているようだ。お菓子をボソボソ食べると食欲はなくなってしまった。明日もまた大変な所を歩くことになる。しかも、天候が悪化するだろう。それを思うとなかなか緊張がほぐれない。持ってきた本、貴志祐介のクリムゾンの迷宮を少し読むと、やはり相当疲れていたのであろう、早々に眠りに就いた。





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最終更新日  2009年07月27日 21時04分10秒
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