武尊山・皇海山 09年8月5日~6日(1)
はるばる来たなあ。群馬県は武尊山の麓にある、武尊牧場スキー場の登山口で私は思った。朝の爽やかな天候の下、私は清々しい空気をめいっぱい吸い込んだ。 山仲間の会、囲炉裏村HPの参加者募集で『上州の日本百名山を2座登りましょう。』というのを見つけた。(あっ!山太さん主催のオフだ!)登る山は武尊山(ほたかやま)2,159mと皇海山(すかいさん)2,144mの2峰。(まだ誰も参加者がいない)山太さんは囲炉裏村の村長さん。お仕事の都合上オフはいつも平日、故にそのパーティーは「平日隊」の異名を持つ。平日にもかかわらず人気は絶大、これまで私も参加したいオフがあったが、気付いた時には既に定員一杯、という状態だった。(これは千載一遇の好機)胸が高鳴った。(8月の5日と6日、まだ勤務表は出来ていない、休める。いや、絶対に休む!)いつもなら登る山をインターネットなどで調べてから参加を申し込むのだが、この時ばかりは山の名前すらろくに見ずに参加を申し込んだ。(ふう…ところで「上州」って何県だ?) 今回の参加者は11名。山太さん、ひいちゃんさん、越路さん、keyさん、もきちさん、わかばさん、あやさん、光姉さん、キャットさん、ままりんさん、チョリオである。4日の夜に集合して、片道600km以上、2台の車で遠路はるばるやってきたのである。私はkeyさんの車の助手席に乗せてもらったのだが、運転はほぼ全てkeyさんが引き受けて下さった。スキー場のリフトを2つ乗り継ぎ、しばらく歩くと木道つきのブナ林に入った。気持ちのいい森だ。クマの足跡?を発見。形の良いキノコを見つけると、つい撮りたくなる。 木道が終わり、背の高い笹の道を行く。なだらかなのだが酷いぬかるみであまり早く進めない。 武尊避難小屋を過ぎた辺りからやや傾斜が強くなる。それでもぬかるみばかりに気を取られ、ほとんど気にならない。セビオス岳で休憩を取ったが、看板がなく、登る時には気付かなかった。目指す武尊山。 笹の背が低くなっていくぶん展望が利くようになった。しかし天候は下り坂のようでガスも出てきた。唯一の難所である鎖場に到着。声を掛け合って一人づつ慎重に登り、無事クリアー。 鎖場を越えると頂上はもうすぐだ。笹清水の冷たい水で喉を潤し、三ツ池を眺めながら頂上を目指す。ぬかるみは相変わらず。ホンマ、いやなるわ。頂上直下に咲いていた花。 山頂に到着!360度の大展望!…はガスのため残念ながら見られなかった。それでも私は十分満足だった。なんといっても私は「雨男」、雨が降っていないだけでも有り難いと思わないといけない。昼食時には仲間から、そして地元の登山者からもお裾分けをいただき、かなりお腹いっぱいになった。ありがたや。頂上にあった祠の石垣に咲いていた花。 頂上を堪能し、さて下山開始。登る時に苦労させられたぬかるみは、幾分乾いて多少歩きやすくなっていた。セビオス岳辺りに咲いていた花。 しばらくして、どなたかが「チョリオさん、こっちに赤いキノコあるで」と教えて下さった。私がキノコの写真ばかり撮っていたからだろう。そのキノコを見て、あっ!と驚いた。「B.T.D.!!」ベニテングダケ、それは私が一番見たかったキノコである。(正しくはベニテングタケ、ついさっきWikipediaで知った。)何を隠そう、私はこのキノコ見たさに上高地の白樺林を彷徨い歩いたことがある。白樺林で多く見られると聞いたからであるが、ついに見ることはできなかった。(こんなところで見られるとは。なんという幸せ…)妖しい朱に白い斑点、当にキング・オブ・毒キノコ。(毒性は弱いらしい。これもついさっきWikipediaで知った。) 登る時もなだらかだったのだから、下る時もなだらか。なんだかたくさん歩いても一向に下った気がしない。それでもようやく木道の整備されたブナ林まで下ってきた。ここからは歩きやすいし、リフト乗り場まではもう少しだ。気持ちのいいブナ林を歩く。 リフト乗り場付近は比較的花が多く咲いていた。太陽はだいぶ西に傾き、穏やかな斜光の中で、また何枚か写真を撮り歩いた。足をぶらつかせ、そよ風の中、辺りの景色を眺める。リフトは思いの外、気分が良かった。 リフトを降りてソフトクリームを食べた後、花咲の湯へ。男湯は子供が一杯、ちょっと落ち着かなかったが、それでも登山後の温泉は格別である。お風呂の後は今夜のねぐらである旭小屋へ移動して、いよいよ宴会である。さて、どうなるか。続きはまた、そのうち。 ===続く===