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日本アルプス登山記

2009年10月21日
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立山から戻って1週間経つというのに、私の瞼にはまだあの輝かしい光景が残ったままである。

少々未練がましいようではあるが、ここに、載せないでおくには惜しい写真を数点載せておく。

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みくりが池に投影する、雪の立山。

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剱御前小舎の朝。

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すっかり雪景色。

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室堂をバックに越路さん。

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奥大日岳へ向かう途中で見かけた草紅葉。

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人なつっこい雷鳥。

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別山での夕景。

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別山のケルンと雲海。

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早朝の立山。

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雪を進む、越路さんの雄姿。

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夕日に染まる立山。

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越路さん、ご苦労様でした。

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最終更新日  2009年10月21日 15時15分48秒


2009年10月17日
 12日、4時半起床、準備を済ませて5時過ぎ、暗い内から小屋を出発する。登るうちに空はどんどん明るくなっていく。素晴らしい天気だ。半時間歩いて別山に到着した時には、東の空に見事な朝焼けが輝いていた。朝のドラマは既に始まっている。私は越路さんに、「ちょっと私、忙しいのですいません」と断り、全ての方角の景色を切り取っていった。あっという間にフィルム2本を使い切る。気付けば指先がかなり痛くなっていたので祠に避難し、煙草に火を付けた。

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暗い内からヘッドライトを点けて別山を目指す。

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別山に着いた時には既に朝焼けが…

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 興奮が冷めて、落ち着いて展望を楽しむ。北にはなんといっても大迫力の剱岳。その右の方には後立山連峰、鹿島槍は分かりやすい。反対の南側には立山が大きい。立山の左側には分かりやすい富士山が見える。富士の左が八ヶ岳、右が南アルプスか。立山の右に立派な薬師岳。そして北アルプスの山々。立山の麓に室堂が広がり、向こうに昨日登った奥大日岳、更に向こうには富山湾と能登半島まで見渡せる。彼方に見える峰は恐らく白山であろう。

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朝陽を浴びる剱岳。かっちょええ…

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左奥に富士山。その右が南アルプス。

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虹のようなものが見えた。

 空の赤味がなくなり、朝のドラマが終わった。空が碧く、高い。素晴らしい天気だ。空気が澄んで、どこまでも見渡せるようだ。少し標高の高い、別山の北峰に行ってみる。更に剱岳が大きく見える。ツェルトを貼って三脚を立てている写真家がいた。いつからそうしているのだろうか。私もいい景色を見るために結構無茶をしたりしたが、この情熱には脱帽である。しかしこの天気だったら、苦労も報われたのではないだろうか。

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剱岳の影。

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大迫力の剱岳。別山北峰より。

 随分長い間、別山にいた。存分に展望を楽しんだが、それでもまだまだいていたい気分だ。しかしこの快晴、展望はこれからも楽しめるだろう。さて、いよいよ立山の縦走だ。まず真砂岳へ向かう。雪の感触と景色を楽しみながらゆっくり進むが、越路さんはマイペース。どんどん先行する。逆光。青空。白い山。(おお、越路さん、カッチョイイ!)私は越路さんの後ろ姿を何枚も写真に撮った。

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稜線上に2人の登山者が見える。これから歩いていくのだと思うとゾクゾクする。

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 真砂岳を過ぎ、次は富士ノ折立。ここはちょっと緊張する登りだった。山頂に立つと下に黒部湖が覗いていた。ここで弁当のおむすびを一つだけ食べる。更に進んで大汝山へ。立山の最高峰であり、今回の山旅の最高所である。もちろん、大休止。バンダナショット、記念撮影。快晴はまだ続いており、再び二人で展望を楽しむ。剱岳が見える。槍ヶ岳も見える。泊まった剱御前小舎も、今朝いた別山の祠も小さく見える。はるか下の黒部湖が見える。越路さんが赤いロープウェイを見つけて、「あれ、観光客じゃないの?」とおっしゃる。「いや、あれはちょっとデカ過ぎるんちゃいます?」「ああ、そうか」と二人で笑い合う。些細なことでも笑ってしまう程、気持ちが晴れ晴れしていた。

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大汝山頂上。かなり浮かれてます。

 雄山の頂上に着いたのは11時50分だった。別山を出発したのが7時20分、たっぷり4時間半、展望を存分に満喫する夢のような縦走であった。雄山には一般の観光客らしい人も登ってきている。この雪では大変だったであろう。雄山神社の横で、山々を眺めながら昼食を食べた。下りてしまうのが勿体ない。未練を残しつつも、下山を開始した。登山道はかなり混雑していた。普段着の人が大半だったが、皆雄山目指して悪戦苦闘していた。一ノ越で槍ヶ岳や後立山を望む。龍王岳の岩壁が見事。いよいよこの展望ともお別れだ。近づいてくる室堂目指し、下りていくだけだった。

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「チョリオくん、ついてきたまえ」て感じで写ってますが、勿論そんなことはおっしゃいません。

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はるか彼方に槍穂高も見える。

 我々が下りて行くに従い、雲が湧いてきた。室堂に着いた時には青空が殆ど見えなくなっていた。みくりが池温泉に宿を取り、荷物を置いて地獄谷へ下りてみた。硫黄の匂いが立ちこめ、蒸気が噴き出す様はいかにも地獄だったが、小屋への長い階段の方が余程堪えた。しかし、地獄の後は極楽が待っている。小屋へ戻って、早速温泉に浸かる。当に極楽。風呂から上がって、みくりが池の畔に行ってみた。立山が夕陽を浴びて神々しい。ここからは剱御前小舎から別山、立山、一ノ越と今日一日歩いた所が見渡せた。(結構、歩いたなあ)私は立山が一段と好きになっていた。

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地獄谷からの「地獄」の上り階段。

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みくりが池、夕方。

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この日も星の撮影。右下の光は室堂山荘。

 13日。最終日である。この日も朝から快晴。私はまた朝陽を撮りに出る。越路さんも付き合ってくれ、二人で少し散歩した。空が赤くなり、高峰に日が当たり始めたが、日の出はちょうど立山の向こうなので、室堂にはまだ光は届かない。それにしても、待てども一向に朝陽は昇ってこない。空はすっかり青く、辺りの景色も平凡になっている。寒い。(あと少しで立山の向こうに光が…)しかし、私が諦める方が早かった。「越路さん、風呂、行きましょう」考えてみれば、どうしても撮りたい景色でもない。

 風呂でさっぱりして朝食を済ませて、出発。この日は私がムスコのお迎えに行かねばならないので、早々に降らないといけない。ターミナルで立山を仰ぎ見る。(ええ山や…)心の中でお別れを言ってバスに乗り込む。バスが天狗平まで下りてくると奥大日岳と別山の間に剱岳が見えた。(ああ、剱…ここからでもけっこう見えるんやな)思いがけず、心の奥に少し痛みを感じた。(やっぱり、越路さんと二人で登りたかったな)その気持ちを振り切るように、ことさら陽気に越路さんと話をした。バスはいつしか、盛りの紅葉の中を走っていた。

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越路さん、どうもありがとうございました。






最終更新日  2009年10月18日 01時12分45秒
2009年10月16日
 10月に4連休を取っていた。(どこいこう?)今度はしんどい山行は止めておいて撮影を主にした山にするか。(じゃ、涸沢やな)涸沢の紅葉を見てみたい。しかしすごい人混みらしいので、なかなか足が向かないのである。涸沢から北穂・奥穂辺りをブラブラするか、と漠然と考えていた。でも、なんだかなあ…

 9月6日、この日は囲炉裏のオフで南葛城山に来ていた。私は「金剛山の仙人」の異名を持つ越路さんの隣で昼食を摂っていた。ポツポツと山の話をしていると、越路さんが「剱岳に、もういっぺん、登りたいなあ」と呟くようにおっしゃった。私はなんだかハッとして越路さんの方を見ると、いつもの穏やかな笑顔だったが、目はすごく遠くを見つめているようだった。

 越路さんは囲炉裏に入って間もない私に、何かと世話を焼いて下さった方である。ヤマシャクヤクを求めて金剛山をウロウロしている私とムスコに声を掛けて下さり、案内を申し出て下さったこともあった。越路さんの遠い目が心に残っていた。私は思いきって、越路さんに「一緒に剱岳に登りませんか?」とメールしてみた。ほどなく快諾の返事、私は俄然、やる気が出てきた。山登りは一人より二人の方が楽しいに決まっている。

 4連休を取るのはなかなか大変だ。しかし万事調整を済ませて10月9日の夕方、越路さんと合流し、一路立山へ向かった。二人だと長距離の運転でも楽しい。会話に夢中になって危うく米原を通り過ぎそうになったりした。立山には23時半に着いた。車中で仮眠を取り、10日5時起床、準備を済ませて立山駅へ。アルペンルートで7時半に室堂へ着いた。予報では今ひとつの天気だったが、晴天である。初雪が降って白く化粧した立山を見て、私のテンションは一気に最高潮に達した。さあ、越路さん、行きましょう!

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 少し室堂を散策して浄土山へと向かう。しかしその頃には青空が消えてしまっていた。怪しい暗雲が空一面に立ちこめている。登って行くに従い、ガスが出て雪が多くなってきた。(ちょっと危ないな)「越路さん、アイゼン付けませんか?」と提案する。秋空の爽やか山歩きから一変雪山登山へ、私のテンションも沈んだ後、また違う角度で上がっていく。さあ、越路さん、行きましょう!

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紅葉の山から一変、雪山登山へ。

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 浄土山に到着、風を除けられる場所でコーヒーを沸かして体を温める。一休みの後、五色ヶ原の分岐を経て一ノ越へと向かう。途中からついに雪が降り始めた。稜線上は風も強い。(ははあ、こりゃあ、吹雪だ。)室堂で晴天だっただけに、分かっていても天気の急変がなんだか他人事のように思える。

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室堂を見下ろす。

 一ノ越山荘は人でごった返していた。皆一様に蒼ざめたような顔をしている。予定では立山を縦走して剣山荘に入る予定だったが、越路さんと相談して、一旦室堂に下りることにする。気温が上がって剱岳の雪が溶けるのを期待していたのだが、これでは明日の剱岳は無理そうだ。今夜は剱御前小舎に泊まり、明日雪が溶けた後、明後日にアタック、そう考えたのだ。

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 室堂でも雪が舞っていたが、やはり温かい。一ノ越とはえらい違いだ。室堂山荘のテラスで昼食を済ませる。雷鳥荘の前でサービス満点の雷鳥を撮影し、随分下って雷鳥平へ。ここで再び青空が覗くが、すぐに曇ってガスに巻かれる。剱御前小舎までは標高差500m弱、コースタイム1時間50分だが、越路さんは快速を飛ばして1時間程で到着した。

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室堂まで下りてくると、まだ紅葉のナナカマドが残っている。

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雷鳥荘の前にいたサービス精神旺盛な雷鳥。

 小屋の中は平和である。越路さんとささやかな乾杯をする。煙草を吸うため外に出てみると、また雪が降っている。(これ以上の降雪はまずいなあ…)しかし結局、雪はこの後もずっと降り続いた。就寝後、夜中の3時に起き出し、わずかな望みを持って外に出てみたが、雪は降っていた。(…アカンわ)これだけの雪が1日で消えるわけがない。私はこの時、剱岳を断念した。

 11日。起床して越路さんと今後の相談をする。今日は荷物を置いて奥大日岳往復、翌日は別山から立山を縦走することにした。外はガスで真っ白だった。しかし小屋を出発する頃にはガスが晴れ、青空が見え、陽が差してきた。剱岳が姿を見せたが、残念なことに頂上の雲が取れない。待っていても取れないので、諦めて出発する。すると、すぐに「剱見えた~!」というオバさんの大声が聞こえてきた。急いで戻ると、雪を纏った荒々しい剱岳が全貌を露わにしていた。その神々しい姿を見ていると(登りたい…)という気持ちが湧いてくるが、今回はダメだ。装備がないし、いや、それより私が一番山を登る上で大切だと思っている「心構え」がなってない。雪山は別格である。それに挑むには、また別の構えが必要である。

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晴れてきた…

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待ってました~!!剱沢を登ってくる人が小さく見える。

 8時、出発。晴天の下、奥大日岳への稜線を歩く。たっぷり雪が積もって今日は朝からアイゼンを付けた。立山も真っ白である。昨日登った浄土山、その奥にはどっしりとした薬師岳。一ノ越の向こうに槍ヶ岳も見えた。見下ろすと室堂までも白い。爽快である。小屋に殆どの荷物を置いてあるので、当に身も心も軽い。

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更に雪を纏った立山。完全に雪山である。雷鳥坂を下山する10名程のパーティーが見える。

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室堂にも雪が降った。左側に浄土山、右奥に薬師岳。

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 しかし、その爽快な天気も室堂乗越まで。ガスが湧いてたちまち景色は見えなくなった。おまけに立山や剱方面へ行く予定をしていた人々が、我々のようにこぞって行き先を変更したらしく、奥大日岳は結構な混雑だった。11時10分、山頂到着。昼食を摂ってしばし休憩。ちょうどガスが晴れてきた。

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奥大日岳山頂にて。

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ちょうどガスが晴れて青空も見えた。

 頂上を辞した後、隣の5mほど高い本当のピークにも立ち寄り、下山開始。気温の上昇と多くの踏み跡で雪は殆どなくなり、帰りは全くアイゼンを使わなかった。新室堂乗越を過ぎてからは殆ど人に会わなくなり、代わりに雷鳥と何度か出会った。またもやサービス満点で、ウンチをするところを見せてくれたりもした。

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 剱御前小舎に戻ったのが14時40分。部屋に入って越路さんと今日もささやかな乾杯をする。夕方、一人で別山まで夕景を撮影に行くことにした。晴れているならば当然、越路さんも誘うが外は生憎の霧である。霧の中を一人、雪を踏んでいく。誰もいない、雪稜をしばし愉しむ。(晴れなくても、別にいいかな)しかし、別山の手前でガスはかき消えて濃い青色が全天に広がった。

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ガスが晴れていく…

 私は夢中で撮影をした。剱岳、立山は残念ながら殆どガスで覆われていたものの、素晴らしい夕景だった。手がかじかんだら祠に身を寄せて風を避けた。そういえば以前にもこうやって、別山で寒さを堪えて撮影したことがあった。軍手に長靴。しかし、初めて見る紅く染まった雪の剱岳は、私に寒さを感じさせない程に美しかった。あの時は陽が沈んで真っ暗な中、室堂まで下りて行ったっけ…

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誰もいない別山山頂にて。後は祠。

 山は見えなかったが、きれいな夕景を見られただけでも私の心は満たされていた。明日の天気予報は晴れ、きっとこのまま晴れる、明日の朝は越路さんと登ってこよう。ちょっと長居しすぎたので夕食の時間がギリギリ、小走りで急いで小屋へ戻った。夕食後、外に出ると剱岳にかかっていた霧が消えていた。富山の夜景も見える。空は満天の星、この夜は星の撮影をしていて寝たのは23時だった。

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剱御前小舎より剱岳方面。この日はすごい星空だった。

===つづく===

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最終更新日  2009年10月17日 02時48分33秒
2009年09月03日
続きです。花の名前はほとんどわからん。

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※全てリコーカプリオで撮影しました。






最終更新日  2009年09月03日 20時48分53秒
2009年09月02日
夏の北アルプス山行で出会った花々です。コメントなしの垂れ流し状態です。どうもすいません。

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=====図々しくも続く=====






最終更新日  2009年09月03日 20時52分34秒
2009年09月01日
 何度か書いたが、フィルムカメラで撮した写真は後の処理が大変。スキャンして、処理をして、ようやく載せることが出来る。って1ヶ月以上かかってるやん…
お待たせしました。では、どうぞ。

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7月20日の朝。西岳山頂にて。

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穂高連峰を望む。

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槍ヶ岳。

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常念岳方面。

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朝一番の光を浴びる槍ヶ岳と北鎌尾根。

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7月20日夕方。北鎌尾根独標付近にて。

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7月23日の朝。双六岳山頂にて。

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日の出。

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三俣蓮華岳方面。

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槍ヶ岳と北鎌尾根、もう一丁。

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雲海。

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雷鳥母子。

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双六岳下山中。

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花見平付近より。

この山行の記録はコチラ↓(長いです。5章に別れています。)
http://plaza.rakuten.co.jp/yunchol/diary/200907260000/






最終更新日  2009年09月01日 21時09分52秒
2009年08月08日
09年07月19~23日 西岳~水俣乗越~北鎌尾根~槍ヶ岳~双六岳(7月23日・第5日目 最終日)

 23日、最終日だ。3時起床、早速小屋の外に出てみる。「おお…」満天の星が出ていた。(双六池に行ってみようか)池に星が写って凄く綺麗だ、と聞いていた。しかし時間がない。オレは昨夜決めていた通り、双六岳を登り始めた。(あと半時間、早起きすれば良かった)1時間、暗い山道を登り、4時20分、山頂に着いた。辺りは既に薄明るい。オレ以外には誰もいなかった。

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双六岳山頂。

 南東の方角に槍ヶ岳が見えた。右に穂高連峰、左に北鎌尾根を従え、凛々しくそびえ立っていた。かっちょええ…なんとも贅沢な眺めだった。全方位良い眺めだったが、オレはほとんど槍ヶ岳ばかり見ていた。これが見たかった光景、深く感ずるものがあったものの、思ったより感情の昂ぶりはなかった。腰を下ろし煙草を一服しながら、じっくり山々との対話を愉しむ。山に来て一番充実するひとときである。

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未明の槍ヶ岳。

 やがて陽が昇って景色は刻一刻と表情を変えていく。この時間になると、やはり撮影に忙しい。今回の山行では一眼レフでの撮影はあまりしていない。この時ばかりは手当たり次第に目に映る光景を切り取っていった。

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日の出。槍はほぼ、逆光になる。

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北へ延びる稜線。三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳と連なる。

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槍へ向かって走る!セルフタイマー10秒間で。

 さて、下りるか。6時半、陽が高くなり、撮影も落ち着いたので下山しようとした時、ゲップのような声。やや、雷鳥!また出た!雷鳥親子の出現で下山は半時間遅れた。

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雷鳥だって槍ヶ岳を眺めるのだ。

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雷鳥母子。もろ逆光。

 いい天気だった。気分がよくて度々撮影に足を止め、双六小屋に戻ったのは8時前だった。当然、他の客は皆出発して誰もいない。荷物をまとめ、8時過ぎ、出発。

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 小屋から南へ下っていく。いい景色だ。相変わらず、花が多い。バスの時間があるので、あまりのんびりできないのだが、ついつい撮影に足を止めてしまう。

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 突然、前方の視界が開け、槍穂の連峰が目の前に広がった。そしてそれは、唐突に訪れた。背骨の、尻辺りから後頭部へと熱いモノが疾り抜ける。あっ、この感覚は…思う間もなく涙がこぼれ出た。感情が昂ぶり、様々な想いが流れ出てきた。悔しい想い、感謝の想い…「うおおおっ!」吼える。山から視線を外し、目を瞑る。鼻から大きく息を吸い、ゆっくりと吐く。徐々に昂ぶりは去っていった。腰を下ろして煙草に火を付ける。ああ、ビックリしたな、もう。

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槍穂高のパノラマ。

 スッキリした。涙を流すと気分が爽快になる。頭の中の薄い膜を取り除いたような、晴れ晴れとした気持ちだった。ゆっくり槍ヶ岳を眺め入る。北鎌尾根…今回は…あかなんだな。槍ヶ岳山頂まで歩き通せたが、あかなんだ。自分の心がよく解っている。独りで山に登ってきた。自分の力だけでどこまでやれるのか。自分の力を試したかった。ちょうど10年前の夏、伊吹山。あれが最初やったな。それから奈良の山々。夏。そして冬、雪山へ。一つの山から縦走へ。足を延ばして石鎚山へ。大山へ。北陸の雪山。白山。そして日本アルプス。一番憧れていた山、槍ヶ岳へ。5年前だったか。虜になった。縦走へ。残雪の春山へ。そして冬季。少しずつ、昇ってきた。それこそ登山のように。全ての山が一人ではなかったが、誰にも教わらず、自分自身の肉体を実験台にして、己の力を試し、糧としてきた。

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つまんだろ。

 どうやら、ここまでやな。これ以上は…無理だ。そう思える山行だった。しかしそれは「現時点のオレ」が、である。オレはさらなる高みへ…
(また、来る)
 北鎌尾根を眺めながら、そう思った。

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双六小屋を振り返る。

 (それにしてもこの道はぜんっぜん進まんな)絶景と花。小屋からまだほとんど歩いていないのに、既に一時間が過ぎていた。(気分爽快となった所でトバして行こう)そう思ったのだが、なかなか前へ進めない。(この先は…花見平か…嫌な予感がする)そしてやはり花見平は名前の通り素晴らしい所で、やはり足止めを喰らう。

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花見平にて。

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ニッコウキスゲも咲いていた。

 弓折乗越から鏡平山荘へと向かう。バスの時間が気になるものの、依然歩みはのろい。(もう、チョリオ、ええ加減にせえや)義弟ユンオの声が聞こえてきそうだ。「先行っとけ。もうこれ一枚だけや」眼下に鏡平山荘が見えているのに一向に近づいてこない。「なんでだ?」(てめえが写真ばっか撮ってるからやろ!)「はは、分かってるって。ユンオ、そんなに怒るな」

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それにしても花の多い道だった。しかも槍をバックにできるので、絵になる。

 小屋到着10時半。鏡平山荘は池に槍ヶ岳が映る絶景の地で、風景写真家がよく訪れる山小屋である。しかしぼやぼやしている間に雲が湧き、槍ヶ岳は姿を消してしまっていた。少し残念だったが、槍ヶ岳はもういっぱい見たし、これ以上写真に時間を費やしたくない。むしろ良かったと思う。小屋でカレーを食べ、ここからは本腰を入れて歩く。11時出発、14時新穂高着。

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鏡平。本来なら槍ヶ岳が映るはず。

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秩父沢で水浴び。

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でっかいテントウムシ。

 バスを待つ間、自販機で缶コーヒーを買い、木陰に腰掛けて煙草を吸った。暑い。夏の青空が広がっていた。心が和む。このまま寝そべって午睡でもしたいような穏やかさだ。ふと、雨の中での岩峰との格闘が頭をよぎる。冷たい雨だった。あれは…二日前か。たった二日しか経っていないのか。なんだかもう、ずいぶん前の出来事のようだ。オレの夏は終わった…ポツンと、そう思った。

 終わったのだ。

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最終更新日  2009年08月09日 02時40分51秒
2009年07月30日
09年07月19~23日 西岳~水俣乗越~北鎌尾根~槍ヶ岳~双六岳(7月22日・第4日目)

 22日は何時に起きたか…忘れてしまった。煙草を吸いに小屋の外に出てみると、日は出ていて明るくなっていたが、ガスで真っ白。雨ではなかったが、すぐ横の槍の穂先も見えなかった。とりあえず一服して、出発の準備をした。荷物をまとめながら、さあどうしようか、と考える。まだ行ったことのない西鎌尾根を歩いてみよう、と漠然と考えていたが、ちゃんとした日程は考えていない。どうするにせよ、荷物はまとめないといけない。のろのろと、まだ濡れているザックに、これまた濡れている荷物を詰め込み、外へ出た。

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昨日の雨天でカメラを酷使したせいでカメラの内部が曇っている。実際はこんなにガスってはいない。

 帰ろうか…実はそんな考えも浮かんだ。なんだかもう、だるい。体がしんどい、というより、気持ちが重かった。帰ってムスコの顔を見たかった。(でもなあ、せっかくアルプス来てるのに勿体ない…)それに、なにか、やり残したような…小屋の外では幾分、ガスが晴れてきていて槍の穂先が見えた、隠れたとちょっとした騒ぎになっていた。「わたし、やっぱり登ってくるわ」というおばさんの声を後にオレは西鎌尾根の方へ歩き出した。

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西鎌尾根。

 とりあえず、双六、行ってみっか。一番近い双六小屋まで地図上で4時間半。今7時半やから、普通に歩いて12時着か。よし、倍で行こう。勿論2時間とかで行くという意味ではない。倍の9時間かけて歩こう、という意味である。目標時間、16時半、ゆっくり写真を撮りながら歩こう。今まであまり写真を撮っていなかったので、念入りに花を撮り歩いた。仙丈乗越着9時40分、いかん、2時間しかかかってへん、3時間で歩かなあかんのに。倍の早さで歩くのは勿論大変だが、倍の遅さで進むというのも、結構大変である。

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ハクサンイチゲと西鎌尾根。

 なかなかスッキリとは晴れないものの、景色は見渡せた。空には雲やガスがかかり、お天道様はなかなか顔を出さんな…と見上げてみると、太陽が欠けている。(あ、そや、日蝕や)すっかり忘れていた。地図にも「22日日蝕10時~」と書き込んであるにもかかわらず、全く思い出さなかった。(危うく見逃すとこやった)ちょうどガスがかかって、欠けている様子が肉眼でもよく見えた。

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 西鎌尾根は展望も良く、花も多く、しかも歩きやすくて申し分ない。雪渓を歩いている時に、槍ヶ岳がチラッと見えた。(あっ、北鎌尾根が見える)しかし、その稜線はすぐにガスに消されてしまった。(ああ、見えへんなった…もっと見ていたかったのに)この時、なにか、うまく表現できない感情が出そうになった。北鎌尾根をもっと見たいような、あまり見たくないような…それにしても、なんかつまらんな…あっ!今、気付いた。あれ?ほんま、オレ、あんまり楽しくない。なんで?念願の北鎌尾根も終わり、後はのんびり稜線散歩、ここは楽しい北アルプス!のはずやのに…ふう、と息をつく。…まあ、ええわい。行こう。

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ガスが切れて北鎌尾根が見えた。

 お、エーデルワイス。ウスユキソウや。別に有名な歌があるからではないが、好きな花である。あ、クロユリ!ここで会ったがなんとやら、思い残すことのないよう、撮りまくった。しかしクロユリは後からいっぱい見ることができた。ここではそんなに珍しくないみたいやな…

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ウスユキソウ。可憐だ。

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クロユリ。気付いている読者もおられるかも知れないが(いるのか?)、今度の山行は文章主体にしたかったので、花の写真はわざと載せていません。また改めて載せる予定です。でも今回はちょっと多めに載せておこう。

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キヌガサソウ。

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ウスユキソウ、もう一丁。

 日蝕も終わり、左俣岳に近づいた頃、ガスが濃くなり、景色は見えなくなった。景観の写真は半ば捨てて被写体は花、である。写真を撮ることを意識しながら歩いている時、これはオレの場合だが、不思議なもので、その時カメラに付いているレンズの“眼”で見ている。広角レンズの場合は広い視野で、望遠レンズだと風景を切り取りながら、マクロレンズだとさらに小さなモノを追う眼で歩くのである。この時持っていた一眼レフには広角のズームレンズがついていたのだが、(というよりこのレンズしか持ってきていない)オレの眼は完全にマクロになっており、至近距離で写せるデジカメでの撮影を念頭に置いている。

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キンポウゲの場合。

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ハクサンイチゲの場合。

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タンポポの場合。

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オレの場合。

 左俣岳を越え、ほのかに硫黄の匂いのする硫黄乗越を過ぎた。花は依然、多く咲いており、オレは夢中で撮りまくった。おかげでモヤモヤした気分も少し晴れた。15時20分、樅沢岳に到着。槍ヶ岳山荘から8時間。おお、ええペースや。樅沢岳からは槍ヶ岳の展望が良い、と書いてあるが残念ながらガスで見えず。北へ伸びる稜線と先の鷲羽岳が見えた。子連れの母雷鳥が現れたため、カメラで追い回す。そういえば、北鎌尾根でも雷鳥を見たなあ。それにしても槍ヶ岳、見えへんかなあ…しかし、厚い雲は動かず、仕方なく下に見えている双六小屋へと下りていった。

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雷鳥。

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コバイケイソウ。

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樅沢岳より双六小屋と双六岳。

 小屋に着いて受付、夕食のみ注文する。テント泊とも考えたが、もう億劫。缶コーヒーを買って一服する。荷物の整理をして夕食を食べた。外に出てみると、またガスが出始めていた。小屋からは槍ヶ岳は見えない。オレはカメラだけ持って樅沢岳にまた登った。ガスで真っ白だった。日没まで40分。晴れる確率は1割もないやろなあ。ほんのわずかな僥倖を期待して、じっと待つ。なぜだか無性に槍ヶ岳が見たかった。北鎌尾根を、見たかった。しかし、結局ガスは晴れず、下り始めた。北側のガスは少し晴れ、夕焼けが覗き、鷲羽岳がが見えた。小屋に戻り、目覚ましを3時にセットして、早々に寝た。

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ガスの切れ目に見える夕焼けをバックにハイマツなんぞを撮ってみる。






最終更新日  2009年07月30日 23時17分14秒
2009年07月28日
09年07月19~23日 西岳~水俣乗越~北鎌尾根~槍ヶ岳~双六岳(7月21日・第3日目)

 21日、4時起床。テントの外を見てみる。真っ白。ガスである。再び寝た。雨の音がする。ああ…やっぱりなあ…雨はすぐに止んだ。外に出てみる。やはりまっ白け。風も強い。テントのゆるみを直していると、また雨が降ってきた。雨は断続的に降ったり止んだり。手持ちの水が少なかったので、テントから滴る雨水を集めた。すぐに500cc集まったが、テントの汚れでだいぶ濁っている。この水は沸かしてコーヒーにして飲んだ。

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 テントの中は案外、快適である。夏で気温が高いし、シュラフを持ってきていなかったが、代わりに冬用のダウンジャケットを着ているので寒くない。結構浸水を許してはいるが、銀マットを敷いている右側は無事である。左側に重い三脚とビニール袋に包んだカメラバッグを置いてあるので、水は全部そこに溜まる。時々、コッフェルで掬って外に捨ててやればOKだ。持ってきた本、貴志祐介のクリムゾンの迷宮は重たかったが持ってきて良かった。読み応え十分。実は一度読んだことがあるのだが、あまり憶えていないので、また楽しめた。記憶力が悪いのは、こういう時便利だ。

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貯めた雨水。

 本を読みながらも外の様子が気になる。時折外を見るが、相変わらず真っ白だ。ただ、雨はあまり降らなくなった。早朝はかなり強く降ったが、明るくなってからは小雨程度、しかも降る間隔が長くなっている。10時頃だったか、外に出た時、ガスが切れて左右の谷が見えた。ガスを透かして太陽も見えた。晴れるか!?期待したが、すぐに太陽は雲に隠れてしまった。

 天気は良くなってきている気がする。いつでも出られるように準備しておこう。ちょうど本も読み終えた。そして13時、雲の切れ目から青空が見えた。行ける!頼む、4時間、いや、3時間だけ、もってくれ。テントを片づけて、出発。

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 甘い。甘いなあ、チョリオよ。そないに都合よく晴れまっかいな。ましてや、雨男の貴様が。出発して、わずか5分で雨が降り出した。ああ、もう…独標を過ぎたこの辺りは連続して岩峰が連なる、北鎌尾根の言わば核心部である。独標をP10とし、P11、P12、P13、P14と連続してピークがある。しかし実際には顕著なピーク以外にも小ピークがあり、しかもその岩峰を乗り越えたり巻いたりウロウロしているうちに一体、何番目のピークかなんて分からなくなった。視界が悪すぎる。1つ岩峰を越えるとガスの向こうに、うっすら次の岩峰が見える。それを越えるとまたその向こうに次の岩峰が…

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 雨はいつしか土砂降りになっていた。寒い。ダウンジャケットを着込んでいるが、濡れてしまって保温力がなくなっている。ああ、また岩峰。右に巻くか?左に巻くか?それとも直登か?それまで夢中で岩と格闘していたが、急に、なにか億劫になってしまった。こんな時、義弟のサクライがいれば…「ここは私めが見て参ります」「お?そうか…」「…コーサーン、コッチッスヨー」「お、直登か。なるほど、これが正解っぽいな、サクライ、ご苦労。」なんてな…

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  「穂先は近い 気を抜かず頑張れ」
 雨に濡れたレリーフを見つけた。時間はすでに17時を過ぎていた。いよいよ最後だ。「おおぅ!」と吼えて渇を入れる。慎重に登り口を見極め、慎重に登っていく。案外、登りやすい。そして17時42分、ついに槍ヶ岳の頂上に出た。祠の前で目を瞑り、暫く頭を垂れたまま、何度も荒い息をついた。はあ、これで、終わり、か。ああ、難儀やった…いくつかあったピンチが頭をよぎった。大きな安堵はあったが、達成感は、なかった。2日間の悪戦苦闘は、ただ、己の未熟さと迂闊さを思い知ったのみであった。くそ……。呼吸が元に戻った。顔を上げる。さあ、下りるか。ここからは何度か通ったことのある道、しかし、慎重に槍岳山荘へと下って行った。

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やっとこさ、着いたあ・・・

 山小屋というのは本当にありがたい。到着して1時間後には満腹になって、ストーブの前で煙草を吸っていた。そして明日のことも考えず、目覚ましもセットしないで、布団の中にもぐり込んだ。うつらうつらしながら、今日のことを思い返していた。危うい岩場…右足、左手…いかんっ滑った!落ちる!…目を覚ました。えっ?眠っていたのか?夢だったのか?激しい動悸。また浅い眠りに入る。足下は濡れた岩。危ないなあ…出っ張りをしっかり持って…とその出っ張った石が根こそぎ剥がれ、落ちる!…また夢?激しい動悸。いったいどうしたんや、オレ。一度ヘッドライトを点ける。オレの他には誰もいない。上の寝床にも、誰もいない。おお、貸し切りか。せや、ええこと思い出した。オレはザックからiPodを取り出し、音楽を聴いた。バッハ、アルビノーニ、バーバー…身体に染み入るようだ。音楽に集中していると頭の中の雑多な感情が流されていくような感覚。おお、こりゃあ、ええわあ…それからは夢を見ずに眠りに就くことができた。






最終更新日  2009年07月28日 09時04分40秒
2009年07月27日
09年07月19~23日 西岳~水俣乗越~北鎌尾根~槍ヶ岳~双六岳(7月20日・第2日目)

 20日。3時30分起床、やはり晴れている。カメラだけ持って暗い内から西岳に登る。4時に山頂に着き、日の出を迎えた。東に立派な常念岳。北の方には遠く後立山連峰が見える。あの双耳峰は鹿島槍かな?剱岳も少し顔を覗かせている。西には穂高・槍。そしてオレの目はやはり、今日歩くはずの北鎌尾根に。やっぱギザギザやなあ。あんなとこ歩くんかあ。

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常念岳。きれいな朝焼け。

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穂高連峰とヒュッテ西岳。

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どうしても北鎌尾根に目がいく。

 ヒュッテ西岳に戻り、6時10分、出発。昨日通った水俣乗越まで戻り、そこから天上沢側へ下りていく。ここからは地図にルートのないバリエーションルートである。しかし幸い、分かりやすい踏み跡がついていた。雪渓を行き、いつしか川原歩きに。灼けたゴロゴロ石を歩いていく。暑い。左側に北鎌尾根の独標がひときわ大きく見える。その奥に天狗の腰掛けと呼ばれるP8。この後あれを登り返すのかと思うと、いささかウンザリした。川幅が広くなり、焚き火跡を見て北鎌沢出合に着いたことが分かった。ガイドブックに書いてあったようなケルンは見当たらなかった。その辺りを何度か行ったり来たりしたが、どうも取り付き点が分からない。沢を登り返して行くのだが、昨日までの雨のせいか、幾つも流れ込みがあるのである。(どれかなあ?)迷ってばかりいても始まらない。意を決して、それっぽい沢を登り始めた。

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水俣乗越下の雪渓より北鎌尾根を見る。独標がひときわ目立つ。

 (間違えた…)オレは自分の選んだ沢を進み、ものの10分程でジャングルのような樹林帯で悪戦苦闘していた。間違えたのが分かったら戻ればいいのだが、また、そうすべきなのだが、オレは何故か意地になってジャングルを進んでいった。1時間程、悪戦苦闘を続けたであろうか。流石にその頃にはバカなオレにも後悔の念が湧いていた。(なんで戻らへんかってん!)木々の合間から天狗の腰掛けが見えた。(あんなとこまで行けるのかいな。このままでは日が暮れるなあ)ん?左の方から水の流れる音が聞こえてきた。あっちが正解や。なんとかもがきながら、その沢に出た。はあ、やれやれ…ちょっと休憩。冷たい水で顔を洗うと生き返る思いがした。

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悪戦苦闘の末、ようやく沢に出る。

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休憩していると、蝶が汗を吸いに寄ってくる。

 沢を登っていく。すぐに沢が左右に分かれている。右側、右俣を進み、ひたすら登る。流れがなくなり、また沢が左右に分かれていた。右側の上方に尾根が見えている。右を選び進むとゴミが落ちていた。正解か…そのまま進むと草の生えた急斜面に出た。それを登ると尾根だ。それにしても、これを登るのか?えらいこっちゃな…カナビラが落ちていた。(誰かザイルを使ったんやな…)ツルツル滑る草の急斜面を強引に登り、ようやく尾根に出た。ここが北鎌沢のコル?ガイドブックでは小広い休憩地とあるが?そこはとてもそうには見えない。嫌な予感がしてGPSの電源を入れ、現在地を確認する。(間違えた…)北鎌沢のコルより手前に出てしまった…P6とP7の間だった。

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スノーブリッジの下を行く。涼しくて気持ちいい。

 なんとバカな!ああ、さっきの沢が別れていた所、あそこは右でなく左だったのだ!ゴミが落ちていたから右と思い込んでしまった…なんで面倒がらずにGPSで確認しなかったのか。引き返そうにもあのツルツルの草の斜面は降りられない…なんとかP7を越えて北鎌沢のコルまで行かなければ。またも犯してしまった自分の大失態を呪いながら、またも悪戦苦闘が始まった。かなり恐ろしい目に遭いながらなんとかコルにたどり着いた時には既に15時になっていた。北鎌沢出合で9時半だったので、ここまで5時間半もかかってしまっている。予定では3時間のはずだったのだが。それにしても、心底、怖かった。この間、撮影は一切なし。無我夢中だった。これまでも無茶なことは結構、やった。大山での剣ヶ峰縦走。ジャンダルム。冬の弥山川。それらを抑え、今回の北鎌P7越えが「これまでの怖かったとこ・堂々の第1位」に躍り出た。(ほんまチョリオ、お前、ええかげんにせえよ!)小広い休憩地で猛反省。ポケットからムスコの描いた絵をしみじみ眺めた。(あっちゃん、ゴメンな。お父さん、今回はほんま危なかったわ)

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かなり恐ろしい目に遭いながらもP7を越える。半泣き。前方に天狗の腰掛け(P8)と独標(P10)。

 随分遅くなったが、先に進むことにする。翌日はまた天気が悪くなりそう、進めるだけ進んでおこうと考えた。天狗の腰掛けに16時40分到着、前方に独標が大きく立ちはだかる。槍ヶ岳はその独標に隠れて見えない。ここでテントを張るか?いや、まだや。先へ進もう。

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天狗の腰掛けから独標を望む。でかい。

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独標の巻き道。なかなか険しい。

 さらに進む。先のP9と独標は右側、仙丈沢方面を巻いて越える。岩峰の危ない道ではあったが、慎重に歩いていれば問題ない。19時に独標を越えてコルに到着。もう陽が沈む寸前だった。急いでテントを張り、ようやく落ち着いた。ふうぅ、長い一日やったなあ…

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コルへの登り返し。槍が見える。

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独標を越え、再び稜線へ。槍ヶ岳、かっちょええなあ。

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すぐにテントを張る。写真を撮る間もなく、陽が沈んでしまった。

 テントに入り、ようやく人心地ついた。いやあ、今日は危なかった。緊張の連続で空腹を忘れていたが、腹が減っていることに気付いた。おお、そういや昨日の晩から何も食べてへんがな。飴しゃぶったくらいやった。それでもまだ、緊張が残っているようだ。お菓子をボソボソ食べると食欲はなくなってしまった。明日もまた大変な所を歩くことになる。しかも、天候が悪化するだろう。それを思うとなかなか緊張がほぐれない。持ってきた本、貴志祐介のクリムゾンの迷宮を少し読むと、やはり相当疲れていたのであろう、早々に眠りに就いた。






最終更新日  2009年07月27日 21時04分10秒

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