だんなが献血に行くと言い出した。
彼はよく献血に行くのだが、今回は特にお願い事があり
『願掛け』の献血なのだそうだ。
「おまえも今日は成分献血しろよ!」
えっ、あんたの『願掛け』に私の血も捧げるの~
と思ったのだが、
『願掛け』の内容が内容だけにいやとも言えず・・・
実は私、献血にトライするのは3回目なのだ。
1回目は、問診の段階でひっかかり
「今回はちょっと・・・」
と断られた。
2回目は、体重制限で成分献血しかできないことがわかり
時間がなくてやめたのだ。
(成分献血は1時間弱かかるといわれた)
今日は、体調も万全、時間もたっぷりあるので大丈夫。
問診表に記入して、提出。
今回のには、新たに英国滞在の項目が加えられていた。
ドクターの問診、血圧測定。そして・・・
検査のための血液を採られるのだ。
血管の太いほうの腕から献血用の血液を
細いほうの腕から、検査用の血液が抜かれる。
右腕から、検査用の血液を抜かれることになった。
「気分が悪くなったり、痛くなったりしたら言って下さいね。」
小さな針が血管に刺され、細い管を通して
小型の試験管のようなものに血液が注がれていく。
小さなビンはみるみる満たされていった。
終わった・・・
と思いきや、次の試験管がつけられた。
あれ~
3本目、4本目・・・
えっ、まだ採るの~?
看護婦さんの声が遠くの方から聞こえる。
目の前が暗い。
あれ、星まで出てきた・・・
こ、これはまずいのでは・・・
「す、すみません、少し気分が・・・」
ZZZZZZZ・・・
気がつくと、隅っこのベッドで寝かされていた。
はっ、と我に返り
「もう、大丈夫で~す!」
と元気に言ってはみたものの、時既に遅く
「今回はちょっと・・・」
と、またまた言われてしまったのだった。
情けないやら、恥ずかしいやら・・・
な~にしに行ったんだか・・・
「水分をたくさんとって、休んでいかれてください。」
お茶を飲みながら休んでいると、献血を終えただんなが
偉そうにやってきた。
「おまえ、何やってんの~
人のお役にたてんやつやなぁ・・・
まぁ、オレの血で茶~でも飲んでくれ
オレの血でお菓子も食っていいぞ~」
だって~
せめて、献血終わるまでガマンできれば良かったね~
だんなの『願掛け』にも汚点をつけちゃったかなぁ~
というわけで、私の献血は、今回も未遂に終わった。