小泉任侠道 by ゆんたま
先日の朝のTV番組で、面白い話をしていた。小泉総理についての情報である。小泉総理の祖父・またぞう氏は元々鳶(とび)職で、体中に刺青をいれていたそうだ。子供の頃に一緒にお風呂に入って、その墨を消そうと小泉少年は一生懸命に祖父の背中を洗ったが消えなかった、という話があるらしい。(かわいいねぇ。^^)「小泉組、会津小鉄組と闘争」などという記事が新聞に載ったこともあるのだとか。そこまですれば鳶職とはいえ、ほとんどヤ○ザと変わらない。でも昔の任侠人は今と違って、堅気の人に迷惑はかけないというのが当たり前だから、この祖父もさぞかし男気のある人だったのだろう。やがて、またぞう氏は世の中を変えないといけないと思ったそうで、政界に打って出た。年代的には明治の中頃位だろうか、人望が厚くて力があれば、そういうことも少なからずあったのだろう。今でも浜田幸一というような人もいるけどね。(^^;ところが、またぞう氏の一人娘(だったと思う)が男性と恋に落ちて駆け落ちをした。またぞう氏は烈火のごとく怒ったようだが、結局その男性は婿養子に入ったらしい。これが小泉氏の父君である。父もまた政治家だったが、小泉氏がロンドン留学中に死去。ほとんど社会というものを知らないままに小泉氏は政界に入り、福田派に入ったそうだ。その後、福田は田中角栄と戦って敗れた。二人の政策は全然違っていて、福田は節約・健全路線。ところが田中角栄は公共事業拡大、消費拡大路線。景気の良い田中角栄は、金にモノを言わせて福田に勝利した。その時にまだ若かった青年小泉が、福田氏の体を抱いて号泣していたのを覚えている、と某政治評論家は言っていた。正義が金に敗れるのを目の当たりにして、血気盛んな青年小泉はどれほどか悔しい思いをしたのだろう。その後、小泉氏は郵政大臣の任にも就いたが、この時に郵政省の役人達に大分いじめられたそうである。いろんな報告が一切大臣に報告されないとか、そんな陰湿ないじめにあって、その時に尚一層、民営化すべきだという思いを強めたのだろう、と政治評論家は言っていた。小泉氏は「自民党をぶっ潰す、派閥を壊す」とは言いながら、本当のところは非常に派閥意識の強い人間だ、とも言っていた。だから、道路公団や郵政の民営化をあくまでも推し進めようとするのだそうな。なぜなら、道路公団はまさに田中角栄の牙城だったところだし、特定郵便局を一気に増やして集票マシーンにしたのも田中角栄だったからだ。でも、福田派という派閥を守るというよりは、自分が正しいと思った主義主張はどんなことをしても貫くぞ、という思いが小泉氏は強いんじゃないかと思う。「正義は我にあり!」ときっと信じているだろう。クソ意地ってやつかもしれない。祖父云々という話をした作家だったと思うが、鳶職人の祖父の血を受けて、小泉氏も喧嘩上手だと言っていた。森元総理が説得に行った時に、「オレは殺されても構わないんだ!」と小泉が言ったという話だが、「普通の人はそんなこと言いませんよ。」と言っていた。どういう脈絡の中で出てきた言葉かはわからないけどね。喧嘩上手な小泉は一歩も退かない。加藤紘一のように退いてしまったら負けだとわかっているから。それと、オペラと歌舞伎が好きな小泉氏は、自己演出というものを本能的に身につけているとも言ってた。普通は派閥の長になって、たくさんお金を集めて派閥の人間を食わせ、それでもって初めて自分のやりたい政策を実現していくものだが、小泉氏は派閥の長でもなくお金も使わない。それでいてあれだけ自分の主張を押し通し、自民党そのものを壊そうとしているその根性は実に見上げたものだと思う。「断固として事に当たれば鬼神もこれを避く」という言葉がふと連想される。小泉にとっては、今がまさにヤ○ザの「出入り」みたいなもので、抜き身の刀を引っさげている心境かもしれない。だが、一個人としての小泉氏のそういう一本筋の通った生き方(TV番組を鵜呑みにすれば、の話だが)には感心するものの、今回の郵政民営化の問題で、年金問題やら景気回復のことやら拉致問題やら、優先順位としてはそっちの方が高いんじゃないかと思うことが全部すっ飛んでしまったのも確かだ。衆議院解散で、この4年間(だっけ?)ずっと継続審議してきた数々の議題も、すっ飛んでしまったことになる。4年間の国民の税金は、霧のように消え失せたわけだ。いろんな問題に対していつも他人事のようにコメントする小泉氏は、この責任をどう取るんだろう?郵政民営化についてはアメリカからの圧力が相当あるっていうよね。日本国民のお金を市場に引っ張り出すのが目的なんだろうけど、またアメリカに都合よく使われるのかとムカつく気持ちもある。でもいずれにしても、もう既にこれまでのような「大きな政府」=官主導では成り立っていかないギリギリのところに日本は来ている。そうなると、自己責任で自分を守る「小さな政府」方針(つまり民営化)で行かないと仕方ないんだろうけどね。「小さな政府」になると、税金は安い代わりに政府にお金がないから社会保障は十分してもらえなくなるし、貧富の差も激しくなるそうな。でも、「大きな政府」は社会保障はしっかりやってくれるけど、その為には役人の増員も必要だし、益々増税せざるを得ない。どちらを選択するのかは、国民一人一人の判断になる。・・・と、今夕の「ちちんぷいぷい」で解説してた。選挙まで1ヶ月。一人一人がどう選択するかだね。*******************************************************SoulNavi倶楽部本館はこちらです。