2012/01/26(木)02:30
ミネルヴァのキリスト像
サンタ マリア ソプラ ミネルヴァ教会には、
ミケランジェロのキリスト像がある。
ヴァチカンのサン ピエトロ寺院にあるピエタ
像同様に、ぴかぴかに大理石が磨かれている。
美術史の教授、ストリナーテイ氏に拠れば、
ミケランジェロは彫るのが大変早かったが、
そのあと磨くのにとても時間をかけていたという。
このキリスト像は1521年に教会内に置かれた
が、究極を極める彼は、最初に作ったキリスト像
が気に食わず、新たに作ったのが、この作品であるという。
本当はこれも気に入らなかったらしいが、注文主が
これでは作品を貰えずジマイに終わると心配して
これで妥協したらしい。
当時、ミケランジェロは法王ユリウス2世のための
広大な墓の設計および製作をしていて、かなり
忙しかったのだ。
その後、反宗教改革の動きの一部である、トレント
宗教会議後、ヌードだったキリストに覆いが
かけられることになる。
キリストがもっている十字架は、彼がかけられる
にしては小さく、シンボルとしてのものである。
彼がもっているのは、棒に水とお酢を含ませた海綿である
が*マタイの福音書*、これは最後十字架にかけられた際
キリストの口に水分を補給するために棒で海綿をつけたこと
を語っている。
ミケランジェロはラッファエッロと共にマニエリズム
の創始者として知られるが、確かにこの像も
頭を棒や十字架と反対方向に向けて、くねった動き
を出していると言えよう。