父親は、私が中学生の時からずっと単身赴任をしてきました。
学校を中心にして回っていた私の生活の中では
家に帰って父親がいないことは大した問題ではなかった。。。
父親も、仕事に専念していた現役の時は
寂しさを感じている余裕はなかったようですが
単身赴任12年目、
関係会社に転職をして、職責もなく、ある意味ストレスレスな職場に身を置いてみて
ようやく、寂しさが身に沁みるようになったらしいです。
両親は、離れて暮らしている分
毎日必ず電話で一時間話しています。
だから、一緒に暮らしていても、会話がない夫婦よりずっと
つながりが深い。
それでも、一緒に暮らしていなかった12年間で一緒にいなくても平気になった母親は
父が家に帰ってくるのを逆に心配しています。
二人でべったりと一緒にいる自分を想像できないから。
だから、父親に船を買い与えて、趣味を作ってもらいたいと思ってる。
父親は、本が大好きな母親を連れていけるように
本を読みながら寛げるリクライニングチェアを置けるような
立派な船を買おうと思っているようです。
でも、せっかく大きな魚を釣り上げても
本に没頭した母親が、「すごい!」と喜んでくれないならやっぱり寂しいよなぁ。。。と。
結局、いくつになっても
人間、寂しいと感じるし、褒めて欲しいし、喜んで欲しいと思ってるって
そういう単純なことに気づかされました。
それから、近くにいると、いつの間にか「当たり前の存在」になってしまって
なぜか大切にする対象ではなくなってしまうってことは寂しいなと。
私は父親のことを、寂しいと感じる人だとは考えたこともありませんでした。
父親は、いつも働いていて、心配性で、よくかっとなる「存在」でしかなかった。
出張の度に食事に誘ってくれる父親の気持ちを
もっと大切にしないといけないと。
いずれにしても、毎日1時間も飽きもせずしゃべる両親のことだから
今、母親はマリッジブルーみたいに心配しているけれども
父親が実家で住むようになったら、きっと目も当てられないほどラブラブになるんだろうなぁ。。。
心配したこちらが損するのは想像できるので
父親と母親が一緒に暮らせる日が来るのが楽しみになりました。