一本の杖
今週の火曜日一人の患者様が入院してこられ、水曜より私がリハの担当になりました。 その患者様はうちの病院に来る前、2年半PTのいない病院に入院され、2年間は歩いていないとの事であった。 症状としては脊椎がS字に変形し、股関節の骨頭は潰れ屈曲は60度程で著名な制限がある。さらに同側の大腿骨は既往の骨折によりプレートが入っており、膝の関節面もボロボロである。 今日評価のために、初顔合わせにいった際本人の希望を聞いてみると、『大きな事は望まないから一人で立ってみたい…』とのことであった。しかしふと、その方のベッドサイドを見ると一本のボロボロの杖が置いてあった。恐らく2年前まで使っていたものだろう。その杖が何を意味しているのだろうか…。私はすぐにピンときた。 この患者さんの本当の夢は一人で立つことなんかじゃなく、もう一度この杖を使って歩くことなんだろう。歩けなくなってからの2年間、この患者様はもう一度この杖を使ってあるくことをずっと夢みてきたんだろう。だから今もここにその杖はおいてあるんだろう。なんとかしてあげたい、もう一度夢を叶えてあげたい。こんなスキル不足の俺に何ができるかわからないけど、この患者様が頼れる人は俺しかいなくて、夢を叶えてあげれるのも俺しかいない!なにができるかわからないけど今もってる力の全てと思いの全てを込めてこの患者さまに伝えてあげよう。PTとは人の夢を叶えてあげられる大切な仕事だとおもうから、夢を叶えてあげられるだけのPTにならなきゃいけないな。頑張ろう!