2005/03/17(木)08:55
ある実業家
尊敬する実業家のA氏は、※500億円で、会社を金融機関に売却し、引退生活に入った。
元部下であった者が、後を引き継いだ。
子ども達に事業を継承することなく、本田宗一郎氏のような寂しい光景であった。
引退後は、別荘で釣りや水泳を楽しんでいたようである。
引退後もいろいろな財界の役職を引き受けたりしていた。
彼はその資産を妻子に必要な分だけ確保した後、図書館や音楽施設に寄附を度々したのである。
数冊の本も書いたようであるが、折り悪く戦争が起こり、酷く落胆されたようである。
自伝を書く途中に起こったので、継続して書く意欲を失ったようである。
死期が近づいたある日の日記が妻によって記されている。
「夫は、病気が悪くなり何度も生死をさ迷いました。丁度その頃戦争が起こり、落胆のあまり、自分の本を書き続ける意欲を失ったようです。
常に明るさを保ち、ユーモア溢れる人でした。いよいよ死期が近づいた頃、彼の周りには光が輝くような気が致しました。」妻と娘と友人たちが見守る中、生涯を閉じた。
A氏は「何故、神は私を天国にめされようとするのでしょうか?私にとってはこの世こそ天国なのに」
彼の人生を支え続けた、座右の銘は、
「良心の声のみを畏れよ」 バーンズ (イギリスの詩人) であった。
これがアンドリュー・カーネギー氏の晩年である。
成功哲学の生みの親は、インタビューに来た若き記者に、三日間に渡り成功の原理を伝えた。
これは20年の後に、この新聞記者を億万長者にさせるに充分な本を出版させた。
「思考は現実化する。」ナポレオン・ヒル 著 である。
「カーネギー個人授業」ナポレオン・ヒル きこ書房
合わせて、「アンドリュー・カーネギー自伝」中公文庫 をお薦めします。
※500億円は現在に換算すると5兆円くらいに相当する。(5億ドルと記述される)数字についてはアバウトな点があります。予めご了解下さい。