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豊かさと幸福な関係

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March 25, 2005
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カテゴリ:ライフスタイル
人生の目的はパースナリティーの向上にある。

稲盛和夫氏はこのように表現されておられる。
同感である。

さて、私たちは生きる上で、食べ物を得ることを日常の事としている。
生計を立てるために日夜働き、汗を出し、知恵をだしている。
大学へ行く目的も、本来よりよい生活を得るための手段である。
両親たちは、子どもの幸せを願うために高い教育費に目を瞑り、働いてきた。
全て「食べるため」であったのである。
金持ちになるのも、東大へ入学するのもこの目的のためだとも言えるのであろう。

「パンのみに生きるにあらず」とキリストは言われる。
あたかも人生は食べる目的の他に、違う意味があるかのように示唆する言葉である。
それが冒頭にある人間性の向上なのかもしれない。

私が中学の頃国語の先生から、「芥川龍之介全集」を読んで御覧なさい。と教えられた。
図書室で、時々遊びに言った時に告げられたのである。
それから難解なこの文学に挑戦し始めた。
お蔭で少しは国語力もついた気がした。
芥川はその後「人生は獏としている」の遺言を残し、この世から消えた。
彼にとっても人生の意味は不可解であったのだろう。
高校生の頃、倫理の教師が、カントのエピソードを授業中に語ってくれた。
東大卒のこの先生を、私は尊敬していた。
「カント大先生は、いつも決まった時間に散歩する習慣を持っていた。村人はそれを知っていたので、
夕暮れ時になっても、珍しく先生が散歩に現れないので、どうしたのだろうか?・・・」このような話であった。
カントは「エミール」を読むのに夢中になり、いつもの散歩の時間を忘れたのであった。
この話を聞き、早速図書室で「エミール」を読んでみた。
いい本であった。
随分たってから、カントが国連の原型の考案者と、人から聞いたことがあった。
やはり偉大な哲学者であったのだ。

それから、文学に夢中になった時期があった。
10年も読書をする内に「一体自分は小説に何を望んでいるのだろうか?」と根源的な疑問を抱いたのである。
そして、少しずつではあるが、気がついていったことがある。
自分は小説を通じて「救いのある人生」を求めていることが分かってきたのであった。

キリストは愛を教え、釈迦は、愛は恨みのもとと言い、余り評価をしてはいない。
二人の聖者の意見が分かれている点である。
唯二人が共通する点があるとするなら、「いきとしいけるものに救いを」という理念である。
宗教上の原点かも知れない。
これも人生の目的であろう。








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Last updated  March 25, 2005 07:41:46 AM
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