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カテゴリ:名作・名言・格言
「明日来る人」 井上 靖 作 名作
梶大助、老実業家の諦念とともに、人生を眺める姿に、大人の小説を感じさせる。 井上氏傑出の作品である。 私が最も愛読させて頂いた文学作品の一つである。 読むごとに感想が変わる印象を持った。 初めて読書した時は、実に渋い人生ドラマとして読ませて頂いた。 数度読み返す内、副主人公の「曽根二郎」の存在が妙に気になるようになってきた。 自分自身の人生観の推移とともに、観察のあり方が変化していて、面白く感じた記憶がある。 梶大助=モデルがあり、元大阪商工会議所会頭の杉道助氏のイメージを元に作られたフィクションである。 因みに、杉道助氏の菩提所にお伺いしたことがある。 山口県の東光寺に近くにあった。 その隣には高杉晋作の墓もあった。 杉氏の祖先には著名な吉田松陰もおられ、幕末の風雲に生きた情熱的な活き方とは対照的に、穏やかな世話好きの財界人として、皆に慕われたそうである。 盆も近づき、その方向へお祈りをしてみたい。 同時に「星の祭」「蒼き狼」「敦煌」もお薦めします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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