VS ボブ。4
だんだん不安になってきた。
よく考えたら「来月から異動!」と思ったのはこちらの早とちりで、本当のところはキリの良い4月1日付の異動、とかじゃないだろうか?
朝礼でも何もなく、私の目の前で奴はいつも通りにもたもた電話している。
内容は担当者変更のお知らせ・・・ではなく、いつも通り来月の設備点検の日程調整など。
やはり、期待した私があほやったのか。
調子に乗って2月分から奴のデータを削除しまくっていた私、あかん、早とちりで無駄な仕事(元に戻すという)増やしてしまっただけか。
夕方になっても何の動きもなく。
「だるーーー」と、内心ふて腐れ気味にトイレに立ち、戻ってきたら五杉さんが駆け寄って来て囁いた。
「辞令、でましたよ!」←『!』付いてるけど囁いてるの、これ。
私「え??」
五杉「辞令、出たんです!本人に伝えられただけですけどね!」
まじでー!!!!
私「い、い、いつからですか!?」
五杉「2月1日付けです!!」
私「あ、あ、明日からですか!!!」
プリンターの前で二人、大興奮してしまった。
五杉「急に言われて動揺してましたよ!(笑)見てください、今も青い顔してますよ」
ちらっと見ると、まじで青白いというか、土色というか、血の気がない顔で、わなわな震えている・・・ように見えた。
本当は震えてなかったかもしれない。
でも、そう見えるくらい、どよーんとした気持ちの悪いオーラを放って震えていた。
あ、やっぱ震えとったな、これは。
私はそれをニヤニヤしながら見ていた。
敢えて少し離れたプリンターの前に立ち、これで見納めか~ボケ、とか思いながら客観的に奴の居る風景を眺めていた。
あ~、せいせいするわっ!!
ほんま、よかった。
「4月からかい~!」とかいうツッコミで終わることもなく、普通に、平和に、終わりが迎えられた。
ほんまにうれしい。
もうわけのわからん大どんでん返しとかもないぞ。
ほんまにうれしすぎる!!!!
奴は引き継ぎのために、明日と月曜日、あと二日間はこちらの会社に来るそうだ。
どうぞどうぞ、二日間くらい、なんてことないよ!!
しかも私、月曜日に有給休暇取ってるし!!
みんなよりも一日得した気分!!
とにかく明日でオサラバなんだ!!
二度と、永遠に会うこともないだろう、なんて素晴らしいんだ!!
こんなに人を嫌うのは久し振りな気がするっ!
とにかく!
ここにいる全員がこの事に関しては以心伝心していて、高ぶっているのを感じた。