2012/02/18(土)01:17
ドキドキ参観。
参観日。
算数。
円柱と三角柱をボール紙で作ってみよう、という内容。
みんなコンパスで円を描いてる。
ストーブの前のユウはだるそうにボール紙をうちわにパタパタやってる。
「先にどちらも展開図を仕上げて。その後円柱をつくりましょう。たぶん今日はもう時間がないから、今日はまず円柱。三角柱は明日しましょうね」
と、先生が言う。
みんな着々と半径2.5cmの円を描き、今度は高さ8cm程の柱部分に取りかかる。
早い子は三角柱の展開図まで行ってる。
ユウはまだゆっくりゆっくりパタパタ扇いでる。
見てる私はイライラし出す。
まさか。
まさか。
コンパス忘れたとか??
イライラにヒヤヒヤが乗っかる。
先生はまんべんなく皆を見回る。
ユウの前も、何度となく通ったはず。
なのに、何も言ってくれない。
『やりなさいよ』とか『忘れたの?』とか。
まさか。
まさか。
もうすでに見捨てられてる??
ユウの隣は昔スイミングで一緒だった女の子。
私が教室に入った時、ちらっと見てにこっとしてくれた。
もしもあの子がおせっかいで口うるさい女の子だったら、、、
今頃『せんせー!ユウくん全然やってませんー!』とか言い出す、けれど、そんなタイミングはとっくに過ぎてる。
私はイライラのヒヤヒヤが募りすぎてきっと今、眉間にシワが寄ってる。
どうしてくれようか?(イラッ)
と、その女の子がスッとユウの机に何かをスライドさせた。
ユウは何も言わずそれを持ち、円を描き出した。
つーか、コンパス!!
やっぱり持って来てないんか!
って思うと同時、麻薬の密売人並の二人の静かで自然なやり取りに驚いて、今のは気のせいか?何かの見間違い?とポカンとしてしまった。
ユウがのんびり展開図を描いてる、その隣で女の子は円柱を作製すべく、ハサミでチョキチョキやりだした。
私はまさかまさかと思いつつ、彼女の持ち手の赤いハサミをずっと目で追った。
まさか。
まさか。
またやるのか?
彼女はハサミを使い終わると少し顔を伏せ、隣の机の上をさりげなく見た。
作業の進み具合を確認してる!って、これはこれだけ目を離さず見てる私にしかわからないだろう。
なぜだかスパイ映画でも見ているような気になってきた。
(いやいや、普通の午後の教室)
と!
彼女の左手がスッと動いて、またユウは何も言わずにそちらも見ずに、次の瞬間にはもうチョキチョキと!
来た!!赤いハサミ!!
つーか、すげー!!
密売人!もしくは国家スパイ!!
そしてあっという間にユウは皆に追いついていた。
先生が前を通り、
「うん、やっぱり早いね」と。
そこで私は気が付いた。
先生はたぶん、全部わかってる。
これがいつものユウなんだろう。
忘れたの何なのうるさく言うより、結果出来た事をとりあえずは認めてほめてあげようと。
って、先生若いのにすごいなー。
感謝します。本当に。
隣の女の子も。
なんなん、めっちゃええ子やん!!
ていうか、知らんかったけど結構仲良しなんやろか(笑)
なんか、ほんの数分間にたくさんいろんな感情を味わうことができて、ただの参観じゃなかった気がする。
けど、ユウに一言だけ言いたい。
先に作るのは円柱やで。