フィルタリング/あきれた業者の無責任さ
だから業者の自主規制は信用できない!ケイタイ電話会社がこれ以上無視するなら、条例で禁止せよ!フィルタリング/あきれた業者の無責任さ 有害サイトを遮断する「フィルタリング」機能に関して、携帯電話販売店を対象に実施した警察の覆面調査の結果がまとまった。携帯電話の使用者が未成年の場合に義務付けられているフィルタリング設定について、説明が不十分だった店舗が4割もあった。 法律無視する説明も 2年前に施行した青少年インターネット環境整備法は関係業者に対して、18歳未満の携帯電話は原則的にフィルタリングを利用させることを義務付けているが、販売店の無責任ぶりにはあきれ果てる。警察当局は業者への指導を徹底して行い、利用率のアップに努めてほしい。 覆面調査は昨年末、全国の1630店舗で実施した。警察官やボランティアが身分を明かさずに訪れたため、店の販売姿勢の実態が露わになった。驚いたことに、携帯電話の知識が乏しい保護者に、フィルタリングの設定を促す説明が適切に行われていたのは6割しかなかった。 そればかりか、使用者の年齢を確認しなかった店舗は27%もあった。フィルタリング未設定の場合は、子供が有害サイトを閲覧する危険性があることを十分説明しないのは36%あった。中には「付けても付けなくてもどちらでもよい」「付けなくても構いません」と、法律を無視した説明を行っているケースがあった。「ネットを利用するなら、付けない方がいい」と、フィルタリングの不使用を奨励する店員もいた。 内閣府の調査では、フィルタリングの普及率は55%に止まっている。携帯電話について、保護者の知識がなかなか深まらない現状では、販売店はフィルタリング普及の「最後の砦」だ。その販売店の無責任な姿勢には、猛省を促したい。そして、店員に対する教育体制を見直し、フィルタリング普及の責任意識を喚起してほしい。 警察庁は年内にも追跡調査を行い、問題のあった店舗で、説明内容が改善されているかを確認する予定だが、もし改善が見られない場合は、現在努力義務に止まっている法律を改正し、強制力のある措置を講じることができるようにすべきだろう。 今回の調査では、携帯電話の購入時にフィルタリングを設定しても、後に解除を申し出る保護者が少なくない実態も明らかになった。現在の法律では、18歳未満でも保護者の同意があれば解除できる。子供にせがまれて渋々応じているのだろう。 「出会い系サイト」に対する規制が厳しくなったことで、ネットを利用して子供が犯罪被害に遭うケースはゲームサイトや会員制交流サイトなどの「非出会い系」に舞台が移っている。被害のほとんどは携帯電話からの接続で、しかもフィルタリングを使っていない。フィルタリングを設定すればすべての犯罪被害を防ぐことができるわけではないにしても、危険が大幅に少なくなることは間違いない。 保護者はもっと関心を 昨年1年間で、非出会い系サイトを利用して性犯罪の被害に遭った18歳未満は前年より103人増えて、1239人いた。こうした携帯電話の危険性について、保護者はもっと関心を持ってほしい。 世界日報 2011年2月20日 社説から転載