青森の弁護士 自己破産 個人再生 

2006/11/08(水)18:19

再生計画が不認可となった後、再度再生開始ができるか

再生(27)

本件は再生計画不認可の決定が確定した後に、同一の再生債務者に対して、新たな再生計画案に ついての再生計画開始申立がされた事案である。 債務者は裁判所に再生手続開始の申立をした(第1次再生手続)裁判所は、この申立に対して再生 計画認可の決定をしたところ、債権者が即時抗告した。 抗告審は、債権者平等の原則に違反するとして認可決定を取り消し再生計画不認可とする旨の決定 をし、官報広告した。債務者が抗告の許可を申し立てたが最高裁は抗告を棄却した。債務者は官報 広告の翌日、再生裁判所に修正した再生計画案について再生手続開始決定の申し立てをした。 (本件再生手続)再生裁判所は最高裁の上記許可抗告棄却決定の前に再生手続開始決定をし、その 後再生計画認可決定をした。(原々決定) 債権者がこれを不服として即時抗告した。 原決定は次のとおり理由を述べて本件再生手続き適法に開始されたものであり上記認可決定には 民事再生法174条2項1号(平成16年改正前)の事由があると認めることはできないとして抗告を 棄却した。 1 第1次再生手続における抗告審の再生計画不認可決定は官報広告により確定しており本件再生 手続の開始申し立てにより手続きが競合したとはいえないから民事再生法39条に違反しない 2 民事再生法は再生計画不認可が確定した場合、裁判所の職権による破産宣告が出来ると規定 するが(同法16条1項)再度の再生手続開始の申し立てを禁止しておらず再生債務者が再生 債権者と意見を調整し新たな再生計画のもとで再生手続きを進めることが法の趣旨反すると いうことはできない 債権者が一事不再理の法理及び民事再生法172条の4による厳格な制限を根拠に事情変更のない 再度の民事再生開始の申し立ては違法であるとして許可抗告を申し立てた。 最高裁は原審の判断は正当として是認できるとして抗告を棄却した。                      判例時報1938号 22頁

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