2009/03/20(金)22:41
闇の守り人 (上橋菜穂子)
バルサの過去に関する物語。
バルサの故郷の人々の暮らしぶりが新ヨゴ帝国とは気候も生活レベル?も違っていてまたしっかりとした設定がいい。栄えた国と貧しい国があるとか出稼ぎしなければならないとか、細かいところだけれどしっかりと作りこまれているので物語にも厚みがあるというものだ。
この間では表題にもあるように「闇」がいい。闇の中での槍舞は(火花を散らせて切り結ぶ短槍!)怖いくらいに美しいのだろうな。またキャラクター作りという点では 新登場の人物の弱さも強さもうまく生かせていると思う。弱い、と思われているものが大事なところで見せる強さ、のようなものが好きなんだけど(反対に人の心の弱さ、につけこむ○○、といった陰謀的な話も好きだ)そういう面でも期待していい。
バルサの養父、ジグロに関する過去の精算といった意味でも、ある意味鎮魂という面でも前作よりは大人向けな物語だと思う。
いや~、このシリーズ、買いですね。文庫版あるし。
闇の守り人