風水火那子の冒険　（山田正紀）

題名から占い関係のオカルト系ミステリかと思ったが風水は全く関係のない良質のミステリ。主人公・火那子（かなこ）さんはなぜか新聞配達のアルバイトをする少女で、あちこち渡り歩いているようだ。なぜ定住？してないんだろう？短編？中編？４話で読みやすかった。 解説にもあったが、ストーリーに深みを出しているのが脇役がしっかり書き込まれていることだと思う。刑事の妻がどうとか、火那子さんは話ごとに印象が違うが、語り手が変っているので彼から見た彼女の印象、と思うとそこらへんも（語り手の）キャラも深く描かれているんじゃないかな、と。 4編とも好きだが、マイベストは「ハブ」かな。ラーメンの話も良かった。 風水火那子の冒険 サマータイム…夏の終わりの海の家 麺とスープと殺人と…ラーメン横丁 ハブ…爆弾椅子探偵 極東メリー…メリーセレスト号の真実ってなんだろう