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あそびはこどもの仕事やで!:遊び学ブログ

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2012.06.12
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カテゴリ:あそび一般

 【一般的に、子どもが体の動かし方を覚えるのは幼児期だと言われています。しかし少子化や都市化によって集団で遊ぶ機会が減少し、家庭でもお手伝いなどで体を動かす経験が減るに従い、体の動かし方を十分に会得できない子どもが増えてきました。最近の子どもの運動能力の低下は、筋力の低下よりも、体の動かし方を十分に身につけていないことが原因の一つであると指摘するスポーツ学の専門家もいます。
 このため文科省は3~6歳児を対象にした運動指針を策定し、子どもの発達段階に応じてどのような運動をさせ、どんな能力を身につけさせればよいのかという目安を、幼児教育関係者や保護者に向けて示すことにしたのです。】
(【】内は記事から一部引用、Google ニュース/MSN産経ニュース:2012年6月11日)

 引用は、このほど文部科学省が策定した「幼児期運動指針」を紹介するニュース記事の一節だが、集団で身体を動かすあそびが減った、こどもたちのあそびの問題は、このブログでも一貫して指摘してきたことだ。

 ただ、文部科学省の分析としては、当事者責任が欠落したものとなっており、その結果として策定された「運動指針」は、根本的なところを見誤った「運動指針」となっている。

 ニュース記事からの引用だけでは、正確さに欠けるので、以下に長文ではあるが、文部科学省が今回策定した「幼児期運動指針」から一部引用しておく。

【現代の社会は、科学技術の飛躍的な発展などにより、生活が便利になっている。生活全体が便利になったことは、歩くことをはじめとした体を動かす機会を減少させるだけでなく、子どもにとっては、家事の手伝いなどの機会を減少させた。さらに一般的な生活をするためだけであれば、必ずしも高い体力や多くの運動量を必要としなくなっており、そうした大人の意識は、子どもが体を動かす遊びをはじめとする身体活動の軽視につながっている。
 都市化や少子化が進展したことは、社会環境や人々の生活様式を大きく変化させ、子どもにとって遊ぶ場所、遊ぶ仲間、遊ぶ時間の減少、そして交通事故や犯罪への懸念などが体を動かして遊ぶ機会の減少を招いている。
 文部科学省で平成19年度から21年度に実施した「体力向上の基礎を培うための幼児期における実践活動の在り方に関する調査研究(以下、文部科学省調査という。)」においても、体を動かす機会の減少傾向がうかがえる結果であったことから、このような社会の変化は幼児においても同様の影響を与えていると考えられる。このことは、結果的に幼児期からの多様な動きの獲得や体力・運動能力に影響している。
 幼児にとって体を動かして遊ぶ機会が減少することは、その後の児童期、青年期への運動やスポーツに親しむ資質や能力の育成の阻害に止まらず、意欲や気力の減弱、対人関係などコミュニケーションをうまく構築できないなど、子どもの心の発達にも重大な影響を及ぼすことにもなりかねない。
 このような状況を踏まえると、主体的に体を動かす遊びを中心とした身体活動を、幼児の生活全体の中に確保していくことは大きな課題である。】
(【】内は文部科学省の「幼児期運動指針」から一部引用、2012年6月12日現在)

 さらに、幼児期の後の時期のこどもたちのあそびの課題を知る上で、同じ文部科学省が策定した「多様な動きをつくる運動(遊び)パンフレット」からも一部引用しておく。

【遊びや生活習慣の変化と課題
 一方、現代は、少子化、都市化、情報化などにより、子どもたちの遊びや生活習慣が大きく変化しています。運動遊びが減ったり、日常生活が便利になったりしたことにより、体を動かす機会だけでなく、経験する動きの種類も減少しています。そのため、幼児の走る、跳ぶ、投げる、押すなどの基本的な動きの習得は低い段階にとどまっているという指摘があります。  
 児童においても同様に、基本的な動きに加えて、それらを同時に行ったり、連続して行ったりするなど運動を組み合せることについても十分身に付いていない傾向が見られます。

多様な動きをつくる運動(遊び)の考え方
 こうしたことから、新学習指導要領では、小学校低学年・中学年のうちに「基本的な動きを総合的に身に付ける」ことをねらいとして「体つくり運動」の内容に「多様な動きをつくる運動(遊び)」が位置付けられました。
 低学年・中学年においては,体力を高めることを直接の目的として行うのではなく、楽しく運動しながら、体の基本的な動きを身に付けることが重要です。そのことによって、動きの感覚が磨かれ、動きのこつをつかみやすくなりなります。このように、この時期に基本的な動きを身に付けることは、将来的な体力の向上や様々なスポーツの技能を習得しやすくすることにつながります。】
(【】内は文部科学省の「多様な動きをつくる運動(遊び)パンフレット」から一部引用、2012年6月12日現在)

 この二つの引用は、同じ文部科学省が策定したもので、当然ながら両者の基本的観点は一致している。このことは、こどもたちのあそびが、幼児期から小学校期にかけて一貫して、大きな問題をはらんでいること意味する。

 そして、そのこどもたちのあそびが抱える大きな問題は、「少子化、都市化、情報化などにより」「社会環境や人々の生活様式を大きく変化」したことにより、もたらされた点については、私を含めた広範な共通認識となっている。

 しかし、こどもたちにとって「遊ぶ場所、遊ぶ仲間、遊ぶ時間」が減少した原因を、社会の変化一般だけに求めることは、そんな原因をつくってきた、文部科学省自身の罪を隠ぺいすることとなる。

 こどもたちのあそびを大きく歪めたのは、確かに「遊ぶ場所、遊ぶ仲間、遊ぶ時間」の減少ではあるが、中でも「遊ぶ時間」の減少は、他の二つ「遊ぶ場所」と「遊ぶ仲間」を減少させる大きな要因ともなっており、この点で文部科学省が進めてきた教育政策の誤りが、指弾されなければならないのだ。

 こどもたちから「あそぶ時間」を奪ってきたのは、偏差値と言う化け物を生み出し、こどもたちが追い込まれた受験戦争、実質的にはこどもたちからあそぶゆとり奪った「ゆとり教育」、その反省と称してさらに「あそぶ時間」を搾り取った今の教育政策なのだ。

 文部科学省が推し進めてきた教育政策の一つの帰結が、こどもたちのあそびの崩壊であり、こどもたちの身体と運動能力、そしてコミュニケーション能力の低下なのだ。さらに、重要なのはあそびの崩壊は、学力にさえ暗い影を落としているのだ。

 文部科学省は、こどもたちのあそびの崩壊を、他人事のように「少子化、都市化、情報化」などの社会の変化一般に、その責任を押し付け続ける限り、こどもたちに、健康な心身と、巧みな運動能力は育ってはいかないだろう。

「こどものあそび(遊び方)」は、次のページでいろいろ紹介しています。

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最終更新日  2012.06.12 18:07:01
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