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カテゴリ:個別銘柄
北海道のドラッグストアとしては売上4位のアインファーマシーズが新たな業態とし
て取り組んでいる「アインズ&トルペ」について紹介します。 02年11月に新たなドラッグストア業態として札幌にオープンした「アインズ& トルペ」はそれまでの「アインズ」が北海道では圧倒的な独占企業であるツルハとの 競合に苦戦する中、なんとか従来のドラッグストアとは競合しない、差別化・あるい は区別化された店舗にしようと、試行錯誤を繰り返しながら完成させた業態です。 コンセプトは「ビューティに関するすべての商品を1ヶ所で買える店」 洗練された空間と徹底した化粧品関連商品の品揃えが特徴ですが、外からは 一見何を売っている店なのかがわかりにくいです。 参考までに店舗のリンクを載せておきます。 アインズ&トルペ HP アインズトルペ原宿クエスト店 以前見学に行った事があるのですが、女の子でいっぱいでした。 ただ、正直私には店舗の良さはわかりませんでした・・・ だって、化粧品なんて興味ないもんね。あったらコワイし。 アインズ&トルペ ララスクエア宇都宮店 川口キャスティ店 このアインズ&トルペを語る上で欠かせないのが「コスメ女王」庄司麻美さん です。 2000年の「TVチャンピオン」化粧品女王選手権で優勝し2代目のチャンピオン となり、その後アインファーマシーズが新業態の開発においてプロデューサーとして 起用しています。店舗開発にあたっては全面的に意見を取り入れているようです。コス メ界のオピニオンリーダーといったところでしょうか。私は全く知りませんが。 庄司さんが「TVチャンピオン」で優勝した時の様子です。 「渋谷の洋服店からは、ハンカチについた化粧の跡をヒントに、本人を店内から 連れてくるという難問に挑戦。選手は使用された化粧品のブランド名まで、正確に 答えてみせる。」だそうです。ここに出場した人たちはマニアを超えたまさに超人で しょう。 庄司麻美さんのブログです。 お忙しいのか、4/15で更新が途絶えています・・・頑張れ!庄司さん。 宇都宮店などが紹介されていますね。 ミナミトピックス 心斎橋店オープン時の記事です。庄司さんのプロフィールが紹介されています。 子供の頃から化粧品が大好きだったようで、メークアップの専門学校で学んだ後、 化粧品専門店に勤めたそうです。そこでは自分で実際に化粧品を試すために毎月 12、3万円も使ったとか・・・。徹底振りがすごいです! これも心斎橋店オープンに絡んだブログ記事です。 リン・リン 「庄司さんが雑誌等でオススメする商品は、すぐ完売してしまうというカリスマぶり。」 とのことなのですが、本当ですかね? 原宿店オープン時の庄司さんのインタビュー記事です。 HCIデイリー・リポート(フリーページに転載しました) 競合店は存在しない事、あくまでもターゲットである20代女性の視点に立った 店作りにこだわっていることが良くわかります。 アインズ&トルペの1号店である札幌店は2002年11月にオープンして 以来、既存店売上は毎年大幅に上昇しており、会社説明会ビデオでデータが出ていますが、 売上高は04年は12.7億円に対し、05年は14.2億円となり、既存店売上は +12%と大幅に増収となっています。1店舗で14億円の売上自体もドラッグストア としては全国でも1、2を争う売上規模です。 日販も開店当初の2.5百万円から前期末では4.5百万円近くになっている ようです。まさに最近で言えばコスモス薬品並みの伸びです。 この既存店売上の推移はまさに競合がないオンリーワンの業態に共通する傾向である と考えています。つまりオープン当初は従来にない業態のために認知度が低く、 客が少ないので売上は低く推移しますが、時間がたつにつれ認知度が上がり、また店舗 コンセプト自体も客の視点でつくられているなど魅力が高くリピート性があり、徐々に 固定客が増えていき、それにつれて既存店売上も毎年増加していくという傾向であると 考えられます。 私が知っている範囲ではヴィレッジ・ヴァンガード、ドン・キホーテ、さらにはコスモス 薬品、ゲンキーなどの独自業態の企業は全て同じような既存店売上の推移をたどっています。 次はアインファーマシーズ単体の物販事業のP/Lです。04年も05年も営業赤字 ですが、特に05年は赤字幅が広がっています。これは前期新規出店した名古屋の3店舗、 及び大阪心斎橋店の売上が当初の予想を大きく下回ったことによるものです。 04年 05年 売上高 9598 9767 +169 売上総利益 2365 2479 +114 販管費 2387 2605 +218 営業利益 -21 -126 -105 期末店舗数 27 31 +4 期末延床面積 9196 11407 +2211 (平方m) 客単価(円) 1415 1442 +27 客数(千人) 6783 6802 +19 私が特に注目するのが売場面積当りの売上高です。04年は1.04百万円/平方m だったのが、05年は0.86百万円/平方mと17%ダウンです。つまり新規出店店舗 の売上が少ない事が足を引っ張った形ですが、これは札幌店と同じ傾向であり、逆に 今期以降の既存店の大幅な増収及び増益の余地が残されていると言えます。 仮に05年の売り場面積当りの売上が04年と同等にまで増加すれば、売上高は 118.6億円、+22.7億円の増収、営業利益は粗利率が25%なので販管費が 変わらないと仮定すれば営業利益は+5.7億円の4.4億円となる計算です。 営業利益率3.6%となり、平均的なドラッグストアと同等レベルとなります。 ただ、「アインズ&トルペ」に限れば、札幌店、原宿店の店舗営業利益率は10%を 超えているとのこと(IRに確認)ですのでアインズ&トルペの出店数が増加する毎に 物販事業の利益率も向上していくと思われます。 最近では初のインショップ出店となった宇都宮店も当初計画の月商45百万円を上回る59 百万円で推移しているようで、今までの路面店と違い、インショップ展開はそのファッ ションビル自体の魅力が高く、客数が確保できていれば、オープン当初から売上がある 程度見込めるのかもしれません。 現在「アインズ&トルペ」は北海道に4店舗、関東に3店舗、名古屋に3店舗、大阪に 1店舗と合計11店舗出店しています。 しかしながらアインファーマシーズとしては今のところ「アインズ&トルペ」は大量出店 する予定はないようです。一時期だけのはやりになるのを避け、地道にノウハウを重ねな がら、基準に合う土地にだけ慎重に出店をしていく方針です。恐らく出店資金も調剤薬局 に向けられるので、限られていることもあるのでしょう。 ただ私はこのアインズ&トルペは今後、ファッションビルや現在急成長している郊外の 大型ショッピングモールのテナントとして将来的には大量出店できるポテンシャルがある のではないかと思っています。(あくまでも想像です) 懸念すべき点はやはり人材だと思います。庄司さんも部下を育てるのが難しいと言っています。 陳列などセンスによる部分も大きいとの事なので、教えるのに苦労しているようですね。この 事も年に3、4店舗しか出店しない要因の一つではないかと思います。 既存店はまだまだ伸び続けており、現在は赤字である同社の物販事業の利益率は損益分岐点 を越えれば急激に変化していきます。来期以降が非常に楽しみです。 この物販事業の今後の成長性・収益性を考えても同社の中期計画は非常に保守的であると 思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
はじめまして。
詳細な分析、同じアインホルダーとして心強い限りです。 アインは、今後の出店(調剤、販売部門)に伴って、財務内容から考えると、ますます資金不足が問題となってきそうですが、公募増資もしくは第三者引き受け増資がきそうな感じでちょっと怖い部分があります。 その点、どう思われますか? (2005年12月11日 22時18分38秒)
はるきさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
増資の可能性ですが、2004年までは営業CFの範囲内で投資を行っており、通常の新規出店や営業譲渡による拡大であれば増資の可能性は低いと思いますが、前期の様な大型の買収案件があるとその規模にもよりますが、増資の可能性はあると思います。 IRも今後買収案件によっては増資の可能性はあると言っていますので、私は覚悟をしています。長期的に見ればイーブンのはずですので。 (2005年12月11日 23時25分03秒)
はじめまして。
詳細な分析、同じアインホルダーとして心強い限りです。 首都圏では、自由が丘・町田にアインズ&トルベの出店計画があるそうです。 12月15日の決算予定についてご存じでしたら、是非コメントをお願い申し上げます。 (2005年12月12日 16時03分12秒)
ainzloveさん、こちらこそはじめまして。
ハンドルネームが「love」ですか。気合が入ってますね。 > 首都圏では、自由が丘・町田にアインズ&トルベの出店計画があるそうです。 貴重な情報ありがとうございます。私がIRに聞いたら今期の残りの出店地はまだ公表できないと言われてしまいました。オープンしたら見学に行きたいです。 > 12月15日の決算予定についてご存じでしたら、是非コメントをお願い申し上げます。 日程でしょうか。今日聞いたら16日の予定だそうです。決算数字については今回は聞いてません。実を言うとアインファーマシーズの短期的な業績についてはあまり興味がなくなってしまいました。 例え中間の計画が少々未達成でも、出店予定が遅れているか、新設病院の立ち上がりが悪いくらいなので、この業界へ投資している以上そのような点は受け入れています。 調剤事業では、出店候補地は40店分前期末で抑えてあるようですし、物販事業は札幌店の成功から今後の見通しにかなり確信があります。 ということで、ご希望に添えない返答かもしれませんがお許しください。 (2005年12月12日 23時13分55秒)
はじめまして。
私、ドラッグストアではサッポロドラッグストアーは持っていますがアインファーマシーズと「アインズ&トルペ」には特に興味を持っていませんでした。 今、思い起こすと確かに若い女性のためのドラッグストアって感じのお店です。札幌は中心部半径3,400mに4店舗が密集してます。OLがゆっくり買い物してるお店っていう印象です。ただ特別お客さんが入っているかといったらそうでもない気がします。店舗の面積が広いからそう見えるのかも知れません。 多分、化粧品は原価率が低いのでお客の入りの印象から比べてると儲かるのでしょうね。 リンク見て「ああ、あのお店か!」と思わず書きたくなってしまったので書きました。 私も最近ブログはじめてみましたので、今度ちゃんと調べて書きますね。 http://kamapon.blog17.fc2.com/ (2005年12月12日 23時56分19秒)
ありがとうございます。
12/16の決算、大変心配しています。一時的な業績低下か、公募増資もしくは第三者引き受け増資では短期的な株価低下もありますよね。IRの方は、何か仰っておられたでしょうか? ただ、来年早々には東証2部への鞍替え、そして6月頃には1部への鞍替えが予定されています。これが発表されれば、posotive surpriseになりますよね? (2005年12月13日 22時57分11秒)
かまぽんさん、はじめまして。書き込み誠にありがとうございます。
地元の方の貴重なご意見が聞けて嬉しいです。4店舗は全て近いんですか。食い合いしてるのかもしれませんね。ただ集中出店でかなりの宣伝効果はありそうです。かまぽんさんが知っているくらいですからね。 サッポロドラッグはドラッグストアの中では私が今一番注目している企業です。来年2倍になる希望を持ってます。近いうち購入予定です。一緒に応援しましょう。 (2005年12月13日 23時36分55秒)
ainzloveさん、
>12/16の決算、大変心配しています。一時的な業績低下か、公募増資もしくは第三者引き受け増資では短期的な株価低下もありますよね。IRの方は、何か仰っておられたでしょうか? 残念ながらIRには特に業績については聞いていません。ただ将来的にはファイナンスの可能性はある、とは仰っていました。それが今年かどうかはわかりません。一時的な業績の悪化はたとえあったとしても前回書いたような要因くらいしかなく、根本的な問題ではないと思いますので、そこで下げたら買い増しのチャンスではないでしょうか。 >ただ、来年早々には東証2部への鞍替え、そして6月頃には1部への鞍替えが予定されています。これが発表されれば、posotive surpriseになりますよね? 6月の1部への鞍替えは始めて知りました。ありがとうございます。確かに1部昇格となれば今以上に適正な株価水準になると思います。現在の実質EPSは保守的に見積もっても160円はあるはずなので、成長性から考えてもPER20倍はあってもいいはずだと考えています。株価3000円でも安いはずなんですけどね。 (2005年12月13日 23時45分11秒) |