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カテゴリ:鹿角の伝説
鹿角の冬は、ひっそりとした静けさの中に、 どこか昔語りの余韻が漂います。 この地域には古くから「錦木塚」をめぐる伝承があり、 時代を越えて多くの文人が心を寄せてきたことで知られています。 前号では、 第一回 謡曲「錦木」──恋の祈りと、日本の美学 をお送り致しましたが、 引き続き、「錦木塚伝説」への世界へと誘います。 (前回の内容はこちらからご覧ください) ![]() 菅江真澄 「錦木」 文化四年(1807年)(錦木塚展示室より) 第二回 石川啄木と『鹿角の国を憶ふ歌』──時代を越えて心を寄せた人々 錦木塚展示室には、「錦木を」枕詞とした短歌が数多く展示されています。 同じ伝説でありながら、 それぞれが異なる視点で“恋”“祈り”“誠”を読み取り、 錦木がいかに多くの文人の鑑賞の的となったかが伺えます。 その中で、鹿角の自然や人の営みに 深い情緒を重ねた人物が、現盛岡市出身の歌人、石川啄木でした。 啄木は旅の中でこの地の静かな風景と伝承に触れ、 心に残る余情を《鹿角の国を憶ふ歌》として表現しています。 ![]() 錦木塚展示室より 《鹿角の国を憶ふ歌》は、明治39年1月号の文芸誌「明星」に寄稿された長詩で 鹿角に伝わる、「錦木塚」と「ダンブリ長者」の2つの伝説を重ね 十和田湖と大日堂の情景を織り交ぜて一編にしたものです。 約120年前の人々の素朴な暮らしの中に、 確かな祈りが込められていることに気づきます。 石川啄木 『鹿角の国を憶ふ歌』 現代語訳 ![]() ![]() (訳者 海沼志那子 旧姓 川又) また、啄木が満19歳で刊行した最初の詩集「あこがれ」の中にも 明治37年に「明星」に寄稿した長詩「錦木塚」が収蔵されています。 ![]() 鎌倉幕府の中でも特異な存在として知られる 初の皇族将軍「宗尊親王(むねたかしんのう)」は、 多くの歌集を残しており、 その中で「錦木塚」について、次のように詠んでいます。 “ 夫木 思ひただ けふのさぬのの 麻衣 きても逢見ぬ むねのくるしき ” ![]() 錦木塚展示室 錦木塚は、大切に保存され美しく整えられており、 現地を訪れると、まるで現代に 当時の人々の祈りが届けられているように感じられます。 ご紹介した詩や和歌は、展示されているほんの一部です。 よろしければ、展示室は冬季間も見学いただけますので ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。 次号では、引き続き「錦木塚」をテーマに、 古来より多くの説が語られてきた「錦木」と、 幻の布ともいわれる『けふの狭布』についてご紹介したいと思います。 伝承に秘められた“祈りと美”の世界を、どうぞお楽しみに。 毛馬内盆踊り保存会ホームページhttps://kemanai.akita.jp/nishikigizuka/tenjishitu/ 錦木塚展示室鹿角市錦木地区市民センター内 秋田県鹿角市十和田錦木字浜田91-1TEL 0186-35-4477 当館から車で約25分 <冬季ご来館時のお願い> 冬期間は必ずスノータイヤでお越しください。(必要に応じてチェーン携行) 天気情報や、道路状況をご確認の上、十分にお気をつけてお越しくださいませ。 また、冬季通行止めや規制がかかる道があります。 詳細はホームページ「あきたのみち情報」や「旅するかづの」からご確認いただけます。冬季間の道路情報など詳細はこちらから お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.12.12 21:00:58
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