@寺子屋食神

2019/09/14(土)00:00

10 天沢履

キーワード 踏む(導く)虎 の尾を履むような危険な時履虎尾。不咥人。亨。 (とらのおをふむ。ひとをくらわず。とおる。)「履」は草履の履で踏む、実践するということ。「天沢履の時、虎の尾を履むような危険はあるが、人に噛みつくことはない。通じる」。 この卦の上卦・天は怖いおやじ、下卦・沢はか弱い少女を意味し、剛健なも のに柔弱なものがそろりそろりと従っている姿です。天沢履の時は、危険がいっぱいの時ですが、虎の尾を履むような気持ちで自分を先立てず、先輩や上司の意 見に従って進むことです。そして、「親しき中に礼儀あり」で、いかなる時でも礼儀を失わず、人の道を履み行うことです。 なお、天沢履は女子裸身の卦ともいわれます。すなわち、卦象を見たらおわかりのとおり、一人の女(陰)が五人の男(陽)を三爻の股の所で相手にして いる姿です。異性問題にはとくに気をつけましょう。〔大意〕「虎の尾を履むも人を…」と『易経』にある通り、これはかなりの危険を暗示しています。虎とはあなたから見て、とてもかなわない強大な力を持った存在のことです。しかしそのような存在に対しても、自分が理にかなっていれば、何も恐れることはないし、あなたの敵になったり、破滅させたりすることはないーーーということです。履( )は人間としてつねに踏むべき道のことを意味しています。必要なのは節です。たとえば目上の者に対する礼節ということもその一つです。また同輩に対する節度ある接し方、自分が優位な場合でもひかえ目な態度をとる、といった基本的礼節は、すべての人間関係において欠くことのできないものです。自然界では弱肉強食の原理が働いている。しかし、そこには目に見えない別の法則性もあるということを知る必要があります。強いから勝つ 弱いから負けるといった単純なものではない。強いと見える者が実は弱者で、弱いと見えた者が実は強者であったーこうした逆転はしばしばおこっている。なぜそれが可能かといえば、虎の尾を踏んでも大丈夫な人がいるからです。そういう人は、むしろ虎に近づかない者よりずっと可能性は広がる。それによって、柔が剛を制する方法論を学ぶことができるからです。人生にとっていちばんマイナスなのは無意味な恐怖心です。では、恐怖心をなくすにはどうしたらいいか。アメリカの詩人ニマーソンはこういいました。「あなたがいちばん恐れていることをしなさい」逃げたり、避けたりしていては、一生を消極的な形で暮らさなければならない。勇気も確信も忍耐も自信も永遠に獲得することはできない。この卦は積極人生を選択することをすすめている。と同時に、その方法論として礼節を重んじ柔軟、同和の精神を持てということです。●初9:理を重んじる者には幸いがおとずれる。素履。往无咎。(そりゆきてとがなし。)「飾り気なく素直に進めば問題はない」。あるがまま、あなたらしさを大切にする時です。●二9:己に忠実であれ。そうすればあなたは決して誤たない。履道坦坦。幽人貞吉。(みちをふむたんたん。ゆうじんていにしてきち。)「幽人」は山の中に隠れ住む人のこと。「坦々と道を行く。一人、心静かに世捨て人の如く、貞正にしていれば吉」。周囲の雑音に惑わ されず、我が道を行く時です。本業を守り、表立った行動は差し控えましょう。引っ込むが正解。●三6:自分の良 いところに目を向けよ。眇能視、跛能履。履虎尾。咥人。凶。武人爲于大君。(すがめよくみる。あしなえよくふむ。とらのおをふむ。ひとをくらう。きょう。ぶじんたいくんとなる。)「眇」は片目が悪いこと。「跛」は片足が悪いこと。「目が悪いのに充分に見えるふりをし、足が悪いのに充分に歩けるふりをして進む。 こういう具合なので虎の尾を履(ふ)んでしまい、ガブリと噛み付かれる。凶。並みの武人が総大将になったようなものだ」。実力もないのに、自信過 剰で大言壮語しているような時です。この世の中、空いばりが通用するほど甘くはありません。ところで、この爻は天沢履の中でも、ズバリあなた(陰)が異性 (陽)に囲まれていることを示しています。しかも、三爻は人体では股のところです。異性関係にはよくよく注意する必要があります。油断すると素っ裸にされ る恐れがあります。◎あなたの考え方、進み方に問題点があります。よく反省し、改めましょう。●四9:つとめて良いわざを心がけなさい。履虎尾。愬愬終吉。(とらのおをふむ。さくさくたればついにきち。)「愬愬」は恐れ慎むこと。「虎の尾を履んでしまった。怖れ慎んでいれば最終的には吉」。危険いっぱいの時ですが、気を抜かずに慎重な 態度を貫けば大丈夫です。◎良い時です。●五9:あなたの決定は賢明なものでなければならない。夬履。貞厲。(ふむことをさだむ。ただしけれどもあやうし。)「夬」は決断、決行のこと。「堂々と進むことを決断する。貞正にしていても危うい」。礼儀正しく進む時です。独断専行は危険です。●上9:最善を期待し最善を尽くすことがあなたの役目である視履考祥。其旋元吉。(ふむことをみてしょうをかんがう。それめぐればげんきち。)これまで行ってきたことを振り返り、じっくり反省する。誤った道を進んできたのなら立ち帰って大いに吉」。過去の経験を生かし、将来 の目標を定める平安な時です。他の人の意見や前人の行ないも参考にすること。◎大変良い時です。「マーフィの易い」J.マーフィ(昭和61年、産能大学出版部)及び以下を参照しています。http://www.keisho.server-shared.com/64/k10.html

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