@寺子屋食神

2020/09/03(木)00:00

第三課 公民の務

郷里を愛するのは人の情であります。我等が朝夕見なれてゐる山や川は、どこへ行っても忘れることが出来ません。我等は他日市町村の公民となって、我が愛する郷里を一そう樂しいよい所にしませう。 どの市町村も市役所又は町村役場を置き、學校を建て逍路を造り、橋を架けなどして、そこに住む人々の便益をはかつてゐます。 かやうに公共の便益をはかるためには、たくさんの費用が入ります。其の費用は市町村民が分擔するのが當然です。市町村税を納めるのはその為です。税は進んで納むべきものであって、もし納税の期限におくれると市町村の仕事の妨になります。 市町村の規則を作ったり、豫算をきめたり、教育・勸業・土木・衛生等の仕事をしたりするについて、いろ/\評議するために、市町村民は自分等の中から、市町村會議員を選攀します。市町村會議員はかやうに公共の事をきめる大切な役でありますから、これを選攀する人はよく考へてよい人を選び、又選ばれて議員となった人は、熱心に公共の幸福を増すことにつとめなければなりません。 又市町村の代表者どなって公共の事務をとり行ふ者は市町村長です。市長は市會で、町村長は町村會て選攀します。選ばれて此の地位につく人は、それを名譽と思つて、忠賓に市町村のために盡す心掛が大切であります。 我等は将来、公民となり、我が市町村のことは我がことと心得て、納税・選擧の務をはたし、進んで産業を盛にし、風俗をよくするなど、協同一致して公共のために盡し、我が郷里をりつばな市町村にしませう。 『国民の修身』監修 渡辺昇一

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