●専門家の間ではダイオキシンの毒性が弱いことは周知の事実
数年前、静岡で日本免疫毒性学会が開かれダイオキシンの発表が続いた。学会の会場ではダイオキシンにはほとんど毒性がないということを前提に話が進んでいて、ダイオキシンの毒性が弱いという発表があっても会場からはほとんど質問もない。みんな当然のような顔をして聞いておられる。
しかし、その会場から一歩でも外に出るとダイオキシンが未だに猛毒であることが常識である。
あまりに変ではないか。
日本免疫毒性学会はその道の専門家の集まりであり、一歩外に出て会う人は毒物についてはほとんど知らない人たちだ。ほとんど知らない人たちが専門家の言うことがおかしいと言っているわけだから奇妙である。
ダイオキシンが猛毒だとなぜ信じているのかと理由を訊くと、口を揃えて「新聞にそう書いてあったから、テレビでそう報道しているから」と答える。
もちろん一般の人はダイオキシンの研究をしているわけではないので、そうした人たちを非難するわけにはいかない。
しかし、仮に間違った報道を信じて他の人にもそれを宣伝していくとなると問題である。
魔女狩りのダイオキシンはいわば魔女に仕立てられ、不当に攻撃、排斥されることになるからだ。
『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』武田邦彦 洋泉社刊 2007年
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最終更新日
2023.08.08 00:00:20
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