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弁護士YA日記

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〒420-0837
静岡市葵区日出町5-3
TEL 054-269-4590
FAX 054-269-4591
http://hinodecho-law.jp/
日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学中です。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)

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2019.11.11
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NBA

カテゴリ:留学
週末、シカゴで、NBAの試合を観戦する機会に恵まれました!
いやー、もう凄かった、の一言です。全てが凄かったのですが、敢えてまとめようとするなら、超一流のスポーツと超一流のエンターテインメントの融合、というところでしょうか。

まず、すべての選手が、超人のようなスキルを駆使して、華麗という言葉しか浮かばない手にボールが吸い付いているかのようなドリブルや、何故その位置関係で通るの、ボール見てないよね、後ろ向きじゃなかった?みたいなパスを駆使してゴールに近付いて行きます。そして、シュート!なわけですが、これがもう、電光石火で敵を突破してネットに叩き込む迫力満点のダンクシュートや、え、その距離から狙えるんですか、と言いたくなるようなネットすら揺らさずにスポッと入ってしまうスリーポイントシュート、などなど、超絶技巧の連続なんです!もうため息です、もはや同じ人間とは思えません。

そして、試合前、インターバル、タイムアウト、ちょっとでもコートが空くと、ものすごく美しいスタイルと笑顔でハードな動きを一斉にするチアリーディングや一糸乱れぬパーカッション演奏、もの凄い高さの回転技を含む器械体操等が披露され、とにかく一瞬も目を離せません。

そこにChicago bulls という地元のチームを熱狂的に応援する23000人のファンの方々の大声援とDJが試合展開に合わせて自在に操る大音響の音楽が加わり、もうコンサート会場のようです。

ショービジネスの国、アメリカのすべての要素が詰まっているようなアメリカを象徴するようなイベントが、NBAの試合だということが分かりました。

でも、そんな、今日これまでどれほどの努力を重ねてきて、今、この夢の舞台に立っているのだろうと思うような超人の華あるスター選手でも、焦るとミスを重ねてしまいます。あー、その距離からは無理だよね、と思う難しいシュートを無理矢理狙ったり、強引な突破でシュートを狙いファウルを取られたり。やっぱり、こんな凄い天才でも、人間なんだ、頑張れ頑張れ、と叫びたくなりました。

難しい場面はどちらのチームにも生じるのですが、1、どれ程、普段の得意技を確実にきちんと決められるか、2、ミスは仕方ないとしてもどれほど最小限にできるか、3、仮にミスした時でも、どれ程ダメージを最小限に抑えて、悪い場面を切り替えられるか、が勝負の分かれ目になってくる、ということも素人ながらに感じました。

超一流の人々がお互いの限界に挑戦し合うギリギリの真剣勝負、観られて本当に良かったです。
あの華やかな2時間弱に凝縮されたもの、言葉で言い表すのは難しいですが、ずっと心に刻み続けたいと思います。






Last updated  2019.11.11 12:07:57
2019.11.07
カテゴリ:留学
昨日のComplex Litigation の講義は、連邦裁判所と州裁判所に当事者や争点を同じくする事件が同時に係属している時に、どのような併合ルールが形成されているかという内容でした。
予習の段階から難しくて分からなかったのですが、講義を聴いてもちっとも分からず、結構落ち込みました。

こういう時は、あー、研究もどう進めたら良いのかな、と常にある課題も重く感じられて、ますますどんよりしますね。

基本的には、少しずつでも前に進んだら良いんだよね、と思うようにしているのですが、そう思いつつも、本当に前に進んでいるのかどうか分からなくなる時もあります。

家に帰って、家族と過ごしてご飯を食べて、その後、緑茶を入れてみました。
ユタで仲間の弁護士が持ってきてくれた緑茶です。あー美味しい!ってとてもホッとしました。紅茶派の私ですが、懐かしい味は本当に良いものです。その後、先日、近くの市立図書館で借りてきた冒険ファンタジーを読みました。子供のために借りたのですが、息子がめちゃくちゃ面白いよ、と勧めてくれたのでこういう気分の時に良いかなと思い。疲れていると英語が頭に入らなくて、苦行になってしまうんです。

そして、これは面白いです!!!止まらないです!!!
ネズミさんたちの冒険劇なんですが、ハラハラドキドキワクワクという感じ。良質なファンタジーの力を感じました。はてしない物語とか、はなはなみんみ物語とか、グリックの冒険、とかに没頭していた子供時代を思い出しました。




ゆっくり寝た後は、いつも通り早起きして英語の勉強をしました。
やることはほぼルーティンで決まっていて、オンライン英会話、英作文、新聞、TEDという感じです。余力があればと思い、重いテキストを持ち帰っていたのですが、朝からどっと疲れそうなので、大学行ってから読むことにします!

今日見たTEDは、アフリカのウガンダから養子になってアメリカの大学に通った青年のお話です。
十分弱と短いのですが、全部自分の言葉で彼の感動がダイレクトに伝わってきて、そこに聴衆の暖かい励ましと拍手が融合して、とても素敵なトークでした。スタンディングオベーション、私も一緒にしたかったな、という気分になるトーク、日本語字幕もあります。お勧めです!

https://www.ted.com/talks/christopher_ategeka_how_adoption_worked_for_me/transcript

今日も頑張ろうという気になってきました!
今から朝ご飯を作ります。今日はお味噌汁にしよう!昨日に引き続き、懐かしい味の力を借りて、エネルギーをチャージしたいと思います。






Last updated  2019.11.07 21:36:07
2019.11.06
カテゴリ:留学
​​​以前ご紹介したトランプ大統領の税金記録の開示を巡る裁判(下記記事です)、先日、地裁判断のご報告をしましたが、昨日11/5のNY timesに、連邦高裁の決定が出た旨のニュースがありました!

https://plaza.rakuten.co.jp/yyy0801/diary/201910170000/

結論は、地裁と同じ、開示を命じる内容で、大統領側は、直ちに連邦最高裁に上訴、最高裁の結果が出るのが来年の7月頃の見込みだとのことです。

結論は同じでも理由付けが違います。
地裁は、真正面から法の支配を説いたのに対し、高裁は、「大統領の会計会社が書類の提出を要求されているのであって、大統領自身に要求されているわけではない、従って、高裁が、大統領の免責特権の範囲等につき判断する必要はない」旨述べ、会計会社は議会の要求に従うべきだという判断を示しました。
高裁が判断の射程を狭く絞ったことで、最高裁でもおそらくこの結論が維持されるのではないかとNY timesは分析しています。

司法と行政が全面対決となる争点を敢えて避けて、上訴を見越して焦点を狭く絞る、非常にスマートな、もっと言えば老獪な判断だと思います。さすが連邦高裁、頭良いなあ!とか思ってしまいました!

ただ、影の争点が、大統領の免責特権の範囲がどこまで及ぶかという点にあることは、当事者全員、強く認識しており、判決文には、"there is no obvious reason why a state could not begin to investigate a president during his term"等、高裁の考えが色濃く反映されている記載があるようです。

また、法廷においても、下記の通り、非常に鋭いやり取りが展開されたようです。

 During the arguments, the president's immunity claim seemed to crystallize when Judge Chin cited an audacious statement Mr.Trump once made-that he could stand on Fifth Avenue and shoot somebody,without being hurt politically."
 Judge Chin asked Mr.Consovoy about the potential effect of the president's immunity claim in such a hypothetical situation. "Local authorities couldn't investigate?" Judge Chin asked, adding: "Nothing could be done? That's your position?"
 " That is correct. That is correct," Mr. Consovoy said.

この手続きを通して、大統領の免責特権に関する主張が、Chin裁判官が、トランプ氏がかつて述べていた大胆な主張、「仮に私が五番街で誰かを撃っても、何の責任も問われない」を引用して質問したことでクリアになったようだ。
Chins裁判官は、(トランプ氏の代理人である)Consovoy氏に対し、そのような仮定の状況における大統領の免責特権の潜在的効果につき、次のように尋ねた。「地域当局は、その事件につき、調査もできないのか?何もできないということか?それがあなたの立場か?」Consovoy氏は、「その通り、まったくその通りです」と答えた。

アメリカの司法の記事は本当に興味深いです!
不謹慎ですが、トランプ大統領時代にアメリカにいられて良かったとか思ってしまいます。
日々が、アメリカの司法の役割を色々と考えさせられる材料に満ちています。​​​​​​​​​​​






Last updated  2019.11.06 20:26:32
カテゴリ:留学
今週、少しだけ寒さが緩んで、徒歩通学再開です!
一度雪をくぐると色が鮮やかになるとかなのかなあって思うくらい紅葉が綺麗です。
人間も、試練を乗り越えた後、人格が深みを増すとか言いますよね!
冷たい雪に覆われた葉の色も深まるのではないでしょうか。すみません、何の科学的根拠もない私見です(笑)。

写真を撮ってもどうしても再現できないのですが(多分立体感が出ない)、この美しさです。
木の葉がざわざわ鳴る音、小鳥のさえずりも加わると、もううっとりですね。やることがいっぱいあるのに、しばらく佇んで身を委ねたくなります。





帰路には、昨日まではなかったCircuit Judge (日本の高等裁判所に相当)の選挙看板が!!!
そう、アメリカの裁判官は、選挙で選ばれるんです、もちろん、州によって運用は違うのですが、基本的に住民が選出に関わる仕組みは維持されているようです。



徒歩通学は、目も心もキラキラする発見が一杯です!
今月は、インタビュー調査に出かけたいと思っています。毎日の通学ではキラキラをいっぱい拾いながら頑張っていきたいです。






Last updated  2019.11.06 08:16:16
2019.11.04
カテゴリ:留学
​今日からサマータイムが終了、日本との時差が15時間になりました。
こちらで朝9時の時、これまで日本は夜11時だったのですが、これからは夜12時になります。体内時計が狂わないと良いのですが。

さて、現在、アメリカでは、トランプ大統領の弾劾手続きが、連日のニュースになっています。全体的な仕組みが理解できていないものの、日本の法律家としては、国会が主戦場の弾劾手続きが紛糾し、これに関連する紛争が次々に裁判所に持ち込まれて行っている様子にアメリカの司法の強さ、ダイナミックさを感じ、とても興味深いです。

金曜日のNY Timesでもこの件に関する様々なニュースが掲載されていたのですが、やはり面白かったのは、トランプ氏の側近であったDonald Francis McGahn氏が、議会からの召喚状を拒否する権利があるかどうか、という問題が、連邦地裁に持ち込まれていて、裁判官、司法省の代理人、議会の代理人、側近の代理人らで鋭いやりとりが繰り広げられているという記事でした。





側近の代理人は、「憲法上、議会が、行政府の構成員に対して発した召喚状を、裁判所に強制するように求めることは出来ないはずだ」と主張しているのに対し、議会の代理人は「ブッシュ大統領、オバマ大統領時代に大統領の側近であっても、召還には応じなければならないという連邦地裁判決がある」と指摘しているという構図のようです。裁判官は、側近の代理人に"grilled"、つまり、じりじり焼くような鋭い質問を投げかけていると書いてあります。

さらに、Charles Kupperman氏という元側近が、議会とトランプの両方に対し、「自分は、議会と大統領のどちらに従えば良いのか、裁判所に決めてもらいたい」という訴えも新たに連邦地裁の別の裁判官のコートに提起し、そもそもこの訴えが適法ではなく却下すべきと司法省の代理人が主張している中、日本でもおなじみの最近辞職されたJohn Bolton氏も同じ系統の訴訟提起を模索しているということも報じられています。

整理するつもりで書いてはみたものの、全然整理できませんね。すみません、私もどういう訴訟なのか、良く分からないのです。どの法律に基づき誰に何を求めているのか、新聞記事だけでは良く分かりませんでした。

ただ、先例があるのかどうかも良く分からないカオスな訴訟の連続であることだけは私にも何となく分かりますので、アメリカの裁判官にとっても容易ではない仕事であることは間違いないと思われます。これは裁判所の職責重大だなと読み進めると、さすが連邦地裁判事、タイトなスケジュールで審理計画を定め、書面の〆切が感謝祭の休暇を返上しなきゃいけないスケジュールじゃないですか、と司法省の代理人が文句を言うと、裁判官がこう諭したようです。

"When it's a matter of  this importance to the country, you roll your sleeves up and the get the job done," he said. "Vacations and other distractions take second place."

「この国にとって非常に重要な問題を扱っているのですから、気合いを入れて心して仕事に取り組んで頂きたい。休暇とか気晴らしとかは、二の次ですよ」

裁判官もご自身に仰っているのではないかと思いました。
それにしても、現在進行形の極めて緊張感のある政争において、法廷を舞台に司法が重要な役割を果たしていること、凄いなあと思います。​






Last updated  2019.11.04 06:18:24
2019.11.01
カテゴリ:留学
このままずっと秋が続いて欲しいと願っていたのですが、今日、ついに雪が降ってしまいました!
でも、もともと、雪国富山県生まれの私、雪だ!懐かしい!とむしろウキウキと嬉しくなり、雪景色を楽しもうと、いつも通り、徒歩通学しました。law schoolまでの片道30分の道のり、いつも、風景や風の音に心身が浄化されるような気がして、本当に大好きなのです。季節の移ろいも心に染みる美しさなんですよね。

予想通り、うっすらと雪をまとった紅葉した樹木、緑の芝生、うっとりの美しさでした。
写真で見るよりずっと綺麗なんですよ。


ただですね、美しいのは良かったのですが、本当に寒かったです。
風が強くて、早足で歩けなかったり、傘が吹き飛ばされそうになったり、という事情もあり、慣れた道のりなのに、law school到着までがとても長く感じました。
着いたら着いたで、毛糸の手袋しかしていなかった手が冷え切って冷たくなり、しばらくパソコンも打てないほどで、手を擦り合わせて、暖めました。あー寒い、とデスクで凍える私です。



そう、雪は美しいだけではないのです、当たり前ですが超寒いのです!!!超寒いから雪が降るのです!!!
11年間、年中温帯のような静岡で暮らしたために、雪の感覚をすっかり忘れてしまっていたことに気付きました。ううう、暖かい静岡の冬が恋しい。

law schoolでも、雪の話題で持ちきりです。
そして、Complex Litigation の講義が行われる教室では、どういうわけか、暖房作動せずで、皆コートを着込んで授業というハプニングも。講義自体は、とても面白かったのですが。

そして、帰路。うっすら雪化粧ではなくすっかり雪景色、写真では見えませんが吹雪いていました。
もう朝からの寒さで疲労困憊の私、徒歩で帰るのを諦め、バスに乗りましたーー。




ああ、いよいよ厳しい冬が始まってしまいました。
風邪をひかないように気をつけつつ、外の寒さに負けないように、内側から熱い向学心をメラメラ燃やして、冬もまた充実した日々を重ねていきたいです!






Last updated  2019.11.01 07:49:44
2019.10.31
カテゴリ:留学
Complex Litigation のクラス、相変わらずとても難しいですが、でも同時にとても面白くなってきました。しっかり予習して、しっかり集中することが、面白いと感じるための絶対最低条件ですが。
UIUCの教授陣は、ほぼ全員といっても良いと思うのですが、実務経験があるので、弁護士時代の経験をお聞きできるのも面白いです。

ところで、ずーーーーーーっとずーーーーーーーっと課題だった、「Law School で授業中に皆の前で質問する」という目標が今日ようやく達成できました。ぱちぱち(心の中で拍手)!

Law500時代からずっと今日こそはと思い続けていたのに、できなかった課題だったので、やっと殻を破れて本当に嬉しいです。いつも、心の中に疑問があっても、どうしても皆の前で聞けず、講義が終わった後に、教授に質問しに行っていました。でも、ロースクールの講義は、質疑応答も授業の一部なんですよね。質問から発展していくやりとりに、皆が引き込まれていく、それも含めて講義なんです。それが分かっていたから、皆の前でも質問できるようにならないと、っていつも思い続けてきました。日本だったら、誰の前だろうとどんな場所だろうと必ず質問するようにしていたのに、と本当に情けなくて悔しかったので、今日は、あ、できた!って思いました。ささやかすぎる喜びですみませんーーー。

今、講義では、Multi district Litigation という類型の複雑巨大訴訟を勉強しているのですが、この訴訟においては、大規模一括和解を促進するために様々な工夫がなされています。裁判官には、広範な裁量が与えられている代わりに、信じられないほど沢山の手続きを統括しなければならず、超人にしかできないんじゃないの、と思ってしまいます、だって、原告数5万人とかなんですよ?一体どうやって?とか思いますよね、絶対、実際の手続きを見てみたいです。

それで、裁判官の裁量の一つとして、special masterと呼称される裁判官の補佐役の弁護士を選任できるという仕組みがあるのですが、私の質問は、「裁判所はどうやってspecial masterを選ぶんですか?」というごく単純な質問です。答えとしては、名簿とかがあるわけじゃなくて、一本釣りで、評判の良い弁護士や実績ある弁護士をケースに応じて選ぶということでした。うーん、でも、具体的にどうやって。。。やはり、実際の例を見てみたいですね。

それ以外には、講義後になってしまいましたが、こんな質問をしました。
勇気がなかったというより、タイミングを逸した感じだったのですが、明日以降は、ひとつだけじゃなくて、もっと質問や発言をできたらなって思います。ひとつひとつ目標を高めてこうと思います。

1,Why do both parties try to avoid proceeding a trial?
(何故、当事者は、トライアル手続に進むことを避けたがるのですか?)

アメリカの訴訟では、実は判決まで進むのは僅か5%、ほとんどがpretrial という訴訟準備手続で和解で修了します。その心理は一体なんだろうという質問です。
答えは、「トライアルはあまりにもリスクが高いから。被告にとってはとんでもない巨額の判決になる可能性がある、結果が読めない。原告は、良い結果でも、手間暇分の弁護士報酬が巨額になる」ということでした。うーん、文献でも教科書でもそのような趣旨の記載は良くあるのですが、どれ程のリスクなのだろう、まだ肌感覚でピンと来ていません。突っ込んで聞くか、あとはやはり現場ですかね。

2,What is a unique role of the class action?
(結局、クラスアクション特有の役割はなんですか?)

大規模訴訟は、伝統的にはクラスアクションが有名ですが、急激に存在感を増しているのが、multi district litigation です。クラスアクションは、かなりシビアな要件を満たさないと受け付けてもらえないのですが、MDLは、基本的には提起された訴訟の集合体なので、クラスアクションよりは認められやすい傾向があります。そうだとすると、クラスアクションは何のため?と思ったわけです。
答えは、「MDLは、原告数がものすごいことになる。原告代理人も超大変。クラスアクションは、要件さえ満たせば、1人か2人の原告だけと話せば良い、lawyerにとっては、クラスアクションを使えるなら使いたい」ということでした。なるほどーーー。

学んだことが自分のものになるように、自分の研究に活かせるように、今日も明日も少しずつ進んでいきたいです。






Last updated  2019.10.31 05:36:05
2019.10.29
カテゴリ:留学

いよいよ秋も深まり、今週は雪が降るようです。
今朝は、一面の霧の中、登校しました。霞がかった冷たい空気に浮かび上がる色付いた樹々の美しさに溜息です。

写真撮影しても、幻想的な空気が切り取れません、残念。


至近距離で見るとこんな感じです。この色が入り混じっている葉っぱ、本当に綺麗です。



と、うっとりと書いている今、日本で原発事故関連の訴訟をしている弁護士仲間から、国の準備書面が流れて来ました。
私の想像を超えた冷酷な文章に息が止まりそうなる程、驚き、絶句しています。

「大規模不法行為における損害賠償制度の日米比較研究」をテーマにここに来た私ですが、日本にいる時からずっと、損害賠償制度が仮にどんなに「理想的な」内容になったとしても(何が理想的なのかを決めるのも難しいですよね、、、ただ、残念ながら、今の日本の制度は、あまりにも機能していないと思います。一方でアメリカが理想であるとも思ってはいません、学ぶべきところは沢山あると思いますが)、損害賠償制度だけでは決して原発事故には対応できないということも強く思って来ました。

大きく傷つき壊れてしまった地域をどう再生させるのか、様々な理由で避難生活を継続する選択をされた方々(せざるを得ない方々ももちろん沢山いらっしゃいます)をどのように支えるか、などという難問に、個々の会社や個々人がいくらかの賠償金を受け取ることを本来的性質とする損害賠償制度だけで応えられる筈がないのです。

そして、私は、被害者の賠償請求をお手伝いして来た弁護士でありながら、損害賠償制度の負の側面、地域住民の対立と憎しみをあおり、深まらせてしまう、という要素にも、心を動かさずにはいられないのです。今回目にした国の準備書面には、国の区域外避難者に対する強い非難(私の感性は、憎悪に近い強烈な負の感情、を感じてしまいました)がほとばしっているように感じ、非常に驚きました。国は、果たしてそんな発信をして良い立場なのでしょうか?

私が弁護士として、個人としてなすべきことは、考えるべきこと、できることは何でしょうってこんな時、すごく思います。
思ってもすぐに答えは出ないのですが。でもすぐに答えが出るならアメリカまで来ていないです。
考えなければいけないこと、やらなければならないこと、沢山あることだけは分かっているので、一歩一歩進んでいくしかないです。

誰かじゃない、自分の気持ちに負けないように今日も頑張ります。







Last updated  2019.10.29 04:04:54
2019.10.25
カテゴリ:留学
先日、下記の勉強会を開催しました。

Nuclear ENGR & LAW Seminar

Wednesday, October 23, 2019

6:00-8:00 PM CDT

Beckman Institute, Room 2169

405 N Mathews Ave, Urbana, IL 61801

 

 

Yuki Ashina

Attorney at law, a visiting scholar from Japan Federation of Bar Association

“Lessons in the 2011 nuclear disaster from a view point of a Lawyer”

Abstract: This presentation discusses how to deal with the damage caused by a severe nuclear accident focusing on compensation. There are lot of victims who lost everything because of the accident in Fukushima. As a one of the lawyers who have supported the victims in this accident, she introduces the present compensation system in Japan and explains the reasons the present system does not work efficiently. In addition, she proposes some ideas to improve the system in Japan referring to the system in the U.S.

 

Kazumasa Shimada, Ph.D.

Researcher of Radiation Protection,Visiting Reseacher of  SoTeRiA Research Laboratory

“Overview of Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant Accident and Radiation Protection”

Abstract: This presentation provides an overview of Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station Accident, focusing on evacuation situation of Fukushima residents, to provide input to open discussion on the nuclear accident compensation. To understand evacuation situation in Fukushima, we need to understand radiation dose level in the contaminated area; hence, the basic concepts and historical background of radiation protection are introduced. Particularly highlighted is research of the Hiroshima-Nagasaki Atomic Bomb Survivors. As needed, an introduction to radiation (radiation physics, human influence and radiation measurement, etc.) is briefly discussed.

 


Prior Knowledge: This seminar is designed without assuming any prior technical knowledge. However, to establish a common ground for discussion, all participants are encouraged to check out the following YouTube video in advance: https://www.youtube.com/watch?v=cKgzIzANTSY

Building Access: The building entrances may be locked after 6 PM. If you are unable to enter the building, please call or text ***at the main entrance, located on the south side of the building.

Remote Connection: In case you are unable to attend the session at the Beckman Institute, a remote connection option will be provided via Skype for Business. This system allows us to share the video, sound, and presentation. If you need to use the remote connection, email to*** an invitation and instruction will be sent.  

Parking Information: A number of metered parking spaces are available near the Beckman Institute. There are spaces on Wright St., in the Beckman circle drive off of Mathews Ave., and in the campus parking deck just east of the Institute. All meters require $1.00 per hour.

Contact: Tatsuya Sakurahara (Department of Nuclear, Plasma, and Radiological Engineering, UIUC)



このとってもかっこいいチラシを作って下さったのは、UIUCにて博士研究員をされている櫻原達也さん。原子力研究のエキスパートとして私と共にプレゼンをして下さったのは、日本の研究所から客員研究員としてUIUCに留学されている嶋田和真さんです。

お二人とは、日本人留学生のネットワークで繋がったのですが、お互いの研究分野を知り、お互いに驚きました。そして、ここで出逢ったのも何かのご縁ですよね、日本だとかえってお会いする機会がないし、お会いできたとしてもお互いに組織を背負って話すことになってしまうから、本音の率直な意見交換をしませんか、という話が盛り上がり、今回の企画に至りました。

また、それぞれの分野でそれぞれ一生懸命仕事をしてきたけれど、余りにも巨大な東電福島事故について、縦割りでそれぞれの分野でできることをやっていく、ということで本当に良いのだろうか、何が起きたのか、どうしてこうなったのか、今後にどう繋げていくべきか、そんなことを、専門分野を横断して一緒に考えませんか、それは私たち日本の専門家の世界に対する責任じゃないですか、そんな問題意識が背景にあります。

ただ、当初の私のイメージとしては、お互いがお互いの分野を知るということができれば良いので、日本語でこじんまり内輪で意見交換会をするというようなものでした。ところが、非常に優秀な研究者かつ卓越した事務処理能力をお持ちの櫻原さんが、余りにもかっこいいチラシを作って下さったため、これはロースクールの学生にも声をかけてみてもいいんじゃないか、と思い、ごくごく仲間内に声をかけてみたところ、8人もの学生が参加してくれることになりました。国籍は、日本、台湾、インドネシア、タイ、ベラルーシと色々です。この時点で、櫻原さんが、「プレゼンの公用語は英語と致します」と宣言したので(まあ、当たり前ですよね・・・)、日本語じゃなくて英語でプレゼンということになり、色々な意味で思いの外、本格的なStudy Sessionになりました。

準備が大変だ、と思いつつも、原子力の専門家と法律の専門家のコラボレーションなんて日本でもなかなか企画できないことだし、そこに、各国の法律の専門家が加わるということで、どんな化学反応が生まれるんだろうということがとても楽しみで、わくわくどきどきが入り交じった気持ちで当日を迎えました。
櫻原さんのお心遣いで、美味しいピザを食べながらの勉強会です!これも嬉しい!




まずは、嶋田さんのプレゼンです。いつもは優しい野球好きのお兄さんといった佇まいの嶋田さんなのですが、用意して下さったスライドの枚数、内容共に圧巻でした。原子力エネルギー、リスク管理について圧倒的な知識、経験をお持ちである上に、素人にも分かりやすく説明する技量を持ち合わせていらして、英語であったにもかかわらず、また、私が高校時代に0点を取ったことがある程の超絶物理アレルギーであるにもかかわらず、嶋田さんがかみ砕いて説明して下さった内容はすっと入ってきました。東電福島事故におけるキーワードの一つである20ミリシーベルトについても、ようやく意味や制定経緯を理解することができました。本当に分かりやすかったのですが、お聞きしながら、何故このような様々な方の不安に配慮した説明を、東電福島事故発生直後の不安で仕方なかった時期に、お聞きできなかったのだろうとつくづく思いました。あの頃、様々な情報が錯綜しており、本当に毎日が怖くて不安でした。

説明中の嶋田さん、ものすごくかっこよかったです!!!



その後のQAセッションでは、内部被ばくと外部被ばくのリスクの違い、妊娠中の女性や子供の放射線に対する感受性、家畜の被ばく、避難指示区域の設定は今振り返るとどう評価すべきか等の質問が相次ぎ、大盛り上がりでした。

続いて私のプレゼンです。
ユタで一度報告はしているのですが、その後の一ヶ月で、考えたこと、思いついたこと、沢山あったので、できるだけ盛り込もうと準備しました。相変わらずまとまらない報告になってしまったこと、英語力の不足、特に後半に疲れてきてぐだぐだになるという欠点を克服できなかったのは悔しいですが、このアウトプットの機会があったからこそ整理できる思考があったこと、本当に良かったと思っています。






私のプレゼンの後には、その場にいる優秀この上ないロースクールの仲間たちから、次々と鋭い質問が続きました。頂いたご質問を差し障りのない範囲でご紹介しますが、この鋭さです。もうその場で考えることばかりでたじたじでしたし、結局答えられない質問もありましたが、本当に勉強になりました。

・ADRの和解案には強制的な法的拘束力がないと述べていたが、成立した和解は債務名義になるのか、強制力はあるのか(この点に関しては、私がそもそもADRを,強制効を伴うarbitration、仲裁と英訳したことで招いた混乱が大きく、正確な英訳の大切さを実感しました。ADRにおける和解仲裁は、"intermediation of settlements"が公定訳になりそうです)
・東日本大震災が余りにも巨大な自然災害であることは明白であると思われるが、東京電力もまた被害者という考え方は成り立ち得ないのか(この点については、櫻原さんが国会の事故調の結論をごく簡単にご説明下さいました)
・和解の成立が促進されやすいアメリカの例を紹介していたが、企業が和解を拒否する背景には、日本の訴訟システムとは別に株主に対する説明がしやすいという要素もあるのではないか
・放射線被ばくにより将来生じ得る可能性のある健康被害(発がん)は立証することはできるのか、精神的被害はどのような法的構成を取っているのか
・紹介があったメキシコ湾岸の原油流出事故ですら賠償規模は20billion、日本は既にその金額を遙かに超える84billionを賠償している。この金額は一企業が出せる金額ではないが、これを東電が負担するという建前になっているのは何故か
・賠償金が、結局国庫の援助によって、つまり、税金によってまかなわれている一方で、国のオフィシャルな立場としては責任がないということなのか、形式と実質の不一致が生じていないか
・クラスアクションは、事実の共通性が要件の一つになる筈だが、東電福島事故で、共通する事実は何だと考えるのか、それぞれの背景事情が異なり過ぎており、クラスアクションは難しい類型ではないのか

二日経った今でも、嶋田さんのプレゼンをお聞きして浮かび上がってきた様々な疑問、頂いた質問やコメントへの様々な思考がぐるぐる頭を巡り、とても頭が活性化しています。

大盛り上がりすぎて、2時間の予定が3時間になった、余りにも貴重な勉強会でしたが、やって終わりではなく、これを次に繋げようということで、スーパー櫻原さんを中心に、次にどう繋げていくかを既に話し始めています。留学したからこそ得られた貴重なご縁や機会を、今後に繋げていきたいと思っています。

皆様、今回は本当にありがとうございました。
特に、企画、司会を務めて下さった櫻原さん(下記写真で嶋田さんのお隣の方です)、何から何まで本当にありがとうございました!!!






Last updated  2019.10.26 03:33:45
2019.10.20
カテゴリ:留学
昨日、現在、日本の台風対応最前線で、多忙を極める今田健太郎弁護士から、封書が届き、何だろう?と開けてみたところ、9月のユタ州訪問時の写真をまとめたDVD movie でした!
私自身は、あまり写真が撮れなかったので、皆が撮影してくれた写真が本当に貴重なんです。
動画は、音楽や字幕もついている本格的なもの、ユタ写真の他、エピローグとして、日本でのそれぞれの活動がわかる新聞記事や写真、私がFBに投稿した留学中の写真などを編集した動画もついていて、観ていて色々なことを思い出して、涙が止まりませんでした。作るのすごく大変だったと思います!忙しいのに、特に今は本当に忙しいのに、本当にありがとう!!!
これから落ち込んだ時、辛い時、乗り越えられないかもしれないって思った時、見返して、元気を補充します。

下記は、ユタ州裁判所で撮影した集合写真、2枚セットで全員になります。





こちらは、Young先生、Richards先生もご一緒です。


守るべき誰かのために頑張っている皆様を心からご尊敬申し上げておりますが、でも、お身体を何より大切にされて下さい。
またお会いできる日を心から楽しみにしています!!!






Last updated  2019.10.20 04:21:36

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