弁護士YA日記

2014/04/13(日)16:42

ありがとう、相馬。

東日本大震災(125)

出張で、ものすごく久々に相馬に来ました。 目的は、静岡に避難している方からのご依頼である訴訟の準備。 現在、当事務所でスタッフ弁護士として養成中の可児望弁護士も一緒だ。 全村避難の飯舘村を通っての道中、ご自宅近くの放射線量測定、帰還困難区域ギリギリまで近付いた際、車窓から見た延々と続く無人の店舗と家・・・。目と耳と心に焼き付いたこと、必ず言葉にしたいと思う。 でもその前に、今の気持ちを決して忘れないうちに書き留めておきたい。 夕方、仕事を終えてからは、相馬ひまわり基金法律事務所を訪問し、四代目所長の平岡路子弁護士と大盛り上がりで延々おしゃべり。 おしゃべり、と言いましても、それはそれは濃密な門外不出の内容ですからね、おいそれと中味は明かせないのですよ(笑)。 はっと気付くともう6時半。「そろそろお食事に行きましょうか」とお声掛け下さる平岡さんに、何気なく「どこ行きましょうか?私、最近の相馬のお店、分からないです」と応答しながら、壁に貼ってある紙に目が止まる。 どこかのお店のメニュー表だ、ん?みはらしって書いてあるー! 「ねえ、みはらし、って書いてあるけど、これってみはらし?」 「あはは、先生に内緒にしておいてびっくりさせようと思っていたんですけど、バレちゃいましたね。みはらし、新しく店舗を建て直したんですよ。先生がみはらし大好きだってブログに書いていらしたので、お連れしようと思って。あ、でも、いつも予約でいっぱいみたいで、席が空いているかどうか」 わあ、みはらしが復興したんだ! 本当にもう涙が出そうに嬉しかった! 早速お店に連れていって頂いた。 平岡さんの予告通り、真新しい木が清々しいお店の入り口には、「誠に勝手ながら、本日はご予約のお客様のみの営業とさせて頂きます」と貼り紙があったが、折角だもの、ご挨拶だけでも、と思い、中に入る。 目の合った板前さんに、 「以前にここに住んでおりました弁護士の葦名と申します。驚かせて申し訳ありません。とてもこのお店が大好きで大好きで、再建されたとお聞きして嬉しくて一言ご挨拶差し上げようと思いまして」 となんだかしどろもどろになってしまったところ、「すみません、女将を呼んできます」となったのだが、若女将さんで、私と顔見知りの大女将さん(?)ではない。 通じるかなあ、と思いながら、同じような説明を始めると、訝しげに私の顔を見つめていた若女将さんの顔がぱっと輝き、 「もしかして、インターネットで、うちのお店のことを書いてくれた方ですか?うちの店の者は、インターネットにもパソコンにも縁がないのですが、お客さんで、うちの店のことすごく応援してくれている弁護士さんがいるよって、持ってきて下さった方がいて。みんなで何度も何度も回し読みしたんですよ。まあ、ありがとうございます。今日はせっかく来て頂いたのに、申し訳ありません。これ、新しいお店の名刺です、どうぞ、またお寄りくださいね」 と名刺を下さった。 皆様にくれぐれもよろしくお伝えくださいと頭を下げつつ、本当に嬉しいなあ、こんなに嬉しいこと久しぶりだなあ、と心がほかほかする。 その後は、同じく新たに再建された海辺の食堂へ。 久々のほっき飯、ほっき貝のピンクが綺麗で甘くて懐かしい味がした。 ここでも、平岡さん、可児さんと、延々とおしゃべり。 平岡さんの使命感、情熱、それを形にしていこうとする行動力に感銘を受けつつ、それだけ一生懸命頑張っているからこそこぼれ落ちる想いに耳を傾けたり、口を挟んだりしているうちに、閉店時間になってしまった。相馬の夜は早いのです。 その後は、相馬神社で夜桜見物。 ぼんぼりに照らされる満開の桜並木の美しさを、私は生涯忘れないだろう。日中の仕事では、誰もいない場所に咲き誇る美しいがあまりにも切ない桜をたくさん目にしていたので、愛でる人がいるこの桜が愛おしくてならなかった。 ほのかに光る桜に照らされる夜道を一歩一歩歩きながら、私は、どんなに深く傷ついていても、それでもやっぱり、この地域が大好きだ、と心から思った。そして、ここのところ、木っ端微塵に砕けていた「強い葦名ゆき」のかけらを、私は、この旅で、全部拾った!と思った。 私には、大好きな場所があって、守るべきものが沢山あって、守るべきものには、私も守られている。だから、大丈夫だ、私は、どんなことがあっても頑張れる、そう思った。 ありがとう、相馬。 また来ます。

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