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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2019.11.22
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カテゴリ:留学
今日の講義では、私の苦手な、Talk with friends! が6回くらいありました!
Talk with friends は、文字通り、友達と意見交換してみて、というやつで、教授が講義中に、「あなたが原告代理人だったら、この局面でどんな戦略を考えますか」とか、「この件における裁判所の判断は妥当だと思いますか」とかの質問を投げかけ、席が近くの学生とディスカッションするというコーナー?です。このコーナーの有無、回数、内容は、完全に教授の裁量です。

別に正解を期待されているわけではなく、単に思ったことをお互いに話し合えば良い「だけ」なんですよね。自分にはない他者の視点を学び合えますし、自分の考えを整理する機会になりますし、良いこと以外、何も思いつかないですよね。むしろ私は好きです、こういうコーナー。アメリカのロースクールの非常に優れた教育方法だと思っています。

でも、母国ではない、アメリカのロースークールで、周りは、JDというnativeの学生ばかりで、日本にはない馴染みのないクラスアクションなどの複雑訴訟制度について、高度な一般語彙、プラス調べたばかりのまだ全く記憶に定着していない新しい法律用語満載の講義に全力で集中して何とか聴き取ろうとしてようやく何とかギリギリ「ついていっている」私にとって、事前に用意する時間もない突然のフリートークは、本当に大変です。

えっと、今、何を聞かれているんだっけ、それで自分の意見は、とか考えているうちに、周囲の学生がどんどん自分の意見を言ってきて、相槌を打ったりしているうちに、自分の意見を言うどころか自分の意見もまとまらないまま時間が過ぎてしまいます。もう本当に情けなくなりますし、あーーーーって落ち込みます。絶対無口な日本人って思われているに違いない、そんなことないのに、むしろおしゃべりな方なのに(笑)!沢山思っていることあるのに!
そして落ち込んでいると、講義についていけなくなってしまうので(集中力を途切らせると、一気についていけなくなります)、講義中は悲しくても落ち込む暇もありません。

その反動は帰り途に一気に押し寄せ、分厚いテキストも前よりはずいぶん早く読めるようになったし(私比、よって、客観的にはかなり遅い部類です、苦笑)、教授の講義だって前よりはずいぶん分かるようになったのに、とか進歩したことを数えつつも、なかなか心が引き上がらなくて、あーーーーっ、ダメだ!って思いつつの「とぼとぼ」という感じになります。

その時、ふと、何故か、大学時代の指導教官だった後藤先生に留学前に頂いた言葉を思い出しました。日弁連の推薦は得たものの、UIUC に提出しなければならない研究計画がいくら考えてもまとまらず、これじゃ留学に行けない、と泣きそうになりながらご相談しにいった時のことでした。

「研究計画の内容以上に、一番大事なことは、あなたの感性で、本に書いていないようなことを、アメリカの法律家から、直接沢山感じてくることです」

これが、後藤先生の第一声でした。研究計画の内容をご相談に伺っているのに、それより大事なこと?と一瞬思ったのは内緒ですが、心がふーっと楽に軽くなった瞬間でもありました。

そして、今日も、完全に下向きになってしまった心が、この言葉を思い出して、ちょっと、上を向きました。
Talk with friends 苦手問題は何も解消されていないのですが、でも、今の私にとって、とても必要な言葉だった気がします。せっかくここに来たんだもん、講義だけを受けに来たんじゃない、もっと色々な法律家に会って、色々な体験をして、もっと色々なことを感じようって思いました。私の感性は私の唯一の武器ですから。

自分は、やっぱりここに来たくて来たくているわけで、ダメだ、で終わるわけにはいかないのです。
一歩ずつ、ちょっとずつでも、進んでいきたいです。





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Last updated  2019.11.22 10:24:13



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