795913 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

弁護士YA日記

弁護士YA日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

YYY0801

YYY0801

Calendar

Category

Free Space

〒420-0837
静岡市葵区日出町5-3
TEL 054-269-4590
FAX 054-269-4591
http://hinodecho-law.jp/
日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2019.12.11
XML
カテゴリ:留学
今日は久々に、終日零度以下の寒い日でした。朝なんて、零下8度です。でも、水溜りに張った氷を足で突いて割るの、パリーンって良い音がして、気持ち良いんですよ(笑)、生まれ育った雪国富山での冬の楽しみでした。いい大人になって自分でもどうかと思いますが、水溜まりに張った氷を見ると、わくわくします。これは大学の敷地内の工事現場で、ショベルカーとかの轍に氷が張っている状態。柵の中に入ってまで、氷を割りに行くのはどうかと思ったので写真を撮るだけで我慢したのですが、本当は、足でバリバリ割ってみたかったです!絶対良い音がしただろうに!




でもどんなに寒くても、心も身体も全然縮こまっていないです。それどころか、最近めらめらと、何でもやってみたい、どんなことでもチャレンジしてみたい!という気持ちになっています。

今日は、既に退官されたものの、日弁連、最高裁からの客員研究員に毎年親切にご対応頂いていたC元判事にお時間を取って頂き、州の裁判所をご案内頂くと共に、ランチをご一緒するという機会に恵まれました。実はご退官をきっかけに、客員研究員とのご縁が一度途切れてしまったのですが、三期前の日弁連の客員研究員、渡邊享子弁護士のご尽力でご縁を復活させることができました。渡邊先生、お忙しい中、本当にありがとうございました。

C元判事は、知的なユーモアを暖かな人格の中にくるんだとても素敵な方で、何度も大笑いしてしまいました。米国の法曹とお話した際に驚かれることが多い話題が今日も盛り上がりました。忘れないうちに少し書き留めておきます。

1,キャリアシステム

日本の、ロースクール、司法研修所を経て即裁判官になるというキャリアシステムは、常に驚きの対象です。また、数年ごとに転勤があるということにもびっくりされることが多いです。米国では、弁護士や検察官などを経てから、推薦されて選挙を経て初めて裁判官になるいわゆる法曹一元制度で、C元判事も、Public Defender、普通の法律事務所を経て、裁判官になっていらっしゃるそうです。ただ、米国の裁判官の任命は、政治と深い結びつきが在り、たとえば、民主党が圧倒的に強いシカゴでは、裁判官のほとんどは民主党だそうです。C元判事は、そのことで裁判結果が左右されるわけではないと思っている、とのことでしたが、ホントのところ、どんな感じなのでしょうね。いずれにしても、地域密着は起きない方が望ましく、政治色を可能な限り廃するといった日本の裁判官のスタイルは、米国とはかなり異なるように思われます。

また、米国の場合、州裁判所と連邦裁判所があるのですが、裁判官は比較的自由に、両裁判所を行き来するキャリアを重ねられるようです。C元判事によれば、連邦裁判所の方が様々な期限に関する規制が厳しいとのことで、期限徒過で却下とかは、最悪の悪夢のようです。そこは、日本も同じですね。上訴期限徒過とか完全アウトですから。

2,裁判員制度

裁判員制度では、裁判官と裁判員が一緒に議論する、と説明するとかなり驚かれます。米国では、陪審員の評議は陪審員のみで行い、ジャッジが介入することはないためです。裁判員と裁判官で対等に議論ができるの?と良く聞かれますが、どうなんでしょうね、、、刑事事件をやっていない私には現場の雰囲気が分からなくて答えに窮します。現場で沢山の工夫が積み重ねられている分野だと思うので、誰か分かる方、米国の判事の疑問にお答え頂きたいです!

3,ディスカバリ

日本の民事手続きには、米国のようなディスカバリ(日本にない制度なので訳が難しいですが、徹底的な証拠開示手続きのようなものです)がないことを話すと、非常に驚かれます。驚くといっても、好意的な感じではなく、えええ???ホントに???冗談でしょ???みたいな、そんなのあり得ないでしょ、的な驚かれ方です(笑)。C元判事も、うへえ、、、みたいな表情でした。だって、証拠がなくてどうやって見通し立てられるの?誰一人、確実な見通し立てられないし、ジャッジも判断できないじゃん、みたいな発想のようです。私もその点、洗脳されてきたのか、何で日本の裁判って、ディスカバリないんだろうって思うようになってきました!手持ち証拠をいつどのタイミング出すかも弁護士の腕のうちみたいに思ってきましたが、紛争解決という視点では本当にそれで良いのだろうか。だらだら裁判が遅延する原因になっていないか、そして、なんだかんだいって、公平であるべき裁判所で、強者が結局得をする展開になっていないか、そんな感覚を持つようになっています。

でも、今日、前々から疑問に思っていた、「誰でも普通そうですが、不利な証拠って隠したいじゃないですか。依頼者が嫌がったり、場合によっては弁護士に嘘をつくことだってあり得ますよね。最初に証拠を出し切るって、実はかなり大変なことですよね?」とお聞きしたところ、「いや、でも、ディスカバリに故意に応じないと、敗訴判決を受けることになるし、すさまじい額の罰金を受けるから、隠すのは絶対にとるべき選択肢ではない。弁護士はどんな依頼者も説得すべき。勿論、説得してもうまくいかないことは当然あって、TrialでOh,My God!!!ってことはあるのだけどね」ということでした。

その辺の依頼者との感覚は、ユタのヤング弁護士も同じようなニュアンスでお話しされていて、ただ、「ディスカバリにかかる膨大な時間、膨大なコストは問題だと思う」と仰っていましたね、そういえば。

その他、余暇はどう過ごしているの?(先日、アイススケートに初めて挑戦し、転びまくりでした)、米国でどこに旅行に行ったの、これからどこに行きたい?(もう色々なところ行ってみたいですけど、国立公園とかはもっと沢山行きたいです)、イリノイマラソンに出ない?(米国は、ホント、ランニングが盛んです。C元判事も健康維持のため、好きではないと仰っていますが、ランナーです)など、色々盛り上がりました。

講義を受けているだけ、傍聴しているだけでは得られない肌感覚みたいなものは、実務家と話す醍醐味です。こういう時間をもっと増やそうと思いながら帰宅すると、ホストプロフェッサーから、Yukiに相談されていた大規模不法行為を多く取り扱っている弁護士とのアクセスの仕方について、今のところ、二つ思いついたので、思いついた方法につきメールします、と大変丁寧なサポートメールを頂きました。
ホストプロフェッサーは、本来、Mass Tortのご専門ではないのですが、ご相談するといつも必ず前に進む手掛かりを得られます。本当にありがとうございます、早速検討してみます!

渡米半年はあっという間でしたが、多分これからもあっという間なのでしょうね。
でも、本当に何でもどんなことでもやってみたいし、感じてみたいです。今、思い返せば、留学前は、そういう何でも果敢に挑戦する気持ちが、色々な要因で萎んでいたような気がします。本来持っていた自由闊達さ、積極性が、また自分に戻ってきたような気がして、素直に嬉しいです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.12.11 11:08:22



© Rakuten Group, Inc.