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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2020.01.29
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カテゴリ:留学
​沢山のReading Assignment に追われつつも、活気溢れるロースクールで、情熱溢れる教授陣の講義を受けられる幸せを日々感じながら過ごしています。
今日のCivil Procedure の講義では、教授がいかにDue Process が大事な原則なのか、憲法、判例を確認しながら時間を割いて解説していて、手続が大事であること、ずっと意識してきたつもりだったけれど、改めて重要性を学び直すことができた気がして心が引き締まりました。

昼は、immigrants law を扱っているとても素敵な女性lawyer、3人のパネルディスカッションがありました。移民に冷たいトランプ政権下、後述する通り、ご苦労も多いようですが、仕事を続けていく上で必要なのは、外国語を操る能力、compassion、正確な知識、どんどん変わる法律や政策に対応するためのリサーチ能力、様々な社会的資源と繋がること、等を挙げてくださり、良い法曹の資質は世界共通なのかもしれないと思いました。
一番お若い方は、コロンビア出身で当大学UIUCのLLMをご卒業されているそうです。非ネイティブなのに、アメリカで弁護士としてご活躍されているなんて本当にかっこいいと感動してしまいました。

ただ、そんな素敵な弁護士さんたちが、異口同音に懸念を表明されていたのが、昨日連邦最高裁で出た判決のことでした。PDの時点で、前提知識もなく、最高裁判例の内容も分からず、Public Charge Ruleが改訂される?グリーンカード(アメリカで永住できる資格)を得るのが難しくなる?ってなんだと思いながら帰宅し、家でNY Timezを確認してようやく謎が解けました。

新聞を読んだだけの私の理解なので不正確かもしれませんが、まず、Public Charge Ruleに該当すると、永住権の取得がほぼ絶望的という前提があります。そして、Public Charge Ruleというのは、平たく言えば、生活保護に代表されるようなアメリカ社会からの援助を受けているかどうかの基準ということのようです。

この度トランプ政権は、このルールの内容を、従来の金銭的援助のみならず、フードスタンプ(食糧援助のようなもの)や医療援助などを3年間のうち12カ月以上受けるとこの基準に該当するという風に大きく拡大し、その政策を止めるために、原告側(どういう人たちなのか記事からはよく分かりませんでした)差し止め命令を裁判所に求めたものの、連邦最高裁はこの訴えを5:4で認めなかったというのが昨日の出来事のようでした。

つまり、合法的に入国していても貧困層の移民には、永住権を与えない、という政策だと私は解釈しました。大統領支持層の移民に対する反発を反映しているのでしょう。

Immigrantsを支援している弁護士は、紙面にて、次のように鋭くこの政策を批判しています。

The rule will cause hundreds of thousands of individuals and households, in many cases noncitizens not even subject to public change scrutiny, to forego public benefits for which they are eligible, out of fear and confusion about the consequences for their immigration status of accepting such benefits.

このルールは、多くの場合外国人であると思われる、現在Public Chargeの精査の対象ではない、何十万人もの個人や家族を、公的援助を受けることで移民としての地位に影響する結果をもたらす不安や混乱から、本来、受けることができる公的援助を受け取ることを差し控える事態を引き起こすだろう。

公的援助を受け取ることを躊躇することで移民の方々の生活が不安定になる弊害は、短期的に見ても相当大きいと思われますし、長い目で見ても、アメリカに入国することを防ぐような政策を採ることによって、アメリカの社会経済に与える影響も大きいのではないかと思うと、個人的には、司法がこの政策の実施を防げなかったことを残念に感じます。でも、5:4,相当の激論が背景にありそうですね。

世界中から沢山の人々を引きつける国故の葛藤、そのすさまじい葛藤の最前線で、司法や弁護士がどのような役割を果たしているのか、肌で感じ、自分の頭もフル回転させながら、毎日を過ごしていきたいと思います。






Last updated  2020.02.29 06:58:43



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