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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2021.01.28
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カテゴリ:弁護士業務
​昨日、有識者委員の一人として、静岡県教職員コンプライアンス委員会に出席しました。
議題は、教職員の不祥事対策、今回のテーマは特に性的被害事案の不祥事増加を中心に対策を協議しました。
NHK静岡でも、​協議会の様子​が報道されました。審議内容は、県のHP上で後に公開される予定です。

有識者委員は、静岡県弁護士会の場合、弁護士会の推薦手続きを経て、任命されるものなので、私は、外部委員のお仕事には、弁護士の意見を代表するという感覚で、可能な限り、鋭くハッキリ発信したいという想いで臨みます。
昨日もそのつもりでご準備頂いたわかりやすい資料を読み込んだ上、事務局からの丁寧なご説明も拝聴した上で(ご準備ものすごく大変だったのではないかと思います、ありがとうございました)、概ね次のような意見を述べました。

1,アンケート調査を実施して、生徒が被害と感じる行為と、教員の認識にギャップがあることを可視化することは良い試みと思う。しかし、教師との疑似恋愛から発展する場合など、客観的には問題行為であるが生徒が認識できていない行為は、アンケートでは捕捉できない。この捕捉をどうやって行うか、難しいが取り組むべき課題である。

2,現場の実感では、教師への依存心が高まる背景には、家庭環境他、生徒の環境要因が非常に大きい。具体的には、家庭内で愛着が形成されず、自己の承認要求が満たされないために、教師に過度に依存し、頼られる教師も自身を救済者と勘違いしてしまい個人的な関係に至るという事例が珍しくない。このようなケースを防止するためには、教師への啓発は最重要としても、生徒の環境要因を改善する長期的な努力が不可欠である。地道ですぐに効果が上がらない対策かもしれないが、教育現場は生徒の福祉・環境改善のために長期的に何ができるかという視点を持って頂きたい。

3,研修に「被処分者の生の声を伝える」つまり、懲戒されると人生がめちゃくちゃになってしまう、ということを盛り込んでいるようだが、それはそれとして大事ではあることは事実であるが、問題の本質は、性的被害が、生徒の人生に長期的壊滅的な打撃を与えるという点ではないのか。そのときは大過なく過ぎたように見えても、数十年後にフラッシュバックするのが性的被害であり、被処分者の悲惨な人生以上に、被害者の悲惨さをきちんと伝えることが極めて重要ではないか。

4,懲戒処分までいってしまう事例は、氷山の一角であり、広大な暗数があることは確実である。お恥ずかしながら弁護士会でも、すべての問題事例が、懲戒処分までいくわけではなく、様々な事情で表沙汰にならないグレー案件がある。しかし、被害者のダメージが非常に大きい性的被害事案では、このグレー案件にどう対応されていくかが非常に重要であると思う。問題行為が疑われたものの、諸事情で、懲戒処分に至らず教壇に戻っていく方々にどう組織的にアプローチするか、難しい課題であることは分かるが、被害を拡大させないために、検討して頂きたい課題である。

​その他の有識者委員からは、

・現状を前提とした対策ではなく、構造を変革していく、たとえば、常に二人体制で物事にあたるとかはできないのか
・校長以下管理職のマネジメント能力を高めることが必要ではないか
・低学年の生徒にセクハラの意味を啓発することが重要ではないか
・SNS禁止といっても、現実性がない。学校専用の公用スマホを導入すべきではないか

等の意見が出ました。
短い時間でしたが、充実した議論ができたと思います。
でも、議論を形にしていくのは凄く大変ですよね・・・。
外部委員のできることは限られていますが、それでも、できることを今後も行いたいと思います。






Last updated  2021.01.28 19:14:21
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