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弁護士YA日記

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2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2021.05.08
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カテゴリ:留学
​​​​留学時代の勉強仲間の櫻原達也さんが、母校の東大で、講義された際に用いたスライドを、公開されています。5月10日まで(あと2日!)なんていう短い期間ですが、とても心打たれる内容だったので、櫻原さんのご許可を得て、​こちら​でもご紹介させて頂くことにしました。

実は、以前、日弁連災害復興支援委員会でも、ご講演頂いたことがあり、その時もものすごく感動したのですが、母校の後輩に向けてのメッセージは、更に力強く、拝聴もしていないのに、圧倒されました。これを目の前(ZOOM)で聴いた方々がどれほど圧倒されたか、想像もつきません。

要約をするのは私の能力では到底無理なので、私が個人的に感動したポイントをいくつかご紹介します。でも、絶対に伝え切れないので、是非、原典を見てみて下さい!

まず、3.11までの櫻原さん。「原子力という学問分野が好きだから」というお気持ちで、知的好奇心をのびのび膨らませて随分多様な挑戦をされてきたんだな、凄いなあ、めっちゃ頭良いなあって素直に思います。もちろん、私には、研究分野の専門用語はほぼ全然分かりません(^_^;

でも、3.11後の苦悩と試行錯誤の中で、どう原子力と向き合ってきたのか、というあたりから、一人の人間としての苦悩がガンガン伝わってきて、専門を超えて、胸に迫ってくる絶望感、もがく葛藤を感じます。特に根本にある問題意識「これまで学んできた原子力工学は間違いで、今後学び続けてきたところで、世の中のために何の役にも立たないんじゃないか」は、「原子力工学」を「法学」とか「不法行為法」等と置き換えると、私もあのとき幾度となく叫びたかった、と分野は違いますが、シンクロする思いがあります。自分の信じてきた土台が崩れる感覚は、私にも分かります。

ただ、櫻原さんの本当の真価(進化、深化)は、そこからで、​「福島第一原発事故で明らかになった日本の原子力工学の不都合な事実を深く理解し、それを受け入れ、次の一歩を踏み出すための方法を模索するプロセス」​​に踏み出すのです。こんな壮大なテーマに取り組むことに、何が待っているか分からない未来を選ぶことに、凄いと思いつつも、大丈夫?と、心配になって、思わず引き留めたくなってしまいます。

でも、そこからは、心を鷲掴みにされる宝石みたいな言葉とか行動の連発です。海外の専門書を50冊以上徹底的に読み込んで、原子力以外の本も意識的に読んで、広く深い知識の習得を目指して、基礎研究も専門分野もきっちり勉強し、対外的には勉強会や研究会を活発に行い、徹底的に考えて考え抜いて、被害現場に除染ボランティアとして行く。そういう中で、感じ考えたことを、自分の言葉にして、自分の行動に繋げていく。この過程そのものに、私は涙が出ます。以下は、スライドにあった櫻原さん自身の言葉です。

・批評家ではなく、「批判される側」に立ち続けよ、批評からは何も生み出されない
・原発事故の社会的影響を数字だけ(線量、避難者数、経済的損失etc.)で語ってはいけない。失われた目に見えないもの(コミュニティの絆、生き甲斐etc.)があまりにも多すぎる。
・このような事故を二度と起こさないことが原子力利用の前提条件。それが担保できないなら原子力発電からは撤退するべき。
・福島の知り合いの方々に真正面から説明できないような言動は生涯絶対やらない。

この過程の中で、海外での学びを目指すようになった櫻原さん、博士課程から、米国有数の原子力工学部があるイリノイ大学アーバナシャンペーン校をに進学され、現在は、UIUCでReserch Assistant Professorとして教員をされています。

締めくくりは、下記、後輩に向けてのアドバイス。私、後輩じゃありませんが、実践したい!と思いました(笑)。

Vision & Whosを持つべし!
Visionは、長期的(5~10年後)にどういう人間に成長し、社会に如何に貢献したいか、目的意識を明確に持つ。
Whosは、自分のVision/Goalの達成を手助けできる人は誰か?と考え関係構築の努力をする。

本当に良質な目が覚めるような質の高い講義をスライドだけでも存分に味わえて、とても幸せです。
私も、高い目標を失わずに、日々一瞬を一生懸命生きていこうと思います。
櫻原さん、本当にありがとうございました。​​​​​​​​​





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Last updated  2021.05.08 05:18:22



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