572385 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

弁護士YA日記

PR

X

全510件 (510件中 21-30件目)

< 1 2 3 4 5 6 7 8 ... 51 >

2020.12.19
XML
カテゴリ:弁護士業務
​​随分ご報告が遅くなってしまいましたが、11月24日に開催された、​日弁連ひまわり20周年記念シンポジウム「ここに弁護士がいてよかった」​は、素晴らしく練り上げられたひまわり基金20周年にふさわしいイベントでした。

このシンポジウムは、オンライン配信ではありましたが、報告者やパネルディスカッションのパネリストは、原則として日弁連クレオに集まり、そこからライブでオンライン配信されるという流れでしたので、このパンデミック下、担当委員会の弁護士及び事務局、オンライン配信を担当された業者の皆様のご心労はいかばかりだったか想像に難くありません。

私が会場に到着したのは、事前打ち合わせのため、午前11時頃。
久々のクレオに一歩足を踏み入れた瞬間、大きなスクリーンや何台も並んだビデオカメラ、アクリル板付パネリストの机等が目に入り、これは大変な準備が必要であっただろうということが瞬時に分かりました。そして何より、その会場内で、マスク越しにも分かる引き締まった表情で、書き込みされた書類片手にキビキビと行き交い、立ったまま真剣な打ち合わせをされている、情勢に配慮して少数精鋭であろう関係者の皆様の、絶対成功させるという強い意気込みと緊張感が混ざり合う雰囲気に圧倒されました。

カメラの切り替えタイミングやスライドの操作確認など、入念なリハーサルを経て、いざ本番!でしたが、綿密なご準備の賜でしょう、大きなトラブルなくすべてのプログラムが終了し、「ライブ配信終了です」とアナウンスが流れた瞬間、湧き起こった拍手と関係者の皆様の素敵な笑顔、私は今後も忘れないでしょう。本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。

ご尽力頂いた関係各位に心からの敬意を表し、私個人の視点にはなってしまいますが、感想を書かせて頂きます。なお、このシンポジウムは、アーカイブ配信されており、今からでも視聴可能です!私の拙い説明で、すべてのプログラムの魅力をお伝えすることはできないので、是非こちら​をご覧下さい。

今回なんといっても素晴らしいのはプログラム構成で、3時間で「ひまわり基金の過去・現在・未来」が分かるように組まれていることです。

冒頭は上田英友日弁連副会長のひまわり基金の沿革について、弁護士過疎対策が何故必要か、という基礎的な部分から、ひまわり基金事業の具体的内容まで、簡潔ながら要を得たご説明を頂きました。

そして、次の動画(約30分)が、本当に素晴らしかったです。3時間のシンポジウム全部を視聴する時間がないという方でも、この動画だけは見て頂きたい珠玉の出来です。
この動画は、別途You tube​でも配信されているそうです!

私が感動した三大発言は、ズバリ下記です。ひまわり基金の本質-やりがいと魅力がぎゅぎゅっと凝縮されています。

1,出村洋介弁護士(オホーツク枝幸ひまわり基金法律事務所所長)
「近い、遠いが、あきらめる、あきらめないに繋がる」

2,松本三加弁護士(紋別ひまわり基金法律事務所初代所長)
「ひまわりは、弁護士人生の故郷」

3,後藤周平弁護士(定着支援制度を利用して奈良県桜井市に定着)
「お礼に、駐車場で魚をさばく依頼者がいた」

しかも、この動画を撮影、編集されたのは、業者さんではなく、京都弁護士会の新井玲央奈弁護士、河野佑宣弁護士とのこと、出演者が元々素晴らしいということもあるのでしょうが、本質を鷲掴みにするような発言の切り取り方の編集センスが抜群で本当に驚きました。

続くミニスピーチでは、元佐渡ひまわり基金法律事務所所長の佐藤克哉弁護士からのご報告。声の張りと大きさが良い意味で弁護士離れしており、すべての言葉が心に届く感じがしました。

自治体からのメッセージでは、宮川良一紋別市市長、自治体の長がこうして弁護士が必要だとメッセージを発して下さるのは本当に嬉しく励まされますよね。対談相手は、大根田紫織弁護士(流氷の町ひまわり基金法律事務所所長)、市長のお話を的確に引き出していらっしゃいました。

基調講演は、飯考行専修大学教授だったのですが、これまた本当に素晴らしかったのです。30分といわずもっとお聞きしたかったとは思いますが、弁護士ゼロワン地域の状況とひまわり基金、法テラス・都市型公設事務所の歴史、司法書士会の旺盛な取組等を、法社会学、司法制度論というご専門分野の視点からご紹介頂き、何故司法アクセスが必要か、これまでの取組の到達点をどのように評価すべきか等を改めて深く考えさせられました。

最後はパネルディスカッション。ここまで素晴らしいリレーが続いてきたので、アンカーがバトンを落とすわけにはいかない、というちょっとした緊張感を持ちつつ、席に着きます。連続登板の飯教授、毎日新聞伊藤一郎記者、米元悠宇弁護士(元八重山ひまわり基金法律事務所所長)、私の4人のパネラーの画面切り替え、スライド切り替え等といった複雑な裏方作業も本当に大変だったと思いますが、なんと言っても、司会進行の林信行弁護士(第二東京弁護士会・元十和田ひまわり基金法律事務所所長)の神司会で、時間配分もトピックのバランスも完璧だったと思います!林さんとは、56期同士、ひまわり赴任時期も一緒なのですが、昔と変わらず、本当に優秀で細やかなお心遣いに溢れたお人柄を存分に感じられた時間でした。

PDでひまわりOBとして、米元弁護士も私も強調しましたが、ひまわり赴任は、その後どんな道に進むとしても、キャリア形成にとって欠かせない基盤になります。どう活かすかは自分次第、敷かれたレールはないけれど、でも間違いなく宝物になる。それだけは確信を持って言えます。

下記は、私がPDで最後にご紹介した「ひまわり基金法律事務所で得られるもの」です。ご参考までに!

1,弁護士冥利に尽きる体験
→「ここに弁護士がいて良かった」という言葉を日々聞ける
→弁護士が「ここ」にいるからこそ、実現できる本当の「法の支配」

2,かけがえのない仲間
→今までひまわりに赴任してきた弁護士たちのバトンリレーに心からの敬意を表したい。この壮大なネバーエンディングストーリーに参加できたことは私の誇り
→無条件に支え合い、応援できる仲間がいる幸せ

3,キャリアの基盤
→どんな進路に進もうと必ず役に立つ

嫌々「行かされている」のでなく、自らのキャリア選択として主体的に赴任を選択し、自己実現を図りつつ、地域の方々のために活動している弁護士の姿を配信することがこのシンポジウムの最大の目的だったと思いますので、本当に一人でも多くの方々にひまわりの魅力が伝わって欲しいと改めて思いました。

今日も、日本中の過疎地で、お仕事をされている弁護士がいます。
私は、いつでもどこにいても、心から皆様を尊敬し、応援しています!
お身体に気をつけてこの師走ならぬ士走を、走り抜けていかれますように。​​






Last updated  2020.12.19 20:43:31


カテゴリ:読書日記
ここ数日、突然寒くなりました。さすがに静岡では雪は降らないものの、朝晩の冷え込みが強く、この情勢下、換気もしなければならないので、事務所全体が暖かくなるまで結構時間がかかります。冷え性の私、一番困るのは、手がかじかんでパソコンが打てなくなること。昨日は、思い立って、カイロを買ってきて指先を温めたところ、ようやく手が動くようになりました。


さて、そんな寒い中ではありますが、先日、子どもたちが通う小学校の絵本読み聞かせボランティア活動のミーティングがあり、参加してきました。
本好きなお母さん(よく考えたらお父さんが何故いないんだ!?とふと思ったり)が、毎月1回、それぞれが選書した絵本2,3冊を、始業前の15分間を利用して、各クラスに出向いて読み聞かせるイベント、私が加入したのはここ数年ですが、とっても長い歴史があるみたいです。今のメンバーは、40人くらい?とお聞きしていますが、ボランティアですので、出られるペース、出られるタイミングで出たら良いよ、 という縛りの緩い活動です。


このボランティアに、昨年から、フィリピンからいらしたお母さんが二人参加されており、昨年ははらぺこあおむし、今年はスイミーを英語で読み聞かせて下さっています。スタイルとしては、フィリピンのお母さんと日本人のお母さんがペアになり、英語版→日本語版を続けて読むスタイル。私は、留学体験があるということで、ここ2ヶ月は、このペアでの日本語版朗読を担当しました。



感動しているのは、英語版スイミーの美しさ。日本語版は、あの谷川俊太郎さんが訳されてるだけあって勿論素晴らしいのですが、ああ、原語ではこういう表現なんだ、というのは新鮮な驚きです。
たとえば、スイミーのクライマックス、小さな赤い小魚が大きな一匹の魚の形作るシーンで、スイミーが「ぼくがめになろう」という台詞。“I'll be the eye.”なんですが、これを英語で聞くと、小さなスイミーの断固とした決意が、静かな迫力と共に伝わってきて、ちょっと鳥肌が立つような感じがするのです。


もちろん、これだけ感動できるのは、黙読ではなく読み聞かせの魔力。私が組ませて頂いたMさん、どれほど熱心に練習してこられたのだろうと思う程、読むのがお上手で、心を込めて世界観を伝えようとしている姿勢が教室中に広がります。子どもたちも引き込まれているのがよく分かります。
醸し出された雰囲気を壊さないように今度は私が日本語版を読むのですが、直前に聴いたオリジナル絵本の世界観を意識しながら読むという幸せな体験ができます。


先日のミーティングは、1月~2月に、全28コマ、どのクラスの担当をするかの担当決め。スイミーは、6年生、5年生が終わりましたので次の2ヶ月で4年生、3年生と進みます。


私が切望していたのは、色んな方々に英語リーディングペアを担当頂くことでした。
そう、去年のはらぺこあおむしも今年のスイミーも、英語が使える人が固定でペアをしていたのですが、2回担当してみて上記のような素晴らしい体験をしていた私としては、この感動を他のお母さんに味わってほしいと強く思ったのです。国籍も言葉も超えて、本が好きだということだけで響き合うもの、この人たちなら絶対に分かる筈だという確信がありました。それに、現実問題としても、日本語の日常会話はほぼ支障ない方々なので、英語を使う必要なんてありません。


また、何より、勇気を出して日本人コミュニティに入ってきたフィリピンのお母さんたちにとって、英語リーディングが、在校生のお母さんと知り合い触れ合い感動を分かち合う機会になって欲しいという強い想いがありました。


実は、私も昨年留学していた際、何事も体験と思って子どもたちが通っていた小学校のPTA活動に参加してみたのですが、正直なところ、ロースクールのトピックが分かっている講義よりも、お母さんたちのお喋りの方がよほど難易度が高くて、英語も速くて全然分からなくて、でも分からないのは自分だけなんだろうし、と流れを止めることもはばかられて、ただニコニコしていました。心が笑っていないニコニコって本当に惨めなんですよね・・・。
でも、そんな時に、あるお母さんが、「この小学校の図書館、日本語の本も結構あるんだけど、全然読めないから整理もできなくて。手伝ってもらったりできる?」みたいなことを言われて、心にぱっと光が差し込むような気がしました。わあ、こんな私でも役に立てますか?加われますか?って思ったのです。残念ながら、その後パンデミックなどもあり、日本語の本整理は実現しなかったのですが、あのとき話しかけて下さったお母さんの笑顔とその時の私の救われた気持ちは今でも鮮やかに覚えています。

という想いが背景にあったので、担当決めの時に、ちょっと良いですか?と上記のようなお話をさせて頂いたところ、なんと、1月2月は、今まで一度も英語リーディングを担当したことがない方4人が手を挙げて下さったのです!ありがとうございます、とても嬉しかったです!絶対に感動するので楽しみにしていらして下さいね!

留学したことで体験したマイノリティ体験は、簡単に「良かった」と総括できるような内容ではありませんでしたが、自分の周囲の今まで当たり前と思っていた日常を見る視点が変わっているのを感じますし、その視点の変化が、日常をささやかに変えていくきっかけになっていって欲しいと思います。

寒い日々ですが、心暖まる経験も、こうして文字に残して刻んでいきたいと思います。           






Last updated  2020.12.19 06:19:26
2020.12.05
カテゴリ:留学
​先日、​​​日弁連海外ロースクール推薦留学制度の帰国者報告会が開催されました。
今回は、2018年度から2019年度にかけて、米国、シンガポール、イギリスに留学した総勢6名の弁護士が各10分ずつ報告を行うという企画でした。

ZOOMウェビナーでの配信は、出席されている方々のお顔が見られないので、報告者からは少し実感が湧かないところもあるのですが、約80名の方が視聴して下さっていたとのこと、この場を借りて心より感謝申し上げます。

私は、報告者の一人だったものの、他の方々の報告の素晴らしさに心を何度も揺すぶられ感動し、感想を敢えて一言でまとめてしまうと「あー、時間が短すぎ!!!もっとずっと延々とお聞きしていたかった!!!」になってしまいます(笑)。自分が留学していた間も、様々な地域で、色々な想いや信念を胸に、苦難にぶつかったり、夢見ていたことを実現したりされていた方々がこんなにもいらしたんだ、という同志愛のような心情があるということも影響しているのかもしれませんが、とにかくあっという間に時間が流れてしまったことを残念に感じます。

でも、「あっと言う間、うっとり」なんていう感想で終わらせてしまうのは、余りにももったいないので、まだ記憶が鮮明なうちに、心に残ったこといくつかを書き留めておきます。

まず、魅力的だったのは、それぞれの方が、留学に行くことを決断するまでの個人的ストーリーの多様さ、豊かさです。

子どもの権利委員会での旺盛なご活動を通じて米国での家庭養護の活動に興味を持たれるようになったという小幡孝之弁護士や、法テラススタッフ弁護士としての活動の中でソーシャルワーカーの活動の協働をもっと実践したくなったという橋ヶ谷祐可弁護士、JICAにてミャンマーの法的整備支援を通じて英米法を体系的に学ぶ必要を感じたという中島朋子弁護士のご報告には、現場の実践の中で具体的問題意識を発見されたことに、とても共感しました。これぞ、実務家の問題意識!だからです。

私自身も、留学中の心の拠り所であり支えで在り続けていたのは、現場にいたからこその問題意識だったので、その感覚自体は説明なしでよく分かるのですが、一方で、自分の専門分野のこと以外の公益的活動の内容については同じ弁護士といえども分かっていないところの方がはるかに多いので、ああ、そうなんだ、そういう分野で、そういう問題があるのですね、ということ自体が新鮮で面白かったです。ああ、でも、この部分はもっと深くお伺いしたかったですね、とても勉強にもなり、刺激も受ける部分ですので。

この問題意識は、私も報告の中で少しだけ触れさせて頂きましたが、現地での義務が少なく自分でスケジュールを作って管理していかなければならない客員研究員の場合は、特に大事だと思います。

なお、LL.M.コースの場合も、勿論、現場から出てきた問題意識は必要だと思いますが、どちらかというと、とにかく、なんとしても、大量の講義についていき単位を取得しなければならないという目の前の壁が客員研究員と比べて本当に大きいように感じられ、また違う種類の覚悟がいる、ということは皆様のお話を聞いて改めて実感したところなので、どっちが大変とか、どっちがキャリアに活きるか、等は、本当に一概に言えないと思いました。

次に、皆さん、それぞれ、様々な苦労がありつつも、異口同音に、そして、心から、「留学に行って良かった」と仰っていらしたことがとても印象的でしたし、オンライン上であっても、6人が続けてそう口に出していくことで「本当に、留学して良かったですよね」とお互いが共振していくような雰囲気が味わえてあの場にいられて良かったなあと私は心から思いました。

個人的には、米国以外の国ではどんな体験をされたのだろうというところがとても知りたかったので、アジアの多文化共生社会の中心であるシンガポールに留学された大田愛子弁護士、イギリスという英語圏であっても米国と全然異なる国で国際機関に就職していく同級生に多数囲まれながらの留学生活を送られたという吉川賀恵弁護士のお話は、すべての話が新鮮で興味深かったです。でも、もっとお聞きしたかったです~~~~(しつこい・笑)

また、英語の苦労については、苦労したのは私だけじゃなかったんだ、ということが分かってすこ~しだけ安堵する気持ちもありつつも、そこを乗り越えるために、全員、予習の大量のリーディングを頑張ったり、教授に食らいついたり、過去のノートを利用したり、といったそれぞれの工夫と執念が紹介され、改めて感動しました。英語上達には魔法がないけれど、でも、毎日頑張っていると、「推測力」と「度胸」がつくところがあり、それを英語力と呼ぶことが許されるなら、留学することで英語力は上がるといえると思います。
まあ、でも、やっぱり、ずっと努力を積み重ねていかないと駄目ですね。日本語の研鑽と同じです。

最後に、私の報告で触れた、私自身が現時点で考えている「留学で失ったもの/得られたもの」をご紹介しておきます。

(失ったもの)
結構な額のお金(かかる費用・一年分の収入・事務所経費)
一年経てば「英語ペラペラ」という幻想

(得たもの)
留学前・留学中・留学後を通して、目標を持ち続けるため人生(日々一瞬)が濃密になる
英語への抵抗感が少なくなる=あらゆる分野の情報取得が質量共に飛躍的に増加
豊かな人脈・かけがえのない友人と出逢う(留学生・法律専門家・実務家は勿論、自分の専門分野以外の人材とも深い友情を構築できる)
感性が研ぎ澄まされて豊かになる
マイノリティの気持ちが心底分かるようになる
目から鱗が何十枚も落ち、先入観にとらわれず物事を見られるようになる
英語を使う前提の会議やシンポジウム・論文執筆に躊躇なく参加できるようになる
→留学は「自分に対する投資」どう活かしていくかは自分次第

今年も今月で終わりです。最後まで、日々一瞬を大切に、沢山のことを学びながら成長していきたいと思います。皆様もどうぞお身体お気をつけてお過ごし下さい!






Last updated  2020.12.05 16:54:01
カテゴリ:子育て
感染拡大が盛んに報道される昨今、先日、子どもたちが、小学校から「本校における感染防止対策の強化について」と題する一斉配布のお便りを持ち帰ってきました。

内容としては、感染拡大を受けて、①これまで毎朝提出していた健康観察票に、新たに家族の健康状態を記入する欄を設けたので記入をお願いしたい、②同居家族に発熱などの風邪症状が風邪症状が見られる場合にはできるだけ登校を控えてほしい、③子ども本人や家族に風邪症状がある場合は、他の家庭との行き来も控えて欲しい、④登下校中もマスク着用させてほしい、⑤校舎が開く以前に登校すると玄関で待っていなければならずその間に「密」が発生するかもしれないので、家を出る時間を考慮して欲しい、の5点。
お便りの最後は、「お子様の不安を和らげるために、『きちんとマスクをし、手洗い・うがいをしていれば感染は防げるよ』等、ご家庭でのお声掛けをお願いします」」と結ばれています。

小学校では、一人でも感染者が出れば、学級閉鎖にとどまらず、学校閉鎖になってしまう可能性が高いので、念には念を入れての感染対策ということなのでしょう。ここまで・・・という思いは正直ありつつも、この①~⑤までの対応自体は、私は理解できるし、受け入れられます。

ただ、非常に気になるのが、感染防止対策を取りましょう、と強いメッセージはあっても、「もし疑わしい症状が出たら、このように行動しましょう」等の「万が一」を想定したメッセージが何もないことです。

「感染症」である以上、文字通り、どんなに気をつけていたとしても「感染」することはあり得るのであって、その時に、ここに連絡したら良いよ、ここで検査をまずは受けましょう、等の情報は何ら発信されないまま、ひたすらに、いわば、「絶対に感染するな」という凄まじいプレッシャーを数ヶ月間もの間、子どもたちにまでかけ続ける社会は、息苦しく不健全だと私は思います。

子どもたちは、素直に、感染=悪と考えるでしょうし、風邪症状が出ただけでも不安と恐怖に襲われてしまうでしょう。この土壌の中で、感染者を差別してはいけません、と言われても響かないように思われます。

これは、友人から教えて頂いたイリノイ州の保健当局がTwitterで流しているデータですが、たとえば、このように、「風邪とインフルエンザとコロナはこんな風に症状が違うよ。だから鼻詰まりや鼻水があまりないのに匂いや味を感じないとか、息切れがひどい、とかであれば、ココで検査を受けてね」というようなメッセージがセットで発信されてほしかったと私は思うのです。

https://twitter.com/IDPH/status/1334582357026873346

このお便りに顕著に現れているような、「万が一」の想定は共有せず、ひたすらに「絶対に万が一を起こさないようにしましょう」という呼びかけは、日本のあらゆる場所で、また過去を振り返ってもあらゆる時代で、繰り返されてきた現象だと思うので、一朝一夕でどうにかなる問題ではないのかもしれません。

それでも、この時代を生きる大人の一人として、この異常事態に感性豊かな時代に遭遇してしまった子どもたちに、どのようなメッセージを送るべきなのか、私は考え続けたいし、自分の思ったことは発信していきたいと思います。






Last updated  2020.12.05 07:42:17
2020.11.25
カテゴリ:留学

昨日は久々に対面で出席するシンポジウムがあり、上京しました。

本当に沢山の学びがあり、考えを深める機会を得られてとても幸せでした。このシンポのご報告は別記事で必ずさせて頂きます。

今回は、日弁連海外ロースクール推薦留学制度の帰国者報告会のお知らせです。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2020/201202.html

7月以来、日弁連、関弁連、災害復興支援委員会、有志勉強会などの様々な枠組みで、広く一般に公開、限られた範囲に公開、など、間口の違いはありつつも、米国のパンデミック対策、福島第一原発事故損害賠償実務に関する比較法的考察、ひまわり基金20周年等の様々なテーマでご報告をさせて頂く機会を頂いてきましたが、この帰国者報告会で今年のご報告は最後だと思います!

事前に日弁連国際室事務局から来た、参加申込者からの質問内容が、本気で留学を考えている弁護士やロースクール生ばかりなのか、とても具体的で真剣なものばかりだったので(お金がいくらかかるのかちゃんと教えてほしい、英語はどうやって勉強するのか、留学後のキャリアにどう活かすのか、街弁の留学準備は具体的にどうするのか、家族連れ留学はすべきか否か等)私も、お金のことも英語勉強法のことも、できるだけ赤裸々にお話しようと思っています!


幸い?アーカイブ配信等、事後の公開は一切予定されていないので、だからこそ、本気で留学を考えていらっしゃる方が一番知りたいと思っていることにつき、できる限り情報公開しようかと思っています。

留学に少しでもご興味があれば、日弁連推薦留学を利用した人勢揃いという貴重な機会ですので、お申し込み下さい。実は、同時期に留学していても、他の留学生がどんなことをしていたのか、全然分かっていないのです。ですので、私自身も、他の弁護士のご報告を拝聴できることをとても楽しみにしています。

申し込み期限は、本日中となっているようですので、ご注意ください!







Last updated  2020.11.25 13:13:29
2020.11.18
カテゴリ:弁護士業務
先日、法テラス平戸及び法テラス佐世保を視察する旅をしてきました。

法テラス平戸に、静岡綜合法律事務所時代に養成していたスタッフ弁護士の可児望弁護士が赴任していることが最初のきっかけだったのですが、現在当事務所にて養成している宮田尚典弁護士が、来年1月から法テラス佐世保へ赴任することが内定したという事情も加わり、平戸・佐世保を訪問することになりました。

この旅には、同じく、静岡綜合法律事務所時代に養成していた元スタッフ弁護士で、現在、東京にて独立している加畑貴義弁護士も合流してくれました。
私の立場から見ると、法テラスのスタッフ弁護士として私も関わって養成した今までのところ7人の弁護士のうち、三代目(加畑さん)、五代目(可児さん)、七代目(宮田さん)とご一緒したということになります。皆、養成時期は違いますが、ほぼ同じ養成事務所から法テラス地方事務所に赴任した(する)ということで共通の話題も多く、道中すべてが真面目な話から笑い話まで、おしゃべり三昧という感じでした。

一日目の佐世保では、こんな素晴らしく透き通ったイカを頂きながら、法テラス佐世保の佐藤佳実弁護士、野間脩平弁護士とも懇親を深めることができました。三度の飯より新鮮な魚が好きな私にとって、最高の贅沢でした。



佐世保は、事件数が非常に多く、佐藤弁護士は、年間最多事件受任で法テラスから表彰されたそうです(素晴らしい!!!)。事件の困難性に加えて、依頼者の心身をケアしつつの業務ですから、事件数で想像できる以上の労力を費やされている筈です。様々なことでお悩みがありつつも、堅実にしっかりと事件をこなされている様子、後任者となる宮田さんにも大きな刺激と学びの機会になったに違いありません。

もうお一人の野間弁護士は、社会人から転身されて弁護士を目指されたとのこと、嬉しいですね!前任地の法テラス鹿屋では、志布志の警察署から鹿屋に戻る最終バスを逃して、「4~5時間歩きました」などとさらりと仰るので、えええ、真夜中だよね、真っ暗だよね、4~5時間って歩く距離じゃないよね、といろいろ突っ込みが入ったものの「真っ暗な中で見上げる星が本当に綺麗で、星を見ていたら時間のことは忘れてしまいます、鹿屋に来て頂ければ分かりますよ」とのご発言が妙に説得的で、鹿屋に行ってみたくなりました。

二次会は、お酒ではなく甘いものを、ということでコメダ珈琲へ。ここでは、早く手をつけなくちゃいけないのになかなか手がつけられないいわゆる滞留事件への対応の仕方という実践トークから、相当どうでもいい昔話まで、一次会以上に盛り上がりました。

なお、佐藤弁護士と宮田さんが引き継ぎ作業をしている間、加畑さんと私は、可児さんのご案内でコスモス畑に囲まれた展望台へ。一面のコスモスの華やかな美しさ、目に焼き付いています。


翌日は、可児さんのご案内で平戸へ。まずは朝食で美味しい漬け丼が食べられるという道の駅へ。
私が選んだのは下記ヒラメ漬け丼だったのですが、美味しすぎて、結構ご飯の量も多かったというのに無言で食べてしまいました。美味しすぎます。




道中の車の中では、何故か、法テラスの任期の区切り方や配点のあり方、法テラスの手当(地域手当や離島手当等)の話となり、法テラス赴任ではない私には非常に興味深い内容でした。中でも、「平戸島」という島にあるにもかかわらず、本土との間、このように立派で美しい橋がかかっているために「離島手当」がもらえないという話には、「いっそあの橋を爆破してしまえば良いのでは、きっと正当理由が認められて無罪になるよ」という物騒な意見から、「離島手当の趣旨に遡って、橋があっても、離島手当を支給する正当性は十分に認められるのではないか」という緻密な意見まで出まして、さすが皆法律家だと感心しました!




途中で寄った魚市場のキラキラ色とりどりのお魚さんたちの美しいこと!こんなに無造作、そして、安い!大きな魚は、お刺身に煮付けに焼き物に唐揚げと何種類もお料理が作れそうです。



その後は、可児さんの職場、法テラス平戸へ。
耐震基準を満たす建物が少ない中、間取りを工夫して仕事しやすいレイアウトになっていました。
感心したのは受任事件一覧のホワイトボード。可児さんはもちろん、事務局さんも共有して、一見してすぐに事件の進捗状況を把握できるように工夫してあるのです。
可児さんのきちんとしたお仕事ぶりが象徴されているホワイトボードでした!

そして、お待ちかねの、平戸市街地観光!もう本当に綺麗な町です!
キラキラ光る海、昔の景観を保存した町並み、美しいザビエル教会。ここは、長崎の出島以前は、日本の唯一といっても良い、海外に開かれた港町、歴史ロマン溢れる場所なのです。




平戸オランダ商館​には、そんな歴史の遺物がぎっしり、歴史的価値ある資料を、復元されたオランダ商館でゆっくり見られるなんて、歴史好きにはたまらない時間ですよね。

お昼に野菜たっぷりの長崎ちゃんぽんを頂いたのですが、野菜と魚介類から出るのでしょう、出汁が絶品過ぎました。朝も食べ過ぎたのに昼も美味しく完食してしまいました。


その後、世界遺産に指定された隠れキリシタン潜伏地域に我々も潜入。秋の涼やかで気持ちの良い風に吹かれながら、棚田の絶景を堪能です。



そして、​平戸市生月町博物館​では、1Fは豪快な鯨漁の展示、2F では、隠れキリシタンの歴史についての展示でした。私は、特に、「お掛け絵」という隠れキリシタンの方々が書かれたマリア像やイエス像の絵に感銘を受けました。西洋で当然とされる装束とは全然異なるお着物や髷を結ったお姿であっても、この方々は信者の方々にとって大切な崇拝の対象なのだということを強く感じたのです。この「お掛け絵の見方」は非常に示唆に富む内容で、私もそういう見方って無意識に持っていると自己反省した上で、とっても共感しましたので、ここでもご紹介しておきますね。



ちょうど夕日が沈む時刻には、可児さんの絶妙なタイムマネージメントが光り、美しい夕日を見られました。一面に広がる海、周囲の絶壁、潮風、赤く丸く輝く夕日、自然の大きさ・美しさを全身で感じられました。




その後、夕食は、旬のお魚を囲炉裏端で頂くというお店で頂きまして、もう何から何まで美味しすぎました。夕食の席上でもいろんな話題が出ました!本業の事件や良い起案・悪い起案、法テラスの転勤のあり方、キャリアの重ね方・・・話は尽きませんね。

夕食が終わっても、まだお楽しみがありました!そう、満点の星空!天の川もしっかり見えるほど宝石をちりばめたような夜空。もうこのままずっといたいような開放感でした。

翌日!
午後には帰らなければならないのですが、最強ガイド可児さんは、手抜きなしです。
まずは、平戸市内の足湯でおしゃべり。私は温泉だとすぐにのぼせてしまうので、足湯がちょうど良いんですよね。

その後は、素晴らしい歴史的遺物の宝庫、​松浦史料博物館​へ!ここがまた、確か日本史の教科書であったよね、というものの「本物」ばかりなんですよ・・・。この地方の大名松浦家の所蔵する名品揃いで、時を忘れて見入りました。ここでも、隠れキリシタンの方々がいかに迫害されたかを示す拷問の絵図などが出てきて、このような中、数十年信仰を守り続けてきた方々の思いの深さを改めて感じました。

なお、博物館や資料館に行って解説文を読むと、ついつい、「鹿児島に最初に渡航したザビエルが、何故平戸で布教を始めたのか、鹿児島と平戸がこの展示では繋がらない。補充の主張立証がほしい」とか「キリスト教徒がひたすら迫害された事実は提示されているが、何故そこまで撲滅しないとならないと権力者が考えたのか、権力者の視点からのキリスト教を解説してくれるとより深みのある起案になるはず」などと誰にも頼まれていないのに添削してしまうのは、職業病というか、私の趣味のようなもので(笑)、「あ、葦名さん、別の展示の解説文に手がかりがありました。これで、鹿児島と平戸、繋がりますよね」等と付き合ってくれた同行の皆様(特に、今回弁護士経験年数が一番長い頼もしい弟弁、加畑さん)には、感謝しかありません。

日本史好きの加畑さんは、合戦絵巻等では、独自の解説も加えて下さり、より楽しく展示を見られました。長篠の合戦をテーマにした屏風絵では、一人の兵士が走りながら持っている森家の旗印が、どうしてもJALのマークに見えてしまい、もしかして、戦場の広告兵だったのでは疑惑で、一同盛り上がりましたが、加畑さんの冷静な調査により、敗走途上の夢中で走っているシーンであることが分かり、なるほど!と納得しました。

名残惜しい平戸・長崎もついにおしまい、夢の旅の締め括りは、やはり佐世保バーガーです!
手作りのハンバーグがとても美味しく大満足でした。ただ、佐世保バーガーの定義は結構曖昧なようで、宮田さんに「佐世保バーガーの認定を受けられなかった事業者からの相談が舞い込むことは必至だよね、ちゃんと勉強しておかないと」と余計な釘を刺しておいたことは言うまでもありません。




こんなに書ける位盛り沢山だった今回の旅行、コーディネーターに、うっかりなってしまった可児さんのスケジュール管理、タイムマネージメントの素晴らしさにただただ感心しました。知らない土地にたった一人でやってきたのに、ここまで地元の良いところを理解し切って、狭いくねくね道も、混み合う駐車場もすいすい的確に運転して、最高の旅を提供して下さいました。

法テラスのスタッフ弁護士は、基本的には、仕事の内容も、赴任地域も選べません。制約がある環境下でも、難しい案件に真剣に取り組み、たまたま赴任した地域の魅力を味わい尽くし、他人にも最高の形で伝えられるような過ごし方をしてきたこと、とてもよく分かり、目頭が熱くなるような気がしました。

加畑さんも、とても忙しい中、来てくれて感謝です。加畑さんの仕事に対する姿勢、会務に対する姿勢、どちらも本当に熱いこと、前から分かっていたつもりでしたが、本当に頑張っているのだなあって改めて思いました。可児さんも宮田さんも頑張っている熱い兄弁の存在が、今後も大きな刺激になるのではないでしょうか。でも、とにかく無理しすぎてオーバーワークになりがちな傾向があるのでお身体、大切にして欲しいです!!!

宮田さんも、これから赴任する地域を実際に見て、随分気持ちが引き締まったのではないかと思います。
この旅で得たエネルギーもまた糧にして、加畑さんや可児さんの見習うべきところは見習い、でも、宮田さんの個性を大事に、日々頑張っていってほしいです!養成事務所でできることには限りありますが、赴任までの1ヶ月強も、そして赴任後も、事務所一同で応援し続けています!!!

私も今回の旅で得たエネルギー、日々に還元していきたいと思います^ ^






Last updated  2020.11.19 12:14:49
2020.11.02
カテゴリ:弁護士業務
あっという間に11月になりました。
全然ブログは更新できていませんが、日々一瞬を本当に愛しく大切に過ごしています。まだまだ成長していきたいです。

さて、この度、日弁連ひまわり基金20周年記念シンポジウムに、パネリストの一人として登壇することになりました。先ほどまで、パネリスト事前打ち合わせをしていたのですが、皆様素敵な方ばかりですし、司会進行は、同時期に東北に赴任していた、56期随一の優秀な人格者として名高い林信行弁護士(元十和田ひまわり基金法律事務所所長)です。絶対に素敵なイベントになるなあって改めて確信しました。

詳細は、下記にご案内がありますので、ご覧下さい。
事前申し込みは必要なく、どなたでもご覧頂けますし、また、開催後の動画の視聴も可能ということです。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2020/201124.html

私がひまわりに赴任していたのは2005年~2007年。​
その後のキャリアの方がずっと長いですし、この15年の間にもいろいろなことがありました。
それでも、ひまわり時代の経験や考え方は、間違いなく、私の一つの基盤となっています。そのあたりのこと、まだ完全に言語化できていないですが、お伝えしたいです。

そして、その結果として、多くの方にひまわり基金の歩み、取り組みを知って頂き、ご興味、ご関心を、そしてあわよくば「私もその一員に!」と思って頂けると本当に嬉しいと思います。

是非ご視聴ください!






Last updated  2020.11.02 13:29:32
2020.08.29
カテゴリ:弁護士業務
​先日、留学時代から続いているお勉強仲間との勉強会、Nuclear ENGR and Law Seminarに、ゲスト講師として、広島大学ご所属の廣田誠子先生をお迎えし、広島地裁判決があったばかりの「黒い雨」につき、放射線の専門家の観点から、ご報告を頂きました。廣田先生のお仲間の専門家の方々も沢山加わって頂いたので、賑やかで活気溢れる素敵な時間を過ごせました。コーディネートを担当して下さった同じく留学お勉強仲間の嶋田和真さんに感謝です!

廣田先生のご報告は1時間ほどだったのですが、その長さを全く感じさせない興味深い内容で、まったく飽きずに引き込まれました。
廣田先生のご講演の要旨は次の通りです(廣田先生にご要約頂いてしまいました!お忙しい中、ありがとうございます!)

・雨域については証言しかない
・雨域のうち、初期の線量測定結果があるのは爆心地から半径3km以内。(それも測定が古すぎて信頼度は落ちる)
・長時間残る放射性物質についてはその後に全国に降った核実験由来のものに紛れて原爆由来の検出はできない
・核実験由来に影響をうけない証拠を探す試みがたくさん行われてきたが、現在の測定精度では検出に至っていない。
・今の所、黒い雨の降っていない地域と比べて染色体異常や健康被害が特別に増えているという結果は得られていない
    ただし、一つ一つの病気が原爆のせいなのかそれ以外の要因のせいなのかを確定することは原理的に不可能。(なお被爆者援護法は因果関係は要求していない)

原爆投下から75年間、様々な分野の専門家が、「黒い雨がどこに降ったのか」「どのような放射性物質がどのくらいの量含まれていたのか」を投下直後の線量測定、土壌中の残留放射性物質の調査、気象シミュレーション、樹木の年輪に残存する物質調査、体細胞突然変異や染色体異常の調査など、あの手この手を総動員して調査しようとしてきたという歴史が、伝わってきました。
ただ、この「黒い雨」の降雨域や降雨量に関しては、上記の客観的科学的調査のどれかが決め手になるということはなく、体験者の証言が主要な証拠に位置付けられざるを得ないということも、またよく分かりました。

廣田先生、本当にありがとうございました!
個人的には、自分の周囲に、理系専攻の身近な女性が余りいないということもあり、難しい物理学や放射線に関する専門用語を自由自在に使いこなされる廣田先生が、とても眩しくて素敵でかっこ良くて、すっかり憧れてしまいました!

廣田先生の素晴らしいレクチャーの後で恐縮だったのですが、私からは、「黒い雨」訴訟判決の構造と評価、というテーマで15分程、法律家の視点からコメントさせて頂きました。私は、お恥ずかしながら、判決の報道後に、初めてこの訴訟の存在を知ったため、非常につけ刃の勉強しかできなかったのですが、下記HPにアップされている訴状や判決要旨、また広島県の工藤舞子弁護士にご尽力頂き、弁護団からマスキング済みの判決文をご提供頂く等して、何とか報告に間に合わせることができました。ご協力頂いたすべての方々に心より御礼申し上げます。
https://blackrain1.jimdofree.com/

短い準備期間であったため十分に読み込めていないものの、それでも、この判決は、下記の要素を備えた、優れた司法判断の王道を行く名判決だと感銘を受けました。
(1)条文の趣旨に遡っての文言解釈(被爆者援護法1条3号)
(2)証拠(雨域調査)の適切な評価に基づいてなされた合理的な判断基準
(3)法律、通達の趣旨に遡っての立証責任軽減
(4)丁寧なあてはめ

注目すべきは、全面勝訴とはいえ、あくまで各原告のケースを丁寧に規範にあてはめた結果の個別判断であって、新たな基準を作り出してもいなければ、類型的な降雨域を認定してもいないということです。
個別判断である以上、何故、控訴せずに確定させられなかったのか。確定させて、提訴した原告の方々を救済しつつ、判決が投げかけた問題点に答えるために、基準を改訂していくということが何故できなかったのか。
私としては、被告(形式的には広島市、広島県、実質的には国)の姿勢に大きな疑問を感じました。

原告の方々、そして、潜在的被爆者の方々は、原爆投下時、仮に0歳だったとしても既に75歳なのですから、残された時間が多くありません。弁護団の方々の凄まじいご尽力が報われて良い解決がなされて欲しいと心から願っています。​






Last updated  2020.09.02 12:45:02
2020.08.27
カテゴリ:留学
留学前から、TEDが好きで、英語の勉強も兼ねてよく見ていました。
最近、とあるMLで、子ども向け伝記で、女性や有色人種の偉人が少ないということが話題になっているのを興味深く拝見していて、ふと思い出したTEDトークがこちらです。こちらが、日本語字幕版、11分と短いので、気軽に視聴できます!

https://www.ted.com/talks/amy_padnani_how_we_re_honoring_people_overlooked_by_history?language=ja

NYタイムズの追悼記事担当の記者が、歴史に埋もれてしまっているものの偉大な業績を成し遂げたマイノリティの方々の人生を再認識してもらうプロジェクトの苦労や、やりがいを活き活きとユーモアを交えつつ語られています。

元々世界史が大好きだったので、留学中、近所の図書館で、児童向けのノンフィクションや伝記を読みあさっていたのですが、自分の知っている世界史ってホント部分的で一面的だったんだ、と衝撃を受けました。
何故なら、余りにも沢山の知らない人が、伝記に取り上げられていたからです。近所の公立図書館なので決して蔵書数が多いわけではないのですが、男女問わず国籍問わず、こんなに沢山の「偉人」を自分は知らずにこれまで生きてきたんだ!とびっくりしたのです。世界史は、偉人の歴史でもあるので、私が知っているはずの世界史ってなんだろうと思いましたね。

黒人、マイノリティ、女性などに注目して、まとめてある偉人伝に至っては、知っている人が片手で数えられるレベルです。このLittle Leadersのシリーズも、コンパクトに情報をまとめてあって、「知る」という意味では良いきっかけになります(私は、e-bookでアメリカの図書館から借りて読んでいます)。
https://www.amazon.co.jp/Little-Leaders-Exceptional-History-English-ebook/dp/B07PVHFKSH

何が歴史か、を感じ、語り伝えていく責任を意識して、これからもアンテナ鋭く、色々な観点から歴史を見る視点を大切にしていきたいと思います!






Last updated  2021.06.14 12:22:40
2020.08.19
カテゴリ:弁護士業務
先日、帰国してから初めて、とある裁判所の期日に代理人として参加しました。
限られた時間の中で、依頼者を背負っての代理人として裁判所や相手方代理人と渡り合う感覚、一年以上経験していなかったので、とても新鮮でした。

そして、やはり、本当に学びが多い。
事前に周到に準備して書面を練り上げていく過程も私は相当好きですが、期日の性質にもよりますが、どんなに経験を重ねても心が引き締まる期日の感覚もまた好きです。
こちらの主張の本質部分のどこを必ず伝えるか、相手方の主張もしくは裁判所サイドからの発言のどんな部分に咄嗟に疑義を呈するか、先のことまで見据えて慎重に、でも的確に、時機を失わず、どんな言葉でどんな口調で届けるか、自分が研ぎ澄まされた刀になるつもりで臨みます。

一年間、実務を離れて、勉強に没頭できて本当に心から幸せでした。自分の興味関心の赴くままに、何にもとらわれず思う存分勉強できる幸せの大きさを実感した今、目の前のことにすぐに役に立つかどうかとは別の観点から追求したい勉強をこれからもずっと継続していきます。
一方で、守るべき具体的誰かのために知性も感性も研ぎ澄まして臨む真剣勝負の現場も、かけがえのない学びの宝庫です。
二つの学びは別個独立のものではなく、相互に深く関連し合っていくことを確信しています。

新鮮な気持ちで実務の現場に戻ってこられたことを改めてとても幸せに思います。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。






Last updated  2020.08.20 04:15:43

全510件 (510件中 21-30件目)

< 1 2 3 4 5 6 7 8 ... 51 >


© Rakuten Group, Inc.