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弁護士YA日記

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2020.11.25
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カテゴリ:留学

昨日は久々に対面で出席するシンポジウムがあり、上京しました。

本当に沢山の学びがあり、考えを深める機会を得られてとても幸せでした。このシンポのご報告は別記事で必ずさせて頂きます。

今回は、日弁連海外ロースクール推薦留学制度の帰国者報告会のお知らせです。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2020/201202.html

7月以来、日弁連、関弁連、災害復興支援委員会、有志勉強会などの様々な枠組みで、広く一般に公開、限られた範囲に公開、など、間口の違いはありつつも、米国のパンデミック対策、福島第一原発事故損害賠償実務に関する比較法的考察、ひまわり基金20周年等の様々なテーマでご報告をさせて頂く機会を頂いてきましたが、この帰国者報告会で今年のご報告は最後だと思います!

事前に日弁連国際室事務局から来た、参加申込者からの質問内容が、本気で留学を考えている弁護士やロースクール生ばかりなのか、とても具体的で真剣なものばかりだったので(お金がいくらかかるのかちゃんと教えてほしい、英語はどうやって勉強するのか、留学後のキャリアにどう活かすのか、街弁の留学準備は具体的にどうするのか、家族連れ留学はすべきか否か等)私も、お金のことも英語勉強法のことも、できるだけ赤裸々にお話しようと思っています!


幸い?アーカイブ配信等、事後の公開は一切予定されていないので、だからこそ、本気で留学を考えていらっしゃる方が一番知りたいと思っていることにつき、できる限り情報公開しようかと思っています。

留学に少しでもご興味があれば、日弁連推薦留学を利用した人勢揃いという貴重な機会ですので、お申し込み下さい。実は、同時期に留学していても、他の留学生がどんなことをしていたのか、全然分かっていないのです。ですので、私自身も、他の弁護士のご報告を拝聴できることをとても楽しみにしています。

申し込み期限は、本日中となっているようですので、ご注意ください!







Last updated  2020.11.25 13:13:29


2020.11.18
カテゴリ:弁護士業務
先日、法テラス平戸及び法テラス佐世保を視察する旅をしてきました。

法テラス平戸に、静岡綜合法律事務所時代に養成していたスタッフ弁護士の可児望弁護士が赴任していることが最初のきっかけだったのですが、現在当事務所にて養成している宮田尚典弁護士が、来年1月から法テラス佐世保へ赴任することが内定したという事情も加わり、平戸・佐世保を訪問することになりました。

この旅には、同じく、静岡綜合法律事務所時代に養成していた元スタッフ弁護士で、現在、東京にて独立している加畑貴義弁護士も合流してくれました。
私の立場から見ると、法テラスのスタッフ弁護士として私も関わって養成した今までのところ7人の弁護士のうち、三代目(加畑さん)、五代目(可児さん)、七代目(宮田さん)とご一緒したということになります。皆、養成時期は違いますが、ほぼ同じ養成事務所から法テラス地方事務所に赴任した(する)ということで共通の話題も多く、道中すべてが真面目な話から笑い話まで、おしゃべり三昧という感じでした。

一日目の佐世保では、こんな素晴らしく透き通ったイカを頂きながら、法テラス佐世保の佐藤佳実弁護士、野間脩平弁護士とも懇親を深めることができました。三度の飯より新鮮な魚が好きな私にとって、最高の贅沢でした。



佐世保は、事件数が非常に多く、佐藤弁護士は、年間最多事件受任で法テラスから表彰されたそうです(素晴らしい!!!)。事件の困難性に加えて、依頼者の心身をケアしつつの業務ですから、事件数で想像できる以上の労力を費やされている筈です。様々なことでお悩みがありつつも、堅実にしっかりと事件をこなされている様子、後任者となる宮田さんにも大きな刺激と学びの機会になったに違いありません。

もうお一人の野間弁護士は、社会人から転身されて弁護士を目指されたとのこと、嬉しいですね!前任地の法テラス鹿屋では、志布志の警察署から鹿屋に戻る最終バスを逃して、「4~5時間歩きました」などとさらりと仰るので、えええ、真夜中だよね、真っ暗だよね、4~5時間って歩く距離じゃないよね、といろいろ突っ込みが入ったものの「真っ暗な中で見上げる星が本当に綺麗で、星を見ていたら時間のことは忘れてしまいます、鹿屋に来て頂ければ分かりますよ」とのご発言が妙に説得的で、鹿屋に行ってみたくなりました。

二次会は、お酒ではなく甘いものを、ということでコメダ珈琲へ。ここでは、早く手をつけなくちゃいけないのになかなか手がつけられないいわゆる滞留事件への対応の仕方という実践トークから、相当どうでもいい昔話まで、一次会以上に盛り上がりました。

なお、佐藤弁護士と宮田さんが引き継ぎ作業をしている間、加畑さんと私は、可児さんのご案内でコスモス畑に囲まれた展望台へ。一面のコスモスの華やかな美しさ、目に焼き付いています。


翌日は、可児さんのご案内で平戸へ。まずは朝食で美味しい漬け丼が食べられるという道の駅へ。
私が選んだのは下記ヒラメ漬け丼だったのですが、美味しすぎて、結構ご飯の量も多かったというのに無言で食べてしまいました。美味しすぎます。




道中の車の中では、何故か、法テラスの任期の区切り方や配点のあり方、法テラスの手当(地域手当や離島手当等)の話となり、法テラス赴任ではない私には非常に興味深い内容でした。中でも、「平戸島」という島にあるにもかかわらず、本土との間、このように立派で美しい橋がかかっているために「離島手当」がもらえないという話には、「いっそあの橋を爆破してしまえば良いのでは、きっと正当理由が認められて無罪になるよ」という物騒な意見から、「離島手当の趣旨に遡って、橋があっても、離島手当を支給する正当性は十分に認められるのではないか」という緻密な意見まで出まして、さすが皆法律家だと感心しました!




途中で寄った魚市場のキラキラ色とりどりのお魚さんたちの美しいこと!こんなに無造作、そして、安い!大きな魚は、お刺身に煮付けに焼き物に唐揚げと何種類もお料理が作れそうです。



その後は、可児さんの職場、法テラス平戸へ。
耐震基準を満たす建物が少ない中、間取りを工夫して仕事しやすいレイアウトになっていました。
感心したのは受任事件一覧のホワイトボード。可児さんはもちろん、事務局さんも共有して、一見してすぐに事件の進捗状況を把握できるように工夫してあるのです。
可児さんのきちんとしたお仕事ぶりが象徴されているホワイトボードでした!

そして、お待ちかねの、平戸市街地観光!もう本当に綺麗な町です!
キラキラ光る海、昔の景観を保存した町並み、美しいザビエル教会。ここは、長崎の出島以前は、日本の唯一といっても良い、海外に開かれた港町、歴史ロマン溢れる場所なのです。




平戸オランダ商館​には、そんな歴史の遺物がぎっしり、歴史的価値ある資料を、復元されたオランダ商館でゆっくり見られるなんて、歴史好きにはたまらない時間ですよね。

お昼に野菜たっぷりの長崎ちゃんぽんを頂いたのですが、野菜と魚介類から出るのでしょう、出汁が絶品過ぎました。朝も食べ過ぎたのに昼も美味しく完食してしまいました。


その後、世界遺産に指定された隠れキリシタン潜伏地域に我々も潜入。秋の涼やかで気持ちの良い風に吹かれながら、棚田の絶景を堪能です。



そして、​平戸市生月町博物館​では、1Fは豪快な鯨漁の展示、2F では、隠れキリシタンの歴史についての展示でした。私は、特に、「お掛け絵」という隠れキリシタンの方々が書かれたマリア像やイエス像の絵に感銘を受けました。西洋で当然とされる装束とは全然異なるお着物や髷を結ったお姿であっても、この方々は信者の方々にとって大切な崇拝の対象なのだということを強く感じたのです。この「お掛け絵の見方」は非常に示唆に富む内容で、私もそういう見方って無意識に持っていると自己反省した上で、とっても共感しましたので、ここでもご紹介しておきますね。



ちょうど夕日が沈む時刻には、可児さんの絶妙なタイムマネージメントが光り、美しい夕日を見られました。一面に広がる海、周囲の絶壁、潮風、赤く丸く輝く夕日、自然の大きさ・美しさを全身で感じられました。




その後、夕食は、旬のお魚を囲炉裏端で頂くというお店で頂きまして、もう何から何まで美味しすぎました。夕食の席上でもいろんな話題が出ました!本業の事件や良い起案・悪い起案、法テラスの転勤のあり方、キャリアの重ね方・・・話は尽きませんね。

夕食が終わっても、まだお楽しみがありました!そう、満点の星空!天の川もしっかり見えるほど宝石をちりばめたような夜空。もうこのままずっといたいような開放感でした。

翌日!
午後には帰らなければならないのですが、最強ガイド可児さんは、手抜きなしです。
まずは、平戸市内の足湯でおしゃべり。私は温泉だとすぐにのぼせてしまうので、足湯がちょうど良いんですよね。

その後は、素晴らしい歴史的遺物の宝庫、​松浦史料博物館​へ!ここがまた、確か日本史の教科書であったよね、というものの「本物」ばかりなんですよ・・・。この地方の大名松浦家の所蔵する名品揃いで、時を忘れて見入りました。ここでも、隠れキリシタンの方々がいかに迫害されたかを示す拷問の絵図などが出てきて、このような中、数十年信仰を守り続けてきた方々の思いの深さを改めて感じました。

なお、博物館や資料館に行って解説文を読むと、ついつい、「鹿児島に最初に渡航したザビエルが、何故平戸で布教を始めたのか、鹿児島と平戸がこの展示では繋がらない。補充の主張立証がほしい」とか「キリスト教徒がひたすら迫害された事実は提示されているが、何故そこまで撲滅しないとならないと権力者が考えたのか、権力者の視点からのキリスト教を解説してくれるとより深みのある起案になるはず」などと誰にも頼まれていないのに添削してしまうのは、職業病というか、私の趣味のようなもので(笑)、「あ、葦名さん、別の展示の解説文に手がかりがありました。これで、鹿児島と平戸、繋がりますよね」等と付き合ってくれた同行の皆様(特に、今回弁護士経験年数が一番長い頼もしい弟弁、加畑さん)には、感謝しかありません。

日本史好きの加畑さんは、合戦絵巻等では、独自の解説も加えて下さり、より楽しく展示を見られました。長篠の合戦をテーマにした屏風絵では、一人の兵士が走りながら持っている森家の旗印が、どうしてもJALのマークに見えてしまい、もしかして、戦場の広告兵だったのでは疑惑で、一同盛り上がりましたが、加畑さんの冷静な調査により、敗走途上の夢中で走っているシーンであることが分かり、なるほど!と納得しました。

名残惜しい平戸・長崎もついにおしまい、夢の旅の締め括りは、やはり佐世保バーガーです!
手作りのハンバーグがとても美味しく大満足でした。ただ、佐世保バーガーの定義は結構曖昧なようで、宮田さんに「佐世保バーガーの認定を受けられなかった事業者からの相談が舞い込むことは必至だよね、ちゃんと勉強しておかないと」と余計な釘を刺しておいたことは言うまでもありません。




こんなに書ける位盛り沢山だった今回の旅行、コーディネーターに、うっかりなってしまった可児さんのスケジュール管理、タイムマネージメントの素晴らしさにただただ感心しました。知らない土地にたった一人でやってきたのに、ここまで地元の良いところを理解し切って、狭いくねくね道も、混み合う駐車場もすいすい的確に運転して、最高の旅を提供して下さいました。

法テラスのスタッフ弁護士は、基本的には、仕事の内容も、赴任地域も選べません。制約がある環境下でも、難しい案件に真剣に取り組み、たまたま赴任した地域の魅力を味わい尽くし、他人にも最高の形で伝えられるような過ごし方をしてきたこと、とてもよく分かり、目頭が熱くなるような気がしました。

加畑さんも、とても忙しい中、来てくれて感謝です。加畑さんの仕事に対する姿勢、会務に対する姿勢、どちらも本当に熱いこと、前から分かっていたつもりでしたが、本当に頑張っているのだなあって改めて思いました。可児さんも宮田さんも頑張っている熱い兄弁の存在が、今後も大きな刺激になるのではないでしょうか。でも、とにかく無理しすぎてオーバーワークになりがちな傾向があるのでお身体、大切にして欲しいです!!!

宮田さんも、これから赴任する地域を実際に見て、随分気持ちが引き締まったのではないかと思います。
この旅で得たエネルギーもまた糧にして、加畑さんや可児さんの見習うべきところは見習い、でも、宮田さんの個性を大事に、日々頑張っていってほしいです!養成事務所でできることには限りありますが、赴任までの1ヶ月強も、そして赴任後も、事務所一同で応援し続けています!!!

私も今回の旅で得たエネルギー、日々に還元していきたいと思います^ ^






Last updated  2020.11.19 12:14:49
2020.11.02
カテゴリ:弁護士業務
あっという間に11月になりました。
全然ブログは更新できていませんが、日々一瞬を本当に愛しく大切に過ごしています。まだまだ成長していきたいです。

さて、この度、日弁連ひまわり基金20周年記念シンポジウムに、パネリストの一人として登壇することになりました。先ほどまで、パネリスト事前打ち合わせをしていたのですが、皆様素敵な方ばかりですし、司会進行は、同時期に東北に赴任していた、56期随一の優秀な人格者として名高い林信行弁護士(元十和田ひまわり基金法律事務所所長)です。絶対に素敵なイベントになるなあって改めて確信しました。

詳細は、下記にご案内がありますので、ご覧下さい。
事前申し込みは必要なく、どなたでもご覧頂けますし、また、開催後の動画の視聴も可能ということです。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2020/201124.html

私がひまわりに赴任していたのは2005年~2007年。​
その後のキャリアの方がずっと長いですし、この15年の間にもいろいろなことがありました。
それでも、ひまわり時代の経験や考え方は、間違いなく、私の一つの基盤となっています。そのあたりのこと、まだ完全に言語化できていないですが、お伝えしたいです。

そして、その結果として、多くの方にひまわり基金の歩み、取り組みを知って頂き、ご興味、ご関心を、そしてあわよくば「私もその一員に!」と思って頂けると本当に嬉しいと思います。

是非ご視聴ください!






Last updated  2020.11.02 13:29:32
2020.08.29
カテゴリ:弁護士業務
​先日、留学時代から続いているお勉強仲間との勉強会、Nuclear ENGR and Law Seminarに、ゲスト講師として、広島大学ご所属の廣田誠子先生をお迎えし、広島地裁判決があったばかりの「黒い雨」につき、放射線の専門家の観点から、ご報告を頂きました。廣田先生のお仲間の専門家の方々も沢山加わって頂いたので、賑やかで活気溢れる素敵な時間を過ごせました。コーディネートを担当して下さった同じく留学お勉強仲間の嶋田和真さんに感謝です!

廣田先生のご報告は1時間ほどだったのですが、その長さを全く感じさせない興味深い内容で、まったく飽きずに引き込まれました。
廣田先生のご講演の要旨は次の通りです(廣田先生にご要約頂いてしまいました!お忙しい中、ありがとうございます!)

・雨域については証言しかない
・雨域のうち、初期の線量測定結果があるのは爆心地から半径3km以内。(それも測定が古すぎて信頼度は落ちる)
・長時間残る放射性物質についてはその後に全国に降った核実験由来のものに紛れて原爆由来の検出はできない
・核実験由来に影響をうけない証拠を探す試みがたくさん行われてきたが、現在の測定精度では検出に至っていない。
・今の所、黒い雨の降っていない地域と比べて染色体異常や健康被害が特別に増えているという結果は得られていない
    ただし、一つ一つの病気が原爆のせいなのかそれ以外の要因のせいなのかを確定することは原理的に不可能。(なお被爆者援護法は因果関係は要求していない)

原爆投下から75年間、様々な分野の専門家が、「黒い雨がどこに降ったのか」「どのような放射性物質がどのくらいの量含まれていたのか」を投下直後の線量測定、土壌中の残留放射性物質の調査、気象シミュレーション、樹木の年輪に残存する物質調査、体細胞突然変異や染色体異常の調査など、あの手この手を総動員して調査しようとしてきたという歴史が、伝わってきました。
ただ、この「黒い雨」の降雨域や降雨量に関しては、上記の客観的科学的調査のどれかが決め手になるということはなく、体験者の証言が主要な証拠に位置付けられざるを得ないということも、またよく分かりました。

廣田先生、本当にありがとうございました!
個人的には、自分の周囲に、理系専攻の身近な女性が余りいないということもあり、難しい物理学や放射線に関する専門用語を自由自在に使いこなされる廣田先生が、とても眩しくて素敵でかっこ良くて、すっかり憧れてしまいました!

廣田先生の素晴らしいレクチャーの後で恐縮だったのですが、私からは、「黒い雨」訴訟判決の構造と評価、というテーマで15分程、法律家の視点からコメントさせて頂きました。私は、お恥ずかしながら、判決の報道後に、初めてこの訴訟の存在を知ったため、非常につけ刃の勉強しかできなかったのですが、下記HPにアップされている訴状や判決要旨、また広島県の工藤舞子弁護士にご尽力頂き、弁護団からマスキング済みの判決文をご提供頂く等して、何とか報告に間に合わせることができました。ご協力頂いたすべての方々に心より御礼申し上げます。
https://blackrain1.jimdofree.com/

短い準備期間であったため十分に読み込めていないものの、それでも、この判決は、下記の要素を備えた、優れた司法判断の王道を行く名判決だと感銘を受けました。
(1)条文の趣旨に遡っての文言解釈(被爆者援護法1条3号)
(2)証拠(雨域調査)の適切な評価に基づいてなされた合理的な判断基準
(3)法律、通達の趣旨に遡っての立証責任軽減
(4)丁寧なあてはめ

注目すべきは、全面勝訴とはいえ、あくまで各原告のケースを丁寧に規範にあてはめた結果の個別判断であって、新たな基準を作り出してもいなければ、類型的な降雨域を認定してもいないということです。
個別判断である以上、何故、控訴せずに確定させられなかったのか。確定させて、提訴した原告の方々を救済しつつ、判決が投げかけた問題点に答えるために、基準を改訂していくということが何故できなかったのか。
私としては、被告(形式的には広島市、広島県、実質的には国)の姿勢に大きな疑問を感じました。

原告の方々、そして、潜在的被爆者の方々は、原爆投下時、仮に0歳だったとしても既に75歳なのですから、残された時間が多くありません。弁護団の方々の凄まじいご尽力が報われて良い解決がなされて欲しいと心から願っています。​






Last updated  2020.09.02 12:45:02
2020.08.27
カテゴリ:留学
留学前から、TEDが好きで、英語の勉強も兼ねてよく見ていました。
最近、とあるMLで、子ども向け伝記で、女性や有色人種の偉人が少ないということが話題になっているのを興味深く拝見していて、ふと思い出したTEDトークがこちらです。こちらが、日本語字幕版、11分と短いので、気軽に視聴できます!

https://www.ted.com/talks/amy_padnani_how_we_re_honoring_people_overlooked_by_history?language=ja

NYタイムズの追悼記事担当の記者が、歴史に埋もれてしまっているものの偉大な業績を成し遂げたマイノリティの方々の人生を再認識してもらうプロジェクトの苦労や、やりがいを活き活きとユーモアを交えつつ語られています。

元々世界史が大好きだったので、留学中、近所の図書館で、児童向けのノンフィクションや伝記を読みあさっていたのですが、自分の知っている世界史ってホント部分的で一面的だったんだ、と衝撃を受けました。
何故なら、余りにも沢山の知らない人が、伝記に取り上げられていたからです。近所の公立図書館なので決して蔵書数が多いわけではないのですが、男女問わず国籍問わず、こんなに沢山の「偉人」を自分は知らずにこれまで生きてきたんだ!とびっくりしたのです。世界史は、偉人の歴史でもあるので、私が知っているはずの世界史ってなんだろうと思いましたね。

黒人、マイノリティ、女性などに注目して、まとめてある偉人伝に至っては、知っている人が片手で数えられるレベルです。このLittle Leadersのシリーズも、コンパクトに情報をまとめてあって、「知る」という意味では良いきっかけになります(私は、e-bookでアメリカの図書館から借りて読んでいます)。
https://www.amazon.co.jp/Little-Leaders-Exceptional-History-English-ebook/dp/B07PVHFKSH

何が歴史か、を感じ、語り伝えていく責任を意識して、これからもアンテナ鋭く、色々な観点から歴史を見る視点を大切にしていきたいと思います!






Last updated  2021.06.14 12:22:40
2020.08.19
カテゴリ:弁護士業務
先日、帰国してから初めて、とある裁判所の期日に代理人として参加しました。
限られた時間の中で、依頼者を背負っての代理人として裁判所や相手方代理人と渡り合う感覚、一年以上経験していなかったので、とても新鮮でした。

そして、やはり、本当に学びが多い。
事前に周到に準備して書面を練り上げていく過程も私は相当好きですが、期日の性質にもよりますが、どんなに経験を重ねても心が引き締まる期日の感覚もまた好きです。
こちらの主張の本質部分のどこを必ず伝えるか、相手方の主張もしくは裁判所サイドからの発言のどんな部分に咄嗟に疑義を呈するか、先のことまで見据えて慎重に、でも的確に、時機を失わず、どんな言葉でどんな口調で届けるか、自分が研ぎ澄まされた刀になるつもりで臨みます。

一年間、実務を離れて、勉強に没頭できて本当に心から幸せでした。自分の興味関心の赴くままに、何にもとらわれず思う存分勉強できる幸せの大きさを実感した今、目の前のことにすぐに役に立つかどうかとは別の観点から追求したい勉強をこれからもずっと継続していきます。
一方で、守るべき具体的誰かのために知性も感性も研ぎ澄まして臨む真剣勝負の現場も、かけがえのない学びの宝庫です。
二つの学びは別個独立のものではなく、相互に深く関連し合っていくことを確信しています。

新鮮な気持ちで実務の現場に戻ってこられたことを改めてとても幸せに思います。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。






Last updated  2020.08.20 04:15:43
2020.08.06
カテゴリ:読書日記




広島に原子爆弾が投下された日。
先日、小さい頃に読んで強く印象に残っていた「おこりじぞう」を図書館で発見した。

原爆投下直後、優しい笑顔のお地蔵さんを、はぐれた母親と間違えて、みず、みずとねだる女の子。
どんどん細くなる女の子の声を聞いたお地蔵さんの顔がみるみる憤怒の表情に変わり、怒りで見開いた目から、玉の涙が転がり出て、女の子の口に入る。水を飲んだ後、息絶えた女の子を見届けて、憤怒の地蔵の顔が崩れていく。

子供時代の鮮やかな記憶そのままの場面。ここまで人の心に強烈な体験を焼き付ける文学の力は凄いと思いながら読了すると、後書きに、こんな一節があり、なるほど、確かにこの作品には、原爆の持つ醜さが、まさしく「はりつけ」になっていると、腑に落ちた。

…児童文学の仲間うちで、原爆の民話を書きたい、と一人が提案し、すぐにみんな賛成しました。わたしも賛成しました。けれど、民話というものは、長い年月を風雨にさらされ、気がついてみたら残っていた、というものではないかとも思いました。それでも民話風の語り口、方法というものは、原爆という、人間の生活とは百パーセント反発する醜悪なかたまりを、原稿用紙にはりつけにしてしまいたい、というときの一つの道になるかもしれない、と考えました。

ずっと語り伝えなければならない日。
心を込めて家族で合掌しました。






Last updated  2020.08.06 19:04:24
カテゴリ:弁護士業務

先日、アメリカのCovid 19 の状況についてお話をさせて頂く機会が2回あったのですが、今般、研修動画や資料がオンライン上でも閲覧できるようになりましたのでご案内します。

 

まず、本年716日に行われた日弁連の連続講座「パンデミックと人権制約基準」で用いた資料はこちらです。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/ihrstudy_themes.html

この講座では、私が担当したアメリカ以外にも、他のパネリストから、日本、フランス、韓国の状況も報告されましたので、それぞれの資料を見比べて頂くと、有意義な各国の比較ができるのではないかと思います。

 

次に、翌717日に実施した関東弁護士会連合会主催の「法律家の視点から見るアメリカにおけるCovid19 の現況」ですが、こちらは資料のみならず動画も公開されています。

http://www.kanto-ba.org/suigai/index.html

 

いずれもZoomウェビナーを用いていた関係で、私からは、聞いて下さっている方々のお顔を拝見できなかったのですが、すぐに実務にお役に立つような内容ではなかったにもかかわらず、沢山の方々にご参加頂いたとのこと、心から感謝申し上げます。

 

また、研修中も研修後も、多数の質問を頂きました。その場では正確にお答えできなかったところもありましたので、以下、少し補足させて頂きます。私の個人的見解に基づくご回答なので、異なる内容や視点での回答も大いにあり得ると思いますので、あくまでもご参考までにという趣旨です。

なお、研修本体の準備段階では勿論、補足回答を作成する際にも、UIUC時代の勉強仲間に情報提供頂いたり、ご意見をお伺いしたりしました。世界のどこにいようと、学ぶ喜びを共有し続けられる友人たちに恵まれたことに感謝の気持ちで一杯です。

 

Q1 Stimulus checkは世帯宛ではなく個人宛か?

A:はい、その通りです。税金の還付を申請する際に届け出た個人の口座に振り込まれます。16歳以下の子どもの給付金は、親権を持つ親の口座に振り込まれます。

 

Q2 法律家団体のプロボノ活動は具体的に何をしたのか、どのような相談が寄せられたのか。

A:「プロボノ活動」は、無報酬でボランティアで行う活動が前提となります。それとは別に、リーガルエイドや低所得者層向けの公的事務所、パブリックディフェンダーオフィスの活動があります。

 お恥ずかしながら、私自身はこの分野までは調べきれなかったので、同時期に、カリフォルニア大学バークレー校に、日弁連推薦の客員研究員として留学されている橋ケ谷祐可さん(法テラスに所属されています)にお伺いしたところ、いずれの分野においても、「規模、多様性、制度化のレベル」がかなり日本とは違うため、軽々にお答えしづらい分野になってしまうということです。

 ただ、橋ケ谷さんからは、少なくとも後者の、リーガルエイドや低所得者層向けの公的事務所、パブリックディフェンダーオフィスの活動について、少し情報提供頂き、余りの充実した活動に驚嘆しました。ただ、橋ケ谷さんから、既にこのテーマにつき、まとまって発信される機会があるとお伺いしたので、その際には、このブログでもご案内させて頂くということで、ご回答に代えたいと思います。

 

Q3 司法が止まらなかったということですが、裁判所での感染防止対策は、どのようにしていたのか、関連して、JuryTrialはどのように行ってたのか

A:アメリカは連邦制国家ですので、連邦裁判所とは別に州裁判が各州にあります。

まず、連邦地方裁判所で行っていた対策は、下記の時系列を見て頂くのが、一番分かりやすいと思います。ざっと見る限り、手続きの延期や裁判所を一時クローズした時期があったものの、同時に、職員をテレワークにしたり、法廷に入れる人数を制限したり、teleconferencing, videoconferencingを民事、刑事共に利用して手続きを動かす工夫はしていたようです。Jury Trialに関しては、3/19に連邦裁判所全体に出されたガイドラインでは、“Conduct jury proceedings only in exceptional circumstances.”と制限されていましたが、今はマスクとソーシャルディスタンスを確保した上で復活しているようです。

https://www.uscourts.gov/news/2020/03/12/judiciary-preparedness-coronavirus-covid-19

 

州裁判所でも下記イリノイ州裁判所のwebsiteを見る限り、基本的に同様の試みが行われていたようで、オンラインでの手続き利用が強く奨励されています。もっとも、すべての州を確認したわけではないので、各州の裁判所によって運用が異なる可能性が高いです(感染状況にもよると思います)。

https://www.champaigncircuitclerk.org/courthouse-information/news/circuit-clerk-encourages-use-of-online-services-in-response-to-covid-19/

 

Q4 司法が政策を変えていく実態があったということですが、日本ではそのような実態がない理由をどうお考えですか。

これは、素晴らしく、かつ、難しい質問で、本来私がお答えできるような問題ではないと思っていますが、思っているところを書かせて頂きます。

そもそも、「司法が政策を変えていく実態」は日本にもあるところですが、どちらかというと謙抑的で、文字通り最後の崖っぷちの砦になってしまっているところがあるような気がします。一言で言ってしまうと、様々な原因で司法手続きが使いづらいのです。

一方、アメリカの場合は、良くも悪くも気軽に司法が利用されており、こんな(内緒ですが、中には、些細な、理屈が立たなそうな、話し合いで解決できそうな)ことで訴えちゃうんだ、と思ったことも実はよくあり、その結果、政策にブレーキがかかったり、政策が変わったりということも、日本よりも頻繁に生じます。

このようにアメリカで司法が気軽に利用される一つの原因が、法律家の人数と司法予算の規模の違いにあることは間違いないと思います(ちょっと話がそれるかもしれませんが、今回アメリカ中西部に留学して、中国、韓国、台湾はじめ東南アジアの国々の存在感に感動すると同時に危機感も感じました。完全にマイノリティになる体験をすると、数は力だということが綺麗事を並べている余裕がなく肌身に沁みて分かります)。

また、Jury Trialが民事でも刑事でも憲法に基づく権利として導入されており、市民の司法参加が制度的に強制される結果、普通の市民にとって司法が身近になるという側面もあるように思います。たとえば、最高裁判所の裁判官が誰になるか等ということが国民的関心事になります。

さらに、私が思いついたわけではなく、留学時代の勉強仲間の一人で日本の官公庁から留学されているKさんに教えて頂いた調整文化の違いという視点も少しご紹介させて下さい。

「意見に食い違いが起きたときにどう決めますか、というのは、国家の大事な機能であって、それを政治でやるか、司法でやるか、みたいなところはあって、なんとなく日本は政治的に事前調整する方が好きで、司法にいくのは相当覚悟があっていくんですよね。事前調整できないものはそもそも決定できないから時間がかかっていく。一方で、アメリカは司法を使うことに慣れているし、なんとなく話せばわかるなんて言っていても仕方ないので事前調整に変に時間をかけないのだと思います。その分、戦いに慣れているので、逆に実際に戦いになったら、解決策として上手く和解を使うっていうことまで含めて慣れているのかなと。アメリカだとそもそも2大政党制で、どっちが正しいかは別に、意見が食い違っていることを認めたうえで議論する文化があるということだと思います。」

上記挙げてきたことが、ご質問の説明として正しいかどうかと言われると、自信がないのですが、私が現在思いつく限りのことを書いてみました。なお、それぞれが独立した要素ではなく相互に繋がっているというのも私の実感です。

 

Q5 アメリカの裁判のIT化について任意なのか、義務なのか。また、直接主義との関係について教えて下さい

 先に述べたとおり、連邦と州にそれぞれ裁判所があるので、まず連邦裁判所からお答えします。連邦裁判所においては、Case Management/Electronic Case Files (CM/ECF) と呼ばれる訴状や異議などの準備書面をオンラインで提出できる仕組みがあり、弁護士はこのシステムで提出することが義務づけられているということです。CM/ECFについては、連邦地裁裁判所のホームページに詳細が出ています。

 https://www.uscourts.gov/court-records/electronic-filing-cmecf

 

州裁判所は、すべてをフォローできないのですが、少なくともイリノイ州裁判所は、少なくとも民事事件につき、書類のオンライン提出を義務づけているとウェブサイトに記載がありました。

https://www.champaigncircuitclerk.org/courthouse-information/news/circuit-clerk-encourages-use-of-online-services-in-response-to-covid-19/

 

 これら一連のオンライン申請と直接主義との関係は、とても興味深いテーマなのですが、簡単に調べられることではないため、調査未了です。

 

Q6 日本はいち早く教育を止めましたが、アメリカでは止まらなかった点に関し、日本とは異なる権利意識があるということなのでしょうか。

 難しいご質問ですが、アメリカと日本、どちらの国が権利意識が強いかということは、正直なところ何とも分かりません。

 ただ、少なくともイリノイ州、そして、子どもたちが通っていた学区の場合、元々、各公立学校で、コンピューターを使う土壌がありました。幼稚園ならiPad、小学校以上ならノートパソコン、を生徒一人ずつ支給し、オンライン教材を利用した計算練習やリーディング、タイピング練習、調べ物学習、レポート提出などで毎日学校で使用していたのです。そのため、元々学校に人数分用意されていたコンピューターを生徒に支給することができたというハード面は大きいと感じます。

 また、研修中でも触れた通り、教育面だけではなく安心して過ごせる唯一の場所であるという子どもたちもいるので(温かいご飯や整った医療体制がある)、公立小学校が子どもたちの生存権を支えるような役割もあるというところも、影響したかもしれません。下記は、今年37日付のNYタイムズの記事ですが、公立学校の関係者が、 long-term closings an extreme measure and a last resort”(学校を長期間閉鎖するのは、極めて異例な最終手段です)と明言している興味深い内容です。

https://www.nytimes.com/2020/03/07/nyregion/nyc-schools-coronavirus.html

 

Q7 政府から独立した専門機関CDCのような機関は各州にもあるのでしょうか。

    CDCCenters for Disease Control and Prevention(アメリカ疾病予防センター)は、各州から上がってきた情報を集約したり、ガイドラインを出したりしていますが、それとは別に、各州の保健当局が、データの収集や公表を行っています。たとえば、私が住んでいた地域の保健当局は、ウェブサイトに詳細な情報を開示していました。

https://www.c-uphd.org/champaign-urbana-illinois-coronavirus-information.html

 

Q8 Pandemic下のアメリカの医療体制はどのようなものだったでしょうか

 このご質問に包括的にお答えできるような知識はないのですが、実際に起きたこととして報道されているニュースがアメリカの医療体制を色々な意味で象徴しているような気がするので、ご紹介しておきます。

 これは、NYタイムズの音声ニュースDailyで、729日に配信されたものです。

7/29 NY Times Daily

https://www.nytimes.com/2020/07/29/podcasts/the-daily/china-trump-foreign-policy.html?rref=vanity

 内容としては、NYの病院において実際に起きた不条理を追求した調査報道です。ごく簡単に内容を抜粋します。

・公立病院はメディケアを受けている高齢者層、無保険者を含む低所得層、市立病院は富裕層が利用しており、元々、スタッフの数や設備の整い方、先進医療や実験的治療を受けられるか否か、等で違いがあった。

・今回のパンデミックでは、スタッフの数の違いが治療の質に大きな差異をもたらした。たとえば、Emergency Roomにおいて、私立病院では一人の看護師が67人の患者を担当したのに対し、公立病院では、一人の看護師が1020人の患者を診なければならなかった。

・公立病院は、突然、容態が急変する患者や、転倒事故などに対応しきれなかったし、proningと呼ばれていた、56人の人手が必要な患者の呼吸を助ける療法が(私立病院では頻繁に使われていた)公立病院ではなかなかできなかった。公立病院の中には、致死率3倍となった病院もある。

・公立病院と私立病院との間の強力システムが確立されておらず、また、利益を上げるという観点からも、公立病院から 私立病院への患者受け入れが進まず、結局、公立病院から私立立病院に移送された患者数は50人以下にすぎない。

・連邦政府や州の肝いりで新たに作られたNational Epicenterも、不要不急の官僚主義(大量の書類を医師らに作成させたり、オンラインの使い方のトレーニングに時間を割いたり等)があったり、厳しい患者受け入れ制限があったり、救急車と各病院との契約のために、患者を直接Epicenterに受け入れることができない仕組みになっていたり等の原因で機能せず、たった79人の患者しか受け入れられなかった。







Last updated  2020.08.06 05:39:50
2020.07.29
カテゴリ:読書日記
​​​​​​​​​​​​​留学中に、Kindleの便利さに目覚めました。持ち運びに苦労することなく、どこにいても、タブレットさえあれば日本語でも英語でも本が読め、何よりかさばらない。本当に便利で、読みたい!と思った時の「でも置き場所は?」という逡巡がなくなり、より沢山の本を気兼ねなく読めるようになりました。

今回、この傑出した政治家の本も、日本語版、英語版共に、Kindleで購入し、まずは日本語版を、一気にまさしく引き込まれるように読みました。

著者は、Hillary Rodham Clinton(ヒラリーさんと呼ばせて頂きますね)。彼女のことを知らない人は世界中にほとんどいないんじゃないんでしょうか。それくらい有名な方ですよね。

弁護士、ファーストレディ、上院議員、国務長官等を歴任といった華やかなキャリアもさることながら、なんといっても、4年前、女性初の米国大統領になりそうだったのになれなかった、という悲劇の経験が、彼女を世界的に有名にしたと思います。

・・・ただ、恥ずかしながら、私は彼女がどんな人か、何を考えて生きている方かはまったく分かっていませんでした。でも、今回アメリカでPandemicを経験して、もし、この危機に立ち向かうのがヒラリー大統領だったら、ということは考えずにはいられなかった。対外的にも国内的にも、トランプ政権とは確実に異なる対応になったのではないかということは直感的に感じ、人間として、リーダーとしての内面をもっと知りたくなっていました。

このWhat happenedは、4年前の挑戦の過程で彼女が経験したこと、感じたことが、ヒラリーさんの肉声で語られています。悔しさ、怒り、悲しみは勿論そのままに、でも、一方でとても冷静な視点で、何故私は大統領になれなかったんだろうということも分析してあります。
心揺さぶる本物の言葉に、彼女の知性、タフさ、視野の広さ、真面目さ、感受性の豊かさ、優しさが溢れ出ていて、私も感情移入してしまいました。

まず、彼女の人生に対する姿勢が分かる記載をいくつかご紹介します。
天性の才能に恵まれている方でしょうに、繰り返し努力をし、欠点に対応するための対応を考え続ける真摯な姿勢に共感します。

903​(*これらの数字は、Kindleの位置No.と呼ばれるもので、紙の本のページ番号とは異なるようです)​
大統領候補、リーダー、いや誰であっても、本当に問うべきなのは「欠点があるかどうか」ではない。「欠点について、どう対処するか」だ。間違いから学習することができるか? それとも自己改善を拒否して、他者を貶めて自分より悪くて劣った奴らだと主張するか?

1097
それから50年近くが経ち、勝っても負けても、「夢中でやってみる」のが大切だというのが、わたしや家族のマントラになった。選挙に勝とうとするか、何百万人もの人を救えるような議案を通すか、友人を作るか離婚を回避するか、何をするにしても成功する保証はない。だがやってみなければならない。何度でも、繰り返し。

大統領選の最中、彼女は、大規模な集会よりも、小さなタウンミーティングを好んだそうです。
なぜなら、一方的に話すより対話の方が、学ぶことが多かったから。私も同感です。自分にはない視点を持っている方々と話すことで、これまでどれほどハッとさせられる気付きがあったか言い尽くせません。

1181
​マスコミはこれらの会話の行なわれる会合に飽きてしまうようだった。批評家たちは、こうした会合はあらかじめ演出され、注意深く管理されているとして片づけた。だがわたしは飽きなかった。人々に向かって話すのではなく、一緒に話したかった。それによって学ぶことも多かった。わたしにとっては、これこそが、大統領に立候補するということの主要な意義だった。​

チームヒラリーは、6000人!ボーイング機をチャーターした上で、総選挙に向けたスローガン「一緒のほうが強い」という意味のstronger togetherを書いて、全米を飛び回りました。
本物さながらの討論会の準備や、タウンミーティングで得られた学びを政策に活かすために奔走します。特にページ数を割いて言及されているのが、貧困にも見舞われているミシガン州フリントの水が汚染された結果、沢山のこどもたちが鉛中毒になってしまったという問題です(No.3522~)。この問題を放っておく訳には行かないと動く彼女に私利私欲があったとは私には思えません。彼女の情熱は、公害で苦しむ被害者を救うために奔走する弁護士の姿と重なります。

そして、彼女は、踏み込みます。
女性である故に存在する圧力にどう立ち向かってどう感じてきたか。ここまで正直に書いてくれたことにまずは感謝です。そして、深く頷き共感できる箇所がいくつもありました。

まず、ヒラリーさんは、大統領選を通して、この上なく辛い現実、「私は皆に嫌われている」に向き合わざるを得ませんでした。

6531
そのうえで、わたしは多くの人が――それこそ何百万人もが――わたしのことを嫌いなのだという結論に達した。これがどんな気分のものか、想像してみてほしい。受け入れがたいことだった。だが避けることはできない。

その上で、彼女は、同じ舞台に立っていても、女性が求められることは男性よりもずっと多いということも併せて指摘します。本当にそうだ!!と頷きすぎて、顎が首にめり込みそうでした(笑)
女性だけに完璧さが求められるのは何故なんだ、と思う機会が多々ありました。

2069
政治において女性が身につけなければならないバランス感覚は、どんなレベルにおいても難しいものだが、地位が上がるにつれてますます困難になる。印象が強すぎると、好かれない。優しすぎると、重大な問題に関われない。熱心に働きすぎると、家庭を顧みないことになる。家庭を優先すると、真剣に仕事をしていないことになる。職歴を積んで子どもがいないと何か問題があるということになるか、その逆か。もっと重要な役職を求めると、野心家だと批判される。

時には、男性なら許される、男性なら好意的に評価される資質までもが、女性であるために、批判される・・・余りにも理不尽だけど、でも、私たちの身近でも、こういう傾向ってありますよね。弁護士経験で身につけた慎重な言葉遣いのくだりは、自分に引きつけて考えてしまいました。

2089
なぜわたしはそれほど評価の分かれる人物になり、たとえばジョー・バイデンやジョン・ケリーはならないのか? 彼らは大統領に立候補した。彼らは政府の高い位置で仕事をした。彼らはあらゆる種類の投票をし、その中にはわたしと同じように、後悔しているものもあるはずだ。なぜわたしだけが、怒りの避雷針になるのだろう?  本気で訊きたい。途方に暮れている。

2121
冷静な態度も関係しているだろう。わたしはよく、常に警戒していると言われるが、これは本当だ。話す前に考える。頭に浮かんだことを、やみくもに口に出したりはしない。生まれつきそういう傾向があったのに加えて、弁護士として訓練を受け、何十年も公衆の目にさらされ、一言一句を穿鑿されてきた結果でもある。だが、なぜそれが悪いことなのだろう? 上院議員や国務長官――そして何よりも大統領――は、自らの言葉の持つインパクトを自覚して、思慮深く話をするべきなのではないか?  オバマ大統領はわたしと同じくらい、もしかしたらそれ以上に抑制している。ものすごく気を遣って話をする。時間をかけて、言葉を吟味する。これは一般に知的で厳格な態度だと、正しく評価される。彼は深刻な事柄を真剣に話す人物だ。それはわたしも同じだ。だがわたしがそうすると、しばしば否定的に受け取られる。

でも、皮肉なことに、女性が、チームの一員として、誰かのために「内助の功」を果たした時は評価されるのですね。自分が主人公になると野心家と批判されるのは何故なのでしょう。

2183
シェリルはもう一つ洞察している。女性は他者を擁護すると好意的に見られ、自分たちを擁護すると否定的に見られる。たとえば、男性であれば昇給を求めても悪いことはない。望み通りになるかどうかはともかく、何かを求めたことで罰せられはしない。同じことを女性がすると、危険が伴う。給料は上がるかもしれないが、評判は落ちる。例外は、女性が他の誰かのために昇給を求める場合だ。その場合はチームの一員と見なされ、寛大に受け取られる。これもまた、胸に響いた。誰かの支援をする役割のときは、わたしは人に好かれる。夫のための選挙運動や、オバマ大統領の内閣で働いていたときだ。こうした能力で評価された場合は大丈夫だった。だが立ち上がって、「これからはわたしが主導します」と言ったとたん、全てが変わった。  あの日、困難な登山が待っていると、シェリルに警告された。「奴らは、まるで容赦がないわよ」

 

なお、ここで出てくるシェリルは、Facebook のCEOで素晴らしいトークをTED で披露しています。
https://www.ted.com/talks/sheryl_sandberg_why_we_have_too_few_women_leaders

こんな体験を重ねるうちに、いつしか女性は、自信をなくす。生まれた時は一緒だったのに。でも、、、、本当だ。私も、こんな体験を仕事を任す側、任される側双方で体験しています、悲しいことに。

2534
何年にもわたって、わたしは若い女性や男性を雇い、応援してきた。多くの場合は、こんな具合だ。
わたし:あなたにもっと大きな役を任せたいの。

若い男性:すごい。がんばります。落胆はさせません。
若い女性:本当に大丈夫かしら? 自信がないわ。一年後にしたらどうでしょう?  
こうした反応は先天的なものではない。生まれつき、男性のほうが女性より自信があるわけではない。男性は自分を信じろと言われ、女性は自分を疑えと言われる。若いころから、何百万回も言われ続けるのだ。わたしたち一人ひとりが改善していかなければならないことだ。

そんな彼女を支えてきた夫、クリントン元大統領と、一人娘のチェルシーさんに対する彼女の愛情にも、心打たれました。

2613
娘は特別な存在だ。生まれた直後から、女性として教えておきたいことがたくさんあった。勇敢であること、本当の自信を持ち、場合によっては自信のあるふりをし、深刻になりすぎずにプライドを持ち、自分を愛し、愛するように努力し、寛大な心で他者を愛し、強いけれど優しくもあり、どの意見を重んじ排除するかを判断し、何を言われようと自分を信じる。わたし自身は、こうした事柄を身につけるのに苦労したが、もしかしたらチェルシーはあっという間に自分というものを確立していたのかもしれない。

2769 
彼は人生のパートナーであり、出会った瞬間から最高の存在だった。彼には、仕事を控えてくれと言われたことがない。彼の人生や野望の妨げになるからという理由で――仕事でも政治でも――競争相手にならないでくれと言われたこともない。彼の仕事のほうがわたしのものより重要だった時期はあったが、それでも彼は何も言わなかった。常に平等だと感じさせてくれた。

家族をはじめ、沢山の仲間に精力的に支えられて迎えた開票の日、まさかの敗戦を喫した状況がリアルタイムで綴られていて心が痛くなる。それでもヒラリーさんは、呼びかけます。小さな女の子では最早ない私も、心に響くメッセージです。

2472
「これを見ている小さな女の子たち、あなたが価値のある力強い存在で、この世界で夢を追いかけて達成するチャンスに恵まれるべきだということを、けっして疑わないでほしい」

全身全霊で挑戦して傷ついてきた彼女の人生だからこそ、終盤に出てくるヒラリーさんの友人の言葉は、とてつもない重みで迫ってきます。私も、ツルツルした表面上の美しさよりも、いくつもの深い傷を負い、その傷を乗り越えてきたからこそ発光する内面からの輝きに、強く心惹かれます。
ここは、せっかくなので、オリジナルの英語もご紹介します。

7542
「傷のあるエメラルドは傷のないものより良いとされることがあります。傷が、本物であることの証拠だからです」​​​​​​​​​​​​​​​

“Flawed emeralds are sometimes even better than flawless ones,” Tala went on, “because the flaws show authenticity and character.”

本当に素晴らしい読書体験でした。
お勧めです!






Last updated  2020.07.29 19:38:05
2020.07.10
カテゴリ:弁護士業務
連日のご案内で申し訳ありません。
7月17日(金)、17時から、下記研修の講師をつとめることになりましたので、ご案内します。

前日7月16日の日弁連シンポジウムでのご報告は、人権制約基準に関する比較法的観点から10分程度アメリカの現状をお話しさせて頂く予定ですが、この研修では、1時間、どっぷり(笑)、アメリカの現況について、お話しさせて頂きたいと思っています。現場の弁護士として、一市民として、幸か不幸かアメリカでパンデミックに真正面から遭遇してしまった経験から、今までに持ったことがない視点で考えたことは本当に沢山ありますので、できる限り正直にお話できたら良いなあと思っています。

日常の弁護士業務にすぐにお役に立つような内容ではないにもかかわらず、私の考えてきたことを整理し、言葉にする機会を与えて下さった主催者の関東弁護士会連合会のご担当の先生方、事務局の皆様に、心から感謝申し上げます。

有意義な研修になるように、引き続き努力を重ねていきたいと思います。


***************************


2020年(令和2年)7月10日 

 弁護士 各位

 関東弁護士会連合会    

理事長 伊 藤 茂 昭 

(公印省略)  

 

緊急災害研修会 第2弾

法律家の視点から見るアメリカにおけるCovid-19対策の現況のご案内

 

 平素は当連合会の活動にご協力を賜りありがとうございます。

 また,関弁連初のZoomウェビナーによるweb研修会緊急災害研修会「新型コロナウイルス相談のポイントと弁護士会の役割」には,全国から300名を超えるお申し込みをいただき,当日も300名近いご参加をいただきましたこと,御礼申し上げます。

さて,新型コロナウイルス感染症について,国内では都市部ではまだ新規感染者数が発表されておりますが,引き続き警戒をしながらも少しずつ経済活動が再開されてまいりました。一方,世界に目を向けますと,新規感染者数が日本とは桁違いに増加しており,特にアメリカは感染者数が世界で最も多い国となっております。

そこで,日弁連海外ロースクール推薦留学制度により,昨年6月イリノイ大学アーバナ・シャンペン校に留学されていた葦名ゆき弁護士(静岡県弁護士会)にコロナ禍の中でのアメリカでの経験を語ってもらい,どのような課題があったのかについてご講演頂く研修会を企画しました。葦名弁護士は,関弁連災害対策の基盤を作られたとして第1回関東弁護士会連合会賞の受賞者でもあり,現在も関弁連新型コロナウイルス感染症災害対策本部本部員をお務めいただいております。

今回の研修会もいわゆる3密を避けるためZoomウェビナーにて開催いたします。

研修会は,下記のとおりの日程・内容にて開催いたしますので,多くの皆様のご参加をお願いいたします。なお,本研修会は弁護士を対象(定員1000名)といたしますのでご了承ください。

(本研修会を録画し再放送等を行うことも検討しております。詳細が決まりましたらご案内いたします。)

1 研修会概要

  日 時:7月17日(金)午後5時から午後6時まで

  テーマ:「法律家の視点から見るアメリカにおけるCovid-19対策の現況」

  講 師:葦名ゆき弁護士(静岡県弁護士会)

 

 2 お申し込み方法

  以下の事項を記載したメールを,7月17日(金)正午までに,関弁連事務局まで,メールにてご連絡ください。

Zoomウェビナーの「URL」「ミーティングID」及び「パスワード」をご連絡します。

①メール件名に「関弁連緊急災害研修会」と記載ください。

  ②メール本文に「ご氏名,ご所属弁護士会,登録番号,メールアドレス」を記載ください。

 

 3 お申し込み先(メール)

   関東弁護士会連合会事務局

   (本研修会に関するお問い合わせにつきましても,事務局宛メールにてお願いします。)

以上







Last updated  2020.08.25 05:25:31

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