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弁護士YA日記

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弁護士業務

2021.05.12
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カテゴリ:弁護士業務
先日、とある用事で1時間ほどドライブ。綺麗な海を抜けて、上っていく山道の途中にぽつんとある一軒家が目的地。この距離感を実感して、「アウェイ」の事務所ではなく、「ホーム」のご自宅でお話をお伺いするからこそ、その場で紡ぎ出される言葉の本当の意味が実感できるし、言葉以外から吸収できるものも沢山ある。現場で、自分の五感がすっと研ぎ澄まされていく緊張感が好きだ。自分の思い込みや雑念が振り払われていく感じがする。現場は本当に大事だ。弁護士にとって基本中の基本。
この想いを大事に、謙虚に生きていこうと思う。自分が知っている、分かっている、と思っていることは、本質とまったくかけ離れているかもしれない、という疑いをいつも心の根底に持っていたい。






Last updated  2021.05.12 05:30:47


2021.01.28
カテゴリ:弁護士業務
​昨日、有識者委員の一人として、静岡県教職員コンプライアンス委員会に出席しました。
議題は、教職員の不祥事対策、今回のテーマは特に性的被害事案の不祥事増加を中心に対策を協議しました。
NHK静岡でも、​協議会の様子​が報道されました。審議内容は、県のHP上で後に公開される予定です。

有識者委員は、静岡県弁護士会の場合、弁護士会の推薦手続きを経て、任命されるものなので、私は、外部委員のお仕事には、弁護士の意見を代表するという感覚で、可能な限り、鋭くハッキリ発信したいという想いで臨みます。
昨日もそのつもりでご準備頂いたわかりやすい資料を読み込んだ上、事務局からの丁寧なご説明も拝聴した上で(ご準備ものすごく大変だったのではないかと思います、ありがとうございました)、概ね次のような意見を述べました。

1,アンケート調査を実施して、生徒が被害と感じる行為と、教員の認識にギャップがあることを可視化することは良い試みと思う。しかし、教師との疑似恋愛から発展する場合など、客観的には問題行為であるが生徒が認識できていない行為は、アンケートでは捕捉できない。この捕捉をどうやって行うか、難しいが取り組むべき課題である。

2,現場の実感では、教師への依存心が高まる背景には、家庭環境他、生徒の環境要因が非常に大きい。具体的には、家庭内で愛着が形成されず、自己の承認要求が満たされないために、教師に過度に依存し、頼られる教師も自身を救済者と勘違いしてしまい個人的な関係に至るという事例が珍しくない。このようなケースを防止するためには、教師への啓発は最重要としても、生徒の環境要因を改善する長期的な努力が不可欠である。地道ですぐに効果が上がらない対策かもしれないが、教育現場は生徒の福祉・環境改善のために長期的に何ができるかという視点を持って頂きたい。

3,研修に「被処分者の生の声を伝える」つまり、懲戒されると人生がめちゃくちゃになってしまう、ということを盛り込んでいるようだが、それはそれとして大事ではあることは事実であるが、問題の本質は、性的被害が、生徒の人生に長期的壊滅的な打撃を与えるという点ではないのか。そのときは大過なく過ぎたように見えても、数十年後にフラッシュバックするのが性的被害であり、被処分者の悲惨な人生以上に、被害者の悲惨さをきちんと伝えることが極めて重要ではないか。

4,懲戒処分までいってしまう事例は、氷山の一角であり、広大な暗数があることは確実である。お恥ずかしながら弁護士会でも、すべての問題事例が、懲戒処分までいくわけではなく、様々な事情で表沙汰にならないグレー案件がある。しかし、被害者のダメージが非常に大きい性的被害事案では、このグレー案件にどう対応されていくかが非常に重要であると思う。問題行為が疑われたものの、諸事情で、懲戒処分に至らず教壇に戻っていく方々にどう組織的にアプローチするか、難しい課題であることは分かるが、被害を拡大させないために、検討して頂きたい課題である。

​その他の有識者委員からは、

・現状を前提とした対策ではなく、構造を変革していく、たとえば、常に二人体制で物事にあたるとかはできないのか
・校長以下管理職のマネジメント能力を高めることが必要ではないか
・低学年の生徒にセクハラの意味を啓発することが重要ではないか
・SNS禁止といっても、現実性がない。学校専用の公用スマホを導入すべきではないか

等の意見が出ました。
短い時間でしたが、充実した議論ができたと思います。
でも、議論を形にしていくのは凄く大変ですよね・・・。
外部委員のできることは限られていますが、それでも、できることを今後も行いたいと思います。






Last updated  2021.01.28 19:14:21
2020.12.31
カテゴリ:弁護士業務
​2020年も今日で最終日です。
今年は、UIUCで春学期がスタートして2ヶ月弱の3月にパンデミックに遭遇、6月下旬に帰国して弁護士業務再開という激動の年でしたが、沢山の学びがあった素晴らしく充実した年でもありました。いつも支え励まし応援して下さっている多くの皆様に、心から感謝申し上げます。

さて、当事務所にて一年間養成しておりました宮田尚典弁護士が、新年から法テラス佐世保に赴任することになりましたので、お知らせします。
法テラスのスタッフ弁護士養成期間は、わずか一年、ただでさえ短いところ、私の場合、今年半ばまで留学していた関係で、半年しかご一緒できませんでした。

ただ、半年といえど、歴代養成スタッフ弁護士と同じくらい、もしくは、それ以上に、深く関われた気がします。理由はシンプルで、私が留学明けで、本業の仕事が、まだそれほど立て込んでいなかったため、宮田さんと共同受任する事件にしっかり時間を使えたからです。主語を私に設定すれば、宮田さんの一つ一つの起案や相談について、かなり細かく添削や注意をできたということになりますが、宮田さんの立場からすると、なかなか凹む指導だったかもしれません。

でも、宮田さんの素晴らしいところは、とてもまっすぐに真剣に注意を受け止めてくれて、次回に必ず指摘された点を修正する(少なくとも修正しようとする努力をきっちりしてくる)ところです。穏やかで優しい佇まいの宮田さんですが、私の注意を聞くときに、キラッと目の光が強くなります。耳を傾け、頷きながら、メモをとる態度に、吸収しようとする貪欲さを強く感じました。
私だけではなく他の弁護士も同じように感じたと思いますが、「ああ、この子は何を注意しても大丈夫だな」という安心感を持てました。自戒を込めて思いますが、人の諫言をまっすぐ受け止めるというのは、非常に大変なことで、注意を避けたり軽減したりするための防衛本能が働いてしまうのが普通で、なかなかできることではありません。

また、依頼者に対しては、宮田さんの本来の穏やかさが全面に出るので、依頼者の方々はとてもほっとされるのではないかと思います。

私は半年間のお付き合いでしたが、私と過ごした時間以上に、一年間、刑事事件のエキスパートの間さんと、水際だった事件処理が必要とされる沢山の刑事事件をこなしたこと、家事事件を得意とする横山さんと、傾聴とテキパキが両立する事件処理を学べたことも、宮田さんの今後の弁護士人生の大切な基盤となると思います。

最終日は、事務所から記念品として、炊飯器(雑談の中でお鍋でご飯を炊いている、という話が出たため!)と、横山さんが心を込めて作成して下さった所員全員からのメッセージカードを贈呈しました。
年のせいか涙もろくなっている私は、ちょっとうるうるしてしまいましたよ。一年間よく頑張りましたね。









最後に、宮田さんのお礼メールの返信として、私が書いたメールの一部をご紹介して、宮田さんを送り出したいと思います。身体に気をつけて、地域の方々のためにお仕事に励んで下さいね。事務所一同、心から応援しています。

*************

私が、「私の個性」として一番大事にしているのは、「いつまでも成長していきたいという想い」です。
その想いで、どうやったらベストのリーガルサービスを提供できるんだろうと考え抜いて今のスタイルになっていますが、今が到達点とは全然思っていなくて、これからも試行錯誤していくのだと思います。
17年間弁護士をしてきて言えるのは、いくつになっても、成長したいという想いを抱いていれば、成長できるし、進化できるという確信です。
宮田さんは、この一年間とても成長されたと思います。
注意を真剣にまっすぐに受け止めて、次の機会に活かしていく、更に注意をされたらそれを次の機会に活かしていく、その繰り返しができることをとても素晴らしいと思いました。
依頼者に対する優しく丁寧な態度も、宮田さんの個性ですね。
佐世保での生活は、大変な依頼者も、事件数も多いでしょうからとても大変だと思います。
でも、その二年間を真面目に取り組むことでさらに大きく成長されること、確信しています。自分の個性を大事に、頑張って下さいね。
いつでも心から応援していますよ。
気をつけていっていらっしゃい!







Last updated  2020.12.31 08:01:26
2020.12.19
カテゴリ:弁護士業務
​​随分ご報告が遅くなってしまいましたが、11月24日に開催された、​日弁連ひまわり20周年記念シンポジウム「ここに弁護士がいてよかった」​は、素晴らしく練り上げられたひまわり基金20周年にふさわしいイベントでした。

このシンポジウムは、オンライン配信ではありましたが、報告者やパネルディスカッションのパネリストは、原則として日弁連クレオに集まり、そこからライブでオンライン配信されるという流れでしたので、このパンデミック下、担当委員会の弁護士及び事務局、オンライン配信を担当された業者の皆様のご心労はいかばかりだったか想像に難くありません。

私が会場に到着したのは、事前打ち合わせのため、午前11時頃。
久々のクレオに一歩足を踏み入れた瞬間、大きなスクリーンや何台も並んだビデオカメラ、アクリル板付パネリストの机等が目に入り、これは大変な準備が必要であっただろうということが瞬時に分かりました。そして何より、その会場内で、マスク越しにも分かる引き締まった表情で、書き込みされた書類片手にキビキビと行き交い、立ったまま真剣な打ち合わせをされている、情勢に配慮して少数精鋭であろう関係者の皆様の、絶対成功させるという強い意気込みと緊張感が混ざり合う雰囲気に圧倒されました。

カメラの切り替えタイミングやスライドの操作確認など、入念なリハーサルを経て、いざ本番!でしたが、綿密なご準備の賜でしょう、大きなトラブルなくすべてのプログラムが終了し、「ライブ配信終了です」とアナウンスが流れた瞬間、湧き起こった拍手と関係者の皆様の素敵な笑顔、私は今後も忘れないでしょう。本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。

ご尽力頂いた関係各位に心からの敬意を表し、私個人の視点にはなってしまいますが、感想を書かせて頂きます。なお、このシンポジウムは、アーカイブ配信されており、今からでも視聴可能です!私の拙い説明で、すべてのプログラムの魅力をお伝えすることはできないので、是非こちら​をご覧下さい。

今回なんといっても素晴らしいのはプログラム構成で、3時間で「ひまわり基金の過去・現在・未来」が分かるように組まれていることです。

冒頭は上田英友日弁連副会長のひまわり基金の沿革について、弁護士過疎対策が何故必要か、という基礎的な部分から、ひまわり基金事業の具体的内容まで、簡潔ながら要を得たご説明を頂きました。

そして、次の動画(約30分)が、本当に素晴らしかったです。3時間のシンポジウム全部を視聴する時間がないという方でも、この動画だけは見て頂きたい珠玉の出来です。
この動画は、別途You tube​でも配信されているそうです!

私が感動した三大発言は、ズバリ下記です。ひまわり基金の本質-やりがいと魅力がぎゅぎゅっと凝縮されています。

1,出村洋介弁護士(オホーツク枝幸ひまわり基金法律事務所所長)
「近い、遠いが、あきらめる、あきらめないに繋がる」

2,松本三加弁護士(紋別ひまわり基金法律事務所初代所長)
「ひまわりは、弁護士人生の故郷」

3,後藤周平弁護士(定着支援制度を利用して奈良県桜井市に定着)
「お礼に、駐車場で魚をさばく依頼者がいた」

しかも、この動画を撮影、編集されたのは、業者さんではなく、京都弁護士会の新井玲央奈弁護士、河野佑宣弁護士とのこと、出演者が元々素晴らしいということもあるのでしょうが、本質を鷲掴みにするような発言の切り取り方の編集センスが抜群で本当に驚きました。

続くミニスピーチでは、元佐渡ひまわり基金法律事務所所長の佐藤克哉弁護士からのご報告。声の張りと大きさが良い意味で弁護士離れしており、すべての言葉が心に届く感じがしました。

自治体からのメッセージでは、宮川良一紋別市市長、自治体の長がこうして弁護士が必要だとメッセージを発して下さるのは本当に嬉しく励まされますよね。対談相手は、大根田紫織弁護士(流氷の町ひまわり基金法律事務所所長)、市長のお話を的確に引き出していらっしゃいました。

基調講演は、飯考行専修大学教授だったのですが、これまた本当に素晴らしかったのです。30分といわずもっとお聞きしたかったとは思いますが、弁護士ゼロワン地域の状況とひまわり基金、法テラス・都市型公設事務所の歴史、司法書士会の旺盛な取組等を、法社会学、司法制度論というご専門分野の視点からご紹介頂き、何故司法アクセスが必要か、これまでの取組の到達点をどのように評価すべきか等を改めて深く考えさせられました。

最後はパネルディスカッション。ここまで素晴らしいリレーが続いてきたので、アンカーがバトンを落とすわけにはいかない、というちょっとした緊張感を持ちつつ、席に着きます。連続登板の飯教授、毎日新聞伊藤一郎記者、米元悠宇弁護士(元八重山ひまわり基金法律事務所所長)、私の4人のパネラーの画面切り替え、スライド切り替え等といった複雑な裏方作業も本当に大変だったと思いますが、なんと言っても、司会進行の林信行弁護士(第二東京弁護士会・元十和田ひまわり基金法律事務所所長)の神司会で、時間配分もトピックのバランスも完璧だったと思います!林さんとは、56期同士、ひまわり赴任時期も一緒なのですが、昔と変わらず、本当に優秀で細やかなお心遣いに溢れたお人柄を存分に感じられた時間でした。

PDでひまわりOBとして、米元弁護士も私も強調しましたが、ひまわり赴任は、その後どんな道に進むとしても、キャリア形成にとって欠かせない基盤になります。どう活かすかは自分次第、敷かれたレールはないけれど、でも間違いなく宝物になる。それだけは確信を持って言えます。

下記は、私がPDで最後にご紹介した「ひまわり基金法律事務所で得られるもの」です。ご参考までに!

1,弁護士冥利に尽きる体験
→「ここに弁護士がいて良かった」という言葉を日々聞ける
→弁護士が「ここ」にいるからこそ、実現できる本当の「法の支配」

2,かけがえのない仲間
→今までひまわりに赴任してきた弁護士たちのバトンリレーに心からの敬意を表したい。この壮大なネバーエンディングストーリーに参加できたことは私の誇り
→無条件に支え合い、応援できる仲間がいる幸せ

3,キャリアの基盤
→どんな進路に進もうと必ず役に立つ

嫌々「行かされている」のでなく、自らのキャリア選択として主体的に赴任を選択し、自己実現を図りつつ、地域の方々のために活動している弁護士の姿を配信することがこのシンポジウムの最大の目的だったと思いますので、本当に一人でも多くの方々にひまわりの魅力が伝わって欲しいと改めて思いました。

今日も、日本中の過疎地で、お仕事をされている弁護士がいます。
私は、いつでもどこにいても、心から皆様を尊敬し、応援しています!
お身体に気をつけてこの師走ならぬ士走を、走り抜けていかれますように。​​






Last updated  2020.12.19 20:43:31
2020.11.18
カテゴリ:弁護士業務
先日、法テラス平戸及び法テラス佐世保を視察する旅をしてきました。

法テラス平戸に、静岡綜合法律事務所時代に養成していたスタッフ弁護士の可児望弁護士が赴任していることが最初のきっかけだったのですが、現在当事務所にて養成している宮田尚典弁護士が、来年1月から法テラス佐世保へ赴任することが内定したという事情も加わり、平戸・佐世保を訪問することになりました。

この旅には、同じく、静岡綜合法律事務所時代に養成していた元スタッフ弁護士で、現在、東京にて独立している加畑貴義弁護士も合流してくれました。
私の立場から見ると、法テラスのスタッフ弁護士として私も関わって養成した今までのところ7人の弁護士のうち、三代目(加畑さん)、五代目(可児さん)、七代目(宮田さん)とご一緒したということになります。皆、養成時期は違いますが、ほぼ同じ養成事務所から法テラス地方事務所に赴任した(する)ということで共通の話題も多く、道中すべてが真面目な話から笑い話まで、おしゃべり三昧という感じでした。

一日目の佐世保では、こんな素晴らしく透き通ったイカを頂きながら、法テラス佐世保の佐藤佳実弁護士、野間脩平弁護士とも懇親を深めることができました。三度の飯より新鮮な魚が好きな私にとって、最高の贅沢でした。



佐世保は、事件数が非常に多く、佐藤弁護士は、年間最多事件受任で法テラスから表彰されたそうです(素晴らしい!!!)。事件の困難性に加えて、依頼者の心身をケアしつつの業務ですから、事件数で想像できる以上の労力を費やされている筈です。様々なことでお悩みがありつつも、堅実にしっかりと事件をこなされている様子、後任者となる宮田さんにも大きな刺激と学びの機会になったに違いありません。

もうお一人の野間弁護士は、社会人から転身されて弁護士を目指されたとのこと、嬉しいですね!前任地の法テラス鹿屋では、志布志の警察署から鹿屋に戻る最終バスを逃して、「4~5時間歩きました」などとさらりと仰るので、えええ、真夜中だよね、真っ暗だよね、4~5時間って歩く距離じゃないよね、といろいろ突っ込みが入ったものの「真っ暗な中で見上げる星が本当に綺麗で、星を見ていたら時間のことは忘れてしまいます、鹿屋に来て頂ければ分かりますよ」とのご発言が妙に説得的で、鹿屋に行ってみたくなりました。

二次会は、お酒ではなく甘いものを、ということでコメダ珈琲へ。ここでは、早く手をつけなくちゃいけないのになかなか手がつけられないいわゆる滞留事件への対応の仕方という実践トークから、相当どうでもいい昔話まで、一次会以上に盛り上がりました。

なお、佐藤弁護士と宮田さんが引き継ぎ作業をしている間、加畑さんと私は、可児さんのご案内でコスモス畑に囲まれた展望台へ。一面のコスモスの華やかな美しさ、目に焼き付いています。


翌日は、可児さんのご案内で平戸へ。まずは朝食で美味しい漬け丼が食べられるという道の駅へ。
私が選んだのは下記ヒラメ漬け丼だったのですが、美味しすぎて、結構ご飯の量も多かったというのに無言で食べてしまいました。美味しすぎます。




道中の車の中では、何故か、法テラスの任期の区切り方や配点のあり方、法テラスの手当(地域手当や離島手当等)の話となり、法テラス赴任ではない私には非常に興味深い内容でした。中でも、「平戸島」という島にあるにもかかわらず、本土との間、このように立派で美しい橋がかかっているために「離島手当」がもらえないという話には、「いっそあの橋を爆破してしまえば良いのでは、きっと正当理由が認められて無罪になるよ」という物騒な意見から、「離島手当の趣旨に遡って、橋があっても、離島手当を支給する正当性は十分に認められるのではないか」という緻密な意見まで出まして、さすが皆法律家だと感心しました!




途中で寄った魚市場のキラキラ色とりどりのお魚さんたちの美しいこと!こんなに無造作、そして、安い!大きな魚は、お刺身に煮付けに焼き物に唐揚げと何種類もお料理が作れそうです。



その後は、可児さんの職場、法テラス平戸へ。
耐震基準を満たす建物が少ない中、間取りを工夫して仕事しやすいレイアウトになっていました。
感心したのは受任事件一覧のホワイトボード。可児さんはもちろん、事務局さんも共有して、一見してすぐに事件の進捗状況を把握できるように工夫してあるのです。
可児さんのきちんとしたお仕事ぶりが象徴されているホワイトボードでした!

そして、お待ちかねの、平戸市街地観光!もう本当に綺麗な町です!
キラキラ光る海、昔の景観を保存した町並み、美しいザビエル教会。ここは、長崎の出島以前は、日本の唯一といっても良い、海外に開かれた港町、歴史ロマン溢れる場所なのです。




平戸オランダ商館​には、そんな歴史の遺物がぎっしり、歴史的価値ある資料を、復元されたオランダ商館でゆっくり見られるなんて、歴史好きにはたまらない時間ですよね。

お昼に野菜たっぷりの長崎ちゃんぽんを頂いたのですが、野菜と魚介類から出るのでしょう、出汁が絶品過ぎました。朝も食べ過ぎたのに昼も美味しく完食してしまいました。


その後、世界遺産に指定された隠れキリシタン潜伏地域に我々も潜入。秋の涼やかで気持ちの良い風に吹かれながら、棚田の絶景を堪能です。



そして、​平戸市生月町博物館​では、1Fは豪快な鯨漁の展示、2F では、隠れキリシタンの歴史についての展示でした。私は、特に、「お掛け絵」という隠れキリシタンの方々が書かれたマリア像やイエス像の絵に感銘を受けました。西洋で当然とされる装束とは全然異なるお着物や髷を結ったお姿であっても、この方々は信者の方々にとって大切な崇拝の対象なのだということを強く感じたのです。この「お掛け絵の見方」は非常に示唆に富む内容で、私もそういう見方って無意識に持っていると自己反省した上で、とっても共感しましたので、ここでもご紹介しておきますね。



ちょうど夕日が沈む時刻には、可児さんの絶妙なタイムマネージメントが光り、美しい夕日を見られました。一面に広がる海、周囲の絶壁、潮風、赤く丸く輝く夕日、自然の大きさ・美しさを全身で感じられました。




その後、夕食は、旬のお魚を囲炉裏端で頂くというお店で頂きまして、もう何から何まで美味しすぎました。夕食の席上でもいろんな話題が出ました!本業の事件や良い起案・悪い起案、法テラスの転勤のあり方、キャリアの重ね方・・・話は尽きませんね。

夕食が終わっても、まだお楽しみがありました!そう、満点の星空!天の川もしっかり見えるほど宝石をちりばめたような夜空。もうこのままずっといたいような開放感でした。

翌日!
午後には帰らなければならないのですが、最強ガイド可児さんは、手抜きなしです。
まずは、平戸市内の足湯でおしゃべり。私は温泉だとすぐにのぼせてしまうので、足湯がちょうど良いんですよね。

その後は、素晴らしい歴史的遺物の宝庫、​松浦史料博物館​へ!ここがまた、確か日本史の教科書であったよね、というものの「本物」ばかりなんですよ・・・。この地方の大名松浦家の所蔵する名品揃いで、時を忘れて見入りました。ここでも、隠れキリシタンの方々がいかに迫害されたかを示す拷問の絵図などが出てきて、このような中、数十年信仰を守り続けてきた方々の思いの深さを改めて感じました。

なお、博物館や資料館に行って解説文を読むと、ついつい、「鹿児島に最初に渡航したザビエルが、何故平戸で布教を始めたのか、鹿児島と平戸がこの展示では繋がらない。補充の主張立証がほしい」とか「キリスト教徒がひたすら迫害された事実は提示されているが、何故そこまで撲滅しないとならないと権力者が考えたのか、権力者の視点からのキリスト教を解説してくれるとより深みのある起案になるはず」などと誰にも頼まれていないのに添削してしまうのは、職業病というか、私の趣味のようなもので(笑)、「あ、葦名さん、別の展示の解説文に手がかりがありました。これで、鹿児島と平戸、繋がりますよね」等と付き合ってくれた同行の皆様(特に、今回弁護士経験年数が一番長い頼もしい弟弁、加畑さん)には、感謝しかありません。

日本史好きの加畑さんは、合戦絵巻等では、独自の解説も加えて下さり、より楽しく展示を見られました。長篠の合戦をテーマにした屏風絵では、一人の兵士が走りながら持っている森家の旗印が、どうしてもJALのマークに見えてしまい、もしかして、戦場の広告兵だったのでは疑惑で、一同盛り上がりましたが、加畑さんの冷静な調査により、敗走途上の夢中で走っているシーンであることが分かり、なるほど!と納得しました。

名残惜しい平戸・長崎もついにおしまい、夢の旅の締め括りは、やはり佐世保バーガーです!
手作りのハンバーグがとても美味しく大満足でした。ただ、佐世保バーガーの定義は結構曖昧なようで、宮田さんに「佐世保バーガーの認定を受けられなかった事業者からの相談が舞い込むことは必至だよね、ちゃんと勉強しておかないと」と余計な釘を刺しておいたことは言うまでもありません。




こんなに書ける位盛り沢山だった今回の旅行、コーディネーターに、うっかりなってしまった可児さんのスケジュール管理、タイムマネージメントの素晴らしさにただただ感心しました。知らない土地にたった一人でやってきたのに、ここまで地元の良いところを理解し切って、狭いくねくね道も、混み合う駐車場もすいすい的確に運転して、最高の旅を提供して下さいました。

法テラスのスタッフ弁護士は、基本的には、仕事の内容も、赴任地域も選べません。制約がある環境下でも、難しい案件に真剣に取り組み、たまたま赴任した地域の魅力を味わい尽くし、他人にも最高の形で伝えられるような過ごし方をしてきたこと、とてもよく分かり、目頭が熱くなるような気がしました。

加畑さんも、とても忙しい中、来てくれて感謝です。加畑さんの仕事に対する姿勢、会務に対する姿勢、どちらも本当に熱いこと、前から分かっていたつもりでしたが、本当に頑張っているのだなあって改めて思いました。可児さんも宮田さんも頑張っている熱い兄弁の存在が、今後も大きな刺激になるのではないでしょうか。でも、とにかく無理しすぎてオーバーワークになりがちな傾向があるのでお身体、大切にして欲しいです!!!

宮田さんも、これから赴任する地域を実際に見て、随分気持ちが引き締まったのではないかと思います。
この旅で得たエネルギーもまた糧にして、加畑さんや可児さんの見習うべきところは見習い、でも、宮田さんの個性を大事に、日々頑張っていってほしいです!養成事務所でできることには限りありますが、赴任までの1ヶ月強も、そして赴任後も、事務所一同で応援し続けています!!!

私も今回の旅で得たエネルギー、日々に還元していきたいと思います^ ^






Last updated  2020.11.19 12:14:49
2020.11.02
カテゴリ:弁護士業務
あっという間に11月になりました。
全然ブログは更新できていませんが、日々一瞬を本当に愛しく大切に過ごしています。まだまだ成長していきたいです。

さて、この度、日弁連ひまわり基金20周年記念シンポジウムに、パネリストの一人として登壇することになりました。先ほどまで、パネリスト事前打ち合わせをしていたのですが、皆様素敵な方ばかりですし、司会進行は、同時期に東北に赴任していた、56期随一の優秀な人格者として名高い林信行弁護士(元十和田ひまわり基金法律事務所所長)です。絶対に素敵なイベントになるなあって改めて確信しました。

詳細は、下記にご案内がありますので、ご覧下さい。
事前申し込みは必要なく、どなたでもご覧頂けますし、また、開催後の動画の視聴も可能ということです。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2020/201124.html

私がひまわりに赴任していたのは2005年~2007年。​
その後のキャリアの方がずっと長いですし、この15年の間にもいろいろなことがありました。
それでも、ひまわり時代の経験や考え方は、間違いなく、私の一つの基盤となっています。そのあたりのこと、まだ完全に言語化できていないですが、お伝えしたいです。

そして、その結果として、多くの方にひまわり基金の歩み、取り組みを知って頂き、ご興味、ご関心を、そしてあわよくば「私もその一員に!」と思って頂けると本当に嬉しいと思います。

是非ご視聴ください!






Last updated  2020.11.02 13:29:32
2020.08.29
カテゴリ:弁護士業務
​先日、留学時代から続いているお勉強仲間との勉強会、Nuclear ENGR and Law Seminarに、ゲスト講師として、広島大学ご所属の廣田誠子先生をお迎えし、広島地裁判決があったばかりの「黒い雨」につき、放射線の専門家の観点から、ご報告を頂きました。廣田先生のお仲間の専門家の方々も沢山加わって頂いたので、賑やかで活気溢れる素敵な時間を過ごせました。コーディネートを担当して下さった同じく留学お勉強仲間の嶋田和真さんに感謝です!

廣田先生のご報告は1時間ほどだったのですが、その長さを全く感じさせない興味深い内容で、まったく飽きずに引き込まれました。
廣田先生のご講演の要旨は次の通りです(廣田先生にご要約頂いてしまいました!お忙しい中、ありがとうございます!)

・雨域については証言しかない
・雨域のうち、初期の線量測定結果があるのは爆心地から半径3km以内。(それも測定が古すぎて信頼度は落ちる)
・長時間残る放射性物質についてはその後に全国に降った核実験由来のものに紛れて原爆由来の検出はできない
・核実験由来に影響をうけない証拠を探す試みがたくさん行われてきたが、現在の測定精度では検出に至っていない。
・今の所、黒い雨の降っていない地域と比べて染色体異常や健康被害が特別に増えているという結果は得られていない
    ただし、一つ一つの病気が原爆のせいなのかそれ以外の要因のせいなのかを確定することは原理的に不可能。(なお被爆者援護法は因果関係は要求していない)

原爆投下から75年間、様々な分野の専門家が、「黒い雨がどこに降ったのか」「どのような放射性物質がどのくらいの量含まれていたのか」を投下直後の線量測定、土壌中の残留放射性物質の調査、気象シミュレーション、樹木の年輪に残存する物質調査、体細胞突然変異や染色体異常の調査など、あの手この手を総動員して調査しようとしてきたという歴史が、伝わってきました。
ただ、この「黒い雨」の降雨域や降雨量に関しては、上記の客観的科学的調査のどれかが決め手になるということはなく、体験者の証言が主要な証拠に位置付けられざるを得ないということも、またよく分かりました。

廣田先生、本当にありがとうございました!
個人的には、自分の周囲に、理系専攻の身近な女性が余りいないということもあり、難しい物理学や放射線に関する専門用語を自由自在に使いこなされる廣田先生が、とても眩しくて素敵でかっこ良くて、すっかり憧れてしまいました!

廣田先生の素晴らしいレクチャーの後で恐縮だったのですが、私からは、「黒い雨」訴訟判決の構造と評価、というテーマで15分程、法律家の視点からコメントさせて頂きました。私は、お恥ずかしながら、判決の報道後に、初めてこの訴訟の存在を知ったため、非常につけ刃の勉強しかできなかったのですが、下記HPにアップされている訴状や判決要旨、また広島県の工藤舞子弁護士にご尽力頂き、弁護団からマスキング済みの判決文をご提供頂く等して、何とか報告に間に合わせることができました。ご協力頂いたすべての方々に心より御礼申し上げます。
https://blackrain1.jimdofree.com/

短い準備期間であったため十分に読み込めていないものの、それでも、この判決は、下記の要素を備えた、優れた司法判断の王道を行く名判決だと感銘を受けました。
(1)条文の趣旨に遡っての文言解釈(被爆者援護法1条3号)
(2)証拠(雨域調査)の適切な評価に基づいてなされた合理的な判断基準
(3)法律、通達の趣旨に遡っての立証責任軽減
(4)丁寧なあてはめ

注目すべきは、全面勝訴とはいえ、あくまで各原告のケースを丁寧に規範にあてはめた結果の個別判断であって、新たな基準を作り出してもいなければ、類型的な降雨域を認定してもいないということです。
個別判断である以上、何故、控訴せずに確定させられなかったのか。確定させて、提訴した原告の方々を救済しつつ、判決が投げかけた問題点に答えるために、基準を改訂していくということが何故できなかったのか。
私としては、被告(形式的には広島市、広島県、実質的には国)の姿勢に大きな疑問を感じました。

原告の方々、そして、潜在的被爆者の方々は、原爆投下時、仮に0歳だったとしても既に75歳なのですから、残された時間が多くありません。弁護団の方々の凄まじいご尽力が報われて良い解決がなされて欲しいと心から願っています。​






Last updated  2020.09.02 12:45:02
2020.08.19
カテゴリ:弁護士業務
先日、帰国してから初めて、とある裁判所の期日に代理人として参加しました。
限られた時間の中で、依頼者を背負っての代理人として裁判所や相手方代理人と渡り合う感覚、一年以上経験していなかったので、とても新鮮でした。

そして、やはり、本当に学びが多い。
事前に周到に準備して書面を練り上げていく過程も私は相当好きですが、期日の性質にもよりますが、どんなに経験を重ねても心が引き締まる期日の感覚もまた好きです。
こちらの主張の本質部分のどこを必ず伝えるか、相手方の主張もしくは裁判所サイドからの発言のどんな部分に咄嗟に疑義を呈するか、先のことまで見据えて慎重に、でも的確に、時機を失わず、どんな言葉でどんな口調で届けるか、自分が研ぎ澄まされた刀になるつもりで臨みます。

一年間、実務を離れて、勉強に没頭できて本当に心から幸せでした。自分の興味関心の赴くままに、何にもとらわれず思う存分勉強できる幸せの大きさを実感した今、目の前のことにすぐに役に立つかどうかとは別の観点から追求したい勉強をこれからもずっと継続していきます。
一方で、守るべき具体的誰かのために知性も感性も研ぎ澄まして臨む真剣勝負の現場も、かけがえのない学びの宝庫です。
二つの学びは別個独立のものではなく、相互に深く関連し合っていくことを確信しています。

新鮮な気持ちで実務の現場に戻ってこられたことを改めてとても幸せに思います。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。






Last updated  2020.08.20 04:15:43
2020.08.06
カテゴリ:弁護士業務

先日、アメリカのCovid 19 の状況についてお話をさせて頂く機会が2回あったのですが、今般、研修動画や資料がオンライン上でも閲覧できるようになりましたのでご案内します。

 

まず、本年716日に行われた日弁連の連続講座「パンデミックと人権制約基準」で用いた資料はこちらです。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/ihrstudy_themes.html

この講座では、私が担当したアメリカ以外にも、他のパネリストから、日本、フランス、韓国の状況も報告されましたので、それぞれの資料を見比べて頂くと、有意義な各国の比較ができるのではないかと思います。

 

次に、翌717日に実施した関東弁護士会連合会主催の「法律家の視点から見るアメリカにおけるCovid19 の現況」ですが、こちらは資料のみならず動画も公開されています。

http://www.kanto-ba.org/suigai/index.html

 

いずれもZoomウェビナーを用いていた関係で、私からは、聞いて下さっている方々のお顔を拝見できなかったのですが、すぐに実務にお役に立つような内容ではなかったにもかかわらず、沢山の方々にご参加頂いたとのこと、心から感謝申し上げます。

 

また、研修中も研修後も、多数の質問を頂きました。その場では正確にお答えできなかったところもありましたので、以下、少し補足させて頂きます。私の個人的見解に基づくご回答なので、異なる内容や視点での回答も大いにあり得ると思いますので、あくまでもご参考までにという趣旨です。

なお、研修本体の準備段階では勿論、補足回答を作成する際にも、UIUC時代の勉強仲間に情報提供頂いたり、ご意見をお伺いしたりしました。世界のどこにいようと、学ぶ喜びを共有し続けられる友人たちに恵まれたことに感謝の気持ちで一杯です。

 

Q1 Stimulus checkは世帯宛ではなく個人宛か?

A:はい、その通りです。税金の還付を申請する際に届け出た個人の口座に振り込まれます。16歳以下の子どもの給付金は、親権を持つ親の口座に振り込まれます。

 

Q2 法律家団体のプロボノ活動は具体的に何をしたのか、どのような相談が寄せられたのか。

A:「プロボノ活動」は、無報酬でボランティアで行う活動が前提となります。それとは別に、リーガルエイドや低所得者層向けの公的事務所、パブリックディフェンダーオフィスの活動があります。

 お恥ずかしながら、私自身はこの分野までは調べきれなかったので、同時期に、カリフォルニア大学バークレー校に、日弁連推薦の客員研究員として留学されている橋ケ谷祐可さん(法テラスに所属されています)にお伺いしたところ、いずれの分野においても、「規模、多様性、制度化のレベル」がかなり日本とは違うため、軽々にお答えしづらい分野になってしまうということです。

 ただ、橋ケ谷さんからは、少なくとも後者の、リーガルエイドや低所得者層向けの公的事務所、パブリックディフェンダーオフィスの活動について、少し情報提供頂き、余りの充実した活動に驚嘆しました。ただ、橋ケ谷さんから、既にこのテーマにつき、まとまって発信される機会があるとお伺いしたので、その際には、このブログでもご案内させて頂くということで、ご回答に代えたいと思います。

 

Q3 司法が止まらなかったということですが、裁判所での感染防止対策は、どのようにしていたのか、関連して、JuryTrialはどのように行ってたのか

A:アメリカは連邦制国家ですので、連邦裁判所とは別に州裁判が各州にあります。

まず、連邦地方裁判所で行っていた対策は、下記の時系列を見て頂くのが、一番分かりやすいと思います。ざっと見る限り、手続きの延期や裁判所を一時クローズした時期があったものの、同時に、職員をテレワークにしたり、法廷に入れる人数を制限したり、teleconferencing, videoconferencingを民事、刑事共に利用して手続きを動かす工夫はしていたようです。Jury Trialに関しては、3/19に連邦裁判所全体に出されたガイドラインでは、“Conduct jury proceedings only in exceptional circumstances.”と制限されていましたが、今はマスクとソーシャルディスタンスを確保した上で復活しているようです。

https://www.uscourts.gov/news/2020/03/12/judiciary-preparedness-coronavirus-covid-19

 

州裁判所でも下記イリノイ州裁判所のwebsiteを見る限り、基本的に同様の試みが行われていたようで、オンラインでの手続き利用が強く奨励されています。もっとも、すべての州を確認したわけではないので、各州の裁判所によって運用が異なる可能性が高いです(感染状況にもよると思います)。

https://www.champaigncircuitclerk.org/courthouse-information/news/circuit-clerk-encourages-use-of-online-services-in-response-to-covid-19/

 

Q4 司法が政策を変えていく実態があったということですが、日本ではそのような実態がない理由をどうお考えですか。

これは、素晴らしく、かつ、難しい質問で、本来私がお答えできるような問題ではないと思っていますが、思っているところを書かせて頂きます。

そもそも、「司法が政策を変えていく実態」は日本にもあるところですが、どちらかというと謙抑的で、文字通り最後の崖っぷちの砦になってしまっているところがあるような気がします。一言で言ってしまうと、様々な原因で司法手続きが使いづらいのです。

一方、アメリカの場合は、良くも悪くも気軽に司法が利用されており、こんな(内緒ですが、中には、些細な、理屈が立たなそうな、話し合いで解決できそうな)ことで訴えちゃうんだ、と思ったことも実はよくあり、その結果、政策にブレーキがかかったり、政策が変わったりということも、日本よりも頻繁に生じます。

このようにアメリカで司法が気軽に利用される一つの原因が、法律家の人数と司法予算の規模の違いにあることは間違いないと思います(ちょっと話がそれるかもしれませんが、今回アメリカ中西部に留学して、中国、韓国、台湾はじめ東南アジアの国々の存在感に感動すると同時に危機感も感じました。完全にマイノリティになる体験をすると、数は力だということが綺麗事を並べている余裕がなく肌身に沁みて分かります)。

また、Jury Trialが民事でも刑事でも憲法に基づく権利として導入されており、市民の司法参加が制度的に強制される結果、普通の市民にとって司法が身近になるという側面もあるように思います。たとえば、最高裁判所の裁判官が誰になるか等ということが国民的関心事になります。

さらに、私が思いついたわけではなく、留学時代の勉強仲間の一人で日本の官公庁から留学されているKさんに教えて頂いた調整文化の違いという視点も少しご紹介させて下さい。

「意見に食い違いが起きたときにどう決めますか、というのは、国家の大事な機能であって、それを政治でやるか、司法でやるか、みたいなところはあって、なんとなく日本は政治的に事前調整する方が好きで、司法にいくのは相当覚悟があっていくんですよね。事前調整できないものはそもそも決定できないから時間がかかっていく。一方で、アメリカは司法を使うことに慣れているし、なんとなく話せばわかるなんて言っていても仕方ないので事前調整に変に時間をかけないのだと思います。その分、戦いに慣れているので、逆に実際に戦いになったら、解決策として上手く和解を使うっていうことまで含めて慣れているのかなと。アメリカだとそもそも2大政党制で、どっちが正しいかは別に、意見が食い違っていることを認めたうえで議論する文化があるということだと思います。」

上記挙げてきたことが、ご質問の説明として正しいかどうかと言われると、自信がないのですが、私が現在思いつく限りのことを書いてみました。なお、それぞれが独立した要素ではなく相互に繋がっているというのも私の実感です。

 

Q5 アメリカの裁判のIT化について任意なのか、義務なのか。また、直接主義との関係について教えて下さい

 先に述べたとおり、連邦と州にそれぞれ裁判所があるので、まず連邦裁判所からお答えします。連邦裁判所においては、Case Management/Electronic Case Files (CM/ECF) と呼ばれる訴状や異議などの準備書面をオンラインで提出できる仕組みがあり、弁護士はこのシステムで提出することが義務づけられているということです。CM/ECFについては、連邦地裁裁判所のホームページに詳細が出ています。

 https://www.uscourts.gov/court-records/electronic-filing-cmecf

 

州裁判所は、すべてをフォローできないのですが、少なくともイリノイ州裁判所は、少なくとも民事事件につき、書類のオンライン提出を義務づけているとウェブサイトに記載がありました。

https://www.champaigncircuitclerk.org/courthouse-information/news/circuit-clerk-encourages-use-of-online-services-in-response-to-covid-19/

 

 これら一連のオンライン申請と直接主義との関係は、とても興味深いテーマなのですが、簡単に調べられることではないため、調査未了です。

 

Q6 日本はいち早く教育を止めましたが、アメリカでは止まらなかった点に関し、日本とは異なる権利意識があるということなのでしょうか。

 難しいご質問ですが、アメリカと日本、どちらの国が権利意識が強いかということは、正直なところ何とも分かりません。

 ただ、少なくともイリノイ州、そして、子どもたちが通っていた学区の場合、元々、各公立学校で、コンピューターを使う土壌がありました。幼稚園ならiPad、小学校以上ならノートパソコン、を生徒一人ずつ支給し、オンライン教材を利用した計算練習やリーディング、タイピング練習、調べ物学習、レポート提出などで毎日学校で使用していたのです。そのため、元々学校に人数分用意されていたコンピューターを生徒に支給することができたというハード面は大きいと感じます。

 また、研修中でも触れた通り、教育面だけではなく安心して過ごせる唯一の場所であるという子どもたちもいるので(温かいご飯や整った医療体制がある)、公立小学校が子どもたちの生存権を支えるような役割もあるというところも、影響したかもしれません。下記は、今年37日付のNYタイムズの記事ですが、公立学校の関係者が、 long-term closings an extreme measure and a last resort”(学校を長期間閉鎖するのは、極めて異例な最終手段です)と明言している興味深い内容です。

https://www.nytimes.com/2020/03/07/nyregion/nyc-schools-coronavirus.html

 

Q7 政府から独立した専門機関CDCのような機関は各州にもあるのでしょうか。

    CDCCenters for Disease Control and Prevention(アメリカ疾病予防センター)は、各州から上がってきた情報を集約したり、ガイドラインを出したりしていますが、それとは別に、各州の保健当局が、データの収集や公表を行っています。たとえば、私が住んでいた地域の保健当局は、ウェブサイトに詳細な情報を開示していました。

https://www.c-uphd.org/champaign-urbana-illinois-coronavirus-information.html

 

Q8 Pandemic下のアメリカの医療体制はどのようなものだったでしょうか

 このご質問に包括的にお答えできるような知識はないのですが、実際に起きたこととして報道されているニュースがアメリカの医療体制を色々な意味で象徴しているような気がするので、ご紹介しておきます。

 これは、NYタイムズの音声ニュースDailyで、729日に配信されたものです。

7/29 NY Times Daily

https://www.nytimes.com/2020/07/29/podcasts/the-daily/china-trump-foreign-policy.html?rref=vanity

 内容としては、NYの病院において実際に起きた不条理を追求した調査報道です。ごく簡単に内容を抜粋します。

・公立病院はメディケアを受けている高齢者層、無保険者を含む低所得層、市立病院は富裕層が利用しており、元々、スタッフの数や設備の整い方、先進医療や実験的治療を受けられるか否か、等で違いがあった。

・今回のパンデミックでは、スタッフの数の違いが治療の質に大きな差異をもたらした。たとえば、Emergency Roomにおいて、私立病院では一人の看護師が67人の患者を担当したのに対し、公立病院では、一人の看護師が1020人の患者を診なければならなかった。

・公立病院は、突然、容態が急変する患者や、転倒事故などに対応しきれなかったし、proningと呼ばれていた、56人の人手が必要な患者の呼吸を助ける療法が(私立病院では頻繁に使われていた)公立病院ではなかなかできなかった。公立病院の中には、致死率3倍となった病院もある。

・公立病院と私立病院との間の強力システムが確立されておらず、また、利益を上げるという観点からも、公立病院から 私立病院への患者受け入れが進まず、結局、公立病院から私立立病院に移送された患者数は50人以下にすぎない。

・連邦政府や州の肝いりで新たに作られたNational Epicenterも、不要不急の官僚主義(大量の書類を医師らに作成させたり、オンラインの使い方のトレーニングに時間を割いたり等)があったり、厳しい患者受け入れ制限があったり、救急車と各病院との契約のために、患者を直接Epicenterに受け入れることができない仕組みになっていたり等の原因で機能せず、たった79人の患者しか受け入れられなかった。







Last updated  2020.08.06 05:39:50
2020.07.10
カテゴリ:弁護士業務
連日のご案内で申し訳ありません。
7月17日(金)、17時から、下記研修の講師をつとめることになりましたので、ご案内します。

前日7月16日の日弁連シンポジウムでのご報告は、人権制約基準に関する比較法的観点から10分程度アメリカの現状をお話しさせて頂く予定ですが、この研修では、1時間、どっぷり(笑)、アメリカの現況について、お話しさせて頂きたいと思っています。現場の弁護士として、一市民として、幸か不幸かアメリカでパンデミックに真正面から遭遇してしまった経験から、今までに持ったことがない視点で考えたことは本当に沢山ありますので、できる限り正直にお話できたら良いなあと思っています。

日常の弁護士業務にすぐにお役に立つような内容ではないにもかかわらず、私の考えてきたことを整理し、言葉にする機会を与えて下さった主催者の関東弁護士会連合会のご担当の先生方、事務局の皆様に、心から感謝申し上げます。

有意義な研修になるように、引き続き努力を重ねていきたいと思います。


***************************


2020年(令和2年)7月10日 

 弁護士 各位

 関東弁護士会連合会    

理事長 伊 藤 茂 昭 

(公印省略)  

 

緊急災害研修会 第2弾

法律家の視点から見るアメリカにおけるCovid-19対策の現況のご案内

 

 平素は当連合会の活動にご協力を賜りありがとうございます。

 また,関弁連初のZoomウェビナーによるweb研修会緊急災害研修会「新型コロナウイルス相談のポイントと弁護士会の役割」には,全国から300名を超えるお申し込みをいただき,当日も300名近いご参加をいただきましたこと,御礼申し上げます。

さて,新型コロナウイルス感染症について,国内では都市部ではまだ新規感染者数が発表されておりますが,引き続き警戒をしながらも少しずつ経済活動が再開されてまいりました。一方,世界に目を向けますと,新規感染者数が日本とは桁違いに増加しており,特にアメリカは感染者数が世界で最も多い国となっております。

そこで,日弁連海外ロースクール推薦留学制度により,昨年6月イリノイ大学アーバナ・シャンペン校に留学されていた葦名ゆき弁護士(静岡県弁護士会)にコロナ禍の中でのアメリカでの経験を語ってもらい,どのような課題があったのかについてご講演頂く研修会を企画しました。葦名弁護士は,関弁連災害対策の基盤を作られたとして第1回関東弁護士会連合会賞の受賞者でもあり,現在も関弁連新型コロナウイルス感染症災害対策本部本部員をお務めいただいております。

今回の研修会もいわゆる3密を避けるためZoomウェビナーにて開催いたします。

研修会は,下記のとおりの日程・内容にて開催いたしますので,多くの皆様のご参加をお願いいたします。なお,本研修会は弁護士を対象(定員1000名)といたしますのでご了承ください。

(本研修会を録画し再放送等を行うことも検討しております。詳細が決まりましたらご案内いたします。)

1 研修会概要

  日 時:7月17日(金)午後5時から午後6時まで

  テーマ:「法律家の視点から見るアメリカにおけるCovid-19対策の現況」

  講 師:葦名ゆき弁護士(静岡県弁護士会)

 

 2 お申し込み方法

  以下の事項を記載したメールを,7月17日(金)正午までに,関弁連事務局まで,メールにてご連絡ください。

Zoomウェビナーの「URL」「ミーティングID」及び「パスワード」をご連絡します。

①メール件名に「関弁連緊急災害研修会」と記載ください。

  ②メール本文に「ご氏名,ご所属弁護士会,登録番号,メールアドレス」を記載ください。

 

 3 お申し込み先(メール)

   関東弁護士会連合会事務局

   (本研修会に関するお問い合わせにつきましても,事務局宛メールにてお願いします。)

以上







Last updated  2020.08.25 05:25:31

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