2021.07.20

インディアナ大学でのワクチン接種義務付を連邦地裁が合憲判断

​​​インディアナ州の名門州立大学インディアナ大学では、宗教的理由、ワクチンに対するアレルギー、健康上の差し控えた方が良い理由等がある場合を除き、対面授業に参加する全学生にワクチン接種を義務づけているところ、このワクチン接種義務付は、学生らの自らの身体の保全と自律性を行使する権利を侵害するとの理由で、8人の学生が大学を訴えたそうです。

このほど、連邦地裁は、同義務付は、公衆衛生のための合理的な措置であり、合衆国憲法修正第14条のDue Process条項に違反しないとして、学生側の訴えを退けました。

https://www.nytimes.com/2021/07/19/us/indiana-university-vaccine-mandate-ruling.html

まず、大学が学生にワクチン接種を義務づけていることが、素直に興味深いです。ワクチン接種が簡単であることが前提にないと、義務づけという発想にならないと思われるからです。

背景事情として、アメリカでは、ワクチン接種を受けたいと思う人は気軽に無料で受けられる体制が整っており、ワクチン接種に関する最近のホットトピックは、ワクチン接種に懐疑的な人をいかに説得するか、という点です。強固なアンチワクチン派も当然いますが、黒人やヒスパニック系、低所得者層といった、マイノリティに属する人々が、歴史的な背景からワクチン接種に懐疑的であるという現実への対応が課題になっています。

次に、この義務付けにつき、学生が訴訟を起こす、裁判の場で権利主張するというのも、アメリカらしいと思いました。そういえば、一斉にオンライン授業になった際も、ハーバード大学でオンラインなら学費を返せという集団訴訟が起きていました。今どうなっているのかフォローできていないのですが、是非はともかくとしても、裁判が本当に身近に活用されていることを感じます。

そして、修正14条は、様々な訴訟で引用される条文なので、何度も目にする機会があるのですが、法律実務家的には、​判決​の、双方の主張を丁寧に整理し、双方の利益のバランスを取りながら、条文の趣旨に遡って結論に至るというプロセスが、当たり前なのですがとても親近感があって、興味深いです。下記は結論部分です。

Recognizing the significant liberty interest the students retain to refuse unwanted medical treatment, the Fourteenth Amendment ​permits​ Indiana University to pursue a reasonable and due process of vaccination in the legitimate interest of public health for its students, faculty, and staff. 

学生の望まない医療的な行為を拒否する自由は大変重要ではあるものの、修正第14条は、インディアナ大学が学生、教職員、およびスタッフの公衆衛生の正当な利益のために合理的かつ適正な予防接種プロセスを追求することを許容している。

抽象的な条文が、現実の問題を解決する上でどう機能するか、どう機能させるべきか、現実の仕事の中で、日々追求していきたいと思います。



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Last updated  2021.07.20 06:16:19