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カテゴリ:ショートショート
「ところでどうして僕たちに矢を放ったんだ?詳しく聞かせてもらおうか?」
マイロンの問いかけにその若者はうつむいた。 「おいとっとと白状しろよ。さもないと.....」 「オイオイ、お前さんのすごい能力は分かったけどちょっと待て、乱暴な事はするなよ。」 アズキンの言葉にマイロンはたしなめた。 みんなの視線がその若者に向くと、若者は突然その場にひれ伏して言った。 「申し訳ない。俺はあんた達に警告したんだ。」 「警告した?警告しただと?」 アズキンは怒鳴った。 キジトラの若者は一瞬ひるんで黙ってしまったが、やがて意を決して語り始めた。 「俺の名はクロン。『バンブー』の一員なんだ。」 「『バンブー』?『バンブー』ってなんだ?ちょっと変な名前だけど。」 マイロンの言葉にクロンは答えた。 「『バンブー』はアクダイに反抗する地下組織の名前なんだ。幽閉されてしまったコータッツ王の居城の一角に竹の林があり、そこは庶民に解放され城下に住む者の憩いの場所になっていたんだ。今はアクダイのお陰ですべて閉鎖され近づく事もできない。あの憩える平和な国に戻したいという思いから『バンブー』と名付けたんだ。君たちの事はジャウジャウのジャウカンから知らせを受けていた。俺は君たちがついた時から見張っていたんだ。そしてあの屋根から君たちを観察していたら、路地の反対側にアクダイの監視兵たちがやって来るのが見えた。やつらは陰でこそこそしているやつや、見かけないやつ、時にはちょっと気に食わないだけのやつでもすぐに連れてってしまうんだ。だから近くに矢を放って身を隠させようと思って。本当にすまない、許してくれ。」 そう言ってクロンは頭を下げた。 それを聞いてマイロンはクロンに近寄ると右手を差し出した。 「クロン君ありがとう。」 クロンはハッとしてマイロンを見つめたが、ゆっくりを手を差し出すとマイロンの手を取った。 「なるほどな。お前いい奴じゃないか?しかしお前、矢じゃいい腕してるな。」 アズキンもそう言って二人の手の上に自分の手を重ねた。 クロンの両肩をレーオとサクランが優しく包んだ。 「あなたたちに是非俺たちのアジトに来て欲しい。まだ小さなアジトだけど、きっとみんなも歓迎してくれると思う。」 クロンはそう言って初めてほほ笑んだ。 アジトへの道すがら話したところ、このクロンという若者はマイロンたちよりも二歳年下だった。マイロンは自分が二年前、まだ武術魔法学校で学んでいた時、この若者はもうすでにこの反抗組織に入り、厳しい監視をかいくぐり生き抜いて来たことを称賛せずにいられなかった。 しかし、これもこの国に起きた不幸がいやがおうにも彼らに過酷な青春を強いたのである。 「よく来てくれた。」 そう言って手を差し出したのは精悍な顔つきのヒト属の男だった。 「俺の名はゲコク。」 マイロンたちは彼と彼の組織する反抗組織のメンバーたちと熱い握手を交わしていった。 「ジャウカンから聞いたと思うが、この国は数年前からアクダイと奴を陰で操るゲオルグという魔術師に牛耳られている。俺たちは幽閉されたコータッツ王を救い出し、前のような平和な明るい国を取り戻すために、こうして密かに活動している。君たちのような仲間を迎えることができて、うれしい限りだ。」 ゲコクはマイロンたちにそう言うと、集まった三十人足らずの仲間を見渡した。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「バンブー」で108,495だった。 こうやって見ると竹もなかなかおしゃれ。これで筍が生えてくくれれば.....
最近のクリスマスツリーはみんな人工だから、七夕の笹だって人工でも許せる。
これから暖かかくなるとこれも気持ちいいのだ。
以上の検索から896件目にして始めて出てきた別ジャンルがこれ。なるほど竹だわ。
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