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カテゴリ:ヤング・マイロン
マイロンは、「レーオ!僕を援護して。」と叫ぶなり、ゲオルグに向かって一目散に走り続けた。
ネコファムはゲオルグを守るために、マイロンに火炎魔術を放とうとしたがレーオの魔術攻撃の援護に手いっぱいで、果たせなかった。 刑場では主君を失った兵士たちが、副官の指揮のもと民衆たちと闘い始めた。アクダイの兵士も今まで彼の横暴の片棒を担ぎ、自らも暴虐無人の限りを尽くしてきたため必死だった。 すると兵隊の中から一人の兵士がゲコクたちに向かって走り寄って来た。 鎖で拘束されたゲコクたちは身構えたが、驚いた事に彼らの鎖を次々に外し始めた。 その兵士はナスコボスに振り向いてにこりと笑いかけた。 「ペパー?」 ナスコボスはやけどを負った体を横たえながらも、驚きの表情で彼を見つめた。 彼はサンクリッド鉱山の囚人を救い山頂に身を隠し、ナスコボスが捕えられる前に彼らを安全な場所に連れて行くように託された、ナスコボスの幼馴染のペパー軍曹だった。ペパーはあの後、密かにアクダイの兵隊の中に紛れ込み、今まで好機が訪れるのを待っていたのだ。 自由の身となったゲコクたちはさっそくアクダイの兵隊との戦いに加わり、アズキンも打って変わった様に、ジャウジャウたちとともに暴れまわった。 それを尻目にマイロンは走る。 小柄なマイロンがこれまで見せた事のないような速さで走りゲオルグに迫る。 マイロンがネコファムの脇をすり抜けゲオルグに飛びかかろうとしたとき、何とかレーオの攻撃をやり過ごし、ネコファムが右手を上げてマイロンを攻撃しようした。 シューッ 鋭い音が響き、ネコファムの右手に何かが刺さった。 ネコファムはその鋭い痛みに驚いて自分の腕を見た。 そこには小さな吹き矢がささっていた。 「こ、これは?」 「それは毒矢だよ、ネコファムさん。まもなくあなたは死ぬよ。僕が作った猛毒でね。」 ネコファムが振り向くとゲオルグを後ろにしてマイロンが立っていた。 「オリンありがとう。君の吹き矢の腕はやっぱり大したもんだよ。」 マイロンは言った。 舞台のそでに隠れていたオリンは吹き矢を握りしめた手を持ち替えながら、照れくさそうに頭をかいた。 「マイロン、なんという事をするのです?敵はゲオルグです。ゲオルグを倒すのです。」 キョンはヒーナに『女神の秘薬』をもらって少し口に含んだ後、まだか弱い声でマイロンを責めた。 しかし、マイロンの調合した猛毒の効果はすさまじく、ネコファムは膝をつき、両手を床につけると体はブルブルと震え、激しい苦痛で顔をゆがませながらついに床に倒れ、すぐに動かなくなってしまった。 すると傍に立っていたゲオルグも糸が切れた操り人形の様に傍に倒れた。 「どういう事?」 サクランから『女神の秘薬』を受け取り一気に飲んで、いち早く回復したナスコボスが駆けつけて来て聞いた。 マイロンは言った。 「ゾーゲンは実はネコファムさんに乗り移り、逆にゲオルグを操っていたんです。だから悪いけどネコファムさんには今度は本当に死んでもらうしかなかったんです。」 「死んでもらうしかないって、ネコファム姉さんが。他に何か手があったはずです。」 ナスコボスはマイロンに飛びかかろうとした。 「お待ちなさい。」 後ろから声がして振り向くとキョンが立っていた。 「マイロン正直におっしゃい。」 驚異的な回復効果を持つマイロン製の『女神の秘薬』でキョンも元気を取り戻し二人のもとにやって来た。 マイロンはゲオルグに振り向き、ゲオルグの腕が小刻みに震えだしたのを見届けて話し始めた。 「実は・・・・」 これは元自衛隊幕僚の反撃?
F1レーサーも反撃。
バートランカスターも反撃。よく見るとピーターフォークも反撃。
パンチングボールも反撃。 あっ、君はいいから。
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