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カテゴリ:グーとタラの宇宙放浪記
地球のあるキョーヘン宙域にはワームホールがなく、ワームホールがある最寄りの宙域には10宇宙標準日かかる。
もう少し高価な宇宙船ならもっとスピードが出るので、せいぜい3宇宙標準日くらいなのだが安物の宇宙船組み立てキットで作った宇宙船だから仕方はないが。 ワームホールに飛び込めば宇宙船の速さはあまり関係ないからそれまでの辛抱だ。 地球の単位では既に地球から1万8千光年のところまで来ていた。 5人は他にやる事もないので、みんなで「7だらけ」というカードゲームをする事にした。まあ地球で言うところのトランプだ。 ルールはこうだ。 名前が『7だらけ』なのになぜかカードは581までの番号(どうせなら777枚がいいだろうに、この広く文明の発達した宇宙国家でも理由は分からず昔からそうであり、そうであるから今更変えられないだけ)が振られおり、それぞれに役目と長所短所、強みと弱みがある。さらにこの581枚のカードのうち、7枚をひとセットの組み合わせで更に様々な強さに変化する。 したがってまずは7枚のカードを集めるところから始まる。集め方は親が場札から5人の場合はプラス2枚の7枚を抜き出し、親が3枚、他の者に1枚ずつ与え必要なければ場札に返す。親は2枚以上戻さなければならない。各自親を7回ずつ行い最終的に残った7枚でまず初期ポイントが決まる。それから順番にカードを出して行き、それぞれのカードの組み合わせで勝者が決まり、ポイントも決まる。そのポイントの合計で勝敗が決まるのだ。ただし、集めたカードが7枚でない場合は失格となり0ポイントで勝敗の対象から除外される。 要するに地球人には全然分からないと言えばいいのかも知れない。 5回を終わってジョンジさんが断然勝っており、グーが最下位だった。 その時自動管制装置から警報が鳴った。 ドドンドドン、ドドンドドン、カカッカカ、ドドンドドン、カカッカ 陽気な太鼓のお囃子が響き渡った。 「なんだこの警報の音は」 タラは眉を寄せた。 「これか?ちょっと気に入って新しい警報にしてみたんだ。」 グーはそう言い、もう勝ち目はないので何の警報か確認に席を立った。 「なんてこった!」 すぐにグーの絶叫が返って来た。 『7だらけ』を中断してみんながグーのもとに集まって来た。 「エンジンが燃えている。」 しばらくして絶句していた全員の絶叫が船内を揺るがした。 「えーっ???」 グーがすぐにスイッチを切ったため致命傷にはならなかったが、宇宙船で修理する事は到底無理だった。どこか近くの宇宙国家加盟星に降りて修理が必要だった。 原因は跳躍ユニットとエンジンの連結配線マニュアルの17,952ページの412行目にプリントミスがあり、54,012本の結線の一本のプラスマイナスが逆になっていたためだった。 「帰ったらこの会社を訴えてやる。」 グーは息巻いた。 宇宙船組み立てロボットを使えば自己診断機能で、この様なデータミスがあっても自己修正されるのだが、ロボットまで買うお金がなく、完全にお手製で組み立てなくてはならなかったため、そこまでは気付けなかったのが何とも悔しい。 Copyright (C) 2013 plaza.rakuten.co.jp/zakkaexplorer/ All Rights Reserved. 「雑貨Explorer」 今回のキーワードは「7だらけ」で見事1件ヒット。 こんなキーワードでヒットしてしまう楽天市場って何者?でも良く見ると反則気味というか笑えるヒットの仕方だった。
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