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2014.03.01
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猿渡はとんでもない事になってしまったと後悔した。
言われるがままにこの魔鬼田というおかしな奴について来てしまったため、チンピラ相手に漫談をする事になるとは。

しかも、深夜、誰も寄り付かない公園で。
そのうち飽きたチンピラどもに取り囲まれ何をされるか知れたものではない。もしかすると、先ほど支配人から手渡された、なけなしの手切れ金まで巻き上げられてしまうかも知れないのだ。

「冗談じゃない。あんな奴らを相手に漫談だなんて。お断りだ。」
猿渡は魔鬼田に食ってかかった。
魔鬼田は今度もやはり意に解することもなく平然と言った。
「大丈夫、私が請け合います。ほらごらんなさい。」
猿渡は魔鬼田の指さす方向を見て眼を疑った。

なんとあのチンピラどもが行儀よくベンチに座り、夜更けすぎの独演会を待っているのだ。

「さあ猿渡さん、早く始めないとそれこそ本当に怒りだしてしまいますよ。」
魔鬼田は急かすように言った。
猿渡は思った。

もうどうでもいいと。

大人になって手に職もなく、フリーターをしていたが生活は苦しく、そのうち一人息子の彼を女手一つで育ててくれた母親が職場で倒れ、それ以来寝たきりの状態になってしまった。やがて生活は行き詰まりどうにか生活費を工面しようと、叔父の経営する小さな芸能プロダクションに入れてもらい、フリーターをしながらこの仕事を始めたのだが。
小学校の頃、「お前面白いから大きくなったらお笑い芸人になれよ。」とよく同級生たちから言われたものだが、所詮それは仲間内のネタが受けていたに過ぎなかった事に今頃気づきながらも、生活のために観客のまばらな笑いの中で、叔父のコネだけを頼りに過ごした3年間だった。

『もうどうでもいい。』
猿渡はもう一度のこの言葉を心の中でつぶやくと、観客の待つ公園の中に足を踏み入れた。
猿渡が若者の前に立つと見下すような5人の鋭い眼光が襲ってきた。
彼は走って逃げ出したくなるのを必死にこらえながら心の中でつぶやいた。

『どうにでもなれ。』

彼は捨て鉢な気持ちで今日も全然受けなかった、最近の彼のネタをポツリポツリと始めた。
相変わらず卒倒する様な視線を浴びながら。
彼の漫談が始っても目の前の強面の観客はじっと凝視したまま何の反応もない。

こんなに緊張してやっていて面白いであろうはずがない。

彼は額から汗がにじみ出て、それを拭こうとハンカチを探した。緊張のあまりどこのポケットに入れていたか忘れあちこち手を突っ込んで探していると、チンピラどもが徐々にくすくすと笑いはじめ、ようやく汗をぬぐった後にはすっかり打ち解けて来た。
試しに自分の一番のネタをぶつけてみると、もう彼らはベンチから転げ落ちるのではないかというほど腹を押さえて、手を打ち鳴らし、膝を叩いて身を揺すって笑い転げ始めた。

こうして深夜の公園の猿渡犬太独演会は大盛況で終わった。たった5人ではあるが。

彼の漫談が終わったあと、若者たちはよく出入りしているキャバレーの経営者に掛け合うから一度そこでやってみないかと言い出した。

「どうです?この悪魔の実の効果は。」
魔鬼田の言葉に猿渡は悪魔の実をギュッと握りしめ、うなずいて言いった。
「これは悪魔の実じゃなく、笑いの種だ。」

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名前からして笑いの種。上野公園前で売っていたな。


笑いは健康の種なんだ?
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奇人達がどんな笑いの種を蒔き散らすのか?


どんな発明があるのか?昔慶応大学かなんかで、大サイズのエアーキャップ(俗にいうプチプチ)に「ヒマ」と書いて、それをプチプチ潰す「暇つぶし」という冗談発明があったが・・・・








最終更新日  2014.03.01 17:40:33
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